デジタル版『渋沢栄一伝記資料』

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公開日: 2016.11.11 / 最終更新日: 2018.12.20

3編 社会公共事業尽瘁並ニ実業界後援時代

2部 実業・経済

1章 金融
1節 銀行
1款 株式会社第一銀行
■綱文

第50巻 p.83-85(DK500016k) ページ画像

大正3年1月27日(1914年)

是日栄一、東京銀行集会所ニ於テ開カレタル、当行第三十五期定時株主総会ニ出席シ、議事ヲ司宰ス。


■資料

渋沢栄一 日記 大正三年(DK500016k-0001)
第50巻 p.83 ページ画像

渋沢栄一 日記  大正三年          (渋沢子爵家所蔵)
一月一日 快晴 無風寒気強シ
○上略 午前十一時家族一同自働車ニテ兜町ニ抵リ、第一銀行員及各会社員、親戚故旧、又ハ事務所員等ノ祝賀ヲ受ク、畢テ第一銀行ニ於テ恒例ニ依リ新年祝賀ノ寿杯ヲ挙テ、行員本支店通計百五十名余ト祝詞ヲ交換ス○下略
  ○中略。
一月二十三日 半晴 寒威強シ
午前七時起床○中略佐々木勇之助氏来リ、第一銀行決算ニ付、賞与金分配方及有終会基金ノ事○中略等ヲ談話ス○下略
  ○中略。
一月二十七日 曇
○上略 正午第一銀行ニ於テ午飧ス、午後一時半銀行集会所ニ抵リ、第一銀行株主総会ヲ開ク、畢テ第一銀行ニ抵リテ揮毫ヲ試ム○下略


株式会社第一銀行第三十五期 自大正二年七月一日至大正二年十二月卅一日 営業報告書 第二―四頁刊(DK500016k-0002)
第50巻 p.83-84 ページ画像

株式会社第一銀行第三十五期 自大正二年七月一日至大正二年十二月卅一日 営業報告書
                        第二―四頁刊
    営業景況
例ニヨリ当半季金融ノ概況ト、当銀行営業ノ要項ヲ叙述センニ、春来次第ニ緊縮ニ傾ケル金融ハ、前季末ニ至リ一層ノ繁忙ヲ来シ、当半季ニ入ルモ、棉花・肥料・外米等ノ輸入決済資金、及生糸ノ好況ニ伴フ夏繭仕入資金ノ需用等ニテ、依然引締ノ状態ヲ持続シ、利率モ従テ高ク、大蔵省証券ノ如キ借替毎ニ売残リヲ存スルノ有様ナリキ、然ルニ全国一般ニ豊穣ヲ予期セラレタル米作カ、意想外ニ収穫少ナク、殊ニ奥羽六県及北海道ハ近年稀ナル凶作ナリトノ報伝ハルヤ、市場ノ人気頓ニ銷沈シ、加フルニ支那再度ノ動乱ニ伴フ対清貿易ノ衰微ト、株式市場ノ不振トハ、一般経済界ノ警戒ヲ促シ、都市商人ノ倒産セルモノ地方小銀行ノ破綻スルモノ続出シ、金融業者ハ皆其貸出ヲ緊縮シタルノ結果、資金ノ融通頗ル不円滑トナリ、新規資金ノ需用減退セルノミナラス、春来放出シタル棉花・生糸等ノ資金漸次回収セラレテ、金融ハ一時緩慢ノ状態ヲ呈シ、当時募集サレタル東洋汽船株式会社担保付社債、京都市公債等、何レモ皆非常ノ盛況ヲ見タリキ、尋テ十一月ニ至リテハ特別五分利公債弐千万円ノ償還アリテ、資金更ニ潤沢シ、同月下旬借替サレタル大蔵省証券ノ如キ、即日売切ノ好況ヲ見ルニ至レリ、然レトモ斯ノ如キハ畢竟一時ノ変態ニ過キサルヲ以テ、本季末ニ近クニ従ヒ、資金ノ需用次第ニ増加シ、金融ハ俄ニ緊縮シ、十二月三十一日ヨリ翌年ニ繰越サレタル日本銀行帳尻ハ、兌換券発行高四億弐
 - 第50巻 p.84 -ページ画像 
千六百万円ニ達シ、正貨準備ヲ弐億弐千四百万円ニ増加セラレタルニモ係ラス、尚制限外発行高八千弐百万円ヲ算シ、殆ト前年同期ニ劣ラサルノ繁忙ヲ以テ、当半季ヲ終ルニ至レリ
当銀行ハ此間ニ在リテ、経済界ノ趨勢ニ鑑ミ、従来ノ資本金壱千七拾五万円ヲ金弐千百五拾万円ニ倍加シテ、益業務ノ拡張ヲ計リ、金融ノ繁緩ニ応シテ資金ノ運用ニ勉メタルノ結果、所有有価証券ノ価格引下ヲ行ヒタルニ拘ラス、尚別表○略ス示スカ如ク、純益金百弐拾弐万余円ト曰フカ如キ好成績ヲ挙クルコトヲ得タルハ、株主各位ト共ニ欣賀スル所ナリトス


