デジタル版『渋沢栄一伝記資料』

大正8年2月1日（1919年）

是日、栄一及ビ大隈重信・阪谷芳郎・金子堅太郎其他ノ後援ニヨリ、アメリカ合衆国女流飛行家ルス・ロー夫人、洲崎埋立地ニ於テ公開飛行ヲ試ム。栄一同所ニ赴キテソノ技ヲ観ル。次イデ十日、当協会ノ主催ニヨリ、築地精養軒ニ於テ同夫人歓迎晩餐会開カレ、栄一出席ス。

渋沢栄一　日記　大正八年　　　　　　　　　（渋沢子爵家所蔵）
二月一日　曇　寒
○上略
午後二時洲先埋立地《（洲崎）》ニ抵リ、ロー氏ノ飛行機場ヲ訪ヘ其技ヲ観ル、来観者頗ル多キモ道路泥濘多ク行路困難ナリ○下略
（欄外記事）
　洲先飛行機場《（洲崎）》ニ於テハ、特ニ設ケタル天幕内ニテロー夫人ト会見握手ス、長岡中将モ来会、櫛引弓人氏来リテ斡施セラル
　　　○中略。
二月三日　大雪　厳寒　昨夜ヨリ降雪、朝来積テ七寸以上ニ及フ、庭園皚々寒威殊ニ凜冽タリ
○上略　四時帝劇ニ抵リ、ロー女史ト共ニ観劇ス○下略
　　　○中略。
二月十日　晴　寒
○上略　午後六時築地精養軒ニ抵リ、飛行家ロー夫人招宴ニ出席シ、同夫人ヘ贈与ノ金員ヲ交付ス、晩飧畢リテ九時過帰宅ス○下略

竜門雑誌　第三六九号・第六三頁大正八年二月
○ロー夫人の公開飛行　過般来朝せる米国女流飛行家ルース・ロー夫人は、青淵先生・大隈侯・阪谷男・金子子其他諸氏後援の下に、二月一日洲崎埋立地に於て公開飛行を試み、女史独特の妙技を示したるが此日参観せられたる青淵先生も、其鮮かなる飛行振を賞讚せられたりと云ふ。因に日米協賛会及日米関係委員会にては、共同にて金弐千円を同女史に贈り以て其志に酬ゐたりと云ふ。
　　　○右ニ日米協賛会トアルハ、ニユー・ヨーク日本協会協賛会カ。

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渋沢栄一　日記　大正八年　　　　　　　　　（渋沢子爵家所蔵）
六月二十四日　晴　暑
○上略　四時事務所ニ抵リ、飛行協会理事会ヲ開ク、阪谷・長岡・団・和田・大橋ノ諸氏来会ス○下略