デジタル版『渋沢栄一伝記資料』

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公開日: 2016.11.11 / 最終更新日: 2020.3.6

3編 社会公共事業尽瘁並ニ実業界後援時代

1部 社会公共事業

9章 其他ノ公共事業
7節 関係団体諸資料
7款 勤倹奨励中央委員会
■綱文

第49巻 p.616-619(DK490200k) ページ画像

大正13年10月10日(1924年)

是日栄一、内務大臣若槻礼次郎ノ委嘱ニヨリ、勤倹奨励中央委員会委員ヲ承諾ス。在任歿年ニ及ブ。


■資料

勤倹奨励中央委員会書類(DK490200k-0001)
第49巻 p.616-618 ページ画像

勤倹奨励中央委員会書類          (渋沢子爵家所蔵)
謹啓 時下益々御清祥慶賀此事ニ御座候、陳者現下内外ノ情勢ニ鑑ミ今般勤倹奨励ノ運動ヲ興スコトト相成、閣議ニ於テ別冊計画要綱ヲ決定シ、右ニ基キ別紙会則ノ如キ勤倹奨励中央委員会ヲ組織シ、諸般ノ調査講究並ニ之カ実行ニ関スル事項ヲ審議致スコトト相成候、就テハ貴下ニ右委員ヲ御委嘱致度、御多用中寔ニ恐縮ニ存候得共、邦家ノ為特ニ御承諾願度、此段得貴意候 敬具
  大正十三年十月八日
                内務大臣 若槻礼次郎
    子爵 渋沢栄一殿
(別冊、印刷物)
    勤倹奨励ニ関スル計画要綱
昨秋大震ノ余殃未タ銷エス、現下内外ノ情勢頗ル多事ナルニ拘ラス、浮華放縦ノ弊依然トシテ俗ヲナスハ、邦家百年ノ為寔ニ寒心ニ禁ヘサル所ナリ、今ヤ国民精神ノ振張ヲ図リ、国家経済ノ難関ヲ打開シ、以テ国力ノ伸暢ヲ期スルハ事極メテ緊急ノ要務ニ属ス、而シテ此ノ時局ヲ済フノ第一歩ハ、戊申詔書並ニ国民精神作興ニ関スル詔書ノ御趣旨ヲ奉体シ、質実剛健ノ民俗ヲ作リ、勤倹力行ノ国風ヲ興シ、以テ国力ノ充実ヲ計ルニ在リ、依リテ玆ニ勤倹奨励ノ運動ヲ興シ、国運ノ進展ニ資セントス、今之レカ趣旨、機関並ニ方法ニ就キ、其ノ概要ヲ示スコト左ノ如シ
  第一、勤倹奨励ノ要旨
  第二、勤倹奨励ニ開スル機関
  第三、勤倹奨励ノ方法

