デジタル版『渋沢栄一伝記資料』

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公開日: 2016.11.11 / 最終更新日: 2018.12.20

3編 社会公共事業尽瘁並ニ実業界後援時代

1部 社会公共事業

9章 其他ノ公共事業
1節 記念事業
7款 財団法人三笠保存会
■綱文

第49巻 p.74-80(DK490026k) ページ画像

大正13年(1924年)

是年、日露戦争当時、我国聯合艦隊ノ旗艦タリシ戦艦三笠ヲ保存シ、之ヲ国民的記念物トスルノ趣意ノ下ニ、三笠保存会設立セラレ、栄一ソノ評議員トナル。後、当会組織ヲ財団法人ニ改ムルニ際シ、金二百円ヲ寄付ス。


■資料

諸会発起趣意書(一) 【(印刷物) 謹啓 益々御隆昌奉賀候 陳者過ぐる日露戦役に於て赫々たる偉勲を奏し、光栄ある我が史上に永遠の名を残し候戦艦三笠が…】(DK490026k-0001)
第49巻 p.74-77 ページ画像

諸会発起趣意書(一)          (渋沢子爵家所蔵)
(印刷物)
謹啓 益々御隆昌奉賀候
陳者過ぐる日露戦役に於て赫々たる偉勲を奏し、光栄ある我が史上に永遠の名を残し候戦艦三笠が、華府会議の決議により破棄さるべき運命に逢着致候は、我国民の痛嘆措く能はざる処に有之、不肖等は此の光輝ある国民的記念戦艦を葬り去るに忍びず、先般来之が保存方に付百方奔走尽力を試み候結果、幸にして関係諸外国の承諾と海軍方面の諒解とを得、然るべき方法さへ確立するに於ては、同艦を保存し得ることゝ相成候は御同様欣喜に堪えざる処に有之候。依て今回愈々之が保存に関する種々の事業を遂行するの目的を以て、別紙規則書の要綱により、三笠保存会なるものを組織し、同時に、同規則第二十七条による創立当時の評議員として、別紙規則書末尾に記載せる諸賢に御就任を願度と存候間御繁忙中恐縮には候へ共、貴下に於ても是非同会に御入会の上評議員に御就任の儀御承諾を得度此段奉得貴意候。敬具
  大正十三年 月 日
    (宛名手書)
    子爵
     渋沢栄一殿
             三笠保存会発起人(イロハ順)
                    伊藤亀雄
                    猪股平三郎
                    石村誠一
                    岩永裕吉
                    伊東米治郎
                 侯爵 蜂須賀正韶
                 男爵 東郷安
                    大橋新太郎
                 子爵 小笠原長生
                    太田正孝
                    大谷誠夫
                    伊達源一郎
                    鶴見祐輔
 - 第49巻 p.75 -ページ画像 
                    野沢枕城
                    山田三良
                    矢野恒太
                    山根真治郎
                    松方幸次郎
                    松波仁一郎
                    明石徳一郎
                 伯爵 二荒芳徳
                    坂口二郎
                    佐藤三郎
                    木村猛
                    光永星郎
                 男爵 斯波忠三郎
                    斯波貞吉
                    末広恭二
                    杉村広太郎
                    藤村義苗
                    芝染太郎
尚ほ会長には男爵阪谷芳郎氏御就任の御承諾を得申し候
(別紙、印刷物)
    三笠保存会々則
      第一章 総則
第一条
 本会ハ日露戦役当時ノ我聯合艦隊ノ旗艦トシテ偉勲ヲ奏シタル軍艦三笠ヲ、ワシントン海軍条約ノ規定及精神ニ違反セザル方法ニ於テ之ヲ国民的記念品トシテ保存シ、其ノ歴史的価値ヲ永ク国民ニ印象セシムルコトヲ目的トス
第二条
 本会ハ之ヲ三笠保存会ト称ス
第三条
 本会ハ当分事務所ヲ東京市海軍協会内ニ置ク
第四条
 本会ハ其ノ目的ヲ達スル為メ左ノ事業ヲ行フ
  一、三笠ノ保存ニ必要ナル施設ヲナシ、且ツ其ノ維持方法ヲ講スルコト
  二、三笠ヲ汎ク公衆ニ観覧セシメ、又ハ之ヲ公共的性質ヲ有スル会ニ貸与スル等、三笠ノ保存及記念ヲ目的トスル一切ノ行為
  三、其ノ他本会ノ目的ヲ達スルニ必要ナル行為
      第二章 ○章名ヲ欠ク
第五条
 本会々員ヲ分チテ特別会員及通常会員トス
第六条
 本会ノ趣旨ニ賛シ本会ニ対シ一時金金拾円以上ヲ寄附シタルモノヲ通常会員トシ、一時金金壱円以上ヲ寄附シタルモノヲ通常会員トス
 - 第49巻 p.76 -ページ画像 
第七条
 会員中退会セントスルモノハ其旨理事会ニ届出ツルコトヲ要ス
 但シ既納寄附金ハ之ヲ返還セズ
      第三章 役員
第八条
 本会ニ左ノ役員ヲ置ク
   会長     一名
   副会長    二名
   理事     七名
   評議員    五拾名以上
○中略
      第六章 附則
第二十六条
 本会ハ適当ノ時ヲ俟ツテ其組織ヲ変更シテ財団法人ヲ設立スルコトヲ期ス
第二十七条
 左記諸氏ヲ本会当初ノ評議員ニ推挙ス
        三笠保存会評議員 (イロハ順)


