デジタル版『渋沢栄一伝記資料』

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公開日: 2016.11.11 / 最終更新日: 2018.12.20

3編 社会公共事業尽瘁並ニ実業界後援時代

2部 実業・経済

2章 交通・通信
3節 航空
1款 財団法人帝国飛行協会
■綱文

第51巻 p.576-583(DK510125k) ページ画像

大正7年7月9日(1918年)

是年六月二十四日、当協会、国民飛行会ト合併ス。是日、総理大臣寺内正毅、官邸ニ各大臣・陸海軍次官・陸海軍航空隊首脳者・貴衆両院議長及ビ各実業家ヲ招キテ午餐会ヲ開キ、飛行事業奨励ニツキ賛助ヲ要請ス。尚、資金募集実行委員トシテ栄一外六名ヲ委嘱ス。

次イデ七月十三日、飛鳥山邸ニ於テ右実行委員会開カレ、栄一出席ス。尚、九月経済委員及ビ理事ニ就任ス。


■資料

日本航空史 高橋重治編 坤・第七四四―七四八頁昭和一一年四月刊(DK510125k-0001)
第51巻 p.576-578 ページ画像

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竜門雑誌 第三六二号・第六七頁大正七年七月 ○帝国飛行協会義金募集(DK510125k-0002)
第51巻 p.578-579 ページ画像

竜門雑誌 第三六二号・第六七頁大正七年七月
○帝国飛行協会義金募集 寺内首相は、今回帝国飛行協会が二百万円の義金を得て我飛行界の刷新を図らんとする大規模なる飛行奨励会の計画成れるを聞き、率先其義金寄附を仰ぐ為め、七月九日正午より永田町首相官邸に各大臣・陸海軍次官・陸海軍航空隊首脳者・貴衆両院議長、並に各実業家を招待して午餐会を催したり。席定まるや寺内首
 - 第51巻 p.579 -ページ画像 
相は立つて、我飛行界の過去及同会今後の飛行事業奨励に対する義金募集は斯業を発達せしむるに最も緊要なるもの、政府も亦之を指導援助して我陸海軍の施設と相待ち、其大成を庶幾するものなりとて多数同志者の賛助を望み、長岡中将は同会を代表して高速度時間速力、長距離爆弾投下、機体製作其他一般航空界の発明品に対する懸賞金を第一項として、飛行功労者の推賞、飛行家の保護、飛行思想の普及方法其他該事業の為め二百万円の奨励金を投ずる項目につき詳細なる説明あり、午後散会したる由なるが、猶ほ首相よりは右実行委員として、左の七氏を指名委嘱する所ありたる由。
  青淵先生   岡田良平   波多野承五郎
  原富太郎   和田豊治   中島久万吉男
  藤田平太郎男
   ○栄一日記、大正七年四月十四日ヨリ十二月三十一日マデ記事ヲ欠ク。


(阪谷芳郎)書翰 渋沢栄一宛大正七年七月一一日(DK510125k-0003)
第51巻 p.579-580 ページ画像

(阪谷芳郎)書翰 渋沢栄一宛大正七年七月一一日 (渋沢子爵家所蔵)
                  (別筆)
                  大正七年七月十一日
                    男爵 阪谷芳郎氏来状
拝啓 陳者来る十三日尊堂に於て実行委員会御開催ニ付、別紙文案之通り各委員及大倉男爵へ書面差出候、尚当日協会より別記之諸氏列席可致候間御承知置被下度、此段得貴意候 敬具
  大正七年七月十一日
                   男爵 阪谷芳郎
    男爵 渋沢栄一殿
      別記
 実行委員   男爵 藤田平太郎(現時大坂)
 同      男爵 中島久万吉
 同         末延道成
 同         原富太郎
 同         和田豊治
 同         波多野承五郎
        男爵 大倉喜八郎
 帝国飛行協会副会長
        男爵 阪谷芳郎
 同         長岡外史
 同    財務理事 倉知誠夫
 同    常務理事 高木東太郎
(別紙)
拝啓 陳者去九日総理大臣官邸に於て本邦航空事業ニ関し御集会の砌実行委員選定相成候ニ就てハ、至急右実行委員会開催相願度、渋沢男爵へ打合に及候処、生憎同男爵ハ目下病気引籠中ニて外出難相成候間乍失礼来る十三日(土曜日)午前九時王子同男爵邸へ御来会被下候へハ好都合に候旨回答有之候ニ就てハ、暑中の折柄御多忙用中甚た恐縮の至に存候へ共、御繰合同日渋沢男爵邸へ御会合被下度、渋沢男爵とも御相談の上此段拝願候 敬具
 - 第51巻 p.580 -ページ画像 
  大正七年七月十一日
                   男爵 阪谷芳郎
                      長岡外史


