デジタル版『渋沢栄一伝記資料』

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公開日: 2016.11.11 / 最終更新日: 2020.3.6

3編 社会公共事業尽瘁並ニ実業界後援時代

2部 実業・経済

7章 経済団体及ビ民間諸会
2節 其他ノ経済団体及ビ民間諸会
11款 博覧会 1. 平和記念東京博覧会協賛会
■綱文

第56巻 p.347-349(DK560095k) ページ画像

大正10年9月8日(1921年)

是日、帝国ホテルニ於テ、当会発起人会開カル。栄一出席シ、推サレテ会長トナル。


■資料

集会日時通知表 大正一〇年(DK560095k-0001)
第56巻 p.347 ページ画像

集会日時通知表  大正一〇年       (渋沢子爵家所蔵)
九月二日 金 正午    平和記念東京博覧会協賛会(帝国ホテル)
   ○中略。
九月八日 木 午前十一時 平和記念東京博覧会協賛会ノ件(帝国ホテル)


竜門雑誌 第四〇〇号・第七三―七四頁 大正一〇年九月 ○平和記念東京博覧会協議会(DK560095k-0002)
第56巻 p.347 ページ画像

竜門雑誌  第四〇〇号・第七三―七四頁 大正一〇年九月
○平和記念東京博覧会協議会 来春上野不忍池畔に開催の筈なる平和記念東京博覧会の事業を翼賛して其目的を完成せしむる為め、協賛会設立の必要を力説し居たりし宇佐美東京府知事は、九月八日午前十一時より府市参事会員及び東京商業会議所議員等を帝国ホテルに招待して、該会設立の議に付協議する所ありし由なるが、当日の出席者は青淵先生・後藤市長・三島子・大倉男・森村男・藤山東京商業会議所会頭・桐島市会議長、其他九十余名にして、席上先づ府知事より一場の挨拶あり、次で青淵先生より「今日は単に懇談会の積りなりしが、本日出席の諸君全部を該協賛会発起人として異議なきや」を満場に諮りて賛成を得られたる後、後藤市長を座長に推し、左記規則を議決し、又該規則に依る会長及副会長等は座長の指名に一任する事となりしを以て、後藤座長は会長に青淵先生、副会長に藤山雷太及び桐島像一両氏を指名推薦し、青淵先生より会長就任に関し左の如き挨拶あり
○中略
又理事長・理事並に常議員・評議員等の役員は追て青淵先生の指名選任に決し、午後一時散会せる由
○下略


