デジタル版『渋沢栄一伝記資料』

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公開日: 2016.11.11 / 最終更新日: 2020.3.6

3編 社会公共事業尽瘁並ニ実業界後援時代

1部 社会公共事業

9章 其他ノ公共事業
7節 関係団体諸資料
3款 埼玉県人会
■綱文

第49巻 p.565-570(DK490191k) ページ画像

昭和4年4月21日(1929年)

是ヨリ先、当会ト埼玉協会ト合併ノコトニ決ス。是日、飛鳥山邸ニ於テ、当会第十九回総会及ビ当会・埼玉協会合同主催ノ全埼玉県人懇親大会開カル。栄一会長トシテ留任ス。


■資料

(加藤政之助)書翰 渋沢栄一宛 (昭和四年)三月三日(DK490191k-0001)
第49巻 p.565-567 ページ画像

(加藤政之助)書翰 渋沢栄一宛 (昭和四年)三月三日 (渋沢子爵家所蔵)
謹啓 埼玉県人会と埼玉協会と合併の事ハ久しき懸案ニ有之候処、此度幹事等と相談の結果別紙の方法に依り合併の事ニ一致仕候、右決行之上ハ会員も増加、経済も余地を相生可申、就而ハ会長に御裁可を仰度参上の心得に候処、御風邪ニ而静臥中之由拝承、御大切ニ静養熱望仕候、而も此事ハ至急進行仕度と存候間、其可否電話ニ而不苦候間御一報希候、委細ハ譲拝話候 草々敬具
  三月三日
                        政之助
    渋沢会長
        閣下
(別紙)
    埼玉県人会ト埼玉協会ノ合併ニ就テ
第一、合併趣意書
 一、埼玉県人会ガ其目的ヲ達スルタメニ会報ヲ発行シ、講演会ヲ開催シ、乃至ハ思想問題ノ研究ニ奔走シ居ル所以ノモノハ、埼玉協会ガ『埼玉及埼玉人』ヲ中心ニ吾人ノ郷土ヲ愛シ又郷土ノ人ヲ愛スルノ理想ヲ以テ使命トシ、過去七ケ年ニ亘リ関東大震災救護運動其他各種ノ愛郷運動ヲナシツヽアル其レト、全ク其ノ軌ヲ一ニ
 - 第49巻 p.566 -ページ画像 
セルモノナリ
 二、埼玉県人会員ノ殆ンド全部ハ埼玉協会ノ雑誌購読者ニシテ、同会ノ使命トシテ熱烈ナル主張ニ掛ル郷土愛ノ精神ニ対シテハ満腔ノ賛意ヲ表シ居ルモノナリ
 三、埼玉県人会ガ其ノ目的遂行ノタメニナス事業ノ対象ト、埼玉協会ガ其ノ使命ヲ果スタメニスル活動ノ対象トハ、均シク埼玉及埼玉人ニシテ同一体ナリ
 四、埼玉協会主宰者山口六郎次ハ埼玉県人会ノ会員ニシテ、同会ノ発展ニ対シテ絶大ノ希望ヲ有シ居ルモノナリ
斯ノ如ク結論ニ於テ其目的ヲ等フシ且ツ目的遂行ノ対象ヲ同フスル我ガ埼玉県人会並ニ埼玉協会ハ、生レナガラニシテ既ニ合併ノ終点ニ到達スベキ境遇ニアリシモノト謂フベシ
然ルニ時代ノ趨勢ハ是レガ実現ヲ望ムコト切ナルモノアリ、殊ニ埼玉県人会有力会員中ノ大多数ハ埼玉協会ノ顧問或ハ後援者ニシテ、是レ亦合併実現ヲ望ムコト急ナリ、両者内外ノ事情亦頗ル好感ニ充チ只前途ニ洋々タル発展ノ希望アルノミ
    埼玉県人会ト埼玉協会トノ合併方法及合併
    後ノ計算
第二、合併方法
 (一)埼玉協会ハ埼玉県人会ニ引継クベキ財産及事業ノ目録ヲ作製シ合併実行ノ際ハ引継クベシ
 (二)埼玉県人会ハ埼玉協会合併ニ関スル役員会ヲ開キ会長ノ承認ヲ得ルコト、並ニ評議員会ニ諮リ之ヲ来ル総会ニ此事ヲ報告スルコト
 (三)埼玉県人会ガ埼玉協会ト合併ニヨリ左記諸帳簿ヲ整理スルコト
    一 人名簿
    二 会計簿
第三、合併後ノ経営方法
 一、合併ニヨリ県人会ハ最少限度壱千名ノ会員増加ノ見込ニ付合計弐千名トナル予定
   備考、従来ノ県人会員壱千名
     従来埼玉協会々員三千名ナルモ内千名ハ埼玉県人会員ト重複者、内五百名ハ会費ノ支払ヒ常ナラサルモノニシテ、一千五百名ハ合併後増加スベキ会員トナル見込ナルモ、特ニ内五百名ヲ引去リ確定的ノモノ壱千名トシテ計上ス
  会報ハ隔月一回発行ノ予定
 二、会報ノ編輯事務ハ県人会幹事執務室ニ於テ行ヒ、埼玉協会編輯主任タリシ関柢二ヲ採用シ、編輯並ヒニ広告部主任トシ幹事之ヲ監督スルコト
 三、人件費ハ広告料ヲ以テ之レニ充テ、印刷費並ニ発送費ハ会費ヲ以テ之ニ充当ス
  計算左ノ如シ
第四、合併後ノ収支予算
 (一)収入之部
 - 第49巻 p.567 -ページ画像 
一金七千四百五拾円也
  内訳
 金六千円也   会員二、〇〇〇人会費収入
 金壱千四百円也 広告収入
         会報一回一五〇円ニテ六回分ノ計其他
 金五拾円也   基本金ノ利子
 (二)支出之部
一金六千五百六拾円也
  内訳
 金弐千四百円也 会報費
 金弐千四百円也 人件費(編輯員及幹事手当トシテ計上ス)
 金壱百八拾円也 会報発送費
 金壱百八拾円也 編輯費
 金参百五拾円也 通信費
 金参百円也   集金費
 金弐百五拾円也 集会費
 金参百円也   総会補助費
 金弐百円也   雑費
差引残金八百九拾円也
 右残金ヲ以テ会報以外ノ事業費ニ充当ス
附記
 以上予算ニ対シテハ幹事一同協力シテ其実現ヲ期ス


