デジタル版『渋沢栄一伝記資料』

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公開日: 2016.11.11 / 最終更新日: 2018.12.20

3編 社会公共事業尽瘁並ニ実業界後援時代

2部 実業・経済

3章 商工業
9節 汽車製造
1款 汽車製造合資会社(汽車製造株式会社)
■綱文

第53巻 p.109-128(DK530022k) ページ画像

大正15年6月19日(1926年)

是年四月十二日、当会社臨時株主総会ニ於テ増資ヲ決議ス。是日栄一、当会社社長長谷川正五ヨリ右ニ伴ヒ、設立以来ノ功績ニ対シ、新株式千株ヲ贈与セラル。


■資料

(汽車製造株式会社)第四拾七回営業報告書 自大正十五年一月至同年六月 第一―五頁刊(DK530022k-0001)
第53巻 p.109 ページ画像

(汽車製造株式会社)第四拾七回営業報告書 自大正十五年一月至同年六月
第一―五頁刊
    ○第四十七回営業報告書(自大正十五年一月一日至同年六月卅日)
○上略
      臨時株主総会
大正十五年四月十二日、東京帝国ホテルニ於テ臨時株主総会ヲ開キ、左記事項ヲ決議セリ
第一、資本金増加並ニ新株式募集ノ件
  一、資本金参百参拾万円ヲ増加スルコト
  一、前項資本増加ニ因リ発行スル新株式六万六千株ノ内五万四千株ハ大正十五年四月三十日現在ノ株主ニ対シ、其所有株一株ニ対シ一株ノ割合ヲ以テ割当テ募集スルモノトス
○中略
第二、定款変更ノ件
  一、定款第三条・第四条・第七条並ニ第九条○略スヲ左ノ通リ変更スルコト
   第三条 本会社ハ機関車並ニ車輛・鉄製橋梁・建造物・諸機械類・一般鉄道用品ノ製造・建設・修理・販売・貸付並ニ之等ニ関聯スル一切ノ業務ヲ為スヲ営業ノ目的トス
   第四条 本会社ノ資本総額ヲ金六百万円トス
   第七条 本会社ノ株式ハ記名式ニシテ、総株数拾弐万株トシ、壱株ノ金額ヲ金五拾円トス
○中略
第四、本会社創立以来特ニ功労アリタル仁又ハ其遺族ニ謝礼ヲ贈呈スベク、其総金額ヲ金拾五万円以内トシ、其支出ノ方法並ニ分配其ノ他一切ノ行為ヲ取締役ニ一任ス
○下略


汽車製造会社書類(一)(DK530022k-0002)
第53巻 p.109-110 ページ画像

汽車製造会社書類(一)          (渋沢子爵家所蔵)
 - 第53巻 p.110 -ページ画像 
謹啓
初夏之候益々御健勝之段慶賀之至ニ奉存候、陳ハ弊社儀近来満蒙地方其他海外ニ対する販路之拡張等ニ依リ、事業追々増大致候ニ付、今回資本を倍額余ニ増加致し、一層事業之改善進歩発展ニ資することゝ相成申候、之れ偏ニ設立当初より一方ならぬ御高配を蒙り候結果ニ不外一同感佩厚く御礼申上候、就てハ去ル四月十二日之臨時株主総会ニ於ける決議ニ基き乍薄儀来ル七月一日発行之新株式第一回払込済之もの壱千株を右御礼之印迄に贈呈致候間、御笑留被成下度、此段以書中得貴意候 敬具
  追伸 本文ニ対し取扱上之手続として甚だ乍御手数御申込書ニ御調印之上御返送之程御願申上候、左すれハ七月一日ニ至り、株券と引換可申、取扱銀行之払込領収証を更ニ御届可申上候
                
  六月○大正一五年十九日 汽車製造株式会社々長
               長谷川正五(印)
    子爵 渋沢栄一殿
   ○渋沢子爵家所蔵文書「汽車製造会社書類」(一)ニハ大正十二年七月以降昭和六年五月ニ及ブ各月「計算月報」其他ヲ綴込ミアリ。
   ○参考トシテ当会社沿革及ビ第弐拾参回営業報告書以降各年ノ営業報告書ヨリ、各年ノ営業状態ノ概要並ビニ同年以降五ケ年毎ノ従業員(作業手・工手)ノ数ヲ次ニ摘録ス。