第三十五期定時株主総会決議録(DK500016k-0003)
第50巻 p.84 ページ画像

第三十五期定時株主総会決議録       (株式会社第一銀行所蔵)
    第三十五期定時総会決議録
大正三年一月廿七日午後一時五十分、当銀行定時株主総会ヲ東京市日本橋区阪本町東京銀行集会所ニ開ク、株主総数弐千六百六拾七名、此株数四拾参万株ノ内出席株主百九名、此株数四万弐千七百五株、委任状ヲ以テ代理ヲ委托シタルモノ千参百拾四名、此株数弐拾四万五千弐百九拾五株、合計株主千四百弐拾参名、此株数弐拾八万八千株ナリ
頭取渋沢栄一議長席ニ就キ、大正弐年下半季金融ノ概況ト当銀行営業ノ要項トヲ叙述シ、次テ第三十五期貸借対照表及損益計算書ノ承認ヲ求メタルニ、一同異議ナク之ヲ承認ス、仍テ更ニ文書課長ヲシテ、左記利益金分配案ヲ朗読セシメテ其決議ヲ求メタルニ、満場一致原案ヲ可決ス
      利益金分配案
一金百弐拾弐万参千六百八拾八円参拾八銭  当半季純益金
一金六拾六万六千弐百七円六拾弐銭     前半季繰越金
合計金百八拾八万九千八百九拾六円
  内
 一金六万千百八拾円         役員賞与金
 一金弐万四千四百七拾円       行員恩給及退職給与基金
 一金五拾万円            積立金
 一金五拾参万七千五百円       旧株配当金壱株ニ付キ金弐円五拾銭即年壱割
 一金八万六千円           新株配当金壱株ニ付四拾銭即年壱割
 一金六拾八万七百四拾六円      後半季繰越金
右総会ノ決議ヲ録シ、左ニ署名調印スルモノ也
  大正参年一月廿七日
          株式会社第一銀行
            取締役頭取 男爵渋沢栄一
            取締役   男爵三井八郎次郎(印)
            取締役     佐々木勇之助
            取締役     熊谷辰太郎(印)
            取締役     日下義雄
            取締役     佐々木慎思郎
            監査役     土岐僙
            監査役     尾高次郎(印)

 - 第50巻 p.85 -ページ画像 

渋沢栄一 日記 大正三年(DK500016k-0004)
第50巻 p.85 ページ画像

渋沢栄一 日記  大正三年          (渋沢子爵家所蔵)
二月四日 晴 寒威強シ
○上略 午前九時半南区支店ニ抵リ営業景況ヲ一覧ス、野口弥三氏同行ス後大阪支店ニ抵リ店員ニ一場ノ訓話ヲ為ス、支店改築ヲ企図スル候補地ヲ一覧ス○下略
二月五日 晴 寒威厳ナラス
○上略 六時魚半楼ニ抵ル、名古屋支店ノ招宴ニヨル○中略支店ノ人々会同ス、夜十時散会帰宿ス、十一時就寝
(欄外記事)
 午前十時頃名古屋支店ニ抵リ、行員ニ一場ノ訓示ヲ為ス
  ○栄一、一月三十一日ヨリ二月七日マデ京阪地方ニ旅行ス。



〔参考〕渋沢栄一 日記 大正三年(DK500016k-0005)
第50巻 p.85 ページ画像

渋沢栄一 日記  大正三年          (渋沢子爵家所蔵)
三月六日 半晴 南風強ク軽暖ヲ催フス
○上略 正午第一銀行ニテ午飧ス、市原盛宏氏来リ、朝鮮銀行ノ事ヲ談ス
○下略