デジタル版『渋沢栄一伝記資料』

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公開日: 2016.11.11 / 最終更新日: 2021.9.1

3編 社会公共事業尽瘁並ニ実業界後援時代

2部 実業・経済

6章 対外事業
1節 朝鮮
1款 日韓瓦斯株式会社(日韓瓦斯電気株式会社)
■綱文

第54巻 p.335-337(DK540073k) ページ画像

明治42年8月30日(1909年)

是年六月六日、栄一実業界引退ニヨリ、当会社取締役会長辞任ヲ申出ツ。是日、東京商業会議所ニ於テ、当会社臨時株主総会開カレ、其決議ニヨリ、栄一、当会社ヨリ慰労金及ビ感謝状ヲ贈ラル。


■資料

(日韓瓦斯電気株式会社)営業報告書 第三回明治四三年二月刊(DK540073k-0001)
第54巻 p.335 ページ画像

(日韓瓦斯電気株式会社)営業報告書  第三回明治四三年二月刊
    第三回営業報告書
            東京市京橋区山下町十四番地
                   日韓瓦斯電気株式会社
明治四十二年八月一日ヨリ同四十三年一月三十一日ニ至ル業務ノ要領左ノ如シ
      第一 株主総会
一、定時株主総会 明治四十二年八月三十日、東京市麹町区有楽町一丁目東京商業会議所ニ於テ開会ス、出席株主(委任状共)二百五十六人、此株数二万九千五百七十二株ニシテ、専務取締役岡崎遠光議長席ニ着キ、明治四十二年上半期営業報告書・財産目録・貸借対照表・損益計算書ヲ承認シ、利益金処分案ヲ議決セリ
一、臨時株主総会 定時株主総会閉会後引続キ開会ス、取締役男爵渋沢栄一ノ補欠選挙ヲ行ヒ、白石直治当選セリ
 ○中略前取締役会長男爵渋沢栄一氏ノ功労ヲ謝スル為メ、適当ノ金品贈呈ノ件ヲ重役ニ一任スル事ヲ可決セリ
      第二 庶務要領
一登記事項 明治四十二年八月二十日、取締役男爵渋沢栄一辞任ノ件○中略何レモ登記ヲ了セリ
○下略


(日韓瓦斯電気株式会社)営業報告書 第四回明治四三年八月刊(DK540073k-0002)
第54巻 p.335-336 ページ画像

(日韓瓦斯電気株式会社)営業報告書  第四回明治四三年八月刊
      第四回営業報告書
 - 第54巻 p.336 -ページ画像 
         東京市神田区錦町三丁目二十二番地
                   日韓瓦斯電気株式会社
 明治四十三年二月一日ヨリ同年七月三十一日ニ至ル業務ノ要領左ノ如シ
      第一 株主総会
一、定時株主総会 明治四十三年二月二十五日、東京市神田区美土代町三丁目三番地東京基督教青年会館ニ於テ開会ス○中略
二、前取締役会長男爵渋沢栄一氏ノ功労ヲ謝スル為メ、金二千円ニ感謝状ヲ添ヘ贈呈ノ件報告セリ
○下略


京城電気株式会社二十年沿革史 同社編 第七三―七四頁昭和四年四月刊(DK540073k-0003)
第54巻 p.336 ページ画像

京城電気株式会社二十年沿革史 同社編  第七三―七四頁昭和四年四月刊
    第八章 日韓瓦斯電気株式会社時代
      一、日韓瓦斯株式会社の商号変更
 日韓瓦斯株式会社は韓美電気会社を買収して、電気事業を併営することゝなれるを以て、商号を日韓瓦斯電気株式会社と改め、明治四十二年七月二十七日登記変更を行ひ、之れと同時に定款中左の改正を為せり。
 第一条 本社は日韓瓦斯電気株式会社と称す
 第二条 本社は韓国に於て第一瓦斯製造供給及副生物の精製販売、第二電気鉄道・電話・電灯及電力の供給、第三瓦斯及電気機械器具の製造販売、第四前各項に附帯する業務を営むを以て目的とす
      二、渋沢会長の辞任
 本社取締役会長男爵渋沢栄一氏は、日韓瓦斯株式会社創立の初めより、出願者となり、発起人となり、創立委員長となり、創立後は取締役会長として万事社業の発展に付き努力せられたるが、男爵は感ずる所あり、爾今経済界より勇退し、一切の関係会社の重役を辞任して余生を専ら公共事業の為に捧ぐることゝなりたれば、本社の取締役会長をも辞任の申出でありたり、仍て本社は明治四十二年八月三十日東京商業会議所に於て開会せる第三回定時株主総会後、続いて臨時株主総会を開きて会長辞任の承認を得、其残任期中白石直治氏を選挙し、渋沢男爵多年の功労を謝する為め慰労金並に感謝状を贈呈せり。
      三、高松豊吉氏会長就任
 明治四十三年二月八日東京に於て開会の本社第四回定時株主総会に於て、取締役会長渋沢栄一男辞任に就き其の後任者選挙の取締役会議を開きたる結果、取締役工学博士高松豊吉氏を会長に選挙せり。
○下略
  ○大正四年九月、当会社ハ更ニ京城電気株式会社ト改称ス。



〔参考〕朝鮮鉄道史 朝鮮総督府鉄道局編 第一巻・第七五九―七六〇頁昭和四年一〇月刊(DK540073k-0004)
第54巻 p.336-337 ページ画像

朝鮮鉄道史 朝鮮総督府鉄道局編  第一巻・第七五九―七六〇頁昭和四年一〇月刊
 ○第二編第三章第一節京城の電気軌道
      四、買収後に於ける事業概要
 漢城電気会社及び韓美電気会社の両時代を経て日韓瓦斯電気株式会社となり、玆に初めてその基礎確立するに至り、社業に一新生面を開
 - 第54巻 p.337 -ページ画像 
き、軌道を拡張して府の内外に延長する傍ら、主要線路を漸次複線に改築すると同時に車輛を新造改良して乗客の利便を計り、又発電所・変電所の設置拡張をなして鋭意事業の発展を期せるが、大正三年度に於ける現況は営業軌道十五哩五鎖八十一節にして、運転車輛は客車七十九輛・貨車十二輛・撒水車二輛、合計九十三輛であつた。
 而して乗車賃金は区間制に依り一区金三銭となしたるが、大正三年度に於ける電気鉄道営業収入は三十二万三千八百二十五円余、支出十六万二千八百二十二円余にして、十六万一千三円の純益金を挙ぐるに至つた。
 会社重役は初め渋沢栄一子爵、日韓瓦斯株式会社取締役会長として創立以来尽瘁せるが、明治四十二年八月辞任して工学博士白石直治・同高松豊吉相次でその後を襲ひ、大正四年一月高松博士辞任して大橋新太郎取締役会長となつた。又専務取締役には初め岡崎遠光就任したるが、大正元年病歿せるため岡正矣就任した。尚ほ大正三年度末現在に於ける本会社重役は左の如くであつた。
                取締役会長 大橋新太郎
                専務取締役 岡正矣
                取締役   伊藤幹一
                同上    下郷伝平
                同上    山口太兵衛
                同上    白寅基
                監査役   福島甲子三
                同上    平沢道次
                同上    西村道彦