〔参考〕汽車製造株式会社報告書(DK530022k-0003)
第53巻 p.110-114 ページ画像

汽車製造株式会社報告書          (雨夜譚会所蔵)
    一、沿革
○上略
明治四十五年六月、会社ノ組織ヲ変更シテ株式会社トシ、同年十一月資本金ヲ二百七十万円ニ増加ス
大正三年十一月挙行ノ陸軍大演習ノ為メ 大正天皇陛下大阪行幸ニ際シ、特ニ侍従ヲ本社ニ御差遣アラセラレ作業ノ実況ヲ視察セシメラル
大正七年六月、東京市深川区東平井町ニ分工場ヲ設置シ、錦糸町工場ニ於ケル木材挽立部並ニ木工部ノ一部ヲ移転ス
大正八年五月 故北白川宮殿下本社ニ台臨、作業ノ実況ヲ台覧アラセラル
大正十一年六月、神奈川県橘樹郡大師河原村ニ分工場ヲ設置シ、転轍器・轍叉並ニ聯動機ノ製作部ヲ移転ス
大正十一年六月、錦糸町工場ノ移転ノ為メ、東京府南葛飾郡砂町ニ工場敷地約七万坪ノ土地ヲ購入セリ
大正十二年五月 秩父宮殿下本社台臨、作業ノ実況ヲ台覧アラセラル
大正十二年九月、関東地方大地震ノ際、東京支店錦糸町工場ハ鍛工場鋳工場、旋盤工場、汽缶室、変圧所其他一部ヲ存シ他ハ焼失ノ厄ニ遭ヒ、深川分工場亦全焼セリ、災後直チニ仮工場ヲ建設シテ、旬日ニシテ一旦離散セル作業手ヲ招集シ、製産ノ復興ニ努メ、一面砂町ヘ移転ノ計画ヲ進メ現ニ其工事モ着々進捗中ナリ
大正十五年三月 伏見宮博恭王殿下本社ニ台臨、作業ノ実況ヲ台覧アラセラル
 - 第53巻 p.111 -ページ画像 
大正十五年七月、資本金ヲ六百万円ニ増資ス
一、現状
  資本金  六、〇〇〇、〇〇〇円(払込金三、五二五、〇〇〇)
  積立金  四、七七四、四五五円
  従業員  本店 職員 二〇六  職工 一、三一五
       支店 職員 一一九  職工   七九四
  本店敷地 三七、三九七・二八坪
  〃 建物 一三、〇七八
  支店敷地 七八、一三九坪
  〃 建物  八、五四三
  主要機械 本店  九八七台
       支店  一九七台
  電動機  本店 四、八八八馬力
       支店 一、四六九馬力
  製造能力(一ケ年)
    機関車 大型     一五〇輛
        小型      六〇輛
    客車並電車      三五〇輛
    貨車        二五〇〇輛
    鋼橋梁     二〇、〇〇〇噸
    転轍器及轍叉   一、〇〇〇組
    工作用諸機械     二五〇台
    特許タクマ式汽缶二〇、〇〇〇馬力
    二、事業上ノ経歴
事業ノ動機
○中略
 明治四十五年六月、会社ノ組織ヲ変更シテ株式会社トシ、同年十一月資本金ヲ二百七拾万円ニ増加ス
 大正十五年七月更ニ資本金ヲ六百万円ニ増加ス
機関車ノ製作、輸入防遏
 創業当時ノ工場ハ建坪僅ニ弐千参百余坪、機械台数弐拾余ニ過キサルノ設備ナリシハ、全ク創造的ノ仕事ナリシ結果設計製作ニ幾多ノ困難ヲ嘗メ、漸ク三十四年ニ至テ始メテ重量三十五噸ノ機関車二輛ノ製作ヲ完成シ、其筋ノ厳密ナル諸試験ヲ受ケ、良好ナル成績ヲ得外国製品ニ比シ遜色ナシトノ好評ヲ博セリ
 之レニ因リ、爾後製作ニ一層研究ヲ進メナバ、営利的製造ノ本社目的ヲ達シ得ルノミナラズ、一般鉄道事業ニ貢献スルコト尠カラザル可キ自信ヲ得タリ
 爾後引続キ之レカ製造ニ奮闘努力シ、明治三十九年アブト式機関車ノ如キ精巧ナルモノノ製作ニモ成功シ得タリト雖モ、大正二年ニ至ル迄之レカ輸入ヲ阻止シ能ハザリシハ、機関車ハ従来内地ニ之レヲ製造スルモノナク、輸入ニ仰キシヲ以テ、輸入税率ノ完成品ニ低ク原料素材ニ却テ高カリシ為メ、事業ノ発達ヲ大ニ阻害セラレタル為メナリ
 - 第53巻 p.112 -ページ画像 
 然レトモ之ノ障害ハ研究奮励ヲ促スノ好刺戟剤ナリト自ラ励シ、各般ノ改良ト技術ノ進歩発達ニ勉メ、大正三年拡張設備ノ完成ト共ニ技巧大ニ進ミ、且ツ製品ノ優秀ナルト製作ノ迅速ナルコト外国製品ニ比シ遥ニ優逸セルトノ公評ヲ博シ、本社ノ製作セルモノハ常ニ宮廷列車ニ使用セラルヽノ光栄ヲ有シ、玆ニ機関車ノ輸入ヲ全然防遏スルノ素志ヲ達成セリ
広軌機関車ノ海外輸出
 大正十一年、支那青島膠済鉄道ニ広軌用急行機関車ヲ輸出シ、成績優良外国製ニ優ルトノ賞賛ヲ受ケ、同十二年、朝鮮総督府鉄道広軌急行機関車、並ニ南満洲鉄道ニ機関車ヲ輸出シ、其成績遥ニ欧米製品ニ優レルヲ以テ、爾来之レラノ鉄道ニハ欧米品ノ輸入ヲ絶チ、毎年内地製機関車ヲ購入セラルヽ事トナレリ
 大正十三年以来、吉林・呼海・南潯等ノ支那諸鉄道ニ機関車ヲ輸出シ、常ニ声価ヲ博セリ
特許汽動車ノ製造
 明治四十二年、始メテ特許汽動車ヲ造ル、爾後官私鉄道ニ多数採用セラル
三汽筩大型急行機関車ノ製造
 昭和三年三月、始メテ新キ試ミナル三汽筩大型急行機関車ヲ製作セリ、従来ノモノニ比シ牽引力強大ニシテ、急行列車ノ進歩ニ貢献スルコト多大ナルヲ信ズ
鉄道橋梁ノ製造事業ノ発達
 本社ノ創業当時ニアリテハ、鉄道用橋梁ハ殆ント外国製ナルノミナラズ、特ニ国有鉄道ニ架設セラルヽモノハ全ク之ヲ外国ニ仰クノ状態ナリシモ、明治三十五年本社ニ於テ鉄道院東京高架線用鉄橋ヲ製作シ、設計者同院雇独国技師バルツエル氏ノ厳密ナル検査ヲ受ケ、成績優良ナリシヲ以テ、爾来官有鉄道用鈑桁ハ内地製品ヲ採用セラルヽ事トナレリ
 然レトモ長大ナル構桁ハ猶未ダ内地製ヲ採用セラレズ、依然トシテ外国製品ヲ用ヒラレタリシガ、三十七年台湾鉄道部用五十呎構桁ヲ製作シ、其結果極メテ良好ナリキ、爾来本邦ニ於ケル之レカ製作事業大ニ発達シ、鉄道用橋梁ハ其長大ナルモノト雖モ全ク輸入ヲ見ザルニ至レリ
鉄道橋梁ノ輸出
 大正十一年、支那江西省南潯鉄道九江大鉄橋ノ設計ニ当リ、欧米製造業者ト比較シ優秀ナリシノ故ヲ以テ之レカ製作ヲ引受ケ、十二年十二月架設竣工シ、其製作極テ優良、為メニ架設作業迅速ニ竣功セルヲ以テ、同鉄道ヨリ叮重ナル感謝状ヲ贈ラレタリ
 大正十二年、蒙古四洮鉄道遼河ノ大鉄橋、同十五年吉林省吉敦鉄道松花江大鉄橋ヲ製作輸出シ、常ニ欧米製品ニ優ルトノ賞賛ヲ博セリ斯クシテ鉄道橋梁ハ輸入ヲ防遏シ、遂ニ輸出ノ目的ヲ達シ得テ作業大ニ進展シ、現今ニ於テハ一ケ年優ニ弐万噸ヲ製出シ得ルニ至レリ
突桁式架設法ニヨルバランストアーチ大鉄橋ノ製造
 山峡数百尺ノ上空ニ於テ、足場ナシニ橋桁ノ両端ヨリ鉸鋲固定セシ
 - 第53巻 p.113 -ページ画像 
メツヽ架設組立ヲ進メ、中央部ニ於テ連絡結合完成セシムルバランストアーチ大鉄橋ノ製作ハ、尤モ至難ノ作業ニシテ、製作上些ノ狂ヲ容サズ、製作ノ精緻正確ヲ絶体ニ必要トスルモノナリ、之ノ式ニヨル本邦ニ於ケル最初ノ試ナル阿蘇渓谷ニ架セラレタル五百呎鉄道橋ハ、昭和弐年春本社ニ於テ製作シ、同年五月下旬架設開始以来何等ノ支障ナク、七月十二日中央部ニ於テ寸分ノ誤差ナク偶然ト見ラルヽ程完全ニ結合シ、以テ現場組立ヲ完了スルノ好果ヲ得、鉄道省ヨリ製作技術ノ優秀ナルヲ賞スル為メ特ニ叮重ナル表旌状ヲ賜ハリタルハ、本社尤モ光栄トシ、且ツ我国工業界ノ為メ大ニ欣幸トスル処ナリ
工作機械ノ製造
 機関車製作ノ技巧精熟セルヲ以テ、大正四年更ニ進テ精巧ナル工作機械ノ製作ヲ開始シ、官私諸工場ニ納入シ、大正十年農商務省主催工作機械展覧会ニ於テ一等賞ヲ、大正十三年代表国産品展覧会ニ於テ製品優秀ナルコトノ証ヲ享タルハ光栄トスル処ナリ
水管式汽缶タクマ式ノ製作
 本邦ニ於ケル水管式汽缶ノ需要極テ大ナルニモ係ラズ、海軍艦船用ノモノヲ除ク以外ノモノハ、全然之レヲ輸入ニ仰クヲ遺憾トシ、大正十年以来缶水ノ循環尤モ合理的ナル特許タクマ式汽缶ノ製作ニ従事シ、之レカ改良完成ニ努ム
 従来陸上用水管式汽缶ハ、殆ンド全部外国製品ヲ使用シ、之レヲ製作スルモノ無リシ為メ、水管式汽缶使用ノ経験ヲ有スル技術家ハ存在スルモ、此種ノ汽缶並ニ之レニヨル蒸汽発生装置ノ設計ニ経験ヲ有スル技術家殆ンド皆無ノ状態ナルニ鑑ミ、タクマ式汽缶ノ製作ニ着手スルト共ニ、設計技術者ノ養成ニ留意シ、多数新進ノ技師ヲシテ之レガ研究ニ専心従事セシメ、或ハ研究室ニ於テ物理的及ヒ化学的試験ヲ行ヒ、或ハ汽缶据付現場ニ於テ実地試験ヲ施行シ、以テ水管式汽缶ノ性能ヲ根本的ニ研究シ、或ハ技術者ヲ海外ニ派遣スル等幾多研究ニ努メ、且又自己並ニ従来技術家ノ発明ニヨル各種ノ新特許ヲ加ヘ、今ヤ世界ニ於ケル汽缶中尤モ優秀且合理的ノモノトナリ帝国大学ニ施行セラレタル実地試験、其他台湾・満洲等各地ニ於テ施行セラレタル実験ニ於テ世界的記録ヲ挙ケ、如何ナル型式ノ汽缶ト雖モ其能率ニ於テ追随ヲ許サザルコトヲ示シ、且ツ構造ノ簡単、蒸汽発生ノ迅速、製作ノ優良ナルコト等ハ識者ノ認メラルヽ処トナリ需要激増シツヽアリ、以テ大ニ水管式汽缶ノ輸入防遏ニ資スルヲ得タリ、今後ト雖モ欧米汽缶ノ追随ヲ許サズ、更ニ益進歩発達セシメンガ為メ一層奮励努力スルト共ニ、研究室並ニ特設ノ試験汽缶室ニ於テ或ハ既設ノ汽缶ニ就テ各種ノ研鑽ト実験ニ従事セシメンガ為メ諸施設ニ励ミツヽアリ
製造冶金研究ノ設置
 製品ヲシテ真ニ優秀ナラシメンニハ、単ニ機械的技術ノ精巧熟達ノミヲ以テ其目的ヲ達シ得ルモノニアラズ、之レニ使用スル材料ノ優良ト、冶金法ノ巧妙ナルトハ尤モ必要ナル条件ナルガ故ニ、之レガ研究試験所ヲ設置シ、学理研究ト実験応用ニ努メシム
 - 第53巻 p.114 -ページ画像 
 現ニ本所ニ於テ研究セル技師ハ、単ニ学位ヲ得タルノミナラズ、京都帝国大学・大阪高等工業学校ニ於テ製造冶金ノ教鞭ヲモトルニ至レルハ本社ノ欣幸トスル所ナリ
狭範ノ製作
 機械ノ精巧ト、又製造ノ経済的ナルトハ、狭範(リミツトゲージ)ノ採用ヲ必要トスルヲ以テ、本社トシテ又大阪狭範協会副会長トシテ又工業品規格調査委員トシテ、狭範ノ調査規格制定ニ勉ムルト共ニ、精密ニシテ製作至難トセラルヽ狭範ノ製作ヲ創メ、一ミリノ一万分ノ五以上ノ精度ヲ保ツ狭範ノ製作ニ成功シ、需要者ニ供給シツツアリ
    三、先生○渋沢栄一トノ関係
○中略
監査役辞任ノ後モ本社大株主トシテアリ、四十五年十月従来ノ汽車製造合資会社ノ組織変更サレ株式会社トナリ、資本金増額サレシガ、之先生等ノ斡旋尽力ニヨル所多大ナリ、会社ハ之ニヨリ設計上技術上諸外国製品ヲ凌駕シ、国有鉄道ノ機関車・橋梁等ハ国産品ヲ奨用セラルル事トナリタルニ止マラス、進ンデ支那諸鉄道ヘ輸出スルヲ得ルニ至リタリ、更ニ大正十二年ニ至リ内地需要ヲ充シテ余力ヲ生スルヤ、南満洲鉄道株式会社ヨリ注文ヲ受ケ、製作セルモノ良好ナリシタメ引続キ吉長鉄路、奉海鉄路ヘ客貨車、呼海鉄路、吉敦鉄路ヘ機関車、吉敦鉄路・南潯鉄路、四洮鉄路ヘ鉄製橋梁ヲ納付シ、遂ニ南満洲鉄道株式会社ヲシテ全ク内国産ヲ使用スルニ至ラシメタリ、之先生ノ斡旋ニ負フ所少ナカラズ
○下略



