公開日: 2016.11.11 / 最終更新日: 2022.3.15
第50巻 p.393-394(DK500077k) ページ画像
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(増田明六)日誌 大正一二年(DK500077k-0001)
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(増田明六)日誌 大正一二年 (増田正純氏所蔵)
五月廿四日 木 小雨
定刻出勤
来訪者如左
○中略
二塩島仁吉氏 神田銀行調査部在勤員なり、今度神田鐳蔵氏に於て神田銀行設立満十年を期とし、渋沢子爵ニ報恩の為め竜門社ニ基本金寄附の希望ありて、其寄付の趣意書を作るべく依嘱を受けたるに付き、竜門社の趣意を聞きたしと之事なり
○下略
要用書類往復(四) 【謹啓仕候 子爵閣下には頃日来御微症の由拝聞致し、邦家の為め御全癒の一日も早からむ事を切に奉祈上候…】(DK500077k-0002)
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要用書類往復(四) (渋沢子爵家所蔵)
謹啓仕候
子爵閣下には頃日来御微症の由拝聞致し、邦家の為め御全癒の一日も早からむ事を切に奉祈上候
就而者私等は神田鐳蔵氏経営の神田銀行債権者の集団に有之候
神田鐳蔵氏の声明致し居候処に依れば、神田銀行近来の状況に関し閣下に於かせられては痛く御心を悩ませられ、閣下の御信任厚き国分三亥氏をして神田銀行整理を為さしむ可く御依嘱相成候趣に承り居り候処、私等は神田氏並に国分氏其人に対しては何等期待を持つ者に無之候へ共、果して神田氏の右の言にして真なりとせば、日頃敬崇措かざる閣下の御依嘱を受けて銀行整理に携はらるゝ国分氏の整理は、即ち閣下の被為るゝ整理なりと看做し、満腔の期待と信頼とを以而其の機を待つものに有之候、然而今日迄神田氏の無責任なる偽言妄語に誤まられ迷はされたる私等は、最早神田氏の声明のみにては信ずべくも非ざれば、甚だ唐突恐懼の次第に御座候へ共、債権者一同安心の為め以拙書右事実の真否を拝承致度、此段尊意を御伺ひ奉申上候
追而
来る十五日開催の債権者大会に於て、閣下の御回答を被露致し度き希望に御座候間、誠に恐懼の次第に候へ共右期日迄に御返信賜り度、伏而懇願奉候 謹言
昭和三年六月十一日
神田銀行債権回収期成同盟会
代表 和田孝造
子爵渋沢栄一閣下
侍史
要用書類往復(四) 【控) ]明六 拝復 本月十一日付御書面主人病臥中に付、代理開封拝見致候…】(DK500077k-0003)
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冊子版の『渋沢栄一伝記資料』をご参照ください。
要用書類往復(四) 【財界ノ怪物神田鐳蔵ヲ人道上社会的ニ葬リ、神田銀行預金者救済ノ挙ニ御同情ノ上…】(DK500077k-0004)
第50巻 p.394 ページ画像
要用書類往復(四) (渋沢子爵家所蔵)
財界ノ怪物神田鐳蔵ヲ人道上社会的ニ葬リ、神田銀行預金者救済ノ挙ニ御同情ノ上、御賛助賜ラム事ヲ伏而奉懇願候也
昭和三年六月十五日 神田銀行債権回収期成同盟会
子爵渋沢栄一閣下