デジタル版『渋沢栄一伝記資料』

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公開日: 2016.11.11 / 最終更新日: 2020.3.6

3編 社会公共事業尽瘁並ニ実業界後援時代

2部 実業・経済

6章 対外事業
2節 支那・満洲
6款 日華実業協会
■綱文

第55巻 p.300-309(DK550058k) ページ画像

大正13年11月12日(1924年)

是ヨリ先、上海・漢口・安東ノ各日本人商業会議所、当協会ニ対シ、中華民国ニ於ケル我商務官制度ノ存続方ニツキ、当協会ノ尽力ヲ依頼シ来ル。

是日栄一、当協会幹事会ニ出席シ、右ノ件及ビ副会長後任者推挙ノ件等ニツキ協議ス。

二十四日、東京商業会議所ニ於テ、当協会・日華学会・商業会議所聯合会ノ各委員会合シ、中華学
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芸社学芸大学設立資金援助方ニ関シ協議ス。


■資料

日華実業協会往復(一)(DK550058k-0001)
第55巻 p.301 ページ画像

日華実業協会往復(一)          (渋沢子爵家所蔵)
拝啓
    一、商務官存続ニ関シ上海商業会議所ヨリ電報申越ノ件
右ニ関シ左記電報入手致候間不取敢入貴覧候
 左記
 「今回政府ニ於テハ行政整理ノ結果トシテ在外商務官制度廃止ノ趣ナルカ、右ハ我カ対外貿易ノ消長ニ関スルコト重大ニシテ特ニ我カ対支貿易上多大ノ好果ヲ挙ケツツアル現状ニ鑑ミ、少クトモ在支商務官ハ是非存続セラレンコトヲ希望ス、右特ニ御配慮乞フ」
                  (上海商業会議所)
追記
 右ニ関シ外務省通商局商報課長ニ会見候処、外務省ニモ同所ヨリ同様ノ意味ノ電報入手シ、已ニ上海総領事宛回答シタリトノコトニテ商務官ノ現在ノ制度ハ改善サルヘキモ、何等カノ方法ニ依リ其ノ実質ハ依然存続セシムルノ方針ノ旨承リ候
    一、伊東幹事辞任ノ件
幹事伊東米治郎氏本月二十日附辞任相成候間、不取敢御報告申上候
                           以上
  大正十三年十月三十日
                      日華実業協会


日華実業協会往復(一)(DK550058k-0002)
第55巻 p.301-302 ページ画像

著作権保護期間中、著者没年不詳、および著作権調査中の著作物は、ウェブでの全文公開対象としておりません。
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日華実業協会往復(一)(DK550058k-0003)
第55巻 p.302 ページ画像

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日華実業協会往復(一)(DK550058k-0004)
第55巻 p.302 ページ画像

日華実業協会往復(一)          (渋沢子爵家所蔵)
拝啓
    幹事会開会ノ件
来ル十一月十二日(水曜日)正午ヨリ当事務所ニ於テ幹事会相開キ、本会副会長後任ノ件其他ニツキ御協議相願度、御多用中乍ラ何卒御繰合セ御臨席奉願候 敬具
  大正十三年十一月七日
                     日華実業協会
追而、御多用中乍ラ別紙ニ御都合御一報願候

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日華実業協会往復(一) 【幹事会(十一月十二日正午)】(DK550058k-0005)
第55巻 p.303-304 ページ画像

