デジタル版『渋沢栄一伝記資料』

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公開日: 2016.11.11 / 最終更新日: 2018.12.20

3編 社会公共事業尽瘁並ニ実業界後援時代

2部 実業・経済

1章 金融
1節 銀行
1款 株式会社第一銀行
■綱文

第50巻 p.76-79(DK500014k) ページ画像

大正2年1月28日(1913年)

是日栄一、東京銀行集会所ニ於テ開カレタル、当行第三十三期定時株主総会ニ出席シ、議事ヲ司宰ス。


■資料

渋沢栄一 日記 大正二年(DK500014k-0001)
第50巻 p.76 ページ画像

渋沢栄一 日記  大正二年          (渋沢子爵家所蔵)
一月二十七日 晴 寒
○上略 第一銀行ニ抵リ臨時重役会ヲ開キ、大阪支店ニ生シタル損害ニ付テノ善後策ヲ協議ス○下略
一月二十八日 曇 寒
○上略 午後一時半銀行集会所ニ抵リ、第一銀行株主総会ヲ開ク○下略


株式会社第一銀行第三十三期 自明治四十五年七月一日至大正元年十二月三十一日 営業報告書 第三―五頁刊(DK500014k-0002)
第50巻 p.76-77 ページ画像

株式会社第一銀行第三十三期 自明治四十五年七月一日至大正元年十二月三十一日 営業報告書
                        第三―五頁刊
    営業景況
例ニヨリ当半季金融ノ概況ト、当銀行営業ノ大体ヲ叙述センニ、前季末ヨリ漸次繁忙ニ赴キタル金融ハ、当季ニ入ルモ依然其趨勢ヲ加ヘ、棉花・粗糖・外米等、輸入品ニ対スル資金ノ需用ハ不相変盛ニシテ、各銀行何レモ前途金融ノ緊縮ヲ予想シ、金利ハ次第ニ上騰ノ一方ニ傾ケリ、然ルニ七月下旬突如トシテ
先帝御不例ノ凶報発表セラレ、次テ御登遐ノ告示アルヤ市場ノ人気頓ニ沮喪シ、一時銷沈ノ極ニ達シタリシモ
新帝ノ登極ト共ニ人心漸ク其堵ニ安ンシ、加フルニ天候ノ順調ハ農作ノ豊穣ヲ見越シ、新穀出廻及冬物仕入資金ノ需用著シク増加シ、旧盆節季ニ及テハ資金ノ移動更ニ頻繁ヲ加ヘ、大蔵省証券ノ如キ借替毎ニ利上ヲ行ヒ、一時日本銀行ノ金利ト同一利率タル稀有ノ事例ヲ示スニ至レリ、殊ニ此際名古屋ニ於ケル不正手形事件ノ発覚、地方小銀行ノ取付、各地商人ノ破綻ハ、一般経済界ニ警戒ヲ促シ、金融ヲシテ更ニ一層ノ緊縮ヲ来サシムルニ至レリ、翻テ海外ノ状況ヲ見ルニ、伊・土ノ紛議ハ漸ク平和ノ終局ヲ見ルニ至リタルモ、巴爾幹ノ戦雲ハ惨憺トシテ、英・仏・独ノ銀行何レモ警戒ヲ加ヘタルニ、一方東西洋ヲ通シ
 - 第50巻 p.77 -ページ画像 
テ農作ノ豊穣ト事業ノ活況ハ、却テ資金ノ需用ヲ喚ヒ、勢ヒ世界一般金利ノ上騰トナリ、随テ在横浜・神戸ノ外国銀行支店ハ、荐リニ資金ヲ引上ケテ之ヲ本国ニ送付スルニ至リ、直接間接我経済界ニ及ホス影響亦少ナカラサリシ、此内外ノ形勢ニ鑑ミ日本銀行ハ引続キ二回ノ利上ヲ行ヒ、東西各銀行亦相次テ預金利子ノ引上ヲ決行スルニ至リタルモ、而モ資金ノ需用ハ少シモ減セス、生糸・羽二重及綿糸・綿織物等ノ輸出少ナカラサリシト雖、米価騰貴ニ伴フ地方購買力ノ増加、新企業ニ対スル払込資金ノ需用、貿易ノ逆勢ニ基ク輸入決済資金ノ要求等各種ノ事情ハ益々之カ勢ヲ助長シ、殊ニ年末ニ於ケル内閣総辞職ノ政変ト相待ツテ、金融ノ繁忙其極ニ遠シ、十二月三十一日ニ繰越サレタル日本銀行帳尻ハ、兌換券総発行高四億四千九百万円ニ上リ、正貨準備ハ二億四千七百万円ニ増加シタルニ不拘、尚制限外発行高ハ八千弐百万円ノ巨額ニ遠シ、実ニ未曾有ノレコードヲ作ルニ至レリ
当銀行ハ此間ニ在リテ株式会社二十銀行ヲ合併シテ、新ニ六個ノ支店ヲ増加シ、更ニ業務ノ拡張ヲ来シタルヲ以テ、一層資金ノ運用ニ留意シ、貸出ノ固定ヲ避ケ、金利ノ上騰ヲ利用シタルカ為メ、所有公債ノ価格ヲ引下ケ、其他ノ整理ヲ行ヒタルニ拘ラス、別表○略ス示スカ如ク百四万五千八百余円ノ純益ヲ挙クルヲ得タルハ、株主各位ト共ニ欣賀スル所ナリトス