埼玉県人会会報 第一二号・第一六―一八頁 昭和四年六月刊 埼玉県人会埼玉協会合同主催 全埼玉県人懇親大会の記(DK490191k-0002)
第49巻 p.567-568 ページ画像

埼玉県人会会報 第一二号・第一六―一八頁 昭和四年六月刊
    埼玉県人会埼玉協会合同主催
      全埼玉県人懇親大会の記
曇り雨模様といふ気象台の予報を裏切つて早朝から上天気ではあるが可成りの烈風が惜春の花を散らして、行楽の人達を悩すことしきりである。
四月二十一日は埼玉協会、埼玉県人会合同主催の下に王子渋沢子爵邸に、全埼玉県人懇親大会の開催される日である。
○中略
十一時を過ぐる十五分、石川幹事は舞台中央に立たれて『これより埼玉県人会第十八回総会《(九)》を開会いたします』と開会の挨拶に次いで、加藤副会長は『本日は埼玉県人会第十八回総会及《(九)》び埼玉協会並びに埼玉県人会合同主催の下に全埼玉県人懇親大会を開催し、多数諸君の御会同を煩した次第であります。私は渋沢子爵に代つて一言御挨拶を申上げます。
今日は昨日来の強雨でありましたが、早朝より風はありますがこの通りの天気になりましたことは全く埼玉県人会に天佑のありたるものと存じます。会長は親しく諸君にお目にかゝつて御挨拶申上げると云ふ考でありましたが、不日来健康を害されて居られるが故にその機を得ず残念に存じます。先程私が会長にお目にかゝりましたところ会長は「この御会合を自分の邸でやることをお引受け致しましたが、設備万
 - 第49巻 p.568 -ページ画像 
端誠に不行届で申訳ないが、皆様のお宥恕を願つて一日ゆつくり懇親されたい」との事でした。
県人会規約第十五条に依つて評議員会の議を経て、改正の規約を報告いたさせますから、役員の御選挙を願ひます。
○中略
規約改正報告後改正された規約によりまして役員の改選を行ひます。
○中略
木村清五郎氏の発議により副会長に於て会長詮衡をいたし渋沢子爵の留任を報告すれば、会員は割れるが如き拍手を以て満場異議なく可決推戴し、幹事に石川雄之助氏・高山信吉氏・福島嘉重民・関口児玉之輔氏・山口六郎次氏・増田丑蔵氏・市川良一氏の諸氏の指命あつて後県人会総会を打切り、懇親大会に移つたのである。
○下略


