デジタル版『渋沢栄一伝記資料』

  詳細検索へ

公開日: 2016.11.11 / 最終更新日: 2021.9.1

3編 社会公共事業尽瘁並ニ実業界後援時代

2部 実業・経済

5章 農・牧・林・水産業
1節 農・牧・林業
6款 大正園
■綱文

第54巻 p.209-218(DK540048k) ページ画像

大正8年5月28日(1919年)

是日栄一、当園園主尾崎哲之助ノ来訪ニ接シ、蔬菜・草花ノ種子ノ採取及ビ輸出事業ニ付キ、援助ヲ依頼セラル。


■資料

渋沢栄一 日記 大正八年(DK540048k-0001)
第54巻 p.209 ページ画像

渋沢栄一 日記  大正八年         (渋沢子爵家所蔵)
五月二十八日 晴 暖
○上略 尾崎哲之助氏ヨリ輸出種物事業ノ事ニ付依頼アリ○下略
  ○尾崎哲之助ニツイテハ次掲資料参照。


渋沢家所蔵文書 【北海道産種子の海外輸出会社設立主意書】(DK540048k-0002)
第54巻 p.209-214 ページ画像

著作権保護期間中、著者没年不詳、および著作権調査中の著作物は、ウェブでの全文公開対象としておりません。
冊子版の『渋沢栄一伝記資料』をご参照ください。

渋沢家所蔵文書 【起業目論見書(大正園種苗株式会社)】(DK540048k-0003)
第54巻 p.214-218 ページ画像

渋沢家所蔵文書
(表紙)

 起業目論見書

    起業目論見書
一、商号
  大正園種苗株式会社
二、目的
  (一)種苗球根類ノ供給、肥料・農業薬物及農園芸具販売、並ニ之ニ附帯スル事業
  (二)前項ト同種類ノ事業ニ対スル投資
三、事業資金総額
  事業ニ要スル資金弐拾万円也ヲ一株金弐拾円ノ株式、壱万株ニ分チ、全額払込トシ、業務発展ノ状況ニヨリ増資スルモノトス
 - 第54巻 p.215 -ページ画像 
四、事業計画ノ概要
  第一期計画トシテ尾崎哲之助氏経営ニ係ル札幌大正園ヲ買収シ、同園従来ノ営業ヲ拡張シテ各般ノ改善ヲ謀リ、日本領土ハ勿論支那・南洋方面ヘモ種苗ノ供給ヲナスト同時ニ、英・米各地及南米方面ヘ試験的輸出ヲナスモノトシ、之ニ必要ナル原種圃・種子精撰場・貯蔵庫、完全ナル採種設備等ノ拡張又ハ新設ヲナス計画ニシテ、之ニ要スル起業資金左ノ如シ
   一金七万七千円也
      内訳
   一金四万円也《(三)》 札幌大正園買収費
       再内訳
    一金弐万円也   大正園ノ営業権利(諸販売権等モ含ム)
    一金壱万円也   大正園ノ店舗・貯蔵庫(鉄筋コンクリート総地下室附)・温室・電話・金庫及営業用一切ノ設備器具等
   一金七千円也   在庫種子・農薬物・農具等商品一式(但シ時々変動アリ)
   一金参千円也   球根類・宿根類(農場ニ栽培中ノモノ)
   一金壱万円也   原種圃新設費(岩見沢附近ニ畑地四・五町歩買入)
   一金五千円也   採種用温室及採種設備費
   一金五千円也   貯蔵庫一棟新設(原種圃内精撰場ニ接続シテ)
   一金五千円也   種子精撰場及乾燥場新設費
   一金六千円也   新式種子精撰器(輸入)・電気モーター購入費
   一金弐千円也   横浜営業所新設費(電話買入費共)
   一金壱千五百円也 札幌営業所改造費及原種圃電話買入費
   一金弐千五百円也 創立費
  第二期事業計画ハ第一期事業計画ノ完成ヲ待チ、従来ノ販路ヲ拡張シテ英・米及南米ヘノ輸出ニ主力ヲ注グト同時ニ、採種地モ北海道ノミニ止マラズ、満洲・朝鮮、我東北地方等夫々適地ニ適作物ヲ求メテ依托生産ヲナシ、取扱品種ノ増加ヲ計リ、進ンデ品種ノ改良、新種作出等ニモ力ヲ致サン予定ニシテ、之ニ要スル起業資金左ノ如シ
   一金六万円也
      内訳
    一金弐万円也   原種圃及諸設備ノ拡張
    一金壱万円也   温室ノ増築費
    一金壱万円也   精撰器及諸設備費
    一金壱万五千円也 貯蔵庫及精撰場ノ増設費
    一金五千円也   横浜営業所拡張費
五、特徴
  当会社ハ、二十年来本業ニ従事シ、現ニ全国ニ多数ノ有力ナル得
 - 第54巻 p.216 -ページ画像 
意先ヲ有シ、種苗上ノ信用厚キ札幌大正園ノ事業ヲ其儘継承シ、各般ニ拡張改善ヲ行フモノナレバ、初年度ヨリ国内ノ営業ノミニテモ相当ノ成績ヲ挙ゲ得ル見込充分ニシテ、従テ相当ノ配当ヲナシ得ル自信アリ、且海外取引ニ於テモ、十数年来僅少ナガラ取引上ノ関係ヲ有スルモノアリテ、全々新規ニアラザルヲ以テ、初年度ヨリ直チニ大量註文ヲ受クル能ハザル迄モ、数年ナラズシテ相当ノ大取引ヲ見ルニ至ルベク、殊ニ北海道産種子ノ声価ハ既ニ既ニ英米市場ニ認メラレツツアルノ今日、社員ヲ派シテ予約的註文ヲ得、広告ニ宣伝ニアラユル努力ヲ払フ時ハ、ヤガテ我邦有数ノ輸出品タルニ至ランコトヲ確信スルモノナリ

