デジタル版『渋沢栄一伝記資料』

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公開日: 2016.11.11 / 最終更新日: 2018.12.20

3編 社会公共事業尽瘁並ニ実業界後援時代

2部 実業・経済

6章 対外事業
2節 支那・満洲
6款 日華実業協会
■綱文

第55巻 p.451-455(DK550087k) ページ画像

昭和2年2月10日(1927年)

是日、東京銀行倶楽部ニ於テ、当協会評議員会開カル。栄一出席シ、中華民国時局ニ対スル方策ニツキ、意見ノ交換ヲナス。十六日、幹事会ニ於テ、右ニ関スル当協会意見書ヲ取纏メ、十七日、之ヲ政府当局ニ建議ス。


■資料

日華実業協会往復(二)(DK550087k-0001)
第55巻 p.451-452 ページ画像

著作権保護期間中、著者没年不詳、および著作権調査中の著作物は、ウェブでの全文公開対象としておりません。
冊子版の『渋沢栄一伝記資料』をご参照ください。

日華実業協会往復(二)(DK550087k-0002)
第55巻 p.452-453 ページ画像

著作権保護期間中、著者没年不詳、および著作権調査中の著作物は、ウェブでの全文公開対象としておりません。
冊子版の『渋沢栄一伝記資料』をご参照ください。

集会日時通知表 昭和二年(DK550087k-0003)
第55巻 p.453 ページ画像

集会日時通知表  昭和二年        (渋沢子爵家所蔵)
二月十日 木 午后二時 日華実業協会評議員会(銀行クラブ)


日華実業協会第七回報告書 第一六―一七頁 昭和二年一二月刊(DK550087k-0004)
第55巻 p.453 ページ画像

日華実業協会第七回報告書  第一六―一七頁 昭和二年一二月刊
    役員会並ニ諸会合記録(大正十四年十二月以降《(五)》)
○上略
評議員会 二月十日午後二時、丸ノ内銀行集会所ニ於テ開会セルカ、当日出席者芳名ハ左ノ如シ
      評議員会出席者
会長 渋沢栄一君、副会長 児玉謙次君、評議員 岩井勝次郎君・同 入江海平君・同 荻野元一郎君《(荻野元太郎)》・同 小田切万寿之助君・同 太橋新太郎君《(大橋新太郎)》・同 根津嘉一郎君・同 倉知鉄吉君・同 安川雄之助君・同 河野久太郎君・同 江口定条君・同 結城豊太郎君・同 白岩竜平君 同 森弁治郎君・同 白仁武君・同 奥村政雄君・同 天宅敬吉君・同 高木陸郎君・同 渡辺勝三郎君・同 武内金平君・同 門野重九郎君
渋沢会長ヨリ開会ノ挨拶アリ、引続キ児玉副会長ヨリ、対支時局ニ関シ旧冬以来幹事会ニ於テ協議セル経過報告ヲ為シタル上、各自意見ノ交換アリタルカ、当局ヘ意見陳情其他一切ハ全部幹事会ヘ一任ノコトトナリ、午後四時半散会セリ
○下略


日華実業協会第七回報告書 第三頁 昭和二年一二月刊(DK550087k-0005)
第55巻 p.453 ページ画像

日華実業協会第七回報告書  第三頁 昭和二年一二月刊
    会務報告
      第七回重要会務報告(昭和元年一月以降《(二)》)
○上略
  一、評議員会ノ開催
支那時局ハ益悪化シ、其ノ推移ハ我経済上ニ及ホス関係重大ト認メ、特ニ評議員会ヲ開催シ、将来ニ処スル態度ニツキ更ニ慎重講究スルコトトナリ、二月十日評議員会ヲ銀行倶楽部ニ開キ、時局対策ニツキ意見ノ交換ヲ為セリ
○下略


