デジタル版『渋沢栄一伝記資料』

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公開日: 2016.11.11 / 最終更新日: 2020.3.6

3編 社会公共事業尽瘁並ニ実業界後援時代

1部 社会公共事業

7章 行政
1節 自治行政
5款 深川区関係 2. 浅野セメント深川工場降灰問題
■綱文

第48巻 p.341-342(DK480105k) ページ画像

大正5年12月20日(1916年)

浅野セメント株式会社深川工場降灰問題再燃シ、深川区民、明治四十四年三月二十七日付仲裁書ニ仍リテ工場移転ノ履行ヲ要求ス。栄一等会社代表者之ト折衝シ、是日工場撤廃期限ヲ大正六年十二月二十五日迄ニ延期スル旨契約ヲ締結ス。


■資料

浅野セメント株式会社営業報告書 第九回大正六年一月刊(DK480105k-0001)
第48巻 p.341 ページ画像

浅野セメント株式会社営業報告書 第九回大正六年一月刊
    処務要件
一、東京深川工場ハ曩ニ降灰問題ニ関シ、明治四拾四年参月弐拾七日附仲裁書ニ依リ、明治四拾九年末即チ大正五年拾弐月末日限リ現在工場ヲ撤廃スヘキ協定ナリシニ、欧洲戦乱突発ノ為メ、川崎工場ノ完成遅延シタルニ付、大正六年拾弐月弐拾五日迄延期ノ承諾ヲ得タリ、


集会日時通知表 大正五年(DK480105k-0002)
第48巻 p.341 ページ画像

集会日時通知表 大正五年       (渋沢子爵家所蔵)
十二月九日 土 午後二時 深川区役所(浅野セメントノ件)


集会日時通知表 大正六年(DK480105k-0003)
第48巻 p.341 ページ画像

集会日時通知表 大正六年       (渋沢子爵家所蔵)
壱月四日 木 正午 浅野セメント会社ノ件ニ付御会合(帝国ホテル)
   ○中略。
壱月三十日 火 午後五時 浅野セメントノ件(トキワヤ)
   ○中略。
拾二月廿四日 月 午前九時 浅野セメントノ件(兜町)


渋沢栄一 日記 大正六年(DK480105k-0004)
第48巻 p.341-342 ページ画像

渋沢栄一 日記 大正六年       (渋沢子爵家所蔵)
一月三十日 晴 寒
○上略 午後五時浜町常盤屋ニ抵リ、浅野セメント会社降灰ノ事ニ付仲裁
 - 第48巻 p.342 -ページ画像 
者其他ノ人々ヲ招宴ス、河野・中野・黒岩・塩谷・中村・菊池・植木松本ノ諸氏来会ス、余ハ一場ノ挨拶ヲ為シ一同歓ヲ尽シテ散会ス、夜十時帰宿 ○下略


竜門雑誌 第三四四号・第九四頁大正六年一月 ○浅野セメント会社降灰問題落着(DK480105k-0005)
第48巻 p.342 ページ画像

竜門雑誌 第三四四号・第九四頁大正六年一月
○浅野セメント会社降灰問題落着 去る明治四十四年中同社降灰に付附近住民より苦情出で、其結果会社側に於て明治四十九年を期限として其立退を声明し、漸く落着したることありしが、其期限たる昨年末に至りても、時局の為め会社に於て移転の実行出来難きに付、又しても問題となり、黒岩周六・塩谷恒太郎両氏深川区民を代表せりと称し十二月初旬以来頻りに会社に対して立退実行を迫り、会社当局者と数次会見協議し、青淵先生にも先年来の関係より常に其協議に与りたりとのことなるが、旧臘二十日に至り漸く解決し、大要左の如き契約書を取交はしたりと云ふ。
 第一条 大正六年十二月廿五日を撤廃期限として、同日以後は深川工場に於けるセメント製造を廃止し、一切塵煙を出さゞる事
 第二条 同年十二月廿六日中野武営・柿沼谷雄・河野広中・黒岩周六・塩谷恒太郎・中村富三郎・山崎繁次郎・深川青年団員は深川工場に臨み、前条履行の実績を検分す可き事
 第三条 会社に於て如何なる設備を為すも、之を口実として第一条第二条の実行を拒むを得ざる事
 第四条 明治四十四年三月廿七日の仲裁事項承諾書は本契約締結の為撤廃期限を延長したる外、其効力を失はざるものとす
 第五条 本契約は浅野セメント株式会社及男爵渋沢栄一に於て実行の責に任ず可き事
因に調印者は青淵先生、中野・柿沼・河野・黒岩・塩谷・浅野・大川白石・中村・山崎・菊池の十二氏なりとのことなり。