    収支予算書○略ス

    大正園種苗株式会社定款
      第一章 総則
第一条 当会社ハ大正園種苗株式会社ト称ス
第二条 当会社ハ左ノ事業ヲ営ムヲ以テ目的トス
 一、種苗ノ供給、園芸用品ノ販売並ニ之ニ附帯スル事業
 一、前項ト同種類ノ事業ニ対スル投資
第三条 当会社ハ本店ヲ札幌市ニ置キ、支店又ハ出張所ヲ枢要ノ地ニ設置スルコトアルヘシ
第四条 当会社ノ資本金ハ弐十万円トス
第五条 当会社ノ公告ハ北海タイムス新聞ニ之ヲ掲載ス
      第二章 株式
第六条 当会社ノ株式ハ壱万株トシ、壱株ノ金額ヲ金二拾円トス
第七条 当会社ノ株式ハ記名式トシ、壱株券・拾株券・百株券ノ三種トス
第八条 株金払込金額ハ壱株ニ付弐拾円トシ、全額払込トス
第九条 株金ノ払込ヲ怠リタル株主ハ、払込期限ノ翌日ヨリ金百円ニ付一日金四銭ノ遅延利子及之カ為ニ生シタル費用其他ノ損害ヲ支払フモノトス
第十条 株式ヲ譲渡シタルトキハ、当会社所定ノ書式ニ依リ株券ヲ添ヘテ名義書換ノ請求ヲ為スヘシ
第十一条 相続遺贈其他法律上ノ手続ニ因リ株式ヲ取得シタル者ハ、当会社所定ノ書式ニ依リ且当会社ニ於テ必要ト認ムル証拠書類ヲ添付シテ名義書換ノ請求ヲ為スヘシ
第十二条 株券ノ毀損又ハ分合等ノ事由ニ因リテ株券ノ引換ヲ請求スル者ハ、其事由ヲ記載シタル請求書ニ株券ヲ添ヘテ当会社ニ差出スヘシ
第十三条 株券ノ滅失又ハ紛失等ノ事由ニ因リテ新ニ株券ノ交付ヲ請求スル者ハ、其事由ヲ記載シタル請求書ニ当会社ノ適当ト認ムル保証人弐名以上連署ノ上之ヲ当会社ニ差出スヘシ、此場合ニ於テハ当会社ハ請求者ノ費用ヲ以テ参回以上其旨ヲ公告シ、其最終ノ日ヨリ参拾日ヲ経テ故障ヲ申出ツル者ナキトキハ、新ニ株券ヲ交付スヘシ
 - 第54巻 p.217 -ページ画像 
第十四条 株券ノ名義書換ハ壱通ニ付金拾銭、新ニ株券ヲ交付スルトキハ壱通ニ付金参拾銭ノ手数料ヲ徴収スヘシ
第十五条 株券ノ名義書換ハ毎決算期日ノ翌日ヨリ定時株主総会ヲ終ルマテ之ヲ停止ス
 前項ノ外必要ノ場合ニ於テ公告ヲ為シ株券ノ名義書換ヲ停止スヘシ
第十六条 株主又ハ其法定代理人ハ其氏名住所及印鑑ヲ当会社ニ届出ツヘシ、其変更アリタルトキ亦同シ
 外国ニ居住ノ株主ハ日本国内ニ仮住所又ハ代理人ヲ定メ当会社ニ届出ツヘシ、其変更アリタルトキ亦同シ
