デジタル版『渋沢栄一伝記資料』

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公開日: 2016.11.11 / 最終更新日: 2020.3.6

3編 社会公共事業尽瘁並ニ実業界後援時代

2部 実業・経済

3章 商工業
5節 製糖業
1款 大日本製糖株式会社
■綱文

第52巻 p.516-520(DK520063k) ページ画像

大正4年5月9日(1915年)

是日、当会社社長藤山雷太、社長就任五周年及ビ当会社ノ整理落着ヲ祝シ、自邸ニ於テ園遊会ヲ催ス。栄一出席シテ祝辞ヲ述ブ。


■資料

渋沢栄一 日記 大正四年(DK520063k-0001)
第52巻 p.516 ページ画像

渋沢栄一 日記  大正四年        (渋沢子爵家所蔵)
五月九日 曇
○上略 午飧後兼子ト共ニ麻布藤山雷太氏ノ園遊会ニ出席ス、来会者千人ニ近ク頗ル盛会ナリ、余興数番アリテ後、立食場ニテ、大隈伯ニ次テ一場ノ食卓演説ヲ為ス、五時散会○下略


竜門雑誌 第三二四号・第六八頁大正四年五月 ○藤山雷太氏園遊会(DK520063k-0002)
第52巻 p.516 ページ画像

竜門雑誌  第三二四号・第六八頁大正四年五月
○藤山雷太氏園遊会 大日本製糖会社々長藤山雷太氏は、五月九日午後二時より芝区今里町の自邸へ朝野の名士を招待して就任五ケ年紀念会祝賀園遊会を開きたり、四時三十分食堂を開き、宴半にして藤山氏の挨拶あり、大隈伯は来賓を代表して謝辞を述べ、次に青淵先生は起ちて
 瀕死の大日本製糖会社を救済すべく藤山君を起たしめたるは余なり余は藤山君と日糖とを結婚せしめたる媒介者なり、一言の挨拶なかる可らず、藤山氏が就任せる際の日糖の財産状態は疲弊其極に達し居たるに、藤山氏が専念社務に革新を図りたる以来、成績日と共に挙り、竟に今日の盛況を見るに至る、誰か驚かざるものあらんや、特別関係を有する余の如きは、藤山氏の成功を見て特に喜悦の情特に深く、之を抑へんとして抑ゆる能はず、恰も之れ結婚を媒介せる者の瑟琴相合して早くも子を挙ぐるに至れりとて祝宴を張れる際、之に臨みて衷心の喜を披瀝するにも似たらんか
と述べ、終て一同大日本製糖会社の万歳を三唱し、同五時半散会せりと云ふ

 - 第52巻 p.517 -ページ画像 

中外商業新報 第一〇四三六号大正四年五月一〇日 ○藤山邸園遊会 日糖整理の祝賀(DK520063k-0003)
第52巻 p.517 ページ画像

著作権保護期間中、著者没年不詳、および著作権調査中の著作物は、ウェブでの全文公開対象としておりません。
冊子版の『渋沢栄一伝記資料』をご参照ください。

藤山雷太伝 西原雄次郎編 第三六三―三六七頁昭和一四年一二月刊(DK520063k-0004)
第52巻 p.518-519 ページ画像

著作権保護期間中、著者没年不詳、および著作権調査中の著作物は、ウェブでの全文公開対象としておりません。
冊子版の『渋沢栄一伝記資料』をご参照ください。

〔参考〕日糖最近廿五年史 大日本製糖株式会社編 第八六―八八頁昭和九年四月刊(DK520063k-0005)
第52巻 p.519-520 ページ画像

日糖最近廿五年史 大日本製糖株式会社編  第八六―八八頁昭和九年四月刊
 ○第三、遂行篇
    三一、六百万円増資
 台湾に糖業を樹立せし目的は、固より外国糖を内地より駆逐して国内の消費に適応せしむるにありたれども、今や実に国内の需要を充たすに止まらず、海外に輸出するを以て寧ろ其の主なる目的とするに至つては、我国の糖業も正に新時代に入りたりと云ふべし。殊に各社とも内地に精糖工場を設立し、供給能力の増加せるに比し、国内消費の伸力甚だ遅緩なるに於ては、徒らに内地市場に競争して共倒れの愚を演ず可きに非ず、宜しく海外に発展すべし、況んや支那市場を開拓して其の無限の需要を喚起するは当社年来の宿望にして、既に着々成功しつゝあるをや、故に大正五年六月十五日即ち上半期総会に於て、資本金六百万円を増加するの件を提出せり、藤山社長は其の理由を説明して曰く、『(一)当社今日の設備は専ら内地の需要に応ぜん為めなりしも、此の後は支那は勿論、印度・濠洲等にも輸出せざる可らざるを
 - 第52巻 p.520 -ページ画像 
以て、大里の工場を拡張し、差当り少なくとも八十噸乃至百噸の能力を増加せしむるの必要あり、其の他の工場と雖専ら海外発展の準備として整理を行ふべし。(二)従来は白糖の製造を主としたれ共、今後時世の進歩に伴ひ更に加工せるものゝ需要を増加すべきを以て、支那輸出のため氷糖の製造に力を致すべし。独逸の氷糖は、従来支那に輸入せられたり、此の後果して独逸の商品と競争し得るや否や明白ならざれども、多少の犠牲を払ふも将来の計画を樹つべし。(三)角砂糖の需要は近来、紅茶・烏竜茶・珈琲等の流行により増加したれば、従来の如く片手間とせず、相応の設備を整へて製造すべし。斯る必要より増資を行ふものにして、昨今の如く金利低廉なるに於ては、寧ろ社債其の他の方法も一策なれども、予は固定資本は株主の資金を投ずるを可なりと信ずるを以て、七分の資金を借るより寧ろ一割五分配当の責任を負ふも、増資を為さんとするものなり。尚ほ昨年支那旅行の結果、将来支那にも工場を設立すべしとの考案を有す。目下支那の秩序充分安定せざるを以て他日を期するも、今後時宜に従ひ臨機の処置を採るためため益々増資の必要を感じたり』と、固より満場一人の異議なく可決したるを以て、九月三十日現在の株主に対し二株に一株を割当て、十月二十五日一株に付金弐円五拾銭の証拠金を徴し、十二月一日更に証拠金と合せて第一回の払込を受け、当社の資本金は壱千八百万円に増加せられたり。