〔参考〕(汽車製造株式会社)第弐拾参回営業報告書 自明治四十五年一月至大正元年十二月 第七―八頁刊(DK530022k-0004)
第53巻 p.114 ページ画像

(汽車製造株式会社)第弐拾参回営業報告書 自明治四十五年一月至大正元年十二月
                       第七―八頁刊

    工夫
  区別  大阪本店  東京支店   合計
  図工     四           四
  検査工    二           二
  製缶工  三〇〇    八四   三八四
  組立工  一五一         一五一
  鋳工    四八    三〇    七八
  鍛工   一一一    八三   一九四
  鏇工   一一三    二三   一三六
  仕上工         二九    二九
  電工    一七          一七
  塗工    二五    五八    八三
  木工    五八   二三六   二九四
  挽立工   一六    一一    二七
  火夫     一     六     七
  定夫    一九    五三    七二
   計   八六五   六一三 一、四七八

 - 第53巻 p.115 -ページ画像 



〔参考〕(汽車製造株式会社)第弐拾参回営業報告書 自明治四十五年一月至同年十二月 第九―一〇頁刊(DK530022k-0005)
第53巻 p.115 ページ画像

(汽車製造株式会社)第弐拾参回営業報告書 自明治四十五年一月至同年十二月
                       第九―一〇頁刊
    営業
○上略 其製造品ノ主ナルモノハ、大阪本店ハ機関車・汽動車・客車・貨車及鋼橋桁、東京支店ハ客車・貨車及転轍器・轍叉等ニシテ、前掲ノ如ク前期繰越及本期引受高共ニ著シク増加シタリト雖、本社ノ設備未タ不完全ニシテ作業上充分驥足ヲ伸スコト能ハサリシト、下半期ニ到リテ昨四十四年英国労働者同盟罷業ノ影響ハ外国注文材料ノ延着ヲ醸シ、操業上一大頓挫ヲ来シ非常ノ困難ニ陥リ、且ツ材料価格ノ騰貴シタル等ノ為メ、注文引受高ノ増加ニ伴ヒ希望シタル成績ヲ挙クルコト能ハサリシハ甚タ遺憾ニ堪ヘサルナリ



〔参考〕(汽車製造株式会社)第弐拾四回営業報告書 自大正二年一月至同年十二月 第五頁刊(DK530022k-0006)
第53巻 p.115 ページ画像

(汽車製造株式会社)第弐拾四回営業報告書 自大正二年一月至同年十二月
                       第五頁刊
営業
○上略 注文引受高ハ前期間ト殆ント伯仲スト雖、決算高ニ於テハ前期ニ比シ約弐割弱ノ増額ヲ示シタルハ、拡張設備ノ漸次竣成ニ従ヒ之ヲ利用シ得タル結果ナリ、而シテ後期繰越金高ハ前記ノ如シト雖モ、契約手続中ノモノ数拾万円アリテ、前期ニ比シテノ減少ハ之レヲ補フニハ尚ホ充分ノ余リアルモノナリ
○下略



〔参考〕(汽車製造株式会社)第弐拾五回営業報告書 自大正三年一月至同年十二月 第五―七頁刊(DK530022k-0007)
第53巻 p.115 ページ画像

(汽車製造株式会社)第弐拾五回営業報告書 自大正三年一月至同年十二月
                       第五―七頁刊
    営業
○上略 注文引受高ノ前期ヨリ約壱割ヲ減シタルハ畢竟不景気ノ影響ニ外ナラサルヘキモ、契約手続中ノモノ尚ホ数拾万円アリ、又決算高ノ前期ニ比シ壱割強ヲ増加シ、利益ノ増率亦タ更ニ大ナリシハ、拡張設備ノ略ホ完整シタルト技術ノ進歩並ニ諸般改善ノ結果ナルヘシ、而シテ拡張設備ノ一部未了ニ属スルモノアリト雖モ、当初予期シタル完成後ノ製造力ハ既ニ遺憾ナク達成スルコトヲ得タリ
本年八月欧洲大戦乱ノ勃発ハ海外注文材料ノ輸入ヲ全ク杜絶シ、為ニ或ハ一時作業休止ノ已ムナキニ至ランコトノ虞レアリシヲ以テ、極力材料ノ補充、作業ノ操縦ニ努メ、漸ク其難関ヲ通過シ、却テ予期以上ノ成績ヲ挙ケ得タルハ洵ニ幸福トスル所ナリ
又本期ニ入テ製作シツヽアル急行列車用新式機関車ハ頗ル好評ヲ博シ十一月陸軍大演習ノ為大阪 行幸ノ際 宮廷列車並ニ統監列車ニ御使用ノ光栄ヲ荷ヒ、且ツ其機関車ノ写真ヲ行在所ニ於テ 天覧ノ上御持帰リノ御沙汰ヲ拝スルニ至レルノミナラス、大阪御駐輦中侍従ヲ本社ニ差遣ハセラレ、親シク作業ノ実況ヲ御視察アラセラレタルハ本社無上ノ面目ニシテ、愈々益々奮励作業ノ隆盛ヲ期スヘシ



〔参考〕(汽車製造株式会社)第弐拾六回営業報告書 自大正四年一月至同年十二月 第五―七頁刊(DK530022k-0008)
第53巻 p.115-116 ページ画像

(汽車製造株式会社)第弐拾六回営業報告書 自大正四年一月至同年十二月
 - 第53巻 p.116 -ページ画像 
                       第五―七頁刊
    営業
○上略 当期ニ於ケル時局ノ影響ハ益々鉄材ノ欠乏ト価格ノ暴騰ヲ来タシ為ニ或ハ屡々好注文ヲ逸シ、或ハ予定作業ノ進捗ヲ阻害セントセシコト一再ナラサリシモ、辛フシテ甚シキ遺算ナキヲ得タリ、但シ上半期ハ作業閑散ニシテ、殊ニ東京支店ハ其度劇甚ナリシモノアリシト、既定注文品ニ対スル鉄材類価格ノ騰貴トハ、遂ニ総利益ノ前期ニ比シ減少ヲ見ルノ無已ニ至ラシメタリ
又社界ノ進運ニ応センカ為予テ企図シツヽアリシ精巧ナル諸機械ノ製造ハ本期ヨリ開始スルヲ得タルニ大ニ世ノ好評ヲ博シタルト、時局ノ関係トハ続々之レカ注文ニ接シ、設備ノ不足ヲ感スルニ至リ、輸入防遏ニ資シ尚ホ進テ輸出ヲモ予期スルヲ得ルノミナラス、鉄材欠乏ノ折柄作業ノ調節上大ナル利便ヲ得タルハ本社ノ幸福トスル処ニシテ、洵ニ快心ノ至リナリ