帝国飛行協会書類 (一)(DK510125k-0004)
第51巻 p.580 ページ画像

帝国飛行協会書類 (一)        (渋沢子爵家所蔵)
(栄一鉛筆)
 末延氏之意見ハ渋沢ニ於て心当之向へ内話之筈、但売官等之弊無之様注意之事
 七月十二日午前九時《(マヽ)》より飛鳥山邸ニ来会種々評議ノ後、総理大臣へは尚渋沢ニ於て内話し政府援助之方針を協議する事ニし、寄附金募集方法ハ和田・波多野両氏ニ於て原案を作り申出候筈
 来会者阪谷・長岡・原富・末延・大倉・和田・波多野・中島久万吉高木東太郎・余と共ニ九人
   ○右覚書ハ阪谷芳郎ヨリ栄一ニ宛テタル前掲七月十一日附書翰封書ノ裏面ニ記セルモノナリ。


竜門雑誌 第三六三号・第六五頁大正七年八月 ○飛行基金と実行委員会(DK510125k-0005)
第51巻 p.580 ページ画像

竜門雑誌 第三六三号・第六五頁大正七年八月
○飛行基金と実行委員会 我が航空兵器完備を期する為め、去月九日寺内首相が永田町首相官邸に貴衆両院議長を始め、各実業家を招待して飛行基金募集に関して懇談せしことは既報の如くなるが、越えて十三日右実行委員諸氏は午前九時より王子なる青淵先生邸に会合し、同委員会を催したる由なるが、当日は実行委員藤田男を除くの外全部出席し、向後の寄附金募集方法に就きて凝議する所あり、正午散会したる由。
 因に右飛行基金募集の趣、今般天聴に達し八月五日帝国飛行協会に対して金五拾万円の御下賜金ありたる由。御聖慮の程いとも畏し。


帝国飛行協会書類 (三)(DK510125k-0006)
第51巻 p.580 ページ画像

帝国飛行協会書類 (三)         (渋沢子爵家所蔵)
    帝国飛行協会ト渋沢子爵トノ関係調
○上略
同○大正 七年七月 実行委員々々○就任
同 年九月 経済委員々々
同 年同月 理事  々々
○下略


(財団法人 帝国飛行協会) 第一期事業報告 第一―二頁刊(DK510125k-0007)
第51巻 p.580-581 ページ画像

(財団法人 帝国飛行協会) 第一期事業報告 第一―二頁刊
    帝国飛行協会第一期 (自大正七年六月至同十二年三月) 事業報告
本協会ハ大正七年六月、時勢ノ必要ニ応シ帝国飛行協会ト国民飛行会トヲ合同シタルモノニシテ、其ノ当時ニ於テハ帝国飛行協会会員七千八十三名、資金六万八千六百四拾参円ヲ有シ、国民飛行会ハ会員壱万四千百六十八名、資金壱万〇参百五拾四円ヲ有セリ、両会合同後右ノ両資金ハ之ヲ基本金トシテ一切手ヲ触レス、利殖シテ今日ニ於テハ金八万六千円トナレリ。
合同シタル帝国飛行協会ハ当時ノ総理大臣寺内伯ニ向ツテ左ノ両件ヲ請願セリ。
 - 第51巻 p.581 -ページ画像 
 一、次年度ヨリ陸海軍ノ飛行施設ヲ拡張セラレタキコト、而シテ之ヲ声明セラレタキコト
 二、政府ハ本協会ニ対シ五ケ年間ニ金壱百万円ヲ補助セラレタキコト、然ル時ハ本協会ハ民間ニ於テ最低限金弐百万円ヲ募集シ、向フ五ケ年間ヲ期シ左ノ事業ヲ行ハンコト声明セリ
  一、飛行事業ノ奨励         二、飛行功労者ノ表彰
  三、飛行機操縦士及其遺族ノ保護援助 四、飛行趣味智識ノ普及其ノ他雑件トシテ万国飛行協会ニ加盟スルコト、万国飛行大会ヲ開催スルコト、飛行危害予防ヲ力ムルコト、飛行郵便開始ノ調査ヲ行フコト、飛行ノ安信所トナルコト等ヲ列記セリ
右ノ誠意ハ政府ニ嘉納セラレ、大正七年八月九日寺内伯《(七)》ハ各国務大臣貴衆両院議長・政党首領及資産家凡ソ二百五十余名ヲ総理大臣官邸ノ午餐会ニ招待シ、左ノ要旨ヲ口述シ且ツ筆記シテ下附セラレタリ
 イ、政府ハ将来益々空中防禦ノ規模ヲ拡張シテ空防ノ完成ヲ期ス
 ロ、既ニ国民飛行会ト合同シタル帝国飛行協会カ、政府ノ施設ト相俟ツテ飛行事業ノ奨励ニ従フハ洵ニ近代ノ美挙ナリ
 ハ、政府ハ此会ヲ指導援助シテ其ノ大成ヲ庶幾ス
右ノ席上ニ於テ寺内伯ハ、資金募集係(実行委員)ヲ左ノ九氏ニ依頼セラレタリ
   渋沢栄一   大倉喜八郎   藤田平太郎
   中島久万吉 ノ四男
   原富太郎   波多野承五郎  和田豊治
   団琢磨    末延道成  ノ五氏


