デジタル版『渋沢栄一伝記資料』

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公開日: 2016.11.11 / 最終更新日: 2017.12.19

3編 社会公共事業尽瘁並ニ実業界後援時代

2部 実業・経済

1章 金融
4節 保険
1款 東洋生命保険株式会社
■綱文

第51巻 p.276-278(DK510072k) ページ画像

大正12年1月9日(1923年)

是ヨリ先、十一年七月二十日、当会社臨時株主総会ニ於テ、定款ヲ改正シテ新タニ専務取締役制ヲ設ケ、二十七日木村雄次専務取締役ニ就任ス。是日栄一、木村雄次ニ書ヲ寄ス。


■資料

(東洋生命保険株式会社)株主総会決議録 自明治三三年一〇月至大正一五年二月(DK510072k-0001)
第51巻 p.276 ページ画像

(東洋生命保険株式会社)株主総会決議録 自明治三三年一〇月至大正一五年二月
                (東洋生命保険株式会社所蔵)
    決議録
大正拾壱年七月弐拾日午前拾時臨時株主総会ヲ本社内ニ招集ス○中略
    議事
第一 定款改正ノ件
 (一)○略ス。
 (二)定款第三十八条ヲ左ノ通リ改ム
  取締役ハ会社ノ業務ヲ主掌セシムル為メ、互選ヲ以テ社長及専務取締役各壱名ヲ選定スルコトヲ得、前項ノ外常務取締役若干名ヲ置クコトヲ得、
   ○外二件略ス。
 右原案ノ通リ可決ス
第二 取締役福島宜三氏辞任ニ付補欠選挙ノ件
  前取締役社長(現株主)福島宜三氏起立シテ、辞任ノ経過ニ関シ頗ル丁重ナル挨拶アリ、次テ株主高野金重氏ノ発議ニ依リ、取締役ノ補欠選挙ハ議長ノ指名ニ一任セラレタキ旨ヲ提議シ、議長ハ之ヲ議場ニ諮リタル処、満場一致ヲ以テ可決シタルニ依リ、議長ハ木村雄次氏ヲ取締役ニ指名シ、同氏ハ之ヲ承諾シタルヲ以テ、満場異議ナク選挙ヲ終了セリ


(東洋生命保険株式会社)第弐拾参回事業報告書 第一―七頁 大正一二年二月刊(DK510072k-0002)
第51巻 p.276-277 ページ画像

(東洋生命保険株式会社)第弐拾参回事業報告書
                      第一―七頁
                      大正一二年二月刊
  自大正十一年一月一日至大正十一年十二月三十一日事業報告書
             東京市神田区旅籠町壱丁目拾番地
                   東洋生命保険株式会社
大正十一年一月一日ヨリ同年十二月三十一日ニ至ル、第二十三回事業年度ニ於ケル当会社業務ノ成績及諸統計ヲ報告スルコト左ノ如シ
 - 第51巻 p.277 -ページ画像 
○中略
    三、総会ニ関スル事項
○中略
大正十一年七月二十日臨時株主総会ヲ本社内ニ開催ス、而シテ定款改正ノ件ハ原案ノ通リ之レヲ可決シ、取締役福島宜三氏辞任ニツキ補欠選挙ノ件ハ、選挙ノ結果木村雄次氏当選就任セリ
次デ前取締役福島宜三氏功労表彰ノ件ハ、取締役会ニ一任スルコトニ満場一致ヲ以テ之レヲ可決シ、取締役会ハ福島宜三氏ニ金五万円ヲ贈呈スルコトニ決議セリ
○中略
    九、其他重要ナル事項
○中略
一、取締役社長福島宜三辞任ノ件
 右ハ大正十一年七月四日本支店管轄区裁判所ニ於テ登記ヲ了セリ
一、取締役木村雄次就任ノ件
 右ハ大正十一年七月二十六日本支店管轄区裁判所ニ於テ登記ヲ了セリ
一、取締役木村雄次専務取締役ニ就任ノ件
 右ハ取締役ノ互選ヲ以テ大正十一年七月二十七日専務取締役ニ就任セリ
○下略


渋沢栄一 日記 大正一二年(DK510072k-0003)
第51巻 p.277 ページ画像

渋沢栄一 日記  大正一二年         (渋沢子爵家所蔵)
一月九日 晴 寒
○上略 十二時過事務所ニ抵リ書類ヲ点検ス、木村雄次氏ヘ書状ヲ裁ス
○下略


渋沢栄一書翰 木村雄次宛(大正一二年)一月九日(DK510072k-0004)
第51巻 p.277-278 ページ画像

渋沢栄一書翰  木村雄次宛(大正一二年)一月九日   (木村雄次氏所蔵)
拝啓 益御清適奉賀候、然者東洋生命保険会社業務革新之義ニ付而ハ爾来鋭意御調査御研究之末、各方面ニ渉りて御立案相成候一書、先頃御示被下候もの、其後熟読致候へとも、事実ニ通暁せさる老生にハ、徹底的ニ分明とハ難申上候も、細大緩急遺漏なき御建案と拝見仕候、就而ハ将来此方針を以て専心一意実行御努力之程希望仕候、尚其中御面話にて心附候瑣事申上候場合も可有之候へとも、詰り此上之成績ハ実行如何ニ帰宿可致と存候、古人之聯句ニ
  能言未是真君子、善処乃為大丈夫、
と申事有之候、是ハ言よりも行に重を置可申との訓示と存候、并而申上添候 敬具
  一月九日                渋沢栄一
    木村賢契
       坐下
  ○是ヨリ先、東洋生命保険株式会社ハ、明治四十三年組織更革以来極力社業ノ拡張ニ努メ、其ノ結果満十ケ年ニシテ保険契約高一億円達成ニ成功セシモ(大正九年十月四日ノ条参照)、ソノ反面ニ於テハ外観ノ隆盛ニ比シ内
 - 第51巻 p.278 -ページ画像 
容ハ之ヲ整フルニ至ラス、財政基礎強鞏ナラサルモノアリ、諸積立金ノ計上ニモ不足ヲ生シ、之カ弥縫累年ニワタルノ不始末アリ、保険金支払ニ於テモ不評アリ、漸ク社会ノ不信ヲ招キタル折柄、大正十年十一月八日農商務省ヨリ係官出張検査ノ結果ハ会計上ノ不備摘発セラレ、同年十二月二十七日覚書交付、責任準備金・満期配当積立金・支払備金ノ積立不足外五項ノ不当事項ヲ指摘シ厳重ナル警告ヲ与ヘラレタリ、会社首脳部ハ狼狽シ百方陳弁スルト共ニ内容整理ニ着手、社長福島宜三責任ヲ負ヒ辞職スルニ至ル。(以上、渋沢事務所所蔵東洋生命保険会社関係書類綴込ミノ、尾高豊作ヨリ栄一宛書翰大正十年十一月二十八日付、同年十二月六日、及二十九日付ノ三通ニ拠ル)