〔参考〕(汽車製造株式会社)第弐拾七回営業報告書 自大正五年一月至同年六月 第六―七頁刊(DK530022k-0009)
第53巻 p.116 ページ画像

(汽車製造株式会社)第弐拾七回営業報告書 自大正五年一月至同年六月
                       第六―七頁刊
    営業
○上略 当期引受高及決算高ノ前期ヨリ減少セルハ、定款ノ改正ニ依リ従来一年一回ノ計算ナリシヲ本期ヨリ二回トナシタル結果ナリ、又前期ヨリ引続キタル鉄材ノ払底ト価格ノ暴騰トハ本期ニ於テ愈々極度ニ達シ、為ニ大阪本店ニ在リテハ機関車ノ製作予定数ヲ充タスコト能ハス
東京支店ハ前期同様閑散ヲ免カレサリシ、然レトモ本店ニ於テ前期ヨリ開始シタル工作用諸機械ノ製造ハ益々好況ニ向ヒ、内外ノ注文輻輳シ、作業調節上大ナル利便ヲ得タリ、唯之カ製造力未タ微弱ニシテ、昼夜作業ヲ為スモ尚ホ注文ノ半ハヲモ充タスコト能ハサリシハ遺憾トスル所ナリ、爾後更ニ設備ヲ拡張シ以テ之カ供給力ノ充実ヲ企図セントス
之ヲ要スルニ、前年来時局ノ為大ナル打撃ヲ受ケタリト雖モ、作業能率ノ増進、技工ノ研究進歩及副業ノ盛況ヲ来シタル結果、本社営業ノ成績ハ幸ニ順境ニアリト謂フヘシ



〔参考〕(汽車製造株式会社)第弐拾七回営業報告書 自大正五年一月至同年六月 第三―五頁刊(DK530022k-0010)
第53巻 p.116-117 ページ画像

(汽車製造株式会社)第弐拾七回営業報告書 自大正五年一月至同年六月
                       第三―五頁刊

    工夫
  区別  大阪本店  東京支店   合計
  図工     六     ―     六
  撿査工    一     ―     一
  製缶工   八九    五九   一四八
  梁工   一二二     ―   一二二
  圧搾工   四三     ―    四三
  薄板工   五〇     ―    五〇
  組立工  一三一     ―   一三一
  鋳工    八五    二三   一〇八
 - 第53巻 p.117 -ページ画像 
  鍛工    八九    六〇   一四九
  鏇工   三一五    二二   三三七
  仕上工    ―    一六    一六
  電工    一一     ―    一一
  塗工    一六    三三    四九
  木工    二九    七六   一〇五
  挽立工   一〇    二八    三八
  火夫     五     三     八
  定夫    四三    五三    九六
   計 一、〇四五   三七三 一、四一八




〔参考〕(汽車製造株式会社)第弐拾八回営業報告書 自大正五年七月至同年十二月 第五―六頁刊(DK530022k-0011)
第53巻 p.117 ページ画像

(汽車製造株式会社)第弐拾八回営業報告書 自大正五年七月至同年十二月
                       第五―六頁刊
    営業
○上略 其製造品ノ主ナルモノハ、大阪本店ハ機関車・鉄橋及工作用諸機械、東京支店ハ客車・貨車及転轍器・轍叉ニシテ、諸工業発展ノ影響ハ、当期ニ入テ著シク、職工ノ欠乏ト雑役夫ノ払底ヲ醸シ、加フルニ悪疫ノ流行長期ニ亘リタルトハ、製造力ノ充実ヲ困難ナラシメ、殊ニ材料払底ノ程度ハ益甚シク、之ヲ得ル極メテ困難トナリ、為ニ作業ノ調節上頗ル円滑ヲ欠クニ至レリ、之ニ由テ期末ニ迫リ多忙ヲ極メタルモ遂ニ予定ノ車輛数ヲ完成スルヲ得スシテ多額ノ半製品モ後期ニ繰越スコトヽナリタルハ遺憾トスル所ナリ
之ニ反シテ工作用諸機械ノ製作ハ、之カ原料ヲ得ルコト車輛ノ如ク困難ナラス、而モ該機械ノ注文ハ益輻輳シ、其製造力拡張設備未タ之ニ伴フヲ得サリシモ、製作能率ノ増進ト技工ノ進歩ニ依リ、之ニ得タル利潤ハ車輛ニ得ヘキ利益ノ減殺ヲ補塡シ、以テ前期ニ劣ラサル成績ヲ挙クルコトヲ得タルハ幸ナリ
尚ホ前期ニ比シ当期ノ引受高著シク減額シタルハ、半期計算ニ改メタル結果ニシテ、今後ト雖モ上下両半期ノ引受高ニ著シキ差違ヲ生スルハ免カレサル処ナリ



〔参考〕(汽車製造株式会社)第弐拾九回営業報告書 自大正六年一月至同年六月 第五―六頁刊(DK530022k-0012)
第53巻 p.117 ページ画像

(汽車製造株式会社)第弐拾九回営業報告書 自大正六年一月至同年六月
                       第五―六頁刊
    営業
○上略 本期ニ入リ註文輻輳セルモ、材料払底ノ為メ克ク之ニ応スルコト能ハズ、加フルニ材料其他一般諸物価ノ暴騰ト労銀ノ騰貴トハ、著シク製産費ヲ増大シタルニモ拘ハラス、車輛ノ価格之ニ伴ハサリシ為メ幾多ノ努力奮励モ猶未ダ相当ノ利益ヲ挙クルニ至ラサルモノアリシハ遺憾トスル所ナリ
然ルニ工作用諸機械ハ、当期竣工シタル拡張設備モ猶製作力ノ不足ヲ感シ、需用ノ半ヲモ充ス能ハサルノ盛況ヲ来シ、結局前期ニ劣ラサルノ成績ヲ挙クルヲ得タリ



〔参考〕(汽車製造株式会社)第参拾回営業報告書 自大正六年七月至同年十二月 第五―六頁刊(DK530022k-0013)
第53巻 p.117-118 ページ画像

(汽車製造株式会社)第参拾回営業報告書 自大正六年七月至同年十二月
 - 第53巻 p.118 -ページ画像 
                      第五―六頁刊
    営業
○上略 本期ニ入リテヨリ材料其他一般諸物価並ニ労銀ハ騰貴ニ加フルニ騰貴ヲ以テシ、製産費愈々増大シタルニモ拘ハラズ、車輛ノ価格之レニ伴ハザルモノアリ、加之東京支店ノ如キハ多大ノ水害ヲ蒙リ十数日間作業中止ノ已ムナキモノアリシモ、本支店共註文益々輻輳シ、殊ニ工作用諸機械其他時局用品ノ需用著シク増加シ、悉ク之ニ応ズル能ハザルノ盛況ナリシ為メ、遥ニ前期ニ優レルノ成績ヲ挙グルヲ得タリ



〔参考〕(汽車製造株式会社)第参拾壱回営業報告書 自大正七年壱月至同年六月 第七―八頁刊(DK530022k-0014)
第53巻 p.118 ページ画像

(汽車製造株式会社)第参拾壱回営業報告書 自大正七年壱月至同年六月
                      第七―八頁刊
    営業
○上略 本期ニ入リテヨリ各種ノ註文大ニ輻輳シ、鉄道輸送ハ今後益々発暢スヘキ趨勢ニシテ、是レニ対応スルニハ工場地域ノ狭隘ト設備ノ不足ヲ感スルコト愈甚シキニ至レルヲ以テ、本支店共敷地ヲ借入レ、諸設備ノ拡張ニ着手セリ、然ルニ鉄材其他一般物価並ニ労銀ハ騰貴ノ度合激烈ニシテ、製産費益々厖大セルト、一面鉄材ノ払底、職工工夫ノ欠乏亦甚シク、是レカ蒐集補充ニ頗ル困難ヲ極メ、遂ニ予期シタル成績ヲ挙クルヲ得サリキ



〔参考〕(汽車製造株式会社)第参拾弐回営業報告書 自大正七年七月至同年拾弐月 第六―七頁刊(DK530022k-0015)
第53巻 p.118 ページ画像

(汽車製造株式会社)第参拾弐回営業報告書 自大正七年七月至同年拾弐月
                       第六―七頁刊
    営業
○上略 註文益々輻輳シ、不日契約締結ヲ為スベキモノ前記引受高ノ外四百万円ヲ超ユルノ盛況ニシテ、前期以来拡張中ノ諸設備未ダ完成セサルニ先チ、既ニ甚シク其ノ足ラサルヲ感スルニ至レリ、又他ノ一面ニ於テハ諸材料ノ払底並ニ職工工夫ノ欠乏、諸物価並ニ労銀ノ騰貴其ノ極度ニ達シ、加之米価騒動、悪疫流行等幾多ノ障碍簇発シ、作業ノ進捗ヲ阻害セルコト甚シカリシニ不拘、前期ニ劣ラサル成績ヲ挙クルヲ得タルハ本社ノ欣幸トスル処ナリ