日華実業協会往復(一)          (渋沢子爵家所蔵)
    幹事会(十一月十二日正午)
 出席 会長、奥村・角田・安川・白岩・森・森各幹事
一、副会長推挙ノ件協議
報告
一、漢口居留民会ヨリ政府ニ請願ノ低利資金貸下ノ件
二、上海及安東県商業会議所ヨリ商務官存続ニツキ申越ノ件(別紙)
  ○前掲ニツキ略ス。
三、中華学芸社主趣書ノ件(別紙)
四、天津甲子談話会ノ件
五、漢口中報会ノ件
六、伊東幹事ヨリ辞任申出ノ件
七、在青島青島学院ヨリ商科大学用器具寄附シタルニツキ謝礼ノ件
八、李烈鈞氏ヨリ謝電ノ件(別紙)
(別紙、印刷物)
    中華学芸社ノ内容及ヒ同社発起ニ係ル
    学芸大学ニ就テ
 中華学芸社ハ、大正五年当時東京留学中ノ中華民国学生ニシテ東京帝国大学・早稲田大学・高等工業学校・高等師範学校・千葉医学専門学校等ニ在学セシ
 陳啓修氏  帝大法学士  現在  北京大学法学系主任教授
 王兆栄氏  帝大法学士  同   安徽省立法政専門学校々長
 呉永権氏  帝大法学士  同   国立北京法政専門学校教授
 楊棟林氏  日本大学出身 同   北京大学教授
 周昌寿氏  帝大理学士  同   上海商務印書館編輯
 楊梓林氏  帝大工学士  同   天津久大精監工廠技師
 文元摸氏  帝大理学士  同   北京高等師範学校数理部主任教授
 屠孝実氏  早大出身   同   北京大学教授
 何熙曾氏  帝大工学士  同   福建梨山炭鉱技師
 鄭貞文氏  帝大理学士  同   上海商務印書館編輯
等四十七名ガ相計ツテ、学芸ノ昌明、真理ノ研究、智識ノ交換、文化ノ促進ヲ目的トシテ組織シ、其年ノ干支ヲ採ツテ丙辰学社ト命名シタノデアル
 創立以来学芸雑誌・学芸叢書・学芸彙刊等ノ発行ト講演会ノ挙行等ニ依リ学会ニ貢献スル処多カリシタメ、欧米留学生ノ入社スルモノ少カラサル情況トナリ、同社ノ地位ハ中華民国ニ於ケル各種学芸団体中有力ナルモノトナリ、別冊○略ス 社員名簿ニ示ス如ク、目下千数百名ノ社員ヲ有スルニ至リ、大正十二年六月社名ヲ中華学芸社ト改メタリ、今日ニ在ツテハ単ニ文教界ニ重キヲナスノミナラス、政治・経済其ノ他ノ方面ニ対シテモ間接・直接ニ与論指導ノ実力ヲ有シ、現ニ数年間連続的ニ熾烈ナリシ支那各地殊ニ長江一帯ノ排日運動カ漸次緩和屏熄スルニ至リタルハ、他ニ種々ノ原因アルヘキモ、同社幹部員カ中枢トナリテ排日運動ノ不可ヲ唱道セルコト与ツテ有力ナリシハ、支那在留本邦有識者ノ等シク認ムル処デアル
 - 第55巻 p.304 -ページ画像 
 同社ノ事業トシテハ、前項ノ如ク学芸雑誌・学芸叢書及学芸彙刊ノ発刊並ニ講演会等ニ依リ学理ノ啓明及文化ノ普及ニ努力スル外、種々顕著ナル団体的行動ヲ為シ、殊ニ昨秋ノ京浜地方大震災ニ際シテハ、機ヲ逸セス在京学生ノ慰問及救済ニ努メ、上海同社本部ニ於テハ同地教育団体ト聯合シテ、日災救済会ヲ組織シ、或ハ慰問ニ、或ハ救済ニ多大ノ活動ヲ為シタルカ、従来日本留学出身者ニ対シテハ、他ノ米国始メ英仏独等ノ如キ卒業後之ヲ補導助成スヘキ施設ナク、加之近年政局ノ変遷ト共ニ、各界ヲ通シテ日本留学生ニ対スル風潮不利ニ傾キ、何レモ終熄ノ止ムナキ状態ニアリシモ、最近漸ク対日感情緩和サレ来リ、日本留学出身者ノ真価モ広ク認メラルヽト共ニ、学芸者ノ基礎亦確立スルニ到ツタノデ、本年一月大会ニ於テ年来ノ希望タル学芸大学創設計画ヲ議決シ、創立委員会ヲ設ケテ、社員王兆栄氏ヲ創立委員長ニ挙ケ、社員何崧齢氏・范寿康氏・郭開貞氏・周昌寿氏ヲ創立委員トナシ、直ニ資金募集運動ヲ開始セリ、而シテ之ガ創設資金ハ壱百万円トシ、主トシテ支那国内ハ勿論、広ク日本及欧米各国ノ民間有志者ノ援助ニ依ラントスルモノニテ、各方面ニ委員ヲ派遣シ、日本側ニ対シテハ右創立資金ノ内約弐拾五万円ノ援助ヲ希望シ、商業会議所・日華学会・日華実業協会ニ対シ之レガ援助ヲ依頼シ来リ、曩ニ吾ガ商業会議所聯合会ニ於テハ、上海日本人商業会議所ノ発議ニヨリ本大学設立ノ主旨ヲ賛シ、之ガ援助ヲ為スコトヲ議決セラレタ次第デアル
 中華学芸社ノ本大学創設趣意書ニ依レバ、従来支那ニ於ケル官立学校ハ何レモ積年内乱ノ影響ニヨリテ教化弛廃シ、又私立学校ノ多クハ或ハ宗教的或ハ物質的教育ニ偏スル等弊風甚シク、人材ノ興ラザルニ鑑ミ、基礎ヲ東洋固有ノ文化ニ置キ、之ニ西欧ノ物質的文化ヲ加味セシメタル学芸文化ノ昌明ニ努メ、有用ノ人材ヲ養成センコトヲ主眼トスルモノニシテ、最初ハ文科・理科・法科ノ各専門部ヲ設ケテ、之レヲ大学組織ニ進ムル計画ニテ、殊ニ日本留学希望者ノ為メニ予備教育トシテ日本語部ヲ附設スル筈デアル
 以上ハ中華学芸社ノ由来及沿革並ニ今回学芸大学創設ヲ発起スルニ至リタル次第ノ概略ナルカ、右述フルカ如ク、日本留学生ヲ中堅トスル中華学芸社ニ対シ、此際之カ希望ヲ容レ、其ノ企画ヲ賛助スルハ、両国間ノ関係及ヒ諸般ノ点ニ鑑ミ最モ適切ナル企タルコトヲ認メ、玆ニ御賛同ヲ仰クニ到リタル次第テアル
  大正十三年十月
                   全国商業会議所聯合会
                   日華実業協会
                   日華学会
(別紙)
    李烈鈞氏来電(十一月十一日)
在京中御高意拝謝、東亜ノ為メ今後御高教ヲ賜ハランコトヲ祈リマス


