デジタル版『渋沢栄一伝記資料』

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公開日: 2016.11.11 / 最終更新日: 2018.12.20

3編 社会公共事業尽瘁並ニ実業界後援時代

1部 社会公共事業

8章 軍事関係諸事業
2節 軍事関係諸団体
4款 社団法人大日本国防義会
■綱文

第48巻 p.628-632(DK480174k) ページ画像

大正7年10月(1918年)

是ヨリ先、大正三年当会組織セラレ、栄一会員トナル。同七年会長中野武営ノ死去ニヨリ、是月栄一、推サレテ当会会長ニ就任ス。


■資料

渋沢栄一 日記 明治四五年(DK480174k-0001)
第48巻 p.628 ページ画像

渋沢栄一 日記  明治四五年       (渋沢子爵家所蔵)
三月十六日 曇 寒
午前七時半起床入浴シテ朝飧ヲ食ス、後安井正太郎氏来リテ国防義会設立ノ事ヲ談ス、趣意書ノ草案ヲ一覧シテ同氏ニ返却ス○下略


中外商業新報 第一〇二五一号大正三年一一月四日 ○国防義会の組織(DK480174k-0002)
第48巻 p.628 ページ画像

中外商業新報  第一〇二五一号大正三年一一月四日
    ○国防義会の組織
大日本国防義会は三日午後一時商業会議所に組織総会を開き出席者六十七名、山田英太郎氏開会の挨拶を述べ、中野武営氏を座長に推し、会務の報告あり、規約を決議し、左の役員を選挙せし後、約五時より築地精養軒に懇親会を開き散会せり
 △会長中野武営△副会長欠△調査部長海軍少将竹内平太郎△会計監督図師民嘉・香坂駒太郎・鈴木梅四郎△幹事長山田英太郎△幹事葛生東介・安井小太郎、外一名欠△評議員六十七名


各個別青淵先生関係事業年表(DK480174k-0003)
第48巻 p.628 ページ画像

各個別青淵先生関係事業年表        (財団法人竜門社所蔵)
    大日本国防義会
 大正元年秋
東京商業会議所会頭中野武営ト山田英太郎ノ両人発起シ、青淵先生ニ会員タルコトヲ慫慂ス
 大正三年十一月三日
創立総会ヲ行フ、青淵先生会員タリ、会ノ目的ハ国防ヲ単ニ専門軍人ノミニ委ネス、広ク全国民ノ間ニ国防観念ヲ普及涵養スルニ在リ
 大正七年十月
中野会長死去○八日、青淵先生ニ会長ヲ懇望ス、先生辞去セントス、頻リニ推サレテ遂ニ就任ヲ諾ス


大日本国防義会書類(DK480174k-0004)
第48巻 p.628-632 ページ画像

大日本国防義会書類            (渋沢子爵家所蔵)
(印刷物)
    大日本国防義会設立趣意書
凡ソ国防ハ一国国命ノ繋ル所ナリ。軍備ノ事一日モ国民ノ脳裏ヲ去ルベカラズ。況ンヤ単ニ経費ノ一事ヲ以テスルモ、宇内列強皆共ニ国家歳出ノ主要部ヲ占ムルヲ例トシ、揀択ノ当否、施設ノ得失、直ニ国家ノ生存力及ビ発展力ニ影響シ、延テ盛衰興亡ノ勢ヲ成ス、彼ノ列強ノ
 - 第48巻 p.629 -ページ画像 
国官民ノ間、各種調査研究ノ機関アリ。思ヲ国防ニ潜メ意ヲ軍備ニ致シ、精査深究倦ムヲ知ラザルモノ洵ニ以ヘアリト云フベシ。
顧ミテ看レバ、我国民ノ国防軍備ニ於ケル、留心敢テ切ナラズトセズト雖モ、惜ムラクハ意ヲ用ヰテ未ダ周到ナラズ。国防方針ノ事、国力調節ノ事ト、動員用兵ノ事、作戦計画ノ事トヲ問ハズ、苟モ軍事ニ関スルモノハ、大小一併、挙ゲテ専門軍人ノ一手ニ放委シ、復タ多ク省ミザルノ風ナシトセズ、因習ノ然ラシムル所ト謂フト雖モ、抑亦一般軍事思想ノ未ダ発達セザルニ職由スルナシトセンヤ。開国進取ノ洪謨ヲ奉体シテ、益々国家ノ隆昌ヲ希図スル国民ヲ以テシテ、将タ世界ノ均勢ニ伍シ、東洋ノ平和ニ任シ、地位ヤ、責任ヤ、愈々高且大ヲ加フル帝国ノ国民タルヲ以テシテ、其今日ニ至ルマデ国防軍備ノ上ニ於テ未ダ一個調査研究ノ機関ダモ之ヲ有セスト云フ。豈ニ寔ニ憾ムベキノ事態ニアラズヤ。
或ハ曰ク国防ハ軍国ノ枢機ナリ。妄ニ門外漢ノ容喙ヲ許ス可カラズト然レドモ凡ソ軍事上機密ノ性質ヲ帯ブルモノハ、動員命令、作戦計画等ノ数項ニ過ギズシテ、寧ロ其根本義トモ言フベキ国家防衛ノ大方針軍備ト国家経済トノ関係、軍備ト外交トノ関係、軍備ト国力発展トノ関係、軍備ト移民拓地トノ関係、軍備ト通商貿易トノ関係、軍備ト殖産興業トノ関係、軍備ト国民教育トノ関係等ニ至ツテハ、広ク一般有識者ノ調査研究ニ俟タザル可カラザルモノ多キニアラズヤ。之ヲ奈何ゾ軍国ノ枢機、国民ヲシテ干知セシム可カラズトセンヤ。要之、軍備ヲ計画シ、用兵作戦ノ事ニ任ズルハ、素ヨリ専門軍人ノ職責ニシテ、敢テ一般国民ノ干与ヲ容サズト雖モ、広ク国家防衛ニ関スル方針施設以下、各般ノ要事ニ渉リテ調査シ研究シ、以テ其根本基礎ノ立定ニ啓沃スルハ、正ニ吾人国民ノ任務タルベキヲ信ズ。而シテ一般軍事思想ノ発達ニ裨益スルノ道、亦之ヲ措テ他ナキヲ思フ。
如上ノ趣旨ニ基キ、吾人同志相集ツテ玆ニ大日本国防義会ヲ組織ス。冀クハ大方諸賢ノ賛同ト協力トニ依リ、此事業ノ大成ヲ得ンコトヲ。
  大正元年十月設立準備会ニ於テ   大日本国防義会発起人