〔参考〕(汽車製造株式会社)第参拾参回営業報告書 自大正八年一月至同年六月 第五―六頁刊(DK530022k-0016)
第53巻 p.118 ページ画像

(汽車製造株式会社)第参拾参回営業報告書 自大正八年一月至同年六月
                       第五―六頁刊
    営業
○上略 註文益々輻輳シ、前期以来着手セル拡張設備ハ既ニ甚シク小規模ニシテ、悉ク是ニ応ズル能ハザリシハ遺憾トスル処ナリ、然レドモ最モ困難ナリシ材料ノ蒐集、職工工夫ノ補充ハ時局ノ転換ト共ニ稍緩和シ、殊ニ各般ノ整理整頓ニハ鋭意尽瘁ノ結果、作業能率増進シ、為メニ前期ニ比シ優良ナル成績ヲ挙グルヲ得タリ



〔参考〕(汽車製造株式会社)第参拾四回営業報告書 自大正八年七月至同年十二月 第五―六頁刊(DK530022k-0017)
第53巻 p.118-119 ページ画像

(汽車製造株式会社)第参拾四回営業報告書 自大正八年七月至同年十二月
                       第五―六頁刊
    営業
○上略 各種ノ註文益々輻輳シタルモ、設備ノ是レニ伴ハザルモノアリテ
 - 第53巻 p.119 -ページ画像 
悉ク需要ヲ充ス能ハザリシハ頗ル遺憾ニ堪ヘズ、尚又諸物価並ニ労銀ハ依然強調ナルノミナラズ、八時間労働制ヲ実施セルアリ、為メニ生産費益々厖大セルモ、鉄材価格前期ニ比シ稍低廉ナリシト、作業能率ノ増進セシ為メ、前期ニ劣ラザル成績ヲ挙グルヲ得タリ



〔参考〕(汽車製造株式会社)第参拾五回営業報告書 自大正九年一月至同年六月 第五―六頁刊(DK530022k-0018)
第53巻 p.119 ページ画像

(汽車製造株式会社)第参拾五回営業報告書 自大正九年一月至同年六月
                       第五―六頁刊
    営業
○上略 本期ニ入リテモ猶ホ前期以来ノ好調ヲ持続シ、各種註文益々輻輳セリ、而シテ期央ニ至リ経済界甚シク動揺ヲ来シ、各方面打撃鮮ナカラザリシガ、本社ハ幸ニシテ未タ其影響ヲ受クルニ至ラス、却ツテ作業能率ノ増進ニ努力シ頗ル優良ノ成績ヲ挙クルヲ得タルハ誠ニ欣幸トスル所ナリ、尚ホ時勢ノ進運ニ伴ヒ、今後更ニ重大ナル車輛ノ製造ヲ必要トスルニ至レルヲ以テ、是ニ応スル為メ既ニ設備ノ改善拡張ニ着手シ着々進捗中ナリ



〔参考〕(汽車製造株式会社)第参拾六回営業報告書 自大正九年七月至同年十二月 第六―七頁刊(DK530022k-0019)
第53巻 p.119 ページ画像

(汽車製造株式会社)第参拾六回営業報告書 自大正九年七月至同年十二月
                       第六―七頁刊
    営業
○上略 製造品ノ主ナルモノハ、本店ニアリテハ機関車・鉄橋・工作用諸機械並ニタクマ式汽缶等、支店ニアリテハ客貨車・電車・転轍器及轍叉等ニシテ、前期以来ノ経済界ニ於ケル動揺ハ倍々其度ヲ高メタレドモ、本社ハ予テヨリ着手中ノ設備ノ改善増設ノ利用ト諸経費ノ節約、作業能率ノ増進トニ努メタル結果、前期ニ劣ラサル製品益ヲ挙クルヲ得タルハ本社ノ誠ニ欣幸トスル処ナリ
尚ホ前期以来拡張セシ設備ハ、本店ニアリテハ建物七棟、此建坪壱千七百拾九坪、据付機械八拾壱台ニシテ、支店ニアリテハ建物五棟、此建坪弐百九拾参坪、据付機械拾七台ナリ



〔参考〕(汽車製造株式会社)第参拾七回営業報告書 自大正十年一月至同年六月 第五―六頁刊(DK530022k-0020)
第53巻 p.119 ページ画像

(汽車製造株式会社)第参拾七回営業報告書 自大正十年一月至同年六月
                       第五―六頁刊
    営業
○上略 前期以来ノ経済界ニ於ケル不振ノ状態ハ未ダ其度ヲ減ゼズ、従ツテ諸註文品ハ独リ其数量ヲ減少セルノミナラズ、其価格ノ低下特ニ甚シク、事業ノ経営頗ル困難トナレリ、乃チ一面鋭意註文ノ獲得ニ努メ他面設備ノ改善ト其利用トニ依リ諸経費ヲ節約シ、作業能率ヲ増進シ以テ当期ヲ経過セリ



〔参考〕(汽車製造株式会社)第参八拾回営業報告書 自大正十年七月至同年十二月 第五―六頁刊(DK530022k-0021)
第53巻 p.119-120 ページ画像

(汽車製造株式会社)第参八拾回営業報告書 自大正十年七月至同年十二月
                       第五―六頁刊
    営業
○上略 本期ニ入リテモ一般経済界ノ不振状態依然トシテ変ル事ナク、諸註文品ノ価額更ニ低下ヲ加フルト共ニ、営業上ノ競争漸次激甚ヲ来シ其他経営上障害トナルモノ亦尠カラス、為メニ事業ノ経営一層困難ヲ
 - 第53巻 p.120 -ページ画像 
見タリシト雖モ、本社ハ年来ノ堅実ナル営業方針ヲ固守シ、専ラ意ヲ設備ノ充実ト其利用トニ注キ以テ能率増進ニ努メ、幸ニ前期ニ劣ラサル成績ヲ挙ケ得タルハ洵ニ欣幸トスル処ナリ



〔参考〕(汽車製造株式会社)第参拾九回営業報告書 自大正十一年一月至同年六月 第五―六頁刊(DK530022k-0022)
第53巻 p.120 ページ画像

(汽車製造株式会社)第参拾九回営業報告書 自大正十一年一月至同年六月
                       第五―六頁刊
    営業
○上略 時恰モ財界萎靡ノ時機トテ営業上ノ競争益々激甚ヲ加ヘ、註文価格更ニ低下シ、経営ノ苦心頗ル甚シカリシト雖モ、本社ハ之ニ備フルニ内設備ノ充実、技術ノ進歩ト相俟チテ作業能率ノ増進ヲ計リ、外販路ノ拡張ニ全力ヲ致シ、結果乎、本期ニ入リ新シク支那山東鉄道並ニ朝鮮・満鉄ヨリ広軌式機関車各数輛ノ註文ヲ引受ケタリ、蓋シ海外発展ノ第一歩ニシテ、本社将来ノ為メ祝福ニ値スヘシ、又他面電気機関車製作ニ対スル諸準備モ大ニ進捗シ、現ニ小型ノモノ三輛註文ヲ引受ケ完成近キニアリ、斯クテ本期亦相当ノ成績ヲ挙ケ得タルハ本社ノ至幸トスル所ナリ



〔参考〕(汽車製造株式会社)第参拾九回営業報告書 自大正十一年一月至同年六月 第二―四頁刊(DK530022k-0023)
第53巻 p.120 ページ画像

(汽車製造株式会社)第参拾九回営業報告書 自大正十一年一月至同年六月
                       第二―四頁刊

    作業手
  区別    大阪本店  東京支店   合計
  製缶工    一四〇   一三〇   二七〇
  梁工     一四〇     ―   一四〇
  圧搾工     八一     ―    八一
  薄板工    一三一     ―   一三一
  道具工     六九     ―    六九
  機械鏇盤工   三四     ―    三四
  機械仕上工   三一     ―    三一
  組立工    一六〇   一二四   二八四
  鋳工     一三九    三七   一七六
  木型工     一四     ―    一四
  鍛工      九七    九三   一九〇
  洮工     三〇六    六六   三七二
  仕上工     二五    七八   一〇三
  電工      五一     八    五九
  塗工      一三    七四    八七
  木工      二四    八一   一〇五
  挽立工      ―   一二二   一二二
  汽缶手      七     五    一二
  検査課     二七     六    三三
  庶務課     二一    七五    九六
   計   一、五一〇   八九九 二、四〇九




