デジタル版『渋沢栄一伝記資料』

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公開日: 2016.11.11 / 最終更新日: 2020.3.6

3編 社会公共事業尽瘁並ニ実業界後援時代

2部 実業・経済

8章 政府諸会
1節 諮問会議
6款 臨時財政経済調査会
■綱文

第56巻 p.603-604(DK560136k) ページ画像

大正8年7月18日(1919年)

是日、総理大臣官邸ニ於テ、当会第一回総会開カレ、会長原敬、当会設置ノ趣旨ニツキ演示ス。栄一出席ス。


■資料

竜門雑誌 第三七五号・第五七頁 大正八年八月 ○臨時財政経済委員会(DK560136k-0001)
第56巻 p.603 ページ画像

竜門雑誌  第三七五号・第五七頁 大正八年八月
○臨時財政経済委員会 同会にては七月十八日午前首相官邸に於て初会議を開き、会長原首相・副会長高橋蔵相・山本農相並に委員青淵先生・田・郷各男其他二十余名及び幹事下条内閣書記官以下五名参集し原会長より、同会の調査に関しては、飽までも徹底的たる事を希望する旨挨拶ありて後、調査部属及議事順序等の協議を為し、終つて午餐の饗応あり、午後散会せる由


臨時財政経済調査会要覧 第一号・第一八―二〇頁 刊(DK560136k-0002)
第56巻 p.603-604 ページ画像

臨時財政経済調査会要覧  第一号・第一八―二〇頁 刊
    ○第一回総会ニ於ケル原内閣総理大臣
     演示要領(大正八年七月十八日首相官邸ニ於テ)
今回臨時財政経済調査会ヲ設置シタルニ付本日諸君ヲ招集シタリ、本会ヲ設置シタル趣旨ノ概要ヲ披瀝シテ諸君ノ考慮ニ供スヘシ
財政ノコトニ関シ調査会ヲ設クヘシトノ衆議院ノ建議アリ、政府ニ於テモ大戦争ノ後ヲ受ケタル今日ニ於テハ財政ヲ根本的ニ整理スルノ必要アリト信シ居タル際ナリシニ依リ、喜ンテ建議ヲ容レタリ、然レトモ財政ヲ調査セントスレハ勢ヒ経済ノ諸点ニ渉ラサルヲ得ス、財政経済ハ調査上離ル可カラサル関係アリト信スルニヨリ、政府ハ今回特ニ此財政経済調査会ヲ設ケタル所以ナリ、如何ニ財政経済ヲ調査ス可キヤト云フコトニ関シテハ、其如何ナル方法ニ依ルヲ問ハス、徹底的ニ調査ノ効果ヲ見ンコトヲ希望ス、政府ノ見ル所ニ依レハ、財政経済ノ調査ニ自ラ二様ノ別アリ、目下ニ処スル財政経済ノ急ヲ要スル事項即チ臨機応急ノ処置ハ其一ニシテ、他ハ国家永遠ニ亘リ財政経済ヲ調査シテ徹底的基礎ヲ定ムルニ在リ、目下政府各部局ニ於テ財政上経済上焦眉ノ急ニ応センカ為メニ画策スル所甚タ多シト雖モ、是等ハ固ヨリ国家永遠ノ目的ヲ定ムルモノトハ謂フヘカラサルニ依リ、諸君ヲ煩ハシテ調査セントスルハ、多クハ国家永遠ニ亘ル根本的調査ニ在リテ応急ノ処置ニアラス、応急ノ処置ニ就テモ諸君ノ調査ヲ煩ハスヘキモノ
 - 第56巻 p.604 -ページ画像 
之ナキニ非サルコト勿論ナリト雖モ、主タル目的ハ此ニアラスシテ彼ニ在リ、講和既ニ成立シタリト雖モ、此講和ヨリ生スル財政経済ノ問題ハ戦前ニ比シテ一層複雑ト為リタリ、殊ニ我国ニ於テハ此大戦争ノ影響ヲ受ケ幸ニシテ国運ノ隆昌ヲ促シタルカ如キ観アリト雖モ、社会ノ事物ハ之カ為メニ著シキ変動ヲ受ケ、財政上ニ於テモ経済上ニ於テモ容易ナラサル時機ニ遭遇シタレハ、諸君ノ努力ニ依リ此大勢ニ順応シテ国家永遠ノ大策ヲ確立センコトハ政府ノ切望シテ已マサル所ナルノミナラス、蓋シ国民ノ之ヲ希望シテ已マサル所ナルヘシ
諮問手続ニ関シテハ必スシモ其問題ヲ局限セス、政府カ見テ以テ必要ナリト信スル事柄ハ漸次諸君ニ提供シテ其審査ヲ煩ハスヘシ、政府ハ国家ノ為メニ諸君ノ充分ナル努力ヲ希望シ、諸君ニ期待スル所甚タ多キハ諸君ニ於テ予メ之ヲ諒セラレタシ