社団法人大日本国防義会定款(大正十三年八月十三日法人設立認可)
      第一章 総則
第一条  本会ハ国防ニ関スル諸般ノ事項ヲ調査研究シ、其知識思想ノ普及涵養ヲ計ルヲ以テ目的トス
第二条  本会ハ社団法人大日本国防義会ト称ス
第三条  本会ハ事務所ヲ東京市麹町区丸ノ内弐丁目八番地ニ置キ、支部又ハ出張所ヲ必要ノ地方ニ設ク
第四条  本会ハ前条ノ目的ヲ達成スルタメ左ノ事業ヲ行フ
     一、講演会・討論会ヲ開クコト
     二、調査部・研究部其他必要ナル機関ヲ設クルコト
     三、関係当局ニ建議スルコト
     四、会報若ハ図書ヲ刊行頒布スルコト
     五、前各号ノ外本会ノ目的ヲ達成スル為必要ナル事業
      第二章 会員
 - 第48巻 p.630 -ページ画像 
第五条 本会々員ヲ分テ通常会員・特別会員及名誉会員ノ三種トシ左ノ区別ニ従フ
     一、通常会員ハ本会ノ維持ニ任シ毎年金六円以上又ハ一時金百円以上ヲ醵出スルモノ
     二、特別会員ハ本会ニ特種関係アルモノ又ハ本会ノ事業ヲ幇助スルモノニシテ、理事会ノ決議ヲ以テ推薦スルモノ
     三、名誉会員ハ本会ノ趣旨ヲ賛成スルモノニシテ、其地位声望本会ヲ裨益スヘシト認ムルモノ及本会ニ特別ノ功労アルモノニ就キ、評議員会ノ決議ヲ以テ推薦スルモノ
第六条  本会々員タラントスルモノハ会員二名以上ノ紹介ニ依リ、前条第一号ノ醵出金額ヲ定メ書面ヲ以テ入会ノ申込ヲ為シ本会ノ承認ヲ受クルコトヲ要ス
第七条  本会ヲ退会セントスルモノハ書面ヲ以テ其旨届出ツヘシ、但既納ノ会費ハ之ヲ返還セス
第八条  本会々員ニシテ左記各号ノ一ニ該当スルモノハ評議員会ノ決議ヲ以テ之ヲ除名スルコトアルヘシ
     一、本会ノ名誉ヲ毀損シ若ハ本会ニ対シ不利益ナル行為アリト認メタルトキ
     二、本会ノ定款其他ノ会則ニ違背スル行為アリタルトキ
第九条  会費ノ怠納六箇月以上ニ及フモノハ前条ノ規定ニ拘ハラス直ニ会員タル資格ヲ喪失スルモノトス
      第三章 役員及職員
第十条  本会ニ左ノ役員ヲ置ク
     一、会長    一名
     二、理事    三十名以内
     三、監事    五名以内
     四、評議員   若干名
第十一条 会長ハ理事中ヨリ、理事及監事ハ評議員中ヨリ、各互選ヲ以テ之ヲ選挙シ、評議員ハ会員総会ニ於テ会員中ヨリ之ヲ選挙ス
第十二条 役員ノ任期ハ三年トス、但重任ヲ妨ケス
     本会ノ役員ニ欠員ヲ生シタルトキハ、特ニ補欠ノ必要ナキ限リ次ノ改選期迄之ヲ延期スルコトヲ得
     補欠員ノ任期ハ其前任者ノ残任期間トス
第十三条 会長ハ本会ヲ代表シテ会務一切ヲ統理シ会員総会・評議員会及理事会ヲ招集シ各其議長ニ任ス、但会長事故アルトキハ理事之ヲ代理ス
     理事ハ会務ヲ掌理ス、会長ハ理事中ニ就キ常任理事若干名ヲ指名ス
     監事ハ本会ノ会計及会務ヲ監査ス
第十四条 評議員会ハ評議員ヲ以テ之ヲ組織シ、会長ノ諮問ニ応シ会員総会ニ附議スヘキ事項其他重要事項ヲ決議ス
     評議員会ハ会長ニ於テ必要ト認メタルトキ、若ハ評議員十分ノ一以上ノ請求アルトキ之ヲ招集ス
 - 第48巻 p.631 -ページ画像 
