デジタル版『渋沢栄一伝記資料』

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公開日: 2016.11.11 / 最終更新日: 2022.3.15

3編 社会公共事業尽瘁並ニ実業界後援時代

2部 実業・経済

7章 経済団体及ビ民間諸会
2節 其他ノ経済団体及ビ民間諸会
11款 博覧会 3. 大礼記念国産振興東京博覧会協賛会
■綱文

第56巻 p.360-363(DK560105k) ページ画像

昭和2年12月24日(1927年)

是日、東京会館ニ於テ、当協賛会発会式催サレ、栄一推サレテ総裁トナル。

三年三月二十四日、博覧会開会式挙行セラル。栄一、当協賛会総裁トシテ出席シ、祝辞ヲ述ブ。尚、一月十六日ノ上棟式及ビ五月十九日ノ褒賞授与式ニ際シ、ソレゾレ祝辞ヲ贈ル。


■資料

大礼記念国産振興東京博覧会協賛会事務報告 同協賛会編 第一―三頁 昭和三年一二月刊(DK560105k-0001)
第56巻 p.360-361 ページ画像

大礼記念国産振興東京博覧会協賛会事務報告 同協賛会編
                      第一―三頁 昭和三年一二月刊
大礼記念国産振興東京博覧会協賛会事務報告
   第一 総説
    (一) 設立の趣旨及経過
 設立の趣旨 東京商工会議所主催に係る大礼記念国産振興東京博覧会は、最初『国産振興東京博覧会』の名を以て、大正十六年春上野恩賜公園に於て之れを開催する計画で、大正十五年秋より其の準備に着手せられた ○中略
 玆に於てか本博覧会を後援して能く其の目的を達成せしむる為め、協賛会を設立するの議起り○中略 十一月二十二日 ○大正一五年帝国ホテルに於て発起人会を開催するに至つた。
 第一次発起人会 発起人会に於ては、渋沢子爵より協賛会の設立を提案せられ、出席者百六十五名満場一致を以て之れを可決し、全員挙つて協議会設立の発起人となり ○中略 斯くて其の決定に基づき着々諸般の準備を進めつゝありし折柄、不幸 先帝陛下御諒闇の悲みに際会し ○中略 博覧会は延期せられ、協賛会の設立も亦之れに連れて延期することとなつたのである。
 然るに諒闇将に明けんとし、而して新帝陛下御即位の大礼は愈々昭和三年秋十一月を以て挙げさせ給ふこととなりたるを以て、曩に延期
 - 第56巻 p.361 -ページ画像 
せられたる博覧会は ○中略 『大礼記念国産振興博覧会』の名称の下に昭和三年三月二十四日より同五月二十二日に至る六十日間、上野恩賜公園竹の台及不忍池畔に於て花々しく開催せられることに決定 ○中略 玆に再び協賛会設立の議起り、其の組織を確定する為め ○中略 昭和二年十二月二十四日協賛会創立発起人会を開催した。


中外商業新報 第一四六三八号 大正一五年一一月二三日 国産振興博覧会の協賛会が出来た 昨日渋沢子等後援者の尽力で協議がまとまる(DK560105k-0002)
第56巻 p.361 ページ画像

中外商業新報  第一四六三八号 大正一五年一一月二三日
    国産振興博覧会の
      協賛会が出来た
        昨日渋沢子等後援者の
        尽力で協議がまとまる
東京商業会議所主催の国産振興東京博覧会はいよいよ渋沢子・阪谷男平塚東京府知事・西久保東京市長・星野実業組合聯合会長諸氏後援の下に、明春三月十九日から同五月九日まで上野公園竹の台を第一会場として、不忍池畔の産業館を第二会場として開催する事に決定したので、前記後援者諸氏は廿二日正午京浜間の重なる実業家並びに東京各新聞通信社代表その他を帝国ホテルに招待し、同博覧会に対する賛助を求めかつ協賛会設立に就て懇談した、当日渋沢氏の挨拶に次で平塚東京府知事・西久保東京市長から簡単に同博覧会設立の趣旨と経過を述べた後、内田嘉吉氏の動議で満場一致協賛会の設立を可決し、なほ該協賛会委員は渋沢氏の外後援者であつた前記四氏に一任する事に決定し、終つて午餐を共にし午後一時半散会、協賛会委員は不日渋沢氏から指名発表する筈である、席上渋沢氏の挨拶は左の如くであつた
 国産振興の緊要なる事は今更多言を要しない事であり、またこれを成功せしめねばならぬ事も言ふまでもない事である、私の手許には主催者側から提示されたその趣旨・設計並に予算等詳細に亘る書類があるが、改めて朗読するの要もあるまいと信ずる、要は如何にしてこの博覧会を有意義たらしめ且成功せしむべきかと云ふ一点に帰する、切に各位の御高見を承りたく、且つ御賛助を希望する次第である云々


