デジタル版『渋沢栄一伝記資料』

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公開日: 2016.11.11 / 最終更新日: 2020.3.6

3編 社会公共事業尽瘁並ニ実業界後援時代

2部 実業・経済

8章 政府諸会
1節 諮問会議
3款 米価調節調査会
■綱文

第56巻 p.551-554(DK560125k) ページ画像

大正5年7月21日(1916年)

是日ヨリ五日間、農商務省会議室ニ於テ、恒久的米価調節策特別委員会開カレ、栄一出席ス。


■資料

米価調節調査会録事 (第二回) 第一―二頁 大正五年一二月刊(DK560125k-0001)
第56巻 p.551-552 ページ画像

米価調節調査会録事 (第二回)  第一―二頁 大正五年一二月刊
    第二 諮問事項特別委員会小委員会
諮問事項特別委員会ノ小委員会ハ第一回ヲ大正四年十月三十日ニ開会セシ以来、大正五年七月四日迄ニ回ヲ重ヌルコト二十四、議題トシテ研究シタルモノハ政府提出参考案及委員提出案ノ外、小委員会ニ於テ考案シタルモノ等ヲ合ハセ二十一件ノ多キニ達シタリ、而シテ議事ノ進行ニ就テハ、協議ノ結果農商務省参考案ヨリ調査ヲ始メ、調査中必要アル場合ハ委員提出案ヲ併セ考究シ、尚各種ノ必要事項ニ付順次審議ヲ重ヌルノ方針ヲ執リ、以上二十一件中ヨリ左記七案ヲ決議シテ特別委員長ニ報告シタリ
  小委員会決議報告
米価調節調査会ニ対スル農商務省諮問事項別紙 ○後掲決議報告ト概ネ同一ニ付略スノ如ク調査決議致候ニ付此段及報告候也
  大正五年七月五日 米価調節調査会特別委員会小委員
                      和田豊治
                 法学博士 矢作栄蔵
                 法学博士 桑田熊蔵
                      岡田良平
                 農学博士 横井時敬
                      渡辺修
                      浜口雄幸
                      藤田四郎
                      志村源太郎
    特別委員長 藤田四郎殿
 - 第56巻 p.552 -ページ画像 
○下略


集会日時通知表 大正五年(DK560125k-0002)
第56巻 p.552 ページ画像

集会日時通知表  大正五年        (渋沢子爵家所蔵)
七月廿一日 金 午前九時  米価調節調査会特別委員会(農商務省会議室)
七月廿二日 土 午後一時半 米価調節調査会特別委員会(農商務省会議室)
   ○中略。
七月廿四日 月 午後一時  米価調節調査会特別委員会(農商務省会ギ室)
七月廿五日 火 午前九時  米価調節調査会特別委員会(農商務省)


