デジタル版『渋沢栄一伝記資料』

昭和2年5月12日（1927年）

是日栄一、当会発会式ニ際シ、神戸市ナル同会宛祝電ヲ発ス。

財団法人楠公会書類　　　　　　　　　　　　（渋沢子爵家所蔵）
（印刷物）
謹啓　益々御清穆奉大賀候、陳者本会発会式を、愈々来る五月十二日（楠公命日）左の通り厳粛に挙行可致候間、万障御繰合の上御賁臨被成下度此段御案内申上候　敬具
　一、奉告祭　午前十時於湊川神社
　二、発会式　午後一時（昼食準備シアリ）於県立第一高等女学校講堂（市電県庁裏下車）
　三、講演会　午後二時ヨリ於同所
　　　　　　　　文学博士　三浦周行先生
　　　　　講師
　　　　　　　　法学博士　上杉慎吉先生
 - 第49巻 p.175 -ページ画像 
　　　　　　　　　　　　　　　其他諸名士
　四、余興　午後五時ヨリ教育琵琶講談　水也田呑洲氏
　　追て本会財団法人の組織は目下財界の変動に依り一時延期致し、単に「楠公会」と称することに相成候間御了承相成度申添候
　　昭和二年五月　日
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　楠公会
　　　　　　　　　　　　　　　　　　事務所　湊川神社内
　　　　（宛名・追書手書）
　　　　子爵渋沢栄一閣下
　　是非御祝電ニテモ得度奉願候
　　○当会ニハ栄一度々発起人或ハ副総裁ニ推選サレタルモ辞退ス。

財団法人楠公会書類　　　　　　　　　　　　（渋沢子爵家所蔵）
　　　　五月十二日発電（至急）
　　　神戸市湊川神社
　　　　楠公会　長屋基彦殿
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　渋沢
遥かに盛典を賀す

財団法人楠公会寄附行為　　第一―二頁昭和五年刊
　　　　財団法人楠公会寄附行為
　　　　　　第一章　名称及事務所
第一条　本会ハ財団法人楠公会ト称ス
第二条　本会ハ総本部ヲ兵庫県庁内ニ、府県本部ヲ各府県ニ置クノ外尚支部ヲ各市町村ニ設ク
　　　　　　第二章　目的及事業
第三条　本会ハ楠公父子一門ノ忠孝ヲ体シ、忠君愛国ノ精神ト質実剛健、勤倹力行ノ気風ヲ涵養スルヲ以テ目的トス
第四条　本会ハ其目的ヲ達成スル為メ左ノ事業ヲ行フ
　　一、忠君愛国・敬神崇祖ノ精神ト質実剛健・勤倹力行ノ気風涵養
　　二、楠公殉国ノ命日ニ祭典施行並ニ大会開催
　　三、毎月命日ニ会員参拝並ニ例会開催
　　四、楠公史蹟ノ踏査並ニ保存
　　五、講演会・研究会・修養会等ノ開催
　　六、社会教化事業トシテ楠公精神ノ普及並ニ実行
　　七、楠公ニ関スル図書ノ刊行及雑誌「楠公」ノ発行
　　八、望楠書院・楠公会館及同図書館ノ建設
　　九、大楠公殉国六百年祭ノ計画
　　十、各地ニ於ケル楠公会トノ連絡及統一
　　十一、前各項ノ外必要ナル事項
○下略