      第一 勤倹奨励ノ要旨
(一)戊申詔書並ニ国民精神作興ニ関スル詔書ノ趣旨ヲ普及徹底セシメ、国民ヲシテ之レカ実践躬行ヲ期セシムルコト
(二)質素勤勉貯蓄ノ道徳的並ニ経済的意義ヲ闡明シ、且ツ其ノ力行ノ必要ナル所以ヲ明ニスルコト
(三)刻下我カ国財政並ニ経済ノ難局ニ在ルヲ明ニスルト共ニ、国際貸借ノ状勢ニ鑑ミ貿易改善ノ必要ヲ説キ以テ国民ノ反省自覚ヲ促スコト
(四)無為徒食ノ個人的並ニ社会的ニ不可ナル所以ヲ明カニシ、国民挙テ勤労ヲ尚ヒ業務ヲ楽シムノ気風ヲ養フコト
(五)能率増進ノ方法ヲ講シ、優秀ナル成果ヲ収メシムルコト
 - 第49巻 p.617 -ページ画像 
(六)勉メテ国産品ヲ以テ外国品ノ使用ニ代ヘ、贅沢品ニ就テハ外国品ト内国品タルトヲ問ハス、之カ消費ヲ抑制スルノ要アルヲ説明スルコト
(七)生活ヲ簡素ニシテ社会生活ニ於ケル各種ノ弊習ヲ矯正スルノ必要ニ就キ、国民ノ覚醒ヲ促スコト
(八)公債ノ応募、債券ノ購入、郵便貯金、簡易生命保険、其ノ他ノ各種方法ニ依ル貯蓄ヲ奨励スルコト
      第二 勤倹奨励ニ関スル機関
(一)勤倹奨励中央委員会ヲ設置スルコト
 内務大臣ノ管理ノ下ニ勤倹奨励中央委員会ヲ置キ、内務・文部・大蔵・農商務・逓信等ノ関係官吏及民間ニ於ケル学識経験アル者ヲ以テ之ヲ組織シ、挙国一致勤倹ノ実ヲ挙クルニ就キ、諸般ノ調査攻究ヲ為シ、関係各方面ニ於テ担当実行スヘキ事項ヲ協定スルコト
(二)勤倹奨励地方委員会ヲ設置スルコト
 地方ニ於テハ中央ニ準シ、地方長官ヲ中心トシ勤倹奨励地方委員会ヲ道府県庁ニ設置スルコト
 但シ此ノ種ノ施設ニシテ既設ノモノアル場合ハ、之ヲ勤倹奨励地方委員会ニ代フルコトヲ得
(三)教化団体其ノ他ノ民間団体ノ協力ヲ求ムルコト
 (1)教化団体、産業組合、其ノ他ノ公益的諸団体
 (2)実業団体、其ノ他ノ団体
(四)官公署及民間団体ニ於テハ、勤倹奨励委員会ニ於テ講究セラレタル事項ヲ参照シ、相当計画ヲ定メ勤倹奨励並ニ其ノ実行ニ努ムルコト
      第三 勤倹奨励ノ方法
(一)総理大臣ヨリ声明《ステートメント》ヲ発スルコト
(二)宣伝方法
 (1)新聞雑誌ト連絡ヲ図リ、宣伝ノ協力ヲ求ムルコト
 (2)勤倹奨励ニ関スル冊子ヲ作製頒布スルコト
 (3)勤倹奨励ニ関スル講演ノ開催並ニ活動写真ノ利用ヲ為スコト
 (4)各学校ニ於テハ、学生・生徒・児童ニ対シ、勤倹奨励ノ訓話ヲナスノ機会ヲ多カラシムルコト
 (5)勤倹奨励ニ関スル「ポスター」標語並ニ唱歌・民謡ノ懸賞募集ヲナスコト
 (6)汽車・電車内及停車場・学校・寺院等適当ノ場所ニ「ポスター」ヲ掲クルコト
 (7)劇場・活動写真館・寄席等ニ於テ、幕間ヲ利用シ幻灯其ノ他ノ方法ヲ以テ、勤倹奨励ノ趣旨ヲ観客ニ宣伝セシムルコト
 (8)郵便切手、汽車・電車ノ切符、其ノ他官公署発行ノ印刷物及消印等ニ、成ルヘク勤倹奨励ノ標語ヲ記入スルコト
(三)年四回勤倹週間ヲ定メ、此ノ運動中ハ特ニ国民挙ツテ勤倹貯蓄ノ実ヲ挙クルコト
(四)国定教科書ニ今一層勤倹奨励ノ趣旨ヲ加フルコト
(五)舶来品即チ優良ナリトノ誤レル観念ヲ打破シ、優良ナル国産品ヲ紹介シ、之カ使用ヲ奨励スルコト
 - 第49巻 p.618 -ページ画像 
(六)贅沢品ノ輸入・消費等ニ関シ、統計ヲ発表シ、国民ノ自覚ヲ促シ、贅沢品ノ使用ヲ抑制スルコト
(七)勤倹実行ニ関スル機関ヲ奨励スルコト
 既設各種勤倹実行ニ関スル機関ノ活動ヲ促スハ勿論、都市ニ於テハ官公署・軍隊・学校・会社・銀行・工場等ヲ単位トシ、勤倹実行ニ関スル機関ヲ設ケシメ其ノ実績ヲ挙ケシムルコト
  ○栄一鉛筆ニテ左記書入レアル同種印刷物、「勤倹奨励中央委員会書類」(渋沢子爵家所蔵)中ニアリ。
   十三年十月一日午前王子邸来訪
        内務省社会局第二部長
            守屋栄夫氏持参
   同日会見ノ上来意ヲ聴取シ、委員会設立ニ付テハ委員タルノ同意ヲ乞フ旨大臣ノ内意ヲ伝ヘラレタルニ付、承諾ノ旨即答セリ
(別紙、謄写版)
    勤倹奨励中央委員会々則
第一条 勤倹奨励中央委員会ハ内務大臣ノ管理ニ属シ内務省ニ之ヲ置ク
第二条 勤倹奨励中央委員会ハ勤倹奨励ニ関スル計画要綱ニ基キ諸般ノ調査講究並之カ実行ニ関スル事項ヲ掌ル
第三条 勤倹奨励中央委員会ハ会長一人委員若干人ヲ以テ之ヲ組織ス会長ハ内務大臣之ニ当リ委員ハ内務大臣之ヲ委嘱ス
第四条 会長ハ会務ヲ総理シ本会ヲ代表ス、会長事故アルトキハ会長ノ指名シタル委員其ノ職務ヲ代理ス
第五条 勤倹奨励中央委員会ニ幹事書記若干人ヲ置キ会長之ヲ委嘱ス幹事ハ会長ノ指揮ヲ承ケ庶務ヲ整理シ、書記ハ上司ノ指揮ヲ承ケ庶務ニ従事ス
                (大正十三年九月二十日決定)


