デジタル版『渋沢栄一伝記資料』

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公開日: 2016.11.11 / 最終更新日: 2020.3.6

3編 社会公共事業尽瘁並ニ実業界後援時代

2部 実業・経済

8章 政府諸会
1節 諮問会議
7款 製鉄鋼調査会
■綱文

第56巻 p.623-630(DK560140k) ページ画像

大正14年11月7日(1925年)

是日、商工大臣片岡直温、当会委員ヲ官邸ニ招キ、製鉄鋼業振興ニ関スル政府案ヲ説明ス。栄一出席ス。二十日、右政府案ハ、当業者側ニモ提示セラル。十二月四日、東京銀行倶楽部ニ於テ、之ニ対スル当業者側答申ノ内示会開カル。栄一出席シ、同会合開催ノ趣旨ヲ述ブ。


■資料

製鉄鋼調査会書類(一)(DK560140k-0001)
第56巻 p.623 ページ画像

製鉄鋼調査会書類(一)          (渋沢子爵家所蔵)
                大正十四年十一月五日《(別筆朱書)》
                   商工大臣片岡直温氏来状
拝啓 愈々御清穆奉賀候、陳者製鉄鋼業ニ関シ御相談申上度義有之候間、来ル七日午前十時麹町区上二番町一三商工大臣官邸ヘ御来駕被下度、右得貴意候 敬具
  十一月五日
                      片岡直温
    子爵 渋沢栄一殿


東京日日新聞 大正一四年一一月八日 商相の所謂共存共栄 製鉄業対策成る 昨日前調査会委員を招致して御被露に及ぶ(DK560140k-0002)
第56巻 p.623-625 ページ画像

東京日日新聞  大正一四年一一月八日
    商相の所謂共存共栄
      製鉄業対策成る
        昨日前調査会委員を招致して御被露に及ぶ
製鉄業の国策につき片岡商相は七日午前十時から前内閣当時の製鉄鋼調査会委員たりし
 渋沢栄一・郷誠之助・団琢磨・大河内正敏・木村久寿弥太・中村雄次郎
の諸氏を官邸に招致し、なほ柵瀬政務・四条事務両次官、中井製鉄所長官・野村参与官・三井鉱山局長等臨席のもとに当局の政策を発表した、劈頭先づ商相より民間委員の答申案提出を謝し、製鉄業の国家的大事業でありその発達には製鉄所と民間当業者とが協力融和せねばならぬ点を高唱し、官業と民業との接近が政府政策の第一眼目であるとの見地から、各製鉄業者共存共栄の方針確立の対案を得たとて、大要左の成果を説明した
 - 第56巻 p.624 -ページ画像 
 一、製鉄所会計規則の改正
 製鉄所を民間業者と同じレベルに置き、将来大合同の目標に進む前提として、製鉄所会計を一般民業会社と同一の形式に改むる方針である、即ち資産・負債・対借対照表及収支計算書を明らかにし、現在は特別会計であるため損失あれば大蔵省之れを負担し、利益あれば大蔵省之を収めてゐるから、この特別会計を改めて独立会計となし、以て自給自足の途を取り、利益は之れを建設拡張並補修等の費用に充当し、従業員に対しても民間会社と同様に奨励金を出し、出来得るだけ製鉄の価額を低廉ならしむる趣旨で独立会計たらしむるのは大蔵省の諒解承認を得るの必要がある
 一、製鉄所の営業方針変更
 従来製鉄所の経営方針は民間当業者を圧迫するとの非難あるに鑑み政府としては今後出来得るだけその弊を避ける方針で、この点は財界にも好影響を与ふるであらう
 一、製鉄原鉱及燃料の統一共同購買
 民間当業者は材料の購入に多大の手数と不利益を余儀なくされ、また各社勝手に材料を購買してゐる結果その価額も不廉となり、且製品にも高低を来すといふ実状であるから、この不利を除却する一の方法として統制ある共同購買の方法を採用する
 一、製鉄の統一共同販売
 当業者の生産は従来全く区々にして、この間何等の協定もなく、供給常に過大乃至過小に陥り、無謀な競争のため市価の支持は困難であつた、就ては同業者間の生産を統制し、共同販売の方法をとつたならば、経営も頗る楽となるべく、国家の製鉄業も健全に発達を見るであらう
 一、製鉄分業主義の確立
 従来各製鉄工場の製品は区々にして製品上に競争するの弊あり、従て優良の製品を出すに困難なるの事情にあるを以て、将来は各会社の特徴を発揮する為製品の分業主義を確立し、相互的に互恵主義を行ひ、以て益々優良なる製品の作品に努め競争の弊を除かんとするものである
 一、保護関税率の設定
 保護関税率の設定並に海外における邦人干与の製鉄鋼所製品に対する輸入税減免を行ふ保護関税率については、民間の希望とは多少相違あるが、銑鉄毎百斤十銭を五十銭乃至六十銭、銑鋼従価一割五分を二割五分、薄鉄板一割五分を二割、機械類には三割を課税する商工省案を実行し、以て内地製鉄業を保護するも、なほこの外特殊のもの即ちブリキの如きは、保護関税のみでは内地生産の発達を期し難いから、適当補助方法を講ずる意向であると
 ○……郷男・商相問答
之れに対し郷男から
 製鉄鋼調査会の答申案では八幡製鉄所を中心とする半官半民の合同経営によるを可なりと認め、速に実行することになつてゐるが、此答申は如何に取扱はんとするか
 - 第56巻 p.625 -ページ画像 
と質し、片岡商相は
 答申の趣旨は尊重し、暫らく之を留保し、当面の製鉄業に対する応急策として、即ち中間方法としては唯今御説明申上げた方法を採用することが製鉄業者共存共栄の目的を達す所以であると思惟す
と答へ、出席者一同『中間方法としては結構である』と賛意を表し、正午散会したが、右各項はやがて各製鉄会社の代表者によりて協議せらるゝが、若し一致の賛助を得るに至らば、之を実行する別個の特別機関を設置する筈であると


