デジタル版『渋沢栄一伝記資料』

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公開日: 2016.11.11 / 最終更新日: 2020.3.6

3編 社会公共事業尽瘁並ニ実業界後援時代

1部 社会公共事業

9章 其他ノ公共事業
1節 記念事業
14款 其他 13. 電灯五十年記念会
■綱文

第49巻 p.186-190(DK490053k) ページ画像

昭和4年8月(1929年)

是ヨリ先、電気協会始メ各種電気事業関係諸団体、連合シテ、当会ノ組織ヲ計画ス。是月栄一、顧問ニ推サレ、之ヲ受諾ス。


■資料

電灯五十年紀念会書類(DK490053k-0001)
第49巻 p.186-187 ページ画像

電灯五十年紀念会書類           (渋沢子爵家所蔵)
(謄写版)
    電灯五拾年紀念会趣意書(案)
 一八七九年エヂソン氏及スワン氏に依て完成せられた炭素繊条白熱電球の出現を嚆矢とし、一九一四年ラングミユアー氏の瓦斯入電球発明を道程として、今日の内面艶消電球に到達するまで、五十年間電球発達の経略は、地球上に於ける暗黒の征服史であり、更に大自然に対する人類の力の表現に外ならないのである。
 今や我国の電灯数は三千二百万余灯、六億八百万燭光に上り、其の普及率に於ては世界第一位である。
 吾国に於ては電灯の発達を紀念する為、既に昭和三年三月廿五日を以て電気デーを設定し、爾後毎年此の日を以て電灯礼讃の紀念日とせられて居る。
 偶々今春英国に本部を有する万国照明委員会より、米国照明委員会の提案に係る電灯五拾年紀念祭(Light's Golden Jubilee)挙行に就き参加の勧誘あり。既に米国アトランチツクシチーに於ては、本年五月卅一日より「光の祝典」を開催し、殆総ての大建築物街路は燦然たる電飾に装飾せられて居る。其他エヂソン氏の功績を紀念すべき幾多の祝典が計画せられ実施せられつゝある。
 独逸の伯林に於ても、昨年挙行せられたライトフエスチバルを、本年一層盛大に開催せらるゝ事に決定して居る、其他英国・仏国に於ても夫々盛大なる祝典が計画せられて居る。
 アトランチツクシチーの光の夏祭、伯林に於けるライトフエスチバル、此等挙国的の光の祝典はエヂソン週間の名に依つて定められた、十月二十一日前後を最高潮として挙行せられる。
 斯の如き国際的の祝典が一斉に挙行せられる事は、人工照明の発達が、人類に附与せる恩恵の如何に偉大なるかを立証するものにして、併て其進歩改善促進の奨励に資する処、極めて偉大なる所以である。
 暗黒の征服、光と善と美への感謝は、電灯の光明遍照する処、国境を無視し人種を超越して捧げられねばならない。更に本年はメンローパークに於て、エヂソン氏が最初の白熱電球を完成して五十年、所謂Light's Golden Jubileeに相当する。此の紀念すべき機会に於て吾国が此等国際的の計画に参加するは、極めて有意義の次第と云ふ可きである。
 今春英国の提議に基き照明学会の提唱に依り、電気協会斡旋の下に
 - 第49巻 p.187 -ページ画像 
下記各団体の参加を得て、玆に電灯五十年紀念会が設立せられ、目下各種の計画に就き立案調査中である。
 此等の計画は規模広範、遍く電灯に関連する供給者・需要者其他各種団体相互の協力に俟つに非ざれば、達成するに余りに困難なるを杞憂するものである。
 願くば吾人の微意ある所を諒とせられ、応分の御援助を得て電灯五十年紀念会有終の美を成さしめん事を切に希望する次第である。
  加盟団体
      社団法人電気協会
      社団法人電気学会
      社団法人照明学会
      社団法人照明学会照明智識普及委員会
      社団法人家庭電気普及会
      社団法人帝国発明協会
      社団法人農事電化協会
      日本照明委員会
      東京電気業組合


電灯五十年紀念会書類(DK490053k-0002)
第49巻 p.187 ページ画像

電灯五十年紀念会書類           (渋沢子爵家所蔵)
拝啓 益々御清祥被為入奉慶賀候
陳者本年は米国エヂソン氏並に英国スワン氏白熱電球発明以来五十年に相当致し候を以て、今秋電灯五十年祭を挙行致し度、右は万国照明委員会之発議にて、英・米・独・仏各国同時に祝典を相催し候筈に有之、本会亦此の国際的祝典に参加の目的を以て設立致し候処、尊台の御賛同を蒙り度、御多用中御迷惑の次第と奉存候得共、本会顧問として御助勢相仰度、何卒御聞済被成下度偏に奉懇願候
 追而規則書其他書類先刻持参致し置候ニ付、一応御閲覧賜り度是亦御願申上候 敬具
  七月廿七日○昭和四年
                      井上敬次郎
    渋沢子爵閣下