集会日時通知表 大正一三年(DK550058k-0006)
第55巻 p.304 ページ画像

集会日時通知表  大正一三年       (渋沢子爵家所蔵)
十一月十二日 水 正午 日華実業協会幹事会(同会)

 - 第55巻 p.305 -ページ画像 

日華実業協会第四回総会報告書 第三一―三二頁大正一三年一二月刊(DK550058k-0007)
第55巻 p.305 ページ画像

日華実業協会第四回総会報告書  第三一―三二頁大正一三年一二月刊
    大正十二年六月以降
      役員会及諸会合報告
○上略
十一月十二日○大正一三年正午、役員会ヲ開キ、渋沢会長及白岩・安川・奥村・森(広蔵)・森・角田各幹事出席シ、左記事項ニツキ協議ス
  一、和田副会長逝去後欠員ノ本会副会長後任者推挙ニツキ意見ノ交換ヲナシ、候補者ノ決定ヲ会長ニ一任ス
  一、漢口居留民会代表者宝妻氏ハ、政府ニ請願中ノ低利資金貸下ニ関シ、当局トノ交渉顛末ヲ報告シ、並ニ本会ニ於テ白岩・荻野・森ノ各幹事ヲ委員トシ、政府ニ向テ諒解ヲ求メタルニ対シ感謝ノ意ヲ述ヘラル
  一、上海・漢口・安東県・奉天其他在支各商業会議所ヨリ申越ノ商務官存続ノ件ヲ審議ス
  一、中華学芸社ノ学芸大学資金援助主趣書ノ件
  一、天津甲子談話会及漢口中報会ノ件
  一、幹事伊東米治郎氏ハ、本協会ノ創立及創立後ハ評議員兼幹事トシテ本会ノ為メニ尽粋《(瘁)》サレタルカ、今回辞任ヲ申出アリタル旨報告ス
○下略