図表を画像で表示三笠保存会評議員 (イロハ順)

       伊藤亀雄          石村誠一       石川安次郎         伊東米治郎       岩永裕吉          一戸兵衛       猪股平三郎         井坂孝       岩原謙三       (男)大倉喜八郎       井上準之助      (子)小笠原長生    (子)井上匡四郎      (博)太田正孝       岩崎勲           大谷誠夫       岩崎達人          岡野敬次郎       岩井勝次郎         小野英次郎       稲畑勝太郎         岡田良平    (侯)蜂須賀正韶         小倉正恒       服部金太郎         小川郷太郎       浜岡光哲          渡辺千代三郎       坂野鉄二郎         渡辺義郎       植原悦次郎         鎌田栄吉       西村総左衛門        柏谷義三《(粕谷義三)》       堀啓次郎          河井弥八    (伯)東郷平八郎      (子)金子堅太郎    (男)東郷安           川西清兵衛       栃内曾次郎         川北栄夫    (公)徳川家達       (博)片岡安    (伯)珍田捨巳          金子直吉       大橋新太郎         上遠野富之助       岡田忠彦          米山梅吉       岡田哲三          伊達源一郎  以下p.77 ページ画像     (男)田中義一          野口遵       団琢磨           草鹿丁卯次郎       谷口房蔵       (博)山田三良       田島錦治       (男)山本達雄    (博)添田寿一          矢野恒太       鶴見祐輔          山道襄二       頭本元貞          山根真治郎       根津嘉一郎         山梨半造       中村是公          山科礼蔵       長岡外史          山屋他人       永田秀次郎         八代六郎       中田錦吉          八代則彦       楢崎猪太郎         山岡順太郎       武藤山治          馬越恭平       村井吉兵衛         松方幸次郎       村山竜平          町田忠治       村上令蔵          松波仁一郎    (男)瓜生外吉          松風嘉定       内田嘉吉       (男)藤村義朗       宇佐見勝夫         藤山雷太       野田卯太郎      (伯)二荒芳徳       野沢枕城       (男)藤田平太郎       藤村義苗          木村猛       藤井弘基       (子)清浦奎吾       小松緑           喜多又蔵    (子)後藤新平       (博)菊池恭三    (公)近衛文麿          湯川寛吉       児玉謙次       (博)水野錬太郎    (男)郷誠之助          光永星郎       小室利吉       (子)渋沢栄一       香月錠之助      (博)下村宏       江口定条          島徳三       江木千之       (男)斯波忠三郎       安達謙蔵          斯波貞吉       明石徳一郎         芝染太郎       安宅弥吉       (博)平山成信       荒木寅二郎《(荒木寅三郎)》  平生釟三郎    (男)阪谷芳郎       (男)森村開作       坂口二郎          本山彦一    (男)斎藤実        (博)末広恭二       坂本俊篤          杉原栄三郎       佐藤三郎          杉村広太郎       沢柳政太郎         鈴木摠兵衛    (博)斎藤恒三 