電灯五十年紀念会書類(DK490053k-0003)
第49巻 p.187-188 ページ画像

電灯五十年紀念会書類           (渋沢子爵家所蔵)
拝啓 益々御清祥被為入奉慶賀候
陳者本会顧問として御高配相仰度願出候処早速御快諾被成下難有感激之至りに奉存候、就ては来る六日午前十時より電気倶楽部(麹町区有楽町一ノ三)に於て本会役員の初会合相催し、本会施設の方針等協議可致事と相成居候に付ては、炎暑之砌誠ニ御迷惑至極と奉存候得共、御臨席被下候はゞ幸甚不過之と奉存候、尚同日は米国電灯五十年祭に参加可致、別紙記載の諸氏は来る十七日渡米致し候筈ニ付、此一行は本会の代表と相認め同日(六日)正午同所(電気倶楽部)に於て送別午餐会開催可致、若し同会へも御臨席賜り候はゞ一層の光栄と奉存候右御案内申し上度如此御座候 敬具
  八月二日○昭和四年           井上敬次郎
 - 第49巻 p.188 -ページ画像 
    渋沢子爵閣下


青淵先生職任年表(未定稿) 昭和六年十二月調 竜門社編 竜門雑誌第五一九号別刷・第二五頁 昭和六年一二月刊(DK490053k-0004)
第49巻 p.188 ページ画像

青淵先生職任年表 (未定稿) 昭和六年十二月調 竜門社編
                竜門雑誌第五一九号別刷・第二五頁昭和六年一二月刊
    昭和年代
  年 月
 四 八―電灯五十年記念会顧問―昭、五、一一。


電灯五十年紀念会書類(DK490053k-0005)
第49巻 p.188-189 ページ画像

電灯五十年紀念会書類         (渋沢子爵家所蔵)
(印刷物)
    電灯五十年記念会々則
      第一章 名称及目的
第一条 本会ハ電灯五十年記念会ト称ス
第二条 本会ハ万国照明委員会(International commission on Illumination)本部(英国)ヨリノ希望ニ基キ米国提案ノ電灯黄金祭(Light's Golden Jubilee)ノ国際的祝典ニ参加シ、且ツ本会ニ加盟スル本邦各団体ニ於テ行フ記念事業ノ連絡統一ヲ計ルコトヲ以テ目的トス
      第二章 構成及事務所
第三条 本会ハ加盟団体ノ聯合ニヨリ構成ス
第四条 本会ノ事務所ヲ東京市麹町区有楽町一丁目三番地電気倶楽部内ニ置ク
      第三章 事業及支部
第五条 本会ノ事業ハ本会ノ承認ヲ得テ加盟団体単独ニ、又ハ聯合ニヨリ昭和四年九月ヨリ同十一月ニ至ル三箇月間ニ於テ之ヲ行フ
第六条 第二条ノ目的ヲ達成スル為メ適当ナル地方ニ支部ヲ置クコトヲ得、但其構成ハ本会則ニ準拠ス
      第四章 役員
第七条 本会ニ左ノ役員ヲ置ク、但会長ハ加盟団体ノ協議ニ依リ之レヲ定メ、他ノ役員ハ会長ノ推薦ニヨル
   一、名誉会長      一名
   一、名誉副会長     一名
   一、顧問        若干名
   一、会長        一名
   一、副会長       四名
   一、参与員       若干名
   一、評議員       若干名
   一、幹事長       一名
   一、常任幹事      三名
   一、幹事        若干名
   一、主事        若干名
第八条 役員ノ権限ハ別ニ之ヲ定ム
      第五章 会計
第九条 本会ノ経費ハ加盟団体ノ分担トス
 - 第49巻 p.189 -ページ画像 
第十条 支部ノ経費ハ其地方加盟団体ノ分担トス
第十一条 加盟団体ニ於テ事業施行上必要トスル寄附ノ募集ハ本会ニ於テ一切之ヲ行ヒ、加盟団体ハ単独ニ為ササルモノトス
      附則
第十二条 本会則実施ニ必要ナル細則ハ別ニ之ヲ定ム