日華実業協会往復(一)(DK550058k-0008)
第55巻 p.305 ページ画像

日華実業協会往復(一)         (渋沢子爵家所蔵)
「会長・各幹事各位宛」
拝啓
上海・済南・奉天ノ各日本商業会議所ヨリ申越ノ商務官制度存続請願依頼別紙○次掲 同封御送付申上候 敬具
  大正十三年十一月十七日
                      日華実業協会


日華実業協会往復(一)(DK550058k-0009)
第55巻 p.305-307 ページ画像

日華実業協会往復(一)          (渋沢子爵家所蔵)
  大正十三年十一月十日
                    上海日本商業会議所
    日華実業協会 御中
    一、在外商務官存続ニ関シ援助方御依頼ノ件
拝啓 益々御清穆之段奉賀候
陳者本件ニ関シ先般来種々御後援ヲ賜ハリ、深謝ノ至ニ不堪、厚ク御礼申上候、其後当所ハ右存続切望ノ見地ヨリ、実情調査ノ上、本月八日開催役員会ノ決議ヲ以テ、別紙写ノ通リ政府当局宛請願書提出仕候ニ就テハ、何卒事情御洞察被成下、所期ノ目的達成致様一層ノ御後援ヲ賜ハリ度、此段切ニ御依頼申上候 敬具
(別紙、写)
        請願書
    在外商務官制度廃止ニ関スル件
粛啓 陳者先年再ヒ実施セラレ候我国商務官制度ハ、其後日尚浅キニ
 - 第55巻 p.306 -ページ画像 
モ不拘、邦人商工業者ニ多大ノ便益ヲ与ヘ、我対外貿易上貢献シタル所不尠、今後該制度利用ノ拡大ト共ニ、其効果益々増大スル事ト期待致居候処、今次帝国政府ニ於テ行政並ニ財政整理ノ結果、本制度全廃ノコトニ閣議御決定相成候趣ニ有之、誠ニ遺憾至極ニ奉存候
 玆ニ改メテ申上候迄モ無ク、我国ハ工業立国ノ宿命ニ坐シ、之安定ハ畢竟国際貿易ノ好転ヲ基調トセサル可カラサル目下ノ大勢ニ顧ミ、将来我国力ノ伸張ハ一ニ対外貿易、就中我国生産品ノ需要国トシテ最モ重要ノ地位ヲ占ムル対支貿易ノ増進ニ俟タサル可カラス、輓近日支両国ノ通商ハ逐漸逓増シ、現ニ両国間産業ノ分化依存ハ、政府御当局ノ適当ナル施策ト相俟テ着々効果ヲ挙ケツツアルハ、邦家ノ為メ祝福ニ不堪次第ニ御座候、然ルニ支那ハ特殊ノ国情ヲ有シ、一般経済社会ノ活動ハ他ノ文明国ニ於ケルカ如ク単純ナラサルニ加ヘテ、時局ノ変転極マリナク、更ニ排日・排貨運動等相踵キ、為メニ在支我商工業者ハ、常ニ尠ナカラサル不便不安ニ直面シ、煩労徒ニ多ク而カモ利益之ニ伴ハサル営業ニ従事シ、孜々営々地盤確立ニ努力シ居ルコト御承知ノ如クニ有之候、他方欧米列国亦斉シク支那市場ヲ重要視シ、対支発展ノ為メ鋭意劃策ヲ怠ラス、米国ノ如キハ北京・上海・広東ニ、英国ハ北京及上海ニ、其他仏国・瑞典・加奈陀ノ如キモ、各充実セル商務官ヲ配置シ、虎視眈々苟モ他ノ覬覦ヲ許サス、此間我在支商工業者ヲシテ激烈ナル競争場裏ニ馳駢シ、能ク違算ナカラシムル為メ、充分之ニ対抗シ得ル国家的機関ヲ設置シ、彼等ノ活動ニ対シテ一定ノ方針ヲ与ヘ、之ヲ指導誘掖シ、以テ健全ナル対支発展ヲ期スルノ要有之、商務官制度ノ復活ハ、寔ニ此要点ヲ捕捉シタルモノニシテ、爾来我商務官ハ一意専ラ、在支那邦人商工業者ノ利益擁護ニ絶大ノ努力ヲ傾注セラレ、之ニ依テ吾人当業者カ有形無形ニ享受シタル恩沢ヤ、到底筆舌ノ尽ス所ニ非ス、其偉大ナル功績ニ対シ、当業者均シク衷心ノ感謝ヲ表シ居ル次第ニ御座候、同官ノ功績ニ就テハ、確然数字的実例ヲ枚挙スルコト困難ニ候得共、其顕著ナルモノヲ左ニ列記シ、御参考ニ供シ申候