埼玉県人会会報 第一二号・附録 昭和四年八月刊 埼玉県人会々則(DK490191k-0003)
第49巻 p.568-569 ページ画像

埼玉県人会会報 第一二号・附録 昭和四年八月刊
    埼玉県人会々則
第一条 本会ヲ埼玉県人会ト称ス
第二条 本会ハ埼玉県人及県ニ縁故アル有志者ヲ以テ組織ス
第三条 本会事務所ハ東京市丸ノ内廿八号館渋沢事務所内ニ置ク
第四条 本会ハ会員相互ノ懇親ヲ旨トシ共益ヲ計ルヲ以テ目的トス
第五条 本会ハ前条ノ目的ヲ達スル為メ左ノ事業ヲ行フ
  毎年一回総会ヲ兼ネ懇親会ヲ開クコト
   但シ臨時ニ懇親会ヲ開クコトアルベシ
  必要ニ応ジ適当ノ地ニ倶楽部ヲ設クルコト
  会報ヲ発行スルコト
  講演会ヲ開クコト
   右ノ外役員会ニ於テ必要ト認メル事項
第六条 本会ニ左ノ役員ヲ置ク
  会長  一名  総会ニ於テ会員ノ推薦ニヨル
  副会長 三名  同前
  顧問  若干名 会長ノ委嘱ニ依ル
  評議員 若干名 総会ニ於テ会員ノ選挙ニヨル
  会計監督 二名 評議員中ヨリ会長之ヲ委嘱ス
  幹事  若干名 会長ノ委嘱ニ依ル
   但シ各役員ノ任期ハ満三ケ年トシ重任スルコトヲ得
第七条 一、会長ハ本会ヲ総理シ、副会長ハ会長ヲ補佐ス
  二、顧問ハ会長ノ諮問ニ応ジ、評議員ハ重要ナル会務ヲ評決ス
  三、会計監督ハ会計ヲ監督シ、幹事ハ会務ヲ掌ル
第八条 東京市内及地方ノ要地ニ委員ヲ置ク、委員ハ会長ノ委嘱ニ依リ其地方ノ会務ヲ斡旋スルモノトス
第九条 本会会員ヲ分チテ左ノ三種トス
  名誉会員
   評議員会ノ決議ニ依リ総会ニ於テ之ヲ推薦ス
  終身会員
 - 第49巻 p.569 -ページ画像 
   金五拾円ヲ一時ニ払込ミタルモノ
  通常会員
   毎年金三円ノ会費ヲ払込ムモノ
第十条 新ニ会員タラント欲スル者ハ住所・氏名・職業及出身地ヲ記シ、会員ノ紹介ニ依リ本会事務所ヘ申込ムモノトス
  会員ニシテ住所・氏名・職業ヲ変更シタル時ハ本会事務所ニ届出ヅベシ
  会員ニシテ退会セントスル者ハ其旨本会事務所ニ通告スベシ
   但既納会費ハ返戻セザルモノトス
第十一条 本会ノ会計ハ別ニ定ムル規定ニ依リ之ヲ取扱フ
第十二条 会員十名以上ノ希望ニ依リ会長ノ承諾ヲ得タルトキハ支部ヲ開設スルコトヲ得
   但支部ニ関スル会計ハ各支部ノ負担トス
第十三条 支部ハ会務ノ状況ヲ本会ニ報告スルモノトス
第十四条 本会ハ基金ヲ置キ篤志家ノ寄附ヲ以テ之ニ充当ス
  基金ノ寄附ハ一口十円トシ口数ハ制限ナシ
   但シ十口以上ハ三ケ年以内ニ払込ムコトヲ得
第十五条 本規則ハ評議員会ノ決議ニ依リ変更スルコトヲ得、但シ五分ノ一以上出席ヲ要ス