〔参考〕(汽車製造株式会社)第四拾回営業報告書 自大正十一年七月至大正十一年十二月 第五―六頁刊(DK530022k-0024)
第53巻 p.120-121 ページ画像

(汽車製造株式会社)第四拾回営業報告書 自大正十一年七月至大正十一年十二月
 - 第53巻 p.121 -ページ画像 
                      第五―六頁刊
    営業
○上略 財界沈滞ノ際トテ経営自ラ多難ナリシト雖モ、備フルニ内、技術ノ改善ト設備ノ充実トヲ以テシ、外更ニ海外販路ノ拡張ニ努メ、幸ニ前期ニ比スベキ成績ヲ挙ゲ得タリ、本期間ニ於ケル設備ノ充実ハ本店工場建物九百九拾八坪、機械参拾六台、支店工場建物四百八拾八坪、機械弐拾六台ノ増設ニ依リテモ推シテ知ルベク、海外販路ニ関シテハ先期既ニ報告セル山東及ビ満鉄朝鮮機関車ノ外、本期ニ入リ支那九江ノ大鉄橋ノ注文ヲ引請ケタリ、其他昨夏東京帝国大学工学部主管ニテ一ケ月余ニ亘リ鉄道省熱海線発電所据付タクマ式汽缶ノ能率試験ヲ行ハレシ結果、実ニ世界的記録ヲ破ルノ好成績ヲ示シ、斯界ヲ驚嘆セシメシコト、並ニ北海道使用電気機関車三輛ノ竣工トハ特ニ報告ス可キ事項ナリ



〔参考〕(汽車製造株式会社)第四拾壱回営業報告書 自大正十二年一月至大正十二年六月 第六―八頁刊(DK530022k-0025)
第53巻 p.121 ページ画像

(汽車製造株式会社)第四拾壱回営業報告書 自大正十二年一月至大正十二年六月
                      第六―八頁刊
    営業
○上略 財界萎微振ハサルノ今日、車輛・鉄橋類ハ自ラ競争ノ焦点トナリ時ニ無計算ナル値崩ニスラ遭遇シ、営業上ノ困難尠カラサリシト雖モ幸過去数ケ年ニ亘リ之ニ備ヘシ工場設備並ニ製造技術ヲ持テ努力怠ラス、結果乎、註文引受数量ニ於テハ却テ前期ヲ越ユルノ成績ヲ得タリシモ、海外販路開拓ノ目的ニテ山東鉄道用広軌機関車及南潯鉄道用鉄橋ノ製作引渡ヲ完了シ、為メニ多大ノ犠牲ヲ払ヒ、且ツ五月・六月、四旬ニ渉リ東京支店ニ於テ職工間ノ軋轢ニ基因シテ一部ノ職工罷業ヲナシ、遂ニ本期成績ハ前期ニ劣ルノ已ムナキニ到レリ
尚五月二十五日 秩父宮殿下ニ於カセラレテハ本社ニ御台臨アラセラレ、具ニ工場ノ御視察ヲ忝ウシ、折柄組立中ナリシ広軌機関車ノ如キモ御台覧ヲ蒙リ、優渥ナル御諚ヲサヘ給ハリシハ、本社無上ノ光栄トスル所ナリ



〔参考〕(汽車製造株式会社)第四拾弐回営業報告書 自大正十二年七月至大正十二年十二月 第六―八頁刊(DK530022k-0026)
第53巻 p.121-122 ページ画像

(汽車製造株式会社)第四拾弐回営業報告書 自大正十二年七月至大正十二年十二月
                       第六―八頁刊
    営業
○上略 財界依然トシテ萎靡振ハス、同業者間ノ競争弥々熾烈ヲ加ヘ、営業上ノ困難益々加重シタルモ、年来ノ苦心努力ト設備ノ充実トヲ以テ之レニ当リ、大ニ期待スル処アリシニ、不幸九月一日震災ノ際当社支店亦類焼ノ厄ニ遭ヒ、残ス処僅ニ其小部分ニ過キサリシハ誠ニ遺憾トスル処ナリ、玆ニ於テ鋭意其復旧ニ努メ十一月上旬既ニ作業ヲ開始シ尚日夜復旧工事ヲ督励シ本期末ニ於テ工場並ニ附帯建物総計参千九百参拾余坪ヲ竣工セリ、然レトモ先ニ離散シタル職工ノ未タ復帰セサルモノアリ、材料ノ輸送円滑ナラサルモノアリ、為メニ操業常ニ意ノ如クナラサリシモ、全般ノ成績ハ前期ニ優リ且ツ曩ニ製作シタル支那南潯鉄路ノ橋梁ノ架設竣リ、極メテ好評ヲ博シ、同国四洮鉄路ノ橋梁並ニ南満洲鉄道株式会社機関車ノ註文ヲ獲テ、多年企図セル海外販路開
 - 第53巻 p.122 -ページ画像 
拓ニ更ニ一歩ヲ進メ得タルハ大ニ本社ノ欣幸トスル所ナリ



〔参考〕(汽車製造株式会社)第四拾参回営業報告書 自大正十三年一月至大正十三年六月 第六頁刊(DK530022k-0027)
第53巻 p.122 ページ画像

(汽車製造株式会社)第四拾参回営業報告書 自大正十三年一月至大正十三年六月
                       第六頁刊
    営業
○上略 財界ノ萎靡不振ハ更ニ甚シク、同業者間ノ競争益々烈シク、営業上ノ困難弥々加重シ、加之本店ノ如キハ当期ノ始メニ於ケル註文品ハ未曾有ノ減少ヲ示シタルヲ以テ、一時作業ヲ繰延ヘント企テ、支店ノ如キハ震災ノ余殃未ダ恢復セサルモノアリ、為メニ予期ノ成績ヲ挙クルコト能ハサリシハ誠ニ遺憾トスル所ナリ、唯其間支那四洮鉄路ノ橋梁及南満洲鉄道会社ノ機関車ヲ製作シ、且ツ曩ニ支那膠済鉄路ヘ納付シタル機関車ハ実地運転ノ成績極メテ佳良ニシテ、同鉄路局長ヨリ特ニ賞讚ノ表状ヲ寄セラレタルカ如キ聊カ以テ慰ムルニ足ラン歟



〔参考〕(汽車製造株式会社)第四拾四回営業報告書 自大正十三年七月至大正十三年十二月 第五―六頁刊(DK530022k-0028)
第53巻 p.122 ページ画像

(汽車製造株式会社)第四拾四回営業報告書 自大正十三年七月至大正十三年十二月
                       第五―六頁刊
    営業
○上略 財界ノ萎靡不振ハ未ダ恢復セズ、各種ノ註文ハ益々減少シ、従ツテ同業者間ノ争奪競争弥々熾烈ヲ加ヘ、営業上ノ困難更ニ甚シク、之レニ加フルニ財政緊縮ノ結果ハ各方面ニ影響スル処頗ル甚シク、就中鉄道省ノ如キハ曩ニ本社ヘ註文シタル機関車総数六十六輛ノ内三十輛ハ次年度ニ繰延フルニ至リ、為メニ本社ノ経営上ニ一大頓挫ヲ来シタルモ、作業ノ調節ニ多大ノ苦心ト努力トヲ払ヒ、辛シテ此難境ニ当ルヲ得タリ



〔参考〕(汽車製造株式会社)第四拾五回営業報告書 自大正十四年一月至大正十四年六月 第五―六頁刊(DK530022k-0029)
第53巻 p.122 ページ画像

(汽車製造株式会社)第四拾五回営業報告書 自大正十四年一月至大正十四年六月
                       第五―六頁刊
    営業
○上略 財界萎靡不振ノ結果民間ヨリノ注文極メテ少ナク、且ツ其筋ノ注文品ノ如キハ独リ其価格低下セルノミナラズ、其数量甚シク減少シ、加之ニ既注文品スラ其納期延繰ベラレ、従ツテ本期ノ製造高甚シク低減セリ、他方支那ニ於ケル各種ノ競争入札ニ奮闘セルモ、之レ亦独逸製造家等ノ投資的商略ニ厄セラレ充分ノ効果ヲ挙グルヲ得ス、従ツテ本期間ノ事業成績ノ佳良ナラサリシハ誠ニ遺憾トスル処ナリ、依テ本支店トモ已ムヲ得ス作業ノ短縮ヲ行ヒ、大ニ内容ノ整備充実ヲ計リ以テ後日ニ備ヘツヽアリ



〔参考〕(汽車製造株式会社)第四拾六回営業報告書 自大正十四年七月至大正十四年十二月 第五―六頁刊(DK530022k-0030)
第53巻 p.122-123 ページ画像