    在支商務官ヨリ享受シタル便宜事項
 一、商務官ヨリ支那税関当局ニ交渉ノ結果、日本綿糸及綿布類ノ輸入ニ際シ送状ノ提出ニテ無検査通関ヲ許可スルコトトナリタル結果、金利・倉敷料及通関諸費用等ヲ軽減シ、煩労ナル手数ヲ省略シ、年額約八万円ノ利益ヲ得ル事トナリタルノミナラス、内容品ノ盗難及損傷ヲ不尠軽減スルニ至リタルコト、並ニ間接利益トシテ日本綿布ノ輸出促進、商機ヲ逸セサルコト、及日本綿布ノ権威ヲ認メシムルコト等ノ便宜ヲ得タルコト
 二、従価税輸出貨物ノ査定価ヲ一定期間(三ケ月)一定ノ協定標準価格ニ拠リ課税スルコトニ尽力セラレタル為メ、従来頻々発生セル対税関紛議及取引上ノ障害ヲ一掃シタルコト
 三、硫化曹達積取船入港制限撤廃ニ尽力セラレ、該取締規則ニ拠ル不合理ノ束縛ヲ解キ、年額約六万円ノ失費ヲ免レタルノミナラス殆ト禁止的ナリシ其引合ヲ自由ナラシムルコトヲ得タルコト
 四、赤燐輸入手続ヲ簡単且寛大ナラシムル様尽力セラレタルコト
 - 第55巻 p.307 -ページ画像 
 五、在青島邦人経営ノ工場ニ於テ生産セラルル麦酒ニ対シ、単一税ノ特典賦与方ニ尽力セラレタルコト
 六、日本紙類ヲ無検査ニテ通関シ得ル様尽力セラレタルコト
   (以下省略)
前陳仕候諸項ニ就テ之ヲ視ルニ、在支邦人当業者ハ商務官ニ依リ既ニ同官所要経費ノ数倍ニ相当スル利益ヲ享受シ居ル次第ニ有之、今後日支ノ経済関係ハ日ニ益々密接其度ヲ加ヘ、当業者亦商務官制度利用ニ依リ組織的連絡ノ下ニ、貿易並ニ企業ノ促進、或ハ之カ地盤拡張ノ大成ヲ期セントシツツアル秋ニ方リ、比較的僅少ノ経費ヲ支弁シ、而カモ将来国際商業界ニ於テ必須欠ク可カラサル重要ノ国家機関タル商務官制度ヲ廃止セラルルハ、維レ啻ニ邦家産業ノ振興貿易奨励ノ根本方針ニ背馳シ、在支商工業者ノ前途ニ不尠打撃ヲ与フルニ止マラス、延ヒテハ我国家経済上ニモ甚大影響ヲ及ホス結果ト相成リ、前途誠ニ寒心ニ不堪モノ有之候様愚考被致候、而シテ商務官廃止後、其事務ハ各地総領事館若クハ領事館ニ移管セラル可ク、然ル時ハ各地総領事館又ハ領事館当局ニ於テ、勿論最善ノ努力ヲ怠ラサルヘシト雖モ、商工業者ニ対シテ進ンテ之ヲ指導シ、積極的援助ヲ与フルカ如キハ事実上困難ナル可シト思考仕候、殊ニ支那ニ於テハ政治・外交・司法上諸般ノ煩雑ナル事務アルニ加ヘテ、屡次頻発スル事変ニ忙殺セラレ居ル現状ニ於テ、到底商工業者ニ就キ一々研究指導スルハ殆ト不可能事ナル而已ナラス、其管轄ニ制限アリ、商務官ノ広汎ナル地域ニ亘リ統一的地位ニ在テ事務ノ綜合ヲ期シ得ラルルノ便宜ニ如カサルヘク、他方列国カ対支商権拡張ニ劃策維レ寧日ナキ現状ニ有之候得ハ、此際在支商務官ハ絶対ニ存置ノ必要アルノミナラス、寧ロ進ンテ増員充実セラルヘキ性質ノモノト愚考在罷候
 惟フニ、我国ハ支那ニ対シテ特殊的密接ノ地位ニ在ル関係上、商務官制度撤廃ニ因リ蒙ル影響ハ、他諸外国ニ比シテ遥カニ多ク、現下我国家ノ大局ヨリ観ルモ、将又同胞対支発展ノ方針ヨリ視ルモ、該制度ノ存続ハ絶対ニ必要ナリト認ムルヲ以テ、此際右事情御諒察被成下、行政整理上万已ムヲ得ストスルモ、少ナク共在支商務官ハ是非共存続セラルル様格別ノ御配慮賜ハリ度切望ニ不堪、爰ニ当会議所役員会ノ決議ニ依リ右謹而及請願候 敬白