    役員分掌規程
一、名誉会長ハ本会々務ヲ総攬ス、名誉会長事故アル時ハ名誉副会長之ヲ代理ス
二、顧問ハ名誉会長及会長ノ諮問ニ応シ重要ナル会務ヲ審議ス
三、会長ハ一切ノ会務ヲ総理シ、評議員会及参与員会ノ議長トナル副会長ハ会長ヲ補佐シ、会長事故アルトキ之ヲ代理ス
四、評議員ハ評議員会ニ於テ重要ナル会務ヲ評議ス
五、参与員ハ各地方ニ於ケル本会事業ノ考案並ニ其ノ実行ニ参与ス
六、幹事長ハ会長ノ旨ヲ受ケ会務一切ヲ処理ス
七、幹事ハ幹事長ノ業務ヲ補佐シ、幹事ノ中ヨリ常任幹事ヲ置ク
八、主事ハ幹事長又ハ支部長ノ旨ヲ受ケテ庶務ヲ処理ス
九、支部ヲ設置シタル場合支部長ハ会長之レヲ委嘱ス
十、支部長ハ本会ノ役員之ヲ兼ヌルコトヲ得
十一、役員ノ任期ハ委嘱ノ当日ヨリ本会ノ事業終了ノ日マデトス
             電灯五十年記念会事務所
              東京市麹町区有楽町一ノ三電気協会内
               電話丸の内(23)二七八一、二七八二


電灯五十年紀念会書類(DK490053k-0006)
第49巻 p.189-190 ページ画像

電灯五十年紀念会書類          (渋沢子爵家所蔵)
(謄写版)
    電灯五十年記念会役員会報告
一、昭和四年八月六日午前十時電気倶楽部ニ開催
二、出席者
      名誉副会長     男爵阪谷芳郎君
      会長          井上敬次郎君
      副会長         石川芳次郎君
      副会長         萩原拳吉君
      副会長         青木正太郎君
         外八十二名ニテ合計八十七名
         別紙○略ス記載ノ通リ
三、経過
 イ、開会、井上会長開会ヲ宣シ、本役員会開催ノ趣旨ヲ述ブ
 ロ、本会今日迄ノ経過報告
  井上幹事長ヨリ大要左ノ報告アリ。
  「今年三月英国ニ本部ヲ有スル万国照明委員会ヨリ日本照明委員会ニ電灯五十年記念祭挙行ニ参加ノ勧誘アリ、六月初メ電気協会電気学会・照明学会・照明智識普及会・家庭電気普及会・帝国発明協会・農事電化協会・日本照明委員会・東京電気業組合ノ電気関係諸団体ガ協議ノ上参加スルコトニ仮決議ヲ為シ、会則ノ制定
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役員ノ選定等ニ付キ屡々協議シ成案ヲ得、今日ノ役員会ニ之ヲ附議スルマデノ運ビトナル」
ハ、協議
  1、本会々則ニ関スル件
 別紙○略ス会則原案ヲ附議シ異議ナク承認ス
 尚井上幹事長ヨリ会則中左ノ説明アリ
 「本会ノ支部ノ範囲ハ逓信局ノ管轄範囲ト同ジクスルコト、寄附金ノ募集ニ関シテハ其重複ヲ避ケ統一ヲ期スルタメニ加盟団体単独ニ運動スルコトナク、凡テ本会ノ各支部ニ於テ計画シ実行スルコトトセルコト」
  2、本会ノ役員ニ関スル件
 本会役員ノ選定ヲ付議シ別紙○次掲ノ通リ決定ス
  3、本会ノ施設ニ関スル件
 本会ノ事業達成ノ為メ各支部ニ於テ挙行スルモノハ各支部ニ於テ随意ニ計画スルコトトスルモ、東京地方支部ハ本部ト共同シテ之レヲ計画シ実施スルコトニ決定ス、尚ホ目下各加盟団体ニテ施行計画中ノモノニ付キ井上幹事長ヨリ概要ノ報告アリタリ
  4、ライトミツシヨン ヲ本会ノ代表ト為スノ件
 ライトミツシヨン ハ国際的ニ親和ヲ図リ斯業ニ聯絡ヲ採ル上ニ最モ有効ナルヲ以ツテ、左ノ十八名ヲ本会ヲ代表シテライトミツシヨンタルコトヲ付議シ之レヲ可決セリ
  井原外助氏  畑時雄氏   西田善次氏
  緒方清氏   武智鼎氏   武者練三氏
  村上巧児氏  国友末蔵氏  山下通太氏
  手島重雄氏  佐藤太氏   坂井謙祐氏
  坂口武市氏  木原献胤氏  宮田兵三氏
  森右作氏   杉山清氏   Mr.H.U.Pearce


電灯五十年紀念会書類(DK490053k-0007)
第49巻 p.190 ページ画像

電灯五十年紀念会書類          (渋沢子爵家所蔵)
(謄写版)
    電灯五十年記念会役員  会長以下イロハ順
  名誉会長            伯爵清浦奎吾氏
  名誉副会長           男爵阪谷芳郎氏
  会長                井上敬次郎氏
  副会長
                    石川芳次郎氏
                    萩原拳吉氏
                    青木正太郎氏
                    平塚米次郎氏
  顧問
    子爵渋沢栄一氏○外三五名氏名略ス