帝国飛行協会書類 (一)(DK510125k-0008)
第51巻 p.581-582 ページ画像

帝国飛行協会書類 (一)         (渋沢子爵家所蔵)
(印刷物)
    財団法人 帝国飛行協会寄附行為 (大正七年七月二十九日改正)
      第一章 総則
第一条 本会ハ航空ニ関スル学術技芸及機具ノ進歩発達ヲ奨励保護シ、其ノ趣味知識ヲ普及シ、兼テ会員相互研究ノ便利ヲ謀ルヲ以テ目的トス
第二条 本会ハ帝国飛行協会ト称ス
第三条 本会ハ本部ヲ東京市麹町区有楽町壱丁目壱番地ニ置キ、必要ニ応シ各地ニ支部又ハ特別ナル機関ヲ設ク
第四条 本会ハ 皇族ヲ推戴シテ総裁トス
      第二章 会員
第五条 本会ハ 皇族王族ヲ推戴シ名誉会員トス
第六条 男女ヲ問ハス本会ノ趣旨ヲ賛成シ、金弐円以上ヲ寄附スル者ヲ本会会員トス
第七条 本会会員ニハ其ノ寄附金ノ多少ニ応シ特異ノ会員章ヲ贈附シ、本会優待ノ義ヲ明カニス
第八条 会員ハ其ノ寄附金ノ使途ヲ指定スルコトヲ得
      第三章 資産
第九条 本会ノ資産ハ寄附金及雑収入ヨリ成ル
 - 第51巻 p.582 -ページ画像 
第十条 本会一切ノ経費ハ収得金ヨリ支出シ、其ノ剰余金ハ翌年度ヘ繰越シ又ハ本会基本金ニ繰入ル
第十一条 本会ノ会計年度ハ毎年四月一日ニ起リ翌年三月三十一日ニ終ル
      第四章 評議員
第十二条 本会ニ評議員百名以上ヲ置ク
第十三条 評議員ハ会長ノ推薦ニ依リ総裁之ヲ嘱託シ、其ノ任期ハ二ケ年トス
   評議員ハ名誉職トス
第十四条 評議員会ハ会長ノ招集ニ依リ之ヲ開ク
   評議員会ノ議長ハ会長トシ、出席員ノ過半数ヲ以テ議決ス、可否同数ナル時ハ議長之ヲ決ス
      第五章 理事及監事
第十五条 本会ニ理事三十名以内、監事五名以内ヲ置キ、評議員会ニ於テ東京居住者中ヨリ之ヲ互選シ、其ノ任期ハ満三ケ年トス
   但再選スルコトヲ得
   理事及監事ハ名誉職トス
第十六条 理事ノ互選ニ依リ会長一名・副会長一名又ハ二名ヲ置ク
   会長ハ会務ヲ総理ス、副会長ハ会長ヲ補佐シ、会長事故アルトキハ其ノ任務ヲ代理ス
   会長・副会長共ニ事故アルトキハ理事中ノ年長者其ノ任務ヲ代理ス
第十七条 理事会ノ議長ハ会長トシ、出席員ノ過半数ヲ以テ議決ス、可否同数ナルトキハ議長之ヲ決ス
   但寄附行為ノ変更ハ理事三分ノ二以上ノ同意アルニアラサレハ議決スルコトヲ得ス
   寄附行為ノ変更ハ主務官庁ノ認可ヲ受クルヲ要ス
第十八条 理事ハ年度終了後ニ於テ前年度ノ事業報告・収支決算・財産目録・貸借対照表ヲ作リ、監事ノ承認ヲ経テ評議員会ニ報告スヘシ
      附則
第十九条 帝国飛行協会旧寄附行為第五条・第七条ノ準会員ハ寄附行為改正ト共ニ本寄附行為第六条ノ本会員タル資格ヲ有スルモノトス
第二十条 旧寄附行為ニ依ル会員ノ年賦醵金ハ従来ノ規定ニ従ヒ取扱フモノトス


帝国飛行協会書類 (一)(DK510125k-0009)
第51巻 p.582-583 ページ画像

帝国飛行協会書類 (一)         (渋沢子爵家所蔵)
(印刷物)
    財団法人 帝国飛行協会要覧 (大正十二年一月一日調製)
○上略
    沿革
○中略
大正七年六月二十四日 国民飛行協会と合併す
 - 第51巻 p.583 -ページ画像 
大正八年六月三十日 国際航空聯合会に加入す


渋沢栄一 日記 大正八年(DK510125k-0010)
第51巻 p.583 ページ画像

渋沢栄一 日記 大正八年         (渋沢子爵家所蔵)
二月五日 快晴 厳寒
○上略 日本倶楽部ニ抵リ、長岡氏ト飛行協会ノ事ヲ談シ、四時過キ再ヒ事務所ニ抵リ、来人ニ面会シ又書類ヲ点検ス○下略
   ○中略。
二月七日 晴 寒
   ○本文略ス。
(欄外記事)
 午前十時飛行協会実行委員会ヲ事務所ニ於テ開催ス、長岡・大倉・和田・野崎諸氏来会ス、種々ノ論議アリテ、長岡氏ヨリ官辺ノ意向ヲ聞取リテ再議スヘキ事ニ決ス