〔参考〕埼玉県人会会報 第一七号・第二八―三〇頁 昭和五年七月刊 埼玉県人会第十九回総会《(二十)》 並に埼玉県人懇親大会開催(DK490191k-0004)
第49巻 p.569-570 ページ画像

埼玉県人会会報 第一七号・第二八―三〇頁 昭和五年七月刊
    埼玉県人会第十九回総会《(二十)》
      並に埼玉県人懇親大会開催
 去る五月十八日郷土の大先輩たる王子飛鳥山渋沢子爵邸に、埼玉県人会第十九回総会並《(二十)》に埼玉県人会大懇親会が開催せられた。前日来の降雨も名残りなく霽れ渡つて、邸内の新緑は一段と濃く、樹間にさへずる小鳥は嬉々と晴れやかに、咲き誇る花壇の草花は初夏の陽を受けて甦生の気に満ち会場を飾る、新鮮な和やかな空気は邸内に溢れ、伸び行く若草、栄える大気、立ち働く人夫の面上にも会長老子爵の長寿万歳と、本会の繁栄を寿ぐ如くに恵まれた懇親日和ではある。
 集る会衆三々五々、今日の快晴を祝ふ言葉、久濶を謝するの挨拶があちらこちらに交はされる、定刻図書館前庭の小丘樹間に設備せられた演壇に加藤副会長は現はれ『本日玆に埼玉県人会第十九回総会並《(二十)》に埼玉県人懇親大会を開催致しました所、多数諸君の御来会を煩はしたることを深く感謝いたします』と一場の挨拶を述べ『本会も昨年埼玉協会と合同以来会員実に二千五百有余の多数を包擁し、益々発展隆昌の域に進みつゝあることは御同慶至極の至りに存じます。
 本日会長渋沢子爵は親しく御出席致されて諸君に御挨拶申上げる筈でありましたが、昨日国際聯盟其の他種々なる会合に御出席せられお疲労せられてゐるので、御出席戴くことが出来ませんのは誠に遺憾でありますが、只今子爵閣下にお会ひいたしましたところ会員諸君によろしく私の意のあるところを伝達して呉れよとの御言葉でした』と前提し、本会発展の祝辞を伝へ、それより会務報告をいたさせますと
石川幹事を麾く
 - 第49巻 p.570 -ページ画像 
報告 石川幹事は大要左の如く報告をなす。
○中略
三、会長米寿祝賀帳出来により
 四月十七日○昭和四年会長に贈呈す。
○中略
五、会長渋沢子爵画像を埼玉会館に献呈
 十一月十一日 会長渋沢子爵画像出来につき県会議員一同を埼玉会館に招待、委員長粕谷副会長より細川知事に手交す。
   ○画像献呈日ハ「会報」第十五号ニハ旧臘十二月十二日トアリ。
   ○昭和四年四月二十一日ニ開カレタル第十九回総会ヲ誤ツテ第十八回総会トナシタルタメ、爾後数年間ニ渉リ誤リヲ続ケシモ後ニ至ツテ之ヲ訂正ス。