 - 第49巻 p.78 -ページ画像 

諸会発起趣意書 (二) 【拝啓 益御清福奉賀候、陳者日本海々戦ニ於テ不朽ノ雷名ヲ轟シタル軍艦三笠ハ、先年軍備縮少ニ関スルワシントン会議ノ結果破壊スルコトニ…】(DK490026k-0002)
第49巻 p.78 ページ画像

諸会発起趣意書 (二)          (渋沢子爵家所蔵)
拝啓 益御清福奉賀候、陳者日本海々戦ニ於テ不朽ノ雷名ヲ轟シタル軍艦三笠ハ、先年軍備縮少ニ関スルワシントン会議ノ結果破壊スルコトニ一旦決定ノ処、斯クテハ帝国海軍ノ歴史上名誉ノ記念物ヲ喪失スルコトニ相成リ、国民一般深ク愛惜ノ情ニ堪ヘサルモノ有之、終ニ有志相集リ三笠保存会ト云フ一会ヲ起シ、帝国政府並英・米・仏三国政府ニ嘆願ニ及ヒ候処、何レモ同情快諾ヲ表セラレ候ニ付、船体ハ武装ヲ解キ其儘横須賀軍港ノ一隅ニ喫水以下ヲ据付トシ保存スルコトニ相成候、就テ右据付保存工事費約弐拾七万円ハ海軍省ニ於テ負担支弁シ本年度中ニハ其工事ヲ竣リ一般ノ縦覧ヲ許スコトニ相成可申候、外ニ基金トシテ参万円ハ本会ノ組織ヲ財団法人ニ改メタル上ニテ、海軍省ヨリ本会ニ交付可相成トノコトニ候、依テ至急本会ノ組織ヲ財団法人ニ改ムルノ必要有之、右ニ付法人登記ノ必要上先以テ参千円ヲ本会基金トシテ登記致度、右ヲ約十五人ノ諸君ニ割リ、尚此際御一名ニ付弐百円御寄附ヲ願度、其余ハ法人成立ノ上ニテ一般ニ寄附ヲ募リ、将来三笠艦ノ保存費ニ充テ「皇国ノ興廃此ノ一挙ニアリ」ノ警句ト共ニ、永ク帝国海軍ノ功績ヲ実物ヲ以テ子孫ニ伝ヘ武士道奨励和魂養成ノ資料ニ供シ度、何卒御聞済ノ程偏ニ御願申上候 敬具
  大正十四年五月 日
             三笠保存会長 男爵 阪谷芳郎
    子爵 渋沢栄一殿
 追テ御寄附金弐百円ハ麹町区丸ノ内第一銀行支店本会当座口ヘ御払込願上候、同行ヨリ領収証差上可申候、又整理上必要有之乍恐縮封入ノハガキニテ御承諾ノ旨御一報ヲ煩ハシ度候
(別筆)
「渋沢子爵も本会十五名中ニ参加シ金弐百円出金セラルヽコトニ決定十四年六月五日承ル」明六


諸会発起趣意書 (二) 【拝啓 尊書拝承仕り候、陳者本会基金として御寄付御願申上候向は左記の通りに有之…】(DK490026k-0003)
第49巻 p.78-79 ページ画像