勤倹奨励中央委員会書類(DK490200k-0002)
第49巻 p.618 ページ画像

勤倹奨励中央委員会書類          (渋沢子爵家所蔵)
(控)
拝復 益御清祥奉賀候、然ハ今般勤倹奨励中央委員会御組織ノ由ニテ同委員タルヘキ旨御懇示ノ段拝承、正ニ御請致候間左様御承引被下度候、右得貴意度如此候 敬具
  大正十三年十月十日
                     渋沢栄一
    内務大臣若槻礼次郎殿


青淵先生職任年表(未定稿) 昭和六年十二月調 竜門社編 竜門雑誌第五一九号別刷・第二二頁 昭和六年一二月刊(DK490200k-0003)
第49巻 p.618 ページ画像

青淵先生職任年表(未定稿) 昭和六年十二月調 竜門社編
              竜門雑誌第五一九号別刷・第二二頁昭和六年一二月刊
    大正年代
  年 月
 一三 一〇 ―勤倹奨励中央委員会委員―昭、六、一一。


勤倹奨励中央委員会書類(DK490200k-0004)
第49巻 p.618-619 ページ画像

勤倹奨励中央委員会書類          (渋沢子爵家所蔵)
(謄写版)
 - 第49巻 p.619 -ページ画像 
    勤倹奨励中央委員会
会長
             内務大臣 若槻礼次郎
委員
                  市来乙彦
                  一木喜徳郎
                  岡実
                  梶原仲治
                  田中義一
                  矢作栄蔵
                  矢野恒太
                  藤山雷太
                  沢柳政太郎
                  志村源太郎
               子爵 渋沢栄一
                  下村宏
                  嘉悦孝子
                  吉岡弥生
                  山脇房子
          大蔵省理財局長 富田勇太郎
          大蔵省銀行局長 松本脩
          大蔵省主税局長 黒田英雄
        文部省普通学務局長 関屋竜吉
          文部省宗教局長 下村寿一
         農商務省農務局長 長満欽司
      農商務省工務局長 男爵 四条隆英
          逓信省貯金局長 平塚米次郎
           簡易保険局長 五島駿吉
            東京府知事 宇佐美勝夫
             東京市長 中村是公
           内務政務次官 片岡直温
             内務次官 湯浅倉平
            社会局長官 池田宏
            内務参与官 鈴木富士弥
          内務省地方局長 潮恵之輔
          内務省神社局長 佐上信一
            社会局部長 守屋栄夫
幹事
            大蔵書記官 津島寿一
           社会局書記官 広瀬久忠
           社会局事務官 一戸二郎