中外商業新報 第一五〇三四号 昭和二年一二月二五日 国産博の発会式 総裁に渋沢子 会長は星野氏(DK560105k-0003)
第56巻 p.361 ページ画像

中外商業新報  第一五〇三四号 昭和二年一二月二五日
    国産博の発会式
      総裁に渋沢子
      会長は星野氏
大礼記念国産振興東京博覧会協賛会発会式は、廿四日午前十一時より東京会館において開会、藤田謙一氏開会を宣し、渋沢子を座長に推して協議を進め、協賛会規則を原案通り可決し、尚座長より会長として星野錫氏を指名し、次で同会規則により星野会長より総裁に渋沢子、副総裁に東京府知事及び東京市長を推薦して、同会もいよいよ成立を見るに至つたので、一同午餐を共にして一時半散会した


大礼記念国産振興東京博覧会協賛会事務報告 同協賛会編 第七七―八〇頁 昭和三年一二月刊(DK560105k-0004)
第56巻 p.361-363 ページ画像

大礼記念国産振興東京博覧会協賛会事務報告 同協賛会編
                       第七七―八〇頁 昭和三年一二月刊
 - 第56巻 p.362 -ページ画像 
 ○第三 重要協賛事業
    (一)式典
○上略
 上棟式 昭和三年一月十六日の佳辰を卜し、上野恩賜公園竹の台第一会場に於て、大礼記念国産振興東京博覧会の上棟式は挙行せられた ○中略 尚ほ本会総裁渋沢子爵微恙の為め、星野会長総裁に代つて左の祝辞を朗読せられた ○中略
      祝辞
 大礼記念国産振興東京博覧会ノ工程着々進捗シ、玆ニ本日ノ吉辰ヲ卜シ
 総裁宮殿下ノ台臨ヲ仰ギ上棟式ヲ挙行セルニ、惟フニ本博覧会ハ率先国産振興ヲ唱導シテ産業基礎ノ確立ヲ図リ、国運ノ進展ニ資シ、以テ曠古ノ大典ヲ記念セントスルノ趣旨ニ出ヅ、吾等亦之ヲ協賛シテ鋭意博覧会ノ成立ヲ期スルモノ、曷ゾ慶賀ニ堪ヘムヤ、乃テ一言ヲ陳ベテ祝辞トス
  昭和三年一月十六日
      大礼記念国産振興東京博覧会協賛会
           総裁正三位勲一等子爵 渋沢栄一
 開会式 昭和三年三月二十四日博覧会開会式挙行 ○中略 本会を代表して渋沢総裁左の祝辞を朗読せられた。尚ほ正午精養軒に於て、総裁宮殿下の台臨を仰ぎ、午餐会を催し、本会総裁・会長以下各理事之れに陪席した。
      祝辞
 本日玆ニ 総裁宮殿下ノ台臨ヲ仰ギ、大礼記念国産振興東京博覧会ノ開会式ヲ挙行セラル、惟フニ本博覧会ハ国産ノ振興発達ヲ図リ国運進展ノ基礎ヲ鞏固ニシ以テ
 天皇陛下御即位ノ大礼ヲ永ク記念セントスルノ趣旨ニ出ヅ、寔ニ邦家ノ為メ慶賀ニ堪ヘザル所ナリ、我カ協賛会ハ此ノ趣旨ヲ体シ聊カ本博覧会ノ翼賛ニ任セントスルモノ、爰ニ本日ノ盛典ヲ祝シ併セテ励精克ク協賛ノ実ヲ挙ゲンコトヲ期ス、一言蕪辞ヲ陳ベテ祝辞トス
  昭和三年三月二十四日
      大礼記念国産振興東京博覧会協賛会
           総裁正三位勲一等子爵 渋沢栄一
 褒賞授与式 昭和三年五月十九日午前十時より、第一会場大礼記念館に於て博覧会出品者褒賞授与式を挙行せられた ○中略 渋沢総裁病気の為め、星野会長総裁に代つて左の祝辞を朗読せられた ○中略
      祝辞
 大礼記念国産振興東京博覧会ノ審査終了シ、玆ニ本日ノ佳辰ヲ卜シ総裁宮殿下ノ台臨ヲ仰ギテ褒賞授与式ヲ挙行セラル、惟フニ本博覧会ハ遍ク優良国産品ヲ網羅シ、輓近我国産業界発達ノ偉観ヲ展示シ以テ一般国民ニ国産品愛用ノ念ヲ助長シ、昭和新世ニ於ケル産業振興ノ機運ヲ促スノ効果尠ナカラザルモノアラントス、吾人聊カ本博覧会ノ協賛ニ任ズル者ノ衷心慶賀ニ堪ヘザル所ナリ
 冀クハ本日受賞ノ栄誉ヲ荷ハルヽノ諸君、今後一層奮励努力、益々
 - 第56巻 p.363 -ページ画像 
製品ノ改良進歩ヲ図リ、以テ国運ノ隆昌ニ寄与セラレン事ヲ、一言以テ祝辞トナス
  昭和三年五月十九日
      大礼記念国産振興東京博覧会協賛会
           総裁正三位勲一等子爵 渋沢栄一
○下略


竜門雑誌 第四七五号・第八〇頁 昭和三年四月 青淵先生動静大要(DK560105k-0005)
第56巻 p.363 ページ画像

竜門雑誌  第四七五号・第八〇頁 昭和三年四月
    青淵先生動静大要
      三月中
廿四日 御大礼記念国産振興東京博覧会開会式(上野同会) ○下略