デジタル版『渋沢栄一伝記資料』

大正6年1月24日（1917年）

是日、芝離宮ニ於テ当協会総裁久邇宮邦彦王、当
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協会評議員其他ニ賜餐アリ、栄一参列ス。邦彦王、飛行奨励ノ令旨ヲ賜フ。栄一、令旨ニ副ハンガタメ実行委員ヲ設クルコトヲ発議ス。是月栄一、当協会特別委員ニ就任ス。

渋沢栄一　日記　大正六年　　　　　　　　　（渋沢子爵家所蔵）
一月二十四日　晴　寒
○上略　十二時芝離宮ニ抵リ、久邇宮ノ午餐会ニ列ス、食後阪谷氏ノ飛行機ニ関スル演説アリ○下略

帝国飛行協会書類　（一）　　　　　　　　　（渋沢子爵家所蔵）
（印刷物）
　　財団法人　帝国飛行協会要覧　（大正十二年一月一日調製）
○上略
　　　　台諭　（芝離宮に於て協会評議員其他御召の席に賜はりたるものなり）
余ハ欧洲戦争ノ実況ニ就キ、数々観戦武官ノ報告ヲ聞キタルカ、其ノ度毎ニ諸種ノ兵器、殊ニ飛行機ノ進歩カ驚クベキ状況ニアリテ、我国ノ夫ト格段ノ相違アルヲ遺憾トセリ。今阪谷男爵ノ講演ヲ聞キ更ニ一層其ノ感ヲ深クセリ。
凡ソ是等ノ事ハ陸海軍ニ於テ其設備ヲナスノミナラス、民間ニ於ケル事業ヲモ作振セサル可ラスト信ス、帝国飛行協会ハコノ欠点ヲ補ハンカ為メニ創立セラレタル者ニシテ、諸子ノ尽力ニ依リ漸次発展ニ向ヒツヽアリト雖モ、未ダ充分ナル境ニ達セサルヲ遺憾トス。
来会諸子幸ニ一段ノ努力ヲ以テ、遠カラサル将来ニ於テ、欧洲ノ状況ト大差ナキニ至ラシメン事ヲ望ム。
　　大正六年一月二十四日
　　　　　　　　　　帝国飛行協会総裁　大勲位　邦彦王

竜門雑誌　第三四五号・第一〇四頁大正六年二月
○芝離宮の召宴　帝国飛行協会総裁久邇宮殿下には航空界の発達を促し給ふ思召より、一月二十四日午前十一時より同会評議員其他の紳士七十余名を召させられて、一同に謁を賜ひたる後賜餐あらせらる。賜餐後同会副会長阪谷男爵は、世界各国に於ける飛行界の現状に就て一場の講演を試み、総裁宮殿下に於かせられては「日本の飛行機を発達せしむるに付ては、此際官民一致努力以て一般国民に飛行機の必要を周知せしめざる可らず」との令詞を賜ひ、殿下還啓後青淵先生の発議にて実行委員を置くことゝなり、其実行委員は当日欠席せる大隈会長の指名を乞ふ事に決して、散会したるは午後三時なりといふ。
　　　○右ニ実行委員トアルハ次掲資料ニ「特別委員就任」トアルモノニシテ、後掲資料ノ実行委員トハ別ナルベシ。

帝国飛行協会書類　（三）　　　　　　　　　（渋沢子爵家所蔵）
　　　　帝国飛行協会ト渋沢子爵トノ関係調
○上略
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同○大正　六年一月　特別委員々々○就任
○下略