(汽車製造株式会社)第四拾六回営業報告書 自大正十四年七月至大正十四年十二月
                       第五―六頁刊
    営業
○上略 内ニアリテハ財界ノ不振未ダ恢復セズ、外ニアリテハ年来努力ヲ払ヒ居リタル支那ガ内乱ニ妨ゲラレ、為メニ商談意ノ如ク進捗セズ、註文品ガ其数量ニ於テ減少セルノミナラズ、其価格ノ如キ益々低落セリ、依ツテ本支店トモ更ニ作業ノ短縮ヲ継続シ、且ツ過剰人員ノ整理
 - 第53巻 p.123 -ページ画像 
ヲ行ヒ、漸ク此難局ニ処スルコトヲ得タリ



〔参考〕(汽車製造株式会社)第四拾七回営業報告書 自大正十五年一月至同年六月 第九―一〇頁刊(DK530022k-0031)
第53巻 p.123 ページ画像

(汽車製造株式会社)第四拾七回営業報告書 自大正十五年一月至同年六月
                       第九―一〇頁刊
    営業
○上略 財界ノ不振依然トシテ恢復セズ、同業者間ノ競争モ愈々甚シク、営業上ノ困難益々加ハリタルモ、年来努力犠牲ヲ払ヒ居タル支那方面ニ於テ奉海鉄路ノ客貨車、呼海鉄路ノ機関車及ビ吉敦鉄路ノ機関車並ニ橋梁等ノ註文ヲ獲テ、海外販路ノ開拓モ逐次進展シ得タルハ欣幸トスル所ナリ
尚ホ去ル三月二十八日 伏見宮博恭王殿下本社ヘ台臨アラセラレ、具ニ工場ノ御視察ヲ忝フシ優渥ナル御諚ヲ賜フ、本社曩ニ 秩父宮殿下ノ台臨ヲ忝フシ、今復タ此事アルハ実ニ無上ノ光栄トスル所ナリ



〔参考〕(汽車製造株式会社)第四拾七回営業報告書 自大正十五年一月至同年六月 第七―九頁刊(DK530022k-0032)
第53巻 p.123 ページ画像

(汽車製造株式会社)第四拾七回営業報告書 自大正十五年一月至同年六月
                       第七―九頁刊

    作業手
  区分    大阪本店 東京支店    合計
  製缶工    一〇〇   一三三   二三三
  梁工     一三八     ―   一三八
  圧搾工     六〇     ―    六〇
  薄板工     九八     ―    九八
  道具工     五一     ―    五一
  機械鏇盤工   三一     ―    三一
  機械仕上工   二七     ―    二七
  組立工    一〇八    七一   一七九
  鋳工     一〇〇    三〇   一三〇
  木型工     一六     ―    一六
  鍛工      八一    八〇   一六一
  鏇工     二三二    五二   二八四
  仕上工     二八    三四    六二
  電工      六八     七    七五
  塗工      一一    五六    六七
  木工      一八   一二三   一四一
  汽缶手      六     四    一〇
  検査課     三〇     八    三八
  倉庫課      ―     六     六
  作業課      ―    三四    三四
  庶務課     一四     ―    一四
   計   一、二一七   六三八 一、八五五




〔参考〕(汽車製造株式会社)第四拾八回営業報告書 自大正十五年七月至昭和元年十二月 第六頁刊(DK530022k-0033)
第53巻 p.123-124 ページ画像

(汽車製造株式会社)第四拾八回営業報告書 自大正十五年七月至昭和元年十二月
                       第六頁刊
    営業
 - 第53巻 p.124 -ページ画像 
○上略 本期間ノ財界ハ依然トシテ萎微振ハス、註文ノ獲得甚ダシク困難ナリシモ、各員共ニ相警メ相励シ一層奮励以テ事ニ当リタルト、先ニ報告セル支那奉海鉄路ノ客貨車、吉敦・呼海両鉄路ノ機関車等無事ニ完納シ製品ノ成績極メテ佳良ナルヲ以テ多大ノ好評讚辞ヲ博シ、註文主ノ満足ヲ得テ、年来熱望努力セル支那方面販路開拓ニ歩ヲ進メ得タル結果、幸ニ前期ニ比シ稍々良好ナル成績ヲ挙クルコトヲ得タルハ欣幸トスル所ナリ



〔参考〕(汽車製造株式会社)第四拾九回営業報告書 自昭和二年一月至同年六月 第六頁刊(DK530022k-0034)
第53巻 p.124 ページ画像

(汽車製造株式会社)第四拾九回営業報告書 自昭和二年一月至同年六月
                       第六頁刊
    営業
○上略 本期ニ於テ我国財界ニ未曾有ノ大恐慌ヲ惹起シ、諸般ノ事業為メニ沈滞シ、加フルニ隣邦支那ノ国状依然トシテ兵乱相次キ、当会社亦タ其影響ヲ蒙リ、前期ニ於テ報告シ得タルカ如キ支那及南満方面ニ於ケル註文ヲ受クルコト能ハザリシハ甚ダ遺憾トスル所ナリ、然レトモ事業ノ経営ニハ常時細心ノ注意ヲ払ヒ、浮華ヲ退ケ堅実ヲ旨トセルヲ以テ這般ノ大恐慌ニ遭フモ幸ニ其影響ヲ蒙ルコトナク、各員ハ却ツテ之レカ為メ大ナル刺激ヲ受ケ、一層奮励註文ノ獲得ト製造能率ノ増進トニ努力セル結果、前期ニ比シ稍優良ナル成績ヲ挙クルヲ得タルハ誠ニ欣幸トスル所ナリ



〔参考〕(汽車製造株式会社)第五拾回営業報告書 自昭和二年七月至同年十二月 第五―七頁刊(DK530022k-0035)
第53巻 p.124 ページ画像

(汽車製造株式会社)第五拾回営業報告書 自昭和二年七月至同年十二月
                      第五―七頁刊
    営業
○上略 前期大恐慌ノ余燼未ダ終熄セズ、営業上著シク困難ヲ感シタルモ註文獲得ニ努メ製作作業ニ努力シタル結果支那吉敦鉄道機関車六輛ヲ初メ満鮮地方ヨリノ受註機関車モ年内ニ悉ク納入シ、其成績何レモ良好ニシテ顧客ノ満足ヲ得タルト、鉄橋ニ在リテハ特別指命ニ依リ本社ニ於テ製作セル我国最初ノ「バランストアーチ」タル鉄道省九州高森線白川橋橋梁ノ如キ、其架設組立ノ結果ハ極メテ優秀ナル成績ヲ顕シ斯界ノ讚賞ヲ博シタルハ窃カニ誇リトスルニ足リ、タクマ式汽缶モ本期ニ入リ殊ニ台湾各製糖会社ノ認ムル処トナリ、数基ノ註文ヲ受ケタルト、先ニ納入シタル南満洲電気株式会社長春発電所据付タクマ式汽缶ニ就テ施行セラレタル大規模ノ試験ノ結果ハ、他缶ノ追随ヲ許サザル圧倒的好成績ヲ挙ゲ得タルハ特ニ本社ノ欣幸トスル処ニシテ、財界多難ノ渦中ニ在リテ全員緊張努力幸ヒニシテ前期成績ニ譲ラザル成果ヲ挙ゲ得タルハ同慶ニ堪ヘザル所ナリ



〔参考〕(汽車製造株式会社)第五拾壱回営業報告書 自昭和三年一月至同年六月 第五―七頁刊(DK530022k-0036)
第53巻 p.124-125 ページ画像

(汽車製造株式会社)第五拾壱回営業報告書 自昭和三年一月至同年六月
                       第五―七頁刊
    営業
○上略 本期ニアリテモ我国財界ノ不振尚恢復セズ、諸品ノ註文ハ旧ノ如クナラザルニ、独リ同業者間ノ競争ハ益々甚シク、且ツ鉄道省納品ノ機関車ニ始メテ使用サレタル特殊鋼ハ、我国製鋼業者ニ取ツテハ経験
 - 第53巻 p.125 -ページ画像 
少ナカリシ結果其成績不充分ナルモノアリ、之レガ再製取換ヘ等ニ幾多ノ日子ヲ費シタル為メ、竣工予定ニ大ナル差違ヲ生ジ、従ツテ出場数量意ノ如クナラザリシト、隣邦支那ノ国情未ダ全ク安定セズ、商談思フガ儘ニ進捗セシメ難キニ加ヘ、外商ノ跳梁弥々旺ナルガ為メ、遂ニ予期ノ成績ヲ挙グルコト能ハザリシハ誠ニ遺憾トスル処ナリ、唯ダ本期間ニ於テ、芝浦製作所ト協力シテ製作シタル鉄道省納メノ電気機関車ノ成績極メテ優良ニシテ、外国品ヲ凌駕スルトノ賞讚ヲ博シタルト、タクマ式汽缶ガ益々其真価ヲ認メラレ、新ニ註文ヲ受ケタルモノ拾七基六、八五〇汽缶馬力ニ及ベルハ聊カ欣幸トスル所ナリ