     評議員会ハ評議員総数ノ十分ノ二以上出席スルニアラサレハ議事ヲ開クコトヲ得ス
     評議員会ノ議事ハ出席員ノ過半数ヲ以テ之ヲ決ス、可否同数ナルトキハ議長ノ決スル所ニ依ル、但総会ニ提出スヘキ定款変更案ノ決議ハ出席員ノ三分ノ二以上ノ同意アルニアラサレハ之ヲ為スコトヲ得ス
第十五条 会長ハ理事会ノ決議ニヨリ名誉顧問及相談役ヲ推薦シ、又ハ参与委員ヲ嘱託スルコトヲ得
     名誉顧問及相談役ハ会務ノ執行ニ関シ会長ニ対シ意見ヲ述ヘ又ハ理事会ニ出席スルコトヲ得
     参与委員ハ会長ノ区署ニ従ヒ会務ニ参賛ス
第十六条 本会ニ左ノ職員ヲ置キ会長之ヲ任免ス
     一、幹事 若干名
     二、書記 若干名
第十七条 幹事ハ会長及常任理事ノ命ヲ受ケ会務ヲ処理シ、書記ハ幹事ノ指揮ニ従ヒ会務ニ服ス
      第四章 会員総会
第十八条 定時会員総会ハ毎年一回之ヲ東京市ニ招集シ、事務及会計ノ報告ヲ為シ及重要ナル事項ヲ決議ス
     臨時会員総会ハ会長ニ於テ必要ト認メタル場合及会員三分ノ一以上ノ請求アリタル場合ニ之ヲ招集ス
第十九条 会員総会ハ少クトモ開会五日前ニ、附議事項及日時場所ヲ具シタル通知状ヲ発シテ之ヲ招集スヘシ
第二十条 総会ノ議事ハ出席会員ノ過半数ヲ以テ之ヲ決ス、可否同数ナルトキハ議長ノ決スル所ニ依ル、但定款変更ノ決議ハ出席会員ノ三分ノ二以上ノ同意アルニアラサレハ之ヲ為スコトヲ得ス
      第五章 資産
第廿一条 本会ノ資産ハ基本金、会員ノ醵出金、寄附金及其他ノ収入ヨリ成立ス
第廿二条 本会ノ基本金ハ指定寄附金又ハ理事ノ決議ヲ以テ之ヲ定ム
     但設立当初ニ於テハ大日本国防義会ヨリ継承シタル資産ノ内、金壱万円ヲ下ラサル金額ヲ定メテ基本金トナス
第廿三条 本社団資産ノ管理使用及処分ハ設立者及理事ノ決議ニ拠ル
第廿四条 本社団解散ノ場合アル時ハ、本会ノ資産ハ主務官庁ノ許可ヲ得テ、設立者及理事ノ決議ヲ以テ之ヲ処分ス
第廿五条 本会ノ経費ハ基本金ノ利子、会員ノ醵出金、寄附金、其他ノ収入ヲ以テ之ニ充ツ
第廿六条 本会ノ会計年度ハ毎年一月一日ニ始マリ十二月三十一日ニ終ル
      附則
第廿七条 大日本国防義会規約ニ拠ル会員及名誉顧問ハ本定款ニヨル会員及名誉顧問トス
第廿八条 本社団設立ノ際ニ於ケル会長ハ大日本国防義会現任会長之
 - 第48巻 p.632 -ページ画像 
ニ当ル
第廿九条 大日本国防義会ノ資産ハ本社団ニ継承スルモノトス
第三十条 本会事務施行ノ為必要ナル細則ハ別ニ之ヲ定ム
  役員(社団法人大日本国防義会 昭和二年十一月現在)
    名誉顧問
   曾我祐準 子爵 斎藤実 子爵 渋沢栄一
    理事
   山田英太郎   山口勝      手塚猛昌
   森山慶三郎   望月軍四郎 子爵 花房太郎
   神林虎雄    淡中孝八郎    長岡外史
   中野金次郎   前田珍男子    亀岡豊二
   田中次郎    谷田繁太郎    相馬平治
    監事
 子爵曾我祐邦    増島六一郎    若林成昭
   笠井愛次郎
    評議員
   井上準之助○外七一名氏名略ス
  ○栄一、大正十二年顧問ニ就任ス。後掲資料参照。