諸会発起趣意書 (二)          (渋沢子爵家所蔵)
拝啓 尊書拝承仕り候、陳者本会基金として御寄付御願申上候向は左記の通りに有之、内已ニ御快諾被下候御方ニは○印《(太丸ハ朱書)》を施候、十六名ニ有之候
右不取敢御返事申上度如此御座候 拝具
  六月五日○大正一四年
                 三笠保存会事務所
    渋沢事務所殿
      記
          (太丸ハ朱書)
 子爵 渋沢栄一殿    ○
 男爵 三井八郎右衛門殿 ○
 男爵 岩崎小弥太殿   ○
 男爵 古河虎之助殿
 男爵 大倉喜八郎殿   ○
 男爵 藤田平太郎殿
 男爵 深尾隆太郎殿   ○
 - 第49巻 p.79 -ページ画像 
    藤山雷太殿
    服部金太郎殿   ○
    大橋新太郎殿   ○
    団琢磨殿     ○
    松方幸次郎殿   ○
    浅野総一郎殿
    稲畑勝太郎殿
    浜岡光哲殿
    村井吉兵衛殿   ○
    白仁武殿     ○
    児玉謙次殿    ○
    市来乙彦殿
    梶原仲次殿    ○
    小野英二郎殿   ○
    佐々木勇之助殿  ○
    串田万歳殿
    池田成彬殿    ○
        以上二十四名


諸会発起趣意書 (二) 【(印刷物) 三笠保存会寄附行為】(DK490026k-0004)
第49巻 p.79-80 ページ画像

諸会発起趣意書 (二)        (渋沢子爵家所蔵)
(印刷物)
    三笠保存会寄附行為
      第一章 総則
第一条 本会ハ日露戦役当時ノ我聯合艦隊ノ旗艦トシテ偉勲ヲ奏シタル軍艦三笠ヲ、「ワシントン」海軍条約ノ規定及精神ニ違反セザル範囲ニ於テ之ヲ国民的記念品トシテ保存シ、其ノ歴史的価値ヲ永ク国民ニ印象セシメ、国民精神ヲ養フヲ以テ目的トス
第二条 本会ハ之ヲ財団法人三笠保存会ト称ス
第三条 本会ハ事務所ヲ東京市麹町区内幸町一丁目五番地ニ置ク
第四条 本会ハ其ノ目的ヲ達スル為メ左ノ事業ヲ行フ
  一、三笠ノ保存ニ必要ナル施設ヲナシ、且ツ其ノ維持方法ヲ講スルコト
  二、三笠ヲ学生、生徒其他汎ク公衆ニ観覧セシメ、又ハ之ヲ公共的性質ヲ有スル会ニ貸与スルコト
  三、其ノ他本会ノ目的ヲ達スルニ必要ナル事業
      第二章 会員
第五条 本会々員ヲ分チテ特別会員及通常会員トス
第六条 本会ノ趣旨ニ賛シ本会ニ対シ一時金金拾円以上ヲ寄附シタルモノヲ特別会員トシ、一時金金壱円以上ヲ寄附シタルモノヲ通常会員トス
第七条 会員中退会セントスルモノハ、其ノ旨理事ニ届出ツルコトヲ要ス
  但既納寄附金ハ之ヲ返還セス
第八条 本章ノ外会員ニ関スル規定ニ付キテハ別ニ定ムル所ニ依ル
 - 第49巻 p.80 -ページ画像 
      第三章 役員
第九条 本会ニ左ノ役員ヲ置ク
     理事      拾名
     監事      二名
     評議員     若干名
  理事ノ中一名ヲ会長、二名ヲ副会長トス
○中略
第三十条 本会設立ノ当初ニ於テ会長、理事及ヒ監事ノ職務ヲ執ルモノ左ノ如シ
                   男爵 阪谷芳郎
                   男爵 東郷安
                   男爵 斯波忠三郎
                      岩永裕吉
                      鶴見祐輔
                      芝染太郎
                      伊東米治郎
                      矢野恒太
                      浜岡光哲
                      藤山雷太
                      井坂孝
                      太田正孝
                      宇佐美勝夫
                      稲畑勝太郎