デジタル版『渋沢栄一伝記資料』

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公開日: 2016.11.11 / 最終更新日: 2018.12.20

3編 社会公共事業尽瘁並ニ実業界後援時代

2部 実業・経済

1章 金融
1節 銀行
1款 株式会社第一銀行
■綱文

第50巻 p.62-64(DK500010k) ページ画像

明治44年7月25日(1911年)

是日栄一、東京銀行集会所ニ於テ開カレタル、当行第三十期定時株主総会及ビ臨時株主総会ニ出席シ、議事ヲ司宰ス。


■資料

渋沢栄一 日記 明治四四年(DK500010k-0001)
第50巻 p.62-63 ページ画像

渋沢栄一 日記  明治四四年       (渋沢子爵家所蔵)
 - 第50巻 p.63 -ページ画像 
七月二十五日 曇 暑
○上略 正午第一銀行ニ於テ午飧ヲ食ス、後銀行集会所ニ抵リ、第一銀行株主総会ヲ開ク○下略
  ○中略。
十一月二十五日 曇 軽寒
○上略 午後四時王子ニ帰宅ス、此日ハ横浜外国銀行各支店ノ支配人ヲ第一銀行ニ於テ招宴スルニ付、他ノ同業者十数名来会ス、庭園ノ散歩ヨリ愛蓮堂ニ小憩シ、五時半ヨリ日本料理ノ食堂ヲ開キ、余興数番アリ夜八時過散宴、来客追々ニ辞シ去ル、天気朗晴ニシテ風無ク、来賓一同充分ニ歓ヲ尽スヲ得タリキ


株式会社第一銀行第三十期 自明治四十四年一月一日至明治四十四年六月三十日 営業報告書 第二―三頁刊(DK500010k-0002)
第50巻 p.63 ページ画像

株式会社第一銀行第三十期 自明治四十四年一月一日至明治四十四年六月三十日 営業報告書
                        第二―三頁刊
    営業景況
例ニヨリテ当半季金融ノ概況ト当銀行営業ノ大体トヲ叙述センニ、昨年末一時繁忙ナリシ金融モ新春早々迅速ニ回収セラレテ、資金ハ再ヒ潤沢トナレリ、旧暦節季各種ノ納税及月末ノ決済等、多少資金ノ需用ヲ喚起スルモノナキニアラサリシモ、季節ヲ過グレバ回収立ロニ行ハレ、金利ハ益々低落シ預金ト貸金トノ間ニ殆ト差違ヲ見ル能ハサルニ至レリ、而モ五、六ノ両月ニ於テハ勧業債券・大阪市公債・清国公債等ノ募集及各種株式ノ払込等アリタルモ、国庫債券六千五百万円ノ償還ニ依リ彼是流用セラレ、金融市場ハ依然緩慢ノ状態ヲ持続セリ
斯ノ如ク当半季ノ金融ハ大体ニ於テ従来継続セル緩慢ノ惰性ヲ受ケ終ニ其域ヲ脱スル事能ハサリシモ、季末ニ近クニ従ヒ半季決済資金ノ需用ハ、製糸資金及関税改率ニ伴フ見越輸入ニ対スル資金ノ要求ト相待テ、金融界ハ俄ニ繁忙ヲ告ゲ金利モ亦従テ引締リノ傾向ヲ呈シタリ
当銀行ハ斯ノ如ク金融緩慢利率低下ノ間ニ処シ、勉メテ資金ノ運用ヲ計リタリト雖モ、韓国政府ニ対スル貸上金ヲ始メ、巨額ノ貸金続々返還セラレタルヲ以テ、勢ヒ資本ヲ閑却セサルヲ得サリシト、前年ノ如キ公債償還益等特種ノ利益ナカリシトニヨリ、遂ニ予期ノ効果ヲ収ムルヲ得ス、別表○略ス示スカ如キ七拾万余円ノ純益ニ止マリタルハ、当任者ニ於テ深ク遺憾トスル所ナリトス


第三十期定時株主総会及臨時株主総会 【第三十期定時株主総会及臨時株主総会決議録】(DK500010k-0003)
第50巻 p.63-64 ページ画像

第三十期定時株主総会及臨時株主総会 (株式会社第一銀行所蔵)
    第三十期定時株主総会及臨時株主総会決議録
明治四拾四年七月廿五日午後一時三十分、当銀行定時株主総会ヲ東京市日本橋区阪本町東京銀行集会所ニ開ク、株主総数二千五名、此株数弐拾万株ノ内出席株主九拾弐名、此株数弐万五千五百弐拾弐株、委任状ヲ以テ代理ヲ委托シタルモノ九百弐拾五名、此株数十万三千六百二十八株、合計株主千十七名、此株数十二万九千百五拾株ナリ
頭取渋沢栄一議長席ニ就キ、明治四十四年上半季金融ノ概況ト当銀行営業ノ大体トヲ叙述シ、次テ第三十期貸借対照表及損益計算書ノ承認ヲ求メタルニ、一同異議ナク之ヲ承認ス、依テ更ニ文書課長ヲシテ左記利益分配案ヲ朗読セシメテ、其決議ヲ求メタルニ、満場一致原案
 - 第50巻 p.64 -ページ画像 
ヲ可決ス
      利益分配案
一金七拾万六千百四拾七円弐拾五銭     当半季純益金
一金五拾九万七千九百九拾四円九拾七銭   前半季繰越金
合計金百参拾万四千百四拾弐円弐拾弐銭
  内
 一金参万五千参百円         役員賞与及行員恩給基金
 一金拾五万円            積立金
 一金五拾万円            配当金 壱株ニ付金弐円五拾銭即年壱割
 一金六拾壱万八千八百四拾弐円弐拾弐銭
                   後半季繰越金
右終ルヤ、引続キ臨時株主総会ヲ開キ、議長ハ取締役及監査役任期満了ニ付、其改選ヲ行フベキ旨ヲ述ベタルニ、株主秋山長次郎氏総テ重任ヲ希望スル旨ヲ発議シ、一同之ニ賛成シタルヲ以テ、投票ヲ省略シ全部重任ニ決ス
右総会ノ決議ヲ録シ、左ニ署名調印スルモノ也
  明治四拾四年七月弐拾五日
          株式会社第一銀行
            取締役頭取 男爵渋沢栄一
            取締役     三井八郎次郎(印)
            取締役     佐々木勇之助
            取締役     熊谷辰太郎(印)
            取締役     日下義雄(印)
            監査役     土岐僙
            監査役     尾高次郎(印)