公開日: 2016.11.11 / 最終更新日: 2022.3.15
第48巻 p.140-141(DK480048k) ページ画像
昭和8年2月(1933年)
是月、小貫修一郎、栄一ノ演説談話ヲ編集シ「青淵論叢」ト題シテ刊行、統計資料協会ヨリ発行ス。(菊版・一冊・一七四頁)
青淵論叢 渋沢栄一述小貫修一郎編 緒言・第一―二頁昭和八年二月刊 【緒言 発行者謹識】(DK480048k-0001)
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青淵論叢 渋沢栄一述小貫修一郎編 緒言・第一―二頁昭和八年二月刊
緒言
天寿九十又二歳、私慾に恬淡名利に超然以て心を尽忠報国に臻し、身を済世救民に献げたる故渋沢青淵子爵こそ、洵に蓋世の巨人、民人の師表と仰ぐべし。況んや其生涯は旧幕蒙昧の時代より、明治・大正・昭和の三聖代に跨り、其の功績は政治・経済・教育・社会其他凡ゆる方面に亘り内外に洽く、就中我が経済界に貽せる偉勲は燦として日星の如し。方今内憂外患交々襲ふて社稷の危機迫り国家非常時の叫び喧しき際、其の功を偲び、其の徳を追慕するの念弥々切なる者豈吾人の
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みならむや。
是れ即ち本書を公にせんとする動因にして、多年に亘り直接間接に帝国の興隆に貢献し、文化の進展に寄与せし故翁の卓論高説を抜萃し以て各方面の参考に資し各人士の反省奮起の一助たらしめんとする素懐に外ならず。坊間渋沢子爵に関する著書尠なからずと雖も独り本書のみは十数年来故子爵に師事し、其の信任厚かりし小貫修一郎氏が子爵親らの口述に基きて編著し而も子爵の校閲を経たる点に於て断然他書と其の撰を異にし、最正確にして又最権威あるを断言に躊躇せず。
肯て江湖諸賢の一読を乞ふ。
発行者謹識
青淵論叢 渋沢栄一述小貫修一郎編 奥付昭和八年二月刊(DK480048k-0002)
第48巻 p.141 ページ画像
青淵論叢 渋沢栄一述小貫修一郎編 奥付昭和八年二月刊