平和記念東京博覧会協賛会事務報告書 同協賛会編 第一―八頁 大正一二年二月刊(DK560095k-0003)
第56巻 p.347-349 ページ画像

平和記念東京博覧会協賛会事務報告書 同協賛会編  第一―八頁 大正一二年二月刊
 ○緒言
    発起人及発起人会
大正十年九月八日帝国ホテルに朝野の名士壱百八拾八名を招待し、席上先づ宇佐美東京府知事より、平和記念東京博覧会開設計画の経過並に其現状を報告し併せて将来の援助を請ふ旨の挨拶あり、渋沢子爵之れに対して
 今日玆に集まられたる諸君と共に、協賛会を組織して博覧会の事業を援助協賛するは、独り本会の為めのみならず帝国産業の進歩を期待する上にも必要の事と思ふ。依て玆に協賛会の成立を目的とする
 - 第56巻 p.348 -ページ画像 
協賛会発起人会を開会したし。
と発議し、満場異議なく賛成す。次で渋沢子爵は座長に東京市長後藤男爵を指名す。玆に於て後藤男爵座長席に着き、満場の同意を得て協賛会の成立を宣言し、直に左記協賛会規則案を議題として朗読せしめ満場異議なく可決す。
      平和記念東京博覧会協賛会規則
第一条 本会ハ平和記念東京博覧会協賛会ト称ス
第二条 本会事務所ハ当分東京商業会議所内ニ置ク
第三条 本会ハ平和記念東京博覧会ノ事業ヲ協賛シ、且ツ観覧者ノ便宜ヲ図ルヲ以テ目的トス
第四条 本会ハ本会ノ目的ヲ賛助シ金五拾円以上ヲ寄附スル者ヲ以テ組織ス
第五条 本会ニ於テ施設スル事業ノ概目左ノ如シ
    一、観覧人ノ便利ヲ図ル事 一、観覧外国人ニ対シ接待及説明等ノ便宜ヲ図ル事 一、余興ノ設備及其ノ勧誘ヲ図ル事 一、来賓ノ接待及之カ設備ヲ図ル事 一、即売店ヲ建設シ之ヲ貸与スルコト 一、右ノ外博覧会ノ盛況ヲ助クル為メニ必要ナル施設ヲ図ル事
第六条 本会ニ左ノ役員ヲ置ク
    一、会長   一名   一、副会長  二名
    一、理事長  一名   一、理事   若干名
    一、常議員  若干名  一、評議員  若干名
      前項ノ外必要ニ応シ事務嘱託ヲ置クコトアルヘシ
第七条 本会ニ顧問ヲ置ク、顧問ハ会長之ヲ推薦ス
第八条 会長及ヒ副会長ハ発起人総会ニ於テ選挙ス
    理事長・理事・評議員及常議員ハ会長之ヲ嘱託ス
第九条 会長ハ会務ヲ総理シ本会ヲ代表ス
    会長ハ会議ノ議長トナル△副会長ハ会長ヲ補佐シ会長故障アルトキハ其ノ職務ヲ代理ス△理事長ハ会長ノ命ヲ承ケ会務ヲ統理ス△理事ハ会長ノ命ヲ承ケ会務ヲ掌理ス△常議員ハ会長ノ諮問ニ応シ意見ヲ開陳ス△評議員ハ重要事項ノ協議ニ参与ス
第十条 役員ハ名誉職トス、但シ手当又ハ旅費ヲ支給スルコトアルヘシ
第十一条 本会ニ有給事務員ヲ置キ会長之ヲ任免ス
第十二条 会議ノ議事ハ出席員ノ過半数ヲ以テ之ヲ決ス、可否同数ナルトキハ議長之ヲ決ス
第十三条 本会ノ経費ハ寄附金及雑収入ヲ以テ之ニ充ツ
第十四条 会務ノ経過状況及収支決算ハ之ヲ報告ス
第十五条 本会ハ所期ノ目的ヲ達シタル後之ヲ解散ス
      協賛会事業計画
 一、接待 イ、行幸啓其他ノ貴賓ノ奉送迎其他 ロ、一般来賓ノ接待 ハ、儀式協賛 ニ、各種大会ニ対スル協賛 ホ、観光団其他ノ招待
 - 第56巻 p.349 -ページ画像 
 二、案内 イ、観覧案内 ロ、外国人案内
 三、各種宣伝 四、開催中博覧会ノ振興振作ニ関スル諸計画 五、休憩所設置 六、即売店ヲ建設シ貸与スルコト 七、開催中宿舎旅館ノ斡旋 八、余興
        イ、奏楽  ロ、演芸  ハ、講演
 九、図面及絵葉書調製売捌 一〇、博覧会ヨリ特ニ依頼アリタル事業
座長は右規則に依り会長・副会長の選挙を行はん事を告げしに、大倉男爵より総て座長の指名に一任せんとするの動議あり満場之に賛す、依つて座長は直ちに
          会長    子爵 渋沢栄一氏
          副会長      藤山雷太氏
          同        桐島像一氏
を推し、満場拍手を以て之を迎ふ。渋沢子爵乃ち起つて左の如く就任の挨拶を述べらる。
 夏とは云へ、此の会長の御指名は全く熱湯を飲まされたる心地す。勿論前来多少の御交渉はありたれども、自分は既に実業界も引退し居り、博覧会に就ては何等の経験もなく、或は斯る事は嫌ひと申しても宜しき位なる故、なるべくは御免を被らんと屡々御辞退申上けたる次第なれども、強てとの御勧誘もありて、御辞退の途もなく、幸に最も有力適任なる両副会長の御承諾を得たるを以て大に意を安んじて御請致したる訳なり。両副会長を指名選任せられたる事に就ては特に満足此の上もなき事を申上げて、深く座長に謝意を表す。併し此の博覧会に対する協賛者は東京全市民ならざるべからず。従て後藤男爵は東京市長として、当然協賛会の名誉会長たる実際上の責任を負はるべきものなる事を玆に明言し、特に市長の御諒解を得置くものなり。呉々も男爵が此の事を御忘れ下さらざる事を熱望す(拍手)会務の進行に就ては追て理事・評議員等を嘱託したる上にて案を定めて御通知申すべし、先づ第一必要なる事は金を集める事なり。此点は特に列席各位の御承知を希ひ置く次第なり。
終て藤山・桐島両氏より副会長就任の挨拶あり、渋沢会長は重ねて醵金の件に就き懇々列席諸氏の承諾を求むる所あり、発起人は拍手を以て同意を表し閉会を告ぐ。
○下略