日華実業協会往復(一)(DK550058k-0010)
第55巻 p.307-308 ページ画像

著作権保護期間中、著者没年不詳、および著作権調査中の著作物は、ウェブでの全文公開対象としておりません。
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日華実業協会往復(一)(DK550058k-0011)
第55巻 p.308 ページ画像

著作権保護期間中、著者没年不詳、および著作権調査中の著作物は、ウェブでの全文公開対象としておりません。
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日華実業協会往復(一)(DK550058k-0012)
第55巻 p.308-309 ページ画像

日華実業協会往復(一)         (渋沢子爵家所蔵)
 - 第55巻 p.309 -ページ画像 
(写)
            (別筆)
            白石様
        会長へ 左記御参考までに御通知申上候間
            宜右御取計願度候
                十一月廿日 油谷拝
「児玉・安川・森・奥村・角田各委員各位宛」
拝啓
中華学芸社ノ件ニ関シ打合セノ為メ、関係団体タル商業会議所・日華学会及当協会ノ各関係代表者集会ヲ来ル二十四日(月曜日)午前十一時半ヨリ東京商業会議所ニ於テ開会ノ事ニ致候間、乍御多用中御繰合セ御出席被成下度、尚当日ハ粗餐ノ用意致置候間、御含置願候
右不取敢御通知迄得貴意候 敬具
  大正十三年十一月二十日
                     日華実業協会


日華実業協会第四回総会報告書 第三二頁大正一三年一二月刊(DK550058k-0013)
第55巻 p.309 ページ画像

日華実業協会第四回総会報告書  第三二頁大正一三年一二月刊
    大正十二年六月以降
      役員会及諸会合報告
○上略
十一月廿四日○大正一三年正午東京商業会議所ニ於テ、中華学芸社学芸大学資金援助ニ関シ、関係団体・商業会議所聯合会・本協会及日華学会ノ特別委員会合シ、各方面ニ対スル資金援助勧誘主趣書並ニ募集方法ニツキ協議ス
                          以上