日華実業協会 【拝啓 幹事会ノ件 明十六日…】(DK550087k-0006)
第55巻 p.453-454 ページ画像

日華実業協会               (渋沢子爵家所蔵)
拝啓
    幹事会ノ件
明十六日(水曜日)午後四時ヨリ、当事務所ニ於テ幹事会相開キ、過
 - 第55巻 p.454 -ページ画像 
般評議員会申合セニ依リ、当局宛意見書案別紙ノ通リ相認メ候ニ就テハ、右ニツキ御審議相願度、御多用中乍ラ何卒御繰合セ御出席奉願候
                          敬具
  昭和二年二月十五日
                     日華実業協会
   幹事
        殿
  ○別紙略ス。


日華実業協会第七回報告書 第一七頁 昭和二年一二月刊(DK550087k-0007)
第55巻 p.454 ページ画像

日華実業協会第七回報告書  第一七頁 昭和二年一二月刊
    役員会並ニ諸会合記録(大正十四年十二月以降《(五)》)
○上略
幹事会 二月十六日午後四時ヨリ、事務所ニ於テ開会、児玉副会長外各幹事出席、過般評議員会ニ於ケル申合セニ依リ、対支時局ニ関シ慎重協議ノ結果、渋沢会長並ニ児玉副会長ヨリ当局ニ意見具陳ノ事ニ申合セ、七時散会セリ
○下略