米価調節調査会録事 (第二回) 第七―一三頁 大正五年一二月刊(DK560125k-0003)
第56巻 p.552-554 ページ画像

米価調節調査会録事 (第二回)  第七―一三頁 大正五年一二月刊
    第三 諮問事項特別委員会
特別委員会ハ大正五年七月二十一日ヨリ向フ五日間、農商務省会議室ニ於テ開会シ、左記八案ヲ決議シテ会長ニ報告シタリ
      特別委員会決議報告
米価調節調査会ニ対スル農商務省諮問事項並ニ建議案別紙ノ通リ調査決議致候間、此段及報告候也
  大正五年七月二十七日
         米価調節調査会特別委員長 藤田四郎
    米価調節調査会々長 河野広中殿
(別紙)  一 低利資金ヲ融通スル事
第一 米価調節上必要ト認ムルトキハ、政府ハ相当ノ石数ヲ限リ低利資金ヲ融通スルコト
第二 低利資金融通ノ為相当ノ資金ヲ備ヘ特別会計ヲ設クルコト
  前項ノ資金以上ニ必要アルトキハ、預金部ヨリ借入レ、又ハ融通証券ヲ発行スルコト
第三 貸付方法
  (一) 貸付ハ日本勧業銀行ヲシテ之ニ当ラシムルコト
  (二) 日本勧業銀行ハ米ヲ担保トシテ貸付ヲ為スコト、貸付限度ハ普通貸付ノ標準ニ依ルコト
  (三) 貸付金ノ利率ハ年七分以内トシ、政府ヨリ日本勧業銀行ニ融通スル場合ノ利率ハ年五分以内ナルコト
第四 償還方法
  (一) 貸付金ハ毎年八月・九月及十月ノ三箇月ニ償還セシムルコト但シ期限前ト雖償還スルコトヲ妨ケサルコト、又期限ニ至ルモ米価調節上必要ト認ムルトキハ其ノ償還ヲ延期スルコトヲ得ルコト
  (二) 米価調節上必要ト認ムルトキハ、貸付金ハ期限前ト雖償還セシムルコト
      二 関税制度ニ改正ヲ加フル事
第一 関税定率法第六条ヲ改正シ、必要アル場合ニ於テハ勅令ヲ以テ米及籾毎百斤ニ付最高弐円五拾銭(一石ニ付六円弐拾五銭)最低
 - 第56巻 p.553 -ページ画像 
無税ノ範囲内ニ於テ其ノ輸入税ヲ変更シ得ルコトニ改ムルコト
第二 朝鮮ニ輸入スル外国米ニモ成ルヘク国定税率ヲ適用スル様ニ改ムルコト
      三 米ノ輸出ヲ奨励スル事
米価著シク低落スルトキハ政府ハ左ノ方法ニ依リ米ノ輸出ヲ奨励スルコト
  (一) 補助航海ニ従事スル会社ニ対シ、補助ノ条件トシテ輸出米ノ運賃ヲ割引セシムルコト
  (二) 輸出米発送地ヨリ輸出港ニ至ル鉄道運賃ヲ軽減スルコト
  (三) 為替及販路ニ関シ当業者ニ便宜ヲ与フルコト
      四 農業倉庫ノ設置ヲ奨励スル事
第一 農業倉庫ノ発達ヲ期スル為今後一層農業倉庫ニ関スル智識ノ普及ヲ図ルノ外、左ノ方法ヲ採ルコト
  (一) 農業倉庫ノ建設費ニ対シ補助ヲ与フルコト
  (二) 農業倉庫業ニハ所得税・営業税及農業倉庫証券ニ関スル印紙税ヲ免除スルコト
  (三) 農業倉庫ニ対シ低利ノ資金ヲ融通スルコト
  (四) 農業倉庫ニ対シ府県ハ罹災救助基金ヨリ貸出ノ便宜ヲ図ルコト
  (五) 農業倉庫ノ敷地ニ関シ便宜ヲ与フルコト
  (六) 農業倉庫事業ヲ経営スル産業組合ハ、組合員外ノ所有ニ属スル米穀ヲ保管スルヲ得ルコトトスルコト
第二 前項ノ特典ヲ受クル倉庫ハ左ノ条件ヲ具備スルモノナルコト
  (一) 公共団体・農会・産業組合又ハ公益法人ノ経営ニ係ルモノナルコト
  (二) 倉庫ニ保管スヘキ農産物ハ左ニ掲クルモノナルコト
   (イ) 其ノ物ノ生産者カ現ニ所有スルモノ
   (ロ) 土地所有者カ小作料トシテ受取リタルモノニシテ現ニ其ノ土地所有者ノ所有スルモノ
   (ハ) 他ノ農業倉庫ヨリ保管ヲ委託セラレタルモノ
   (ニ) 命令ヲ以テ定ムルモノ
      農業倉庫ニ於テ一旦保管シタルモノハ(イ)乃至(ニ)ノ条件ニ該当セサルニ至リタル場合ト雖、一定ノ期間ヲ限リ尚其ノ保管ヲ継続スルコトヲ得ルコト
  (三) 受寄物ノ種類及品位ノ同シキモノニ付テハ、業務規定ノ定ムル所ニ依リ混合保管ヲ為スコトヲ原則トスルコト
  (四) 受寄物ニ対シ農業倉庫証券ヲ発行スルコト
  (五) 保管料其ノ他寄託者ヨリ徴収スル手数料ハ成ルヘク低クシ、特別ノ者ニ対シテハ之ヲ減免スルコト
第三 農業倉庫ハ寄託者ノ請求ニ依リ受寄物ニ対シ左ノ事業ヲ為スコトヲ得ルコト
  (一) 調製・改装又ハ荷造
  (二) 販売又ハ運送ノ斡旋
      五 正米市場ヲ整備スル事
 - 第56巻 p.554 -ページ画像 
第一 米ノ現物取引ヲ為サシムル為正米市場ヲ設置セシメ、主務官庁ノ監督ノ下ニ正米ノ公定相場ヲ作成セシムルコト
  正米市場ハ営利行為ヲ為スコトヲ得サルコト
第二 組織
  (一) 正米市場ハ会員組織トシ、米ノ販売ヲ業トスル者ヲ以テ其ノ会員ト為スコト
  (二) 正米市場ニ於テハ、会員又ハ特ニ市場ノ許可ヲ受ケタル者ニ非サレハ売方ト為ルコトヲ得サルコト、又買方ト為ル者ハ延取引ニ付テハ会員ニ限リ、現物取引ニ付テハ制限ヲ為スコトヲ得サルコト
第三 売買方法
  (一) 売買取引ハ見本売買ニ依ルコトトシ、現物取引及五十日以内ノ延取引ニ限ルコト
  (二) 解約、預合又ハ差金受授ノ目的ヲ以テ売買取引ヲ為スコトヲ禁スルコト
  (三) 格付売買、単位売買等定期取引ト類似ノ取引ヲ為スコトヲ禁スルコト
      六 田租納期ノ繰下ヲ為ス事
地租条例ヲ改正シ田租納期ヲ左ノ如ク改ムルコト
  第一期 其年二月一日ヨリ同二月末日限  地租額四分ノ一
  第二期 其年三月一日ヨリ同三月卅一日限 地租額四分ノ一
  第三期 其年五月一日ヨリ同五月卅一日限 地租額四分ノ一
  第四期 其年六月一日ヨリ同六月卅日限  地租額四分ノ一
      七 米ノ加工及利用方法ノ研究ヲ為ス事
米及其ノ代用物ハ加工又ハ利用方法ノ如何ニ依リ其ノ需要ヲ増加シ、以テ米価調節ニ資スルコトヲ得ヘシ、然ルニ従来此ノ方面ノ調査未タ充分ナラサルモノアルカ故ニ、其ノ調査研究ヲ行ヒ以テ其ノ用途ノ拡張ヲ図ルコト
      建議案 ○略ス