      第三章 株主総会
第十七条 定時株主総会ハ毎年六月及十二月之ヲ招集ス
第十八条 株主総会ノ議長ハ社長之ニ任ス、社長事故アルトキハ他ノ取締役之ニ代ル
第十九条 株主総会ノ議事ハ法律ニ別段ノ規定アル場合ノ外、出席シタル株主ノ議決権ノ過半数ヲ以テ之ヲ決ス、可否同数ナルトキハ議長之ヲ決ス
第二十条 株主ハ代理人ニ委任シテ其議決権ヲ行フコトヲ得、但代理人ハ当会社ノ株主タルコトヲ要ス
第廿一条 総会ノ決議事項ハ議事録ニ登載シ、出席セル取締役及監査役連署シテ之ヲ保有ス
      第四章 取締役及監査役
第廿二条 取締役及監査役ハ当会社ノ株式百株以上ノ所有者中ヨリ株主総会ニ於テ之ヲ選任ス
第廿三条 取締役ハ五名以内トシ、監査役ハ二名トス
第廿四条 取締役ノ任期ハ就任後第六回、監査役ノ任期ハ就任後第四回ノ定時株主総会終結ノ時ヲ以テ終了ス、但取締役ノ一部又ハ監査役ノ一部ノミ選任スルトキハ、其任期ハ他ノ在任取締役又ハ監査役ノ残任期ニ同シ
第廿五条 取締役又ハ監査役ニ欠員ヲ生スルモ法定ノ員数ヲ欠カサルトキハ、其補欠選挙ハ之ヲ延期スルコトヲ得
第廿六条 取締役中ヨリ株主総会ニ於テ社長壱名及常務取締役壱名ヲ選任ス
第廿七条 社長ハ当会社ヲ代表シ会社一切ノ業務ヲ総理ス
 常務取締役ハ当会社ヲ代表シ社長ヲ輔佐シテ当会社ノ業務ヲ掌理シ社長事故アルトキハ之ヲ代理ス
第廿八条 取締役ハ在任中其所有ノ株式壱百株ヲ監査役ニ供託スヘシ
第廿九条 取締役及監査役ノ受クヘキ報酬ハ株主総会ニ於テ之ヲ定ム
      第五章 計算
第三十条 当会社ハ毎年五月三十一日及十一月三十日ヲ以テ決算期ト定ム
第卅一条 毎期ノ総収入金ヨリ諸経費及損失並起業費・償却金ヲ控除シタル残額ヲ純益金トシテ、左ノ順序ニ従ヒ之ヲ分配ス
 一、法定積立金     純益金ノ百分ノ五以上
 二、別途積立金
 - 第54巻 p.218 -ページ画像 
 三、役員賞与金及交際費 純益金ノ百分ノ十以内
 四、配当金
 五、後期繰越全
第卅二条 株主配当金ハ各計算期末日現在ノ株主ニ対シ支払フモノトス
      第六章 附則
第卅三条 当会社ノ負担ニ帰スヘキ創立費ハ金三千円以内トス
第卅四条 発起人ノ氏名住所左ノ如シ(略)