日華実業協会第七回報告書 第四―八頁 昭和二年一二月刊(DK550087k-0008)
第55巻 p.454-455 ページ画像

日華実業協会第七回報告書  第四―八頁 昭和二年一二月刊
    会務報告
      第七回重要会務報告 (昭和元年一月以降《(二)》)
○上略
  一、時局ニ対スル意見書具陳
支那時局ニ対シテハ重大変局ノ度毎ニ覚書又ハ口頭ヲ以テ、絶ヘス当局ニ対シ所見ヲ具陳シ、意見ヲ交換シ来リシガ、前記評議員会ノ結果更ニ幹事会ニ於テ慎重審議ノ上、二月十七日左記意見書ヲ当局ニ具陳シタリ
   ○時局ニ関スル建議書 (昭和二年二月十七日)
支那ノ外国ニ対スル条約無視、義務不履行ハ、今更申上候迄モ無之、南北共通ノ事態ニ有之、永年各地騒乱絶間ナキ上ニ、時々発生セル排外運動ノ為メ、直接利害関係ヲ有スルモノヽ今日迄蒙リタル不利損害鮮少ナラス候処、今回更ニ南方勢力ノ揚子江進出ニ当タリ、共産主義ヲ加味セル運動ノ勃発ヲ見ルヤ、我商工業者ノ通商及企業上ニ一層ノ打撃ヲ蒙リ候次第ハ、已ニ御熟知ノ通リニ御座候
従来支那側ノ条約違反又ハ義務不履行ハ枚挙ニ遑アラサルモ、之ヲ最近ノ取極ニ係ル山東省ノ事態ニ徴スルニ、華府会議関係協定事項中、青島市政参与問題、膠済鉄路沿線商埠地開放問題ヲ始メ、同鉄道借款ノ利息不払、労兵費貸物税等ノ不当課税、済南自開商埠地ノ工場設置圧迫等ノ如キ、数ヘ来ラハ、支那カ新規ニ公約ヲナスト同時ニ、一面之ヲ忘レタルカノ如キ不誠実ノ態度ハ一目瞭然ニ御座候、又近来漢口方面ニ於ケル種々ナル不当課税及其ノ産業圧迫ノ如キ、我商工業者ノ立場ハ誠ニ憂フ可キ実状ニ御座候
現在支那ニ於ケル我国ノ経済的地位ヲ概観スルニ、対支公私ノ債権ハ七億円ニ達スル由ニ御座候得共、其ノ元金ハ元ヨリ、利息ノ如キモ殆
 - 第55巻 p.455 -ページ画像 
ンド不仕払ニ終リ候ヤニ聞及ヒ候事ニテ、今日ニ於テハ対支債権全部不確実ノモノニ急変セルヤノ観有之候ハ、見逃シ難キ大勢ノ趨向ト存セラレ候、又上述債権ノ外、我国ノ対支投資ニ就テ見ルニ、上海・漢口・天津・青島ノ四ケ所ニ於テ紡績業金二億三千万円、航運業五千七百万円、各種製造工業一億一千万円、其他不動産一億円、右四個所外ノ各地ニ於ケル投資弐千五百万円、合計約五億二千万円ニ相成リ、更ニ満洲ニ於ケル我投資額ヲ見ルニ、運輸三億三千万円、商業一億一千五百万円、工業七千四百万円、農業一千九百万円、鉱業八百万円、水産一千五百万円、銀行其他ニ依ル一般投資六億二千六百万円、不動産一億五千万円等、合計約金十三億三千七百万円ニ上リ、我投資ノ総計ハ実ニ約十九億円ニ達スル次第ニ有之候、又対支貿易ハ一昨年度輸出六億二千百万円、輸入五億七百万円ニ上リ、我国ノ国際貸借上ヨリ見ルモ実ニ重要ナル地位ヲ占ムル事ハ、今更蛇足ヲ添ユル迄モ無之次第ニ御座候
翻而各国ノ債権ニ就テ見ルニ、英米不確実ノ債権ハ僅カニ各銀三・四千万元内外ニ過キサル由ニ有之、特ニ英国ノ如キハ御承知ノ通リ関税担保及鉄道借款等確実債権ノ総額約銀四億五千万元ニ上リ、今日迄ハ元利ノ回収左程困難ナラスシテ、一見吾邦ト其ノ立場ヲ異ニスルカ如クナリシモ、現在ノ状勢ヲ以テ進メハ、他ノ債権国ト雖モ蓋シ晏如タル能ハサルモノ可有之ト被存候、例ヘバ従来最モ安全ナリト思惟サレシ塩税担保善後借款ノ如キモ、其ノ収入総額一ケ年平均約銀七千万元ト聞及ヒ候モノ、最近ノ模様ニテハ運輸不能、地方官憲抑留等ノ為メ其ノ収入漸減ノ傾向有之趣ナルヲ以テ、将来ヲ推想スル時ハ、対支債権ハ各国モ同様甚大ノ考慮ヲ払フコトヲ要スル時期ニ到達シツヽアルニ非ラスヤト被存候
大略ノ状況右ノ通リニ有之、此際本協会ノ偏ニ御当局ニ御願仕度ハ、我経済上ノ立場ヲ飽ク迄御擁護被下度一儀ニ御座候
勿論御当局ニ於テハ、夙ニ此ノ点ニツキ充分御配慮被下居リ候事ハ万万承知致居候得共、最近列国ハ区々ノ態度ヲ以テ支那ニ臨ミ、競フテ已得権ノ譲歩又ハ放棄ヲ敢テシツヽアル観有之候カ、斯クテハ譲歩ニ譲歩ヲ重ネタル国ノ条件ガ、結局爾余ノ各国ヲ支配拘束スヘキハ予メ覚悟セサル可カラスト被存申候、加フルニ近時擡頭シツヽアル一種ノ険悪ナル新思潮ニ鑑ミ、経済上ノ事項ハ最モ慎重ニ取扱ヲ要スル事ト被存候際、各国区々ノ態度ハ、主客何レニ対シテモ将来ニ禍根ヲ貽ス虞レ有之候ノミナラス、対支経済問題ニ付テハ、前述ノ如ク各国ノ利害大体共通ニナリツヽ有之候モノト被存、就中吾邦ノ利害ハ最モ重大ニ有之候ニ付、甚差出ケ間敷申分ニ候得共、何卒機宜ノ措置ヲ以テ、列国ト共ニ支那ノ時局ニ対応サレ、以テ我商工業者ノ利益保全方御配慮相願度、此段上申仕候
○下略