第三十三期定時株主総会決議録(DK500014k-0003)
第50巻 p.77-78 ページ画像

第三十三期定時株主総会決議録       (株式会社第一銀行所蔵)
    第三十三期定時株主総会決議録
大正弐年壱月弐拾八日午後一時四十分、当銀行定時株主総会ヲ東京市日本橋区阪本町東京銀行集会所ニ開ク、株主総数弐千四百拾壱名、此株数弐拾壱万五千株ノ内出席株主百参拾名、此株数弐万参千五拾壱株委任状ヲ以テ代理ヲ委托シタルモノ千百六拾五名、此株数拾参万参千参拾壱株、合計株主千弐百九拾五名、此株数拾五万六千八拾弐株ナリ頭取渋沢栄一議長席ニ就キ、大正元年下半季金融ノ概況ト当銀行営業ノ大体ヲ叙述シ、次テ今回大阪支店ニ於ケル山口忠三郎ノ不正事件ニ関シ、同人ノ経歴性行ヨリ説キ及シ、窃取シタル公債・社債・市債ノ総額、及結局当行ノ損失ニ帰スヘキ予想額等ニ就キ詳細報告シ、且ツ重役一同ノ監督不行届ニ付キテ陳謝セラレ、土岐監査役亦同様右件ニ付陳述セラルヽ処アリタルニ、株主一同之ヲ諒トセリ
仍テ更ニ当総会ノ目的事項タル第三十三期貸借対照表及損益計算書ノ承認、並ニ左記利益金分配案ノ決議ヲ求メタルニ、満場異議ナク之ヲ承認可決セリ
      当半季利益金分配案
一金百四万五千八百参拾参円八拾弐銭    当半季純益金
一金六拾参万千五円弐拾弐銭        前半季繰越金
合計金百六拾七万六千八百参拾九円四銭
  内
 一金五万弐千弐百円         役員賞与及行員恩給基金
 一金四拾弐万四千円         積立金
 一金五拾参万七千五百円       配当金 壱株ニ付金弐円五拾銭即年壱割
 - 第50巻 p.78 -ページ画像 
 一金六拾六万参千百参拾九円四銭   後半季繰込金
右終ルヤ、予テ株主ニ配布シタル左記議案ニ依リ、定款第四条改正ノ件ニ付キ計リタルニ、満場一致原案ヲ可決ス
 一、定款第四条ヲ改正シ「伏見町」ノ次ニ「長府町」及「札幌区」ヲ加フルノ件
右総会ノ決議ヲ録シ、左ニ署名調印スルモノ也
  大正弐年壱月弐拾八日
         株式会社第一銀行
           取締役頭取 男爵渋沢栄一
           取締役   男爵三井八郎次郎(印)
           取締役     佐々木勇之助
           取締役     熊谷辰太郎(印)
           取締役     日下義雄
           取締役     佐々木慎思郎
           監査役     土岐僙
           監査役     尾高次郎(印)


渋沢栄一 日記 大正二年(DK500014k-0004)
第50巻 p.78 ページ画像

渋沢栄一 日記  大正二年          (渋沢子爵家所蔵)
三月一日 曇 寒
○上略 十一時半第一銀行ニ抵リ、佐々木氏ト行務ヲ協議ス、行員昇級増俸ノ事ヲ議決ス○下略
  ○中略。
三月八日 晴 寒
○上略 午後五時浜町常盤屋ニ抵リ、長崎十八銀行永見氏ノ招宴ニ応ス、第一銀行員数名来会ス、余興トシテ常盤津アリ、夜十時散会帰宿○下略
  ○中略。
三月九日 晴 寒
○上略 五時過浜町常盤屋ニ抵リ、朝鮮銀行ヨリノ招宴ニ出席ス、市原盛宏氏外四名出席、第一銀行員十数名来会ス、余興アリ、夜十時散会帰宿ス○下略
三月十日 晴 軽寒
○上略 午飧後○中略第一銀行ニ抵リ、支店長会議ニ列席シテ一場ノ訓示ヲ為ス○下略


竜門雑誌 第二九八号・第五七頁大正二年三月 ○第一銀行員招待会(DK500014k-0005)
第50巻 p.78-79 ページ画像

竜門雑誌  第二九八号・第五七頁大正二年三月
○第一銀行員招待会 青淵先生には今度第一銀行本店に於ける支店長会議に列席の為め、同行各地支店長の上京せられたるを機とし、其慰労を兼ね、本月十六日飛鳥山邸に同行員を招待して、宴会を催ふされたり、当日は午後一時一同同邸に会し、囲碁を競ひ又は庭園を逍遥し午後五時より宴会に移り、先生の挨拶、来賓総代佐々木勇之助君の謝辞あり、夫れより帝国劇場附属技芸学校生徒の演劇ありて、主客一同歓を尽し、午後九時散会せられたりとなん。
当日来会の諸君は如左
 佐々木勇之助・日下義雄・佐々木慎思郎・土岐僙・尾高次郎・石井
 - 第50巻 p.79 -ページ画像 
健吾・西村道彦・大沢佳郎・大塚磐五郎・大野富雄・河野正次郎・竹村利三郎・玉木泰次郎・中川知一・中村歌次郎・永田盛・内山吉五郎・宇治原退蔵・野口弥三・野口弘毅・江原厚作・明石照男・西園寺亀次郎・西条峰三郎・湯浅徳次郎・清水百太郎・広瀬市三郎・杉田富・利倉久吉・八十島親徳・増田明六