〔参考〕(汽車製造株式会社)第五拾弐回営業報告書 自昭和三年七月至同年十二月 第五―六頁刊(DK530022k-0037)
第53巻 p.125 ページ画像

(汽車製造株式会社)第五拾弐回営業報告書 自昭和三年七月至同年十二月
                       第五―六頁刊
    営業
○上略 本期モ亦我国産業界ノ萎微依然トシテ旧ノ如ク、隣邦支那トノ商談意ノ如ク進メ難キモノアリテ誠ニ遺憾トスル所ナリ、加之同業者間ノ競争ハ更ニ更ニ激甚ヲ加ヘ、価格ノ低下止マル所ヲ知ラズ、経営ノ困難益々甚シ、仍チ朝夕相警メテ冗費ヲ省キ能率ヲ嵩メ製作費ノ低減ニ努メタル結果、幸前期ニ劣ラサル成績ヲ挙クルコトヲ得タリ
昨秋曠古ノ御大典ヲ挙ケサセラルルニ方リ、東京・京都間御召列車ヲ牽引セル機関車ハ本社ノ製作上納セルモノニシテ無上ノ光栄トスル処ナリ、之レ畢竟本社カ常ニ質実ヲ旨トシ製品ノ優良ナランコトニ努メタルノ結果ニ外ナラズ、今後益々奮励努力此声価ヲ一層高メンコトヲ期ス



〔参考〕(汽車製造株式会社)第五拾参回営業報告書 自昭和四年一月至同年六月 第五―六頁刊(DK530022k-0038)
第53巻 p.125 ページ画像

(汽車製造株式会社)第五拾参回営業報告書 自昭和四年一月至同年六月
                       第五―六頁刊
    営業
○上略 我国産業界ノ萎微不振ハ本期ニ於テモ未ダ恢復ノ兆ヲ顕ハサス、売価弥々低下シ、経営上ノ困難ハ一層甚シキヲ加フ、仍チ此間ニ処シ施設ノ改善進歩ト、経費ノ節約ト註文ノ獲得トニ努メ、作業能率ヲ高メ製作費ノ軽減ニ尽シ、従来ノ成績ト逕庭ナキヲ得タルハ欣幸トスル所ナリ
前期以来施工中ナリシ試験用高圧タクマ汽缶竣工シ、爾来諸種ノ実験ヲ施行シ同汽缶ノ性能ヲ明カニ知リ得タルノミナラズ、益々其真価ヲ顕揚スルコトヲ得タリ
北港運河々岸ニ特設シタル本社専用ノ荷揚ケ船渠並ニ之ニ通スル五百余間ノ専用鉄路漸ク開通シ使用ヲ開始セリ、六月上旬 天皇陛下当地ヘ行幸アラセラレ府下ノ物産ヲ天覧アラセラレタル際、本社ハ鉄道省C五一型機関車ノ模型、タクマ汽缶ノ模型並ニ白川橋並ニ駒形橋ノ写真ヲ陳列シ天覧ヲ仰キタリ、又同月五日侍従甘露寺伯爵ヲ本社ヘ御差遣ノ上作業ノ全般ヲ視察セシメ賜フ、本社ハ曩ニ
明治天皇 大正天皇両陛下ヨリ侍従御差遣ノ光栄ヲ担ヘルニ、今ヤ三タビ此恩命ヲ忝フシ、恐懼措ク処ヲ知ラス、一同益々奮励努力以テ之レニ酬ヘ奉ランコトヲ期ス
 - 第53巻 p.126 -ページ画像 



〔参考〕(汽車製造株式会社)第五拾四回営業報告書 自昭和四年七月至同年十二月 第五頁刊(DK530022k-0039)
第53巻 p.126 ページ画像

(汽車製造株式会社)第五拾四回営業報告書 自昭和四年七月至同年十二月
                       第五頁刊
    営業
○上略 本期ニ在リテハ年来業界ノ不振恢復セサルノミナラス、所謂緊縮政策ノ影響ハ独リ鉄道省其他諸官庁ノ註文品ヲ激減セルノミナラス、民間ニ於ケル註文品モ著シク減少シ、同業者間ノ競争ハ益々激シク価格ノ低下弥々甚シクシテ、遂ニ前期ニ劣ル営業成績ヲ顕ハスノ止ムナキニ至リタルハ誠ニ遺憾トスル所ナリ



〔参考〕(汽車製造株式会社)第五拾五回営業報告書 自昭和五年一月至同年六月 第五頁刊(DK530022k-0040)
第53巻 p.126 ページ画像

(汽車製造株式会社)第五拾五回営業報告書 自昭和五年一月至同年六月
                       第五頁刊
    営業
○上略 本期ニアリテハ財界ノ不況弥々深刻ニシテ註文ノ減少ト同業者間ノ競争ハ益激甚ナリシモ、大ニ諸経費ノ節約ニ努メ前期ニ劣ラサル成績ヲ挙クルコトヲ得タリ



〔参考〕(汽車製造株式会社)第五拾五回営業報告書 自昭和五年一月至同年六月 第三―五頁刊(DK530022k-0041)
第53巻 p.126 ページ画像

(汽車製造株式会社)第五拾五回営業報告書 自昭和五年一月至同年六月
                       第三―五頁刊

    作業手
  区別     大阪本店  東京支店  合計
  製缶工     一〇四   一三二   二三六
  梁工      一八五     ―   一八五
  圧搾工      六一     ―    六一
  薄板工      八八     ―    八八
  道具工      五一     ―    五一
  旋工      二三八    五三   二九一
  機械旋盤工    三二     ―    三二
  仕上工      二五    三一    五六
  機械仕上工    二五     ―    二五
  組立工      八九    五三   一四二
  鋳工       八三    二七   一一〇
  木型工      一四     ―    一四
  鍛工       七八    七二   一五〇
  電工       八五    一〇    九五
  塗工       一九    四〇    五九
  木工       一六    八八   一〇四
  汽缶手       四     二     六
  検査課      四一    一三    五四
  倉庫課       ―     三     三
  作業課       ―    三一    三一
  設計課       五     ―     五
  庶務課      一六     ―    一六
  計     一、二五九   五五五 一、八一四

 - 第53巻 p.127 -ページ画像 



〔参考〕(汽車製造株式会社)第五拾六回営業報告書 自昭和五年七月至同年十二月 第五―六頁刊(DK530022k-0042)
第53巻 p.127 ページ画像

(汽車製造株式会社)第五拾六回営業報告書 自昭和五年七月至同年十二月
                       第五―六頁刊
    営業
○上略 本期ニ入リ経済界ノ不況ハ一層深刻トナリ、諸官公署ヲ始メトシ各事業会社ハ挙ケテ緊縮ニ緊縮ヲ加ヘラルヽ結果トシテ、発註高更ニ激減シ、偶々受註スルモ同業者ノ競争ト相俟チテ価額低廉ヲ極メ、遂ニ所期ノ成績ヲ挙ケ得サリシハ洵ニ遺憾ニ堪エサル所ナリ、唯此間製鉄所ヨリデーゼル機関車ノ試作註文ヲ受ケ、又鉄道省御斡旋ノ下ニシヤム国ヘノ鉄橋輸出ノ端緒ヲ得シハ聊カ以テ次ノ時代ニ準フル一途トナルヘク、玆ニ加筆報告スルモノナリ



〔参考〕(汽車製造株式会社)第五拾七回営業報告書 自昭和六年一月至同年六月 第四―五頁刊(DK530022k-0043)
第53巻 p.127 ページ画像

(汽車製造株式会社)第五拾七回営業報告書 自昭和六年一月至同年六月
                       第四―五頁刊
    営業
○上略 本期ニ於ケル財界ノ萎靡衰頽ハ更ニ加リ受註品ノ激減ハ遥カニ予測ヲ超ヘ、為メニ止ムヲ得ズ人員ヲ整理シ、一部工場ニハ臨時休業日ヲ設クル等之レカ調節ニ苦慮尽瘁セルモ、製品価格ノ低落益々甚シク遂ニ所期ノ成績ヲ挙ケ得サリシハ洵ニ遺憾ニ堪ヘサル処ナリ、曩ニ報告セル製鉄所納デーゼル機関車並ニ民国膠済鉄道納メ四拾噸貨車竣工シ、共ニ製品優秀ニシテ欧米品ヲ凌駕シ註文主ノ満足ト賞讚トヲ博スルヲ得タリ



〔参考〕実業五十年史 清浦恒通著 第五巻・第一六五頁 昭和一一年八月刊(DK530022k-0044)
第53巻 p.127-128 ページ画像

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冊子版の『渋沢栄一伝記資料』をご参照ください。