製鉄鋼調査会書類(参考書類)(DK560140k-0003)
第56巻 p.625 ページ画像

製鉄鋼調査会書類(参考書類)       (渋沢子爵家所蔵)
(謄写版)
    大正十四年十一月廿日商工大臣官邸ニ於テ
    製鉄業振興ニ関スル当業者協議会要録
一、大臣開会挨拶ノ要旨
 本邦製鉄鋼業ヲ安全ニ発達セシメントス
 目前ノ小利ニ競争スルハ本邦商工業ノ通弊ナリ
 生産ノ分野ヲ定メ、共同ノ力ニ依リテ生産ヲ改善シ、販路ヲ拡張スルノ要緊切ナリ
 八幡製鉄所ガ損失ヲ招カザル範囲ニ於テ、民業ヲ圧迫セザル様協定ノ成立ヲ見ル事、必スシモ不能ナラザル可シ
 他日半官半民ノ経営ニ移ス事或ハ適当ナラムモ、製鉄所ノ正体不明ナルガ故ニ、之ヲ明カニスル様会計法ヲ改ムル要モアラン
 是等ハ政府ニ於テ決定スベキ問題ナリ
一、将来鉱石ヲ得ントスル為メ共同購入ノ途ヲ講スル事
一、銑鉄ノ生産販売ノ共同機関ヲ設クル事
一、官民鋼材ノ生産ノ分野ヲ協定シ、之ガ販売価格ノ協定ヲ為ス事、之ニ必要ナル機関ヲ設クル事
一、輸送運賃ノ逓減ヲ図ル事
一、将来ノ起業ハ許可ヲ受ケシムル事
      以上


製鉄鋼調査会書類(参考書類)(DK560140k-0004)
第56巻 p.625-626 ページ画像

製鉄鋼調査会書類(参考書類)      (渋沢子爵家所蔵)
    鉄鋼業振興に関する商工大臣の諮問に対する答申案内示会
大正十四年十二月四日午後二時東京銀行倶楽部に参集、出席者
                    渋沢子爵
                  男 郷誠之助
                  男 中村雄次郎
                  子 大河内正敏
                    白石元治郎
                    大川平三郎
                    今泉嘉一郎
                    牧田環
                    河村驍
                    香村小録
 - 第56巻 p.626 -ページ画像 
                    渋沢正雄
渋沢子爵起つて
 「製鉄・製鋼の当業者に於て、商工大臣の諮問に対する答申案が出来たと云ふことで、予て鉄鋼業に付て心配をして居る渋沢及友人の方々に内々で話をし、且注意を聞き、訂正すべきは訂正しようと云ふことで、委員長として心配して居る白石君から話がありましたので御受をし、皆様にも申上げて御繰合はせを願つたのであります。此前に三井の団、三菱の木村両君へも申上げましたが、団君は御病気の為め、木村君は御差支があつて共に御出席がありませぬ。今日の会に付きまして多少異論がありました。それは吾々委員は商工大臣から此案に付て意見を徴せられた時に可否を云はねばならぬのである。それを大臣に提出しない前に聞いて、彼是云ふことは面白くない。当業者の申条に引きずられる恐があるから止めた方がよいと云ふのでありますが、八釜しく理屈詰に考へますと誠に其通りでありますが、左様に窮屈に考へることをせず、御懇意づくで、先輩の注意を受けようと云ふのでありますから、必ずしも当業者の云はるる所に盲従することはない。いけない所は容赦なく、いけないと云ふて差閊ないと思ふのであります。それは兎に角、吾々は二十日に大臣が此諮問を出します前、大臣から御相談を受けたのでありますが、其大臣の諮問に対する答申を懇意づくで見せよう、注意を願はうと云ふので、それでは自分一人で承るでもあるまいと、友人諸君を御願して玆に御会同を願つた次第で御座います」
と今日の会合の主旨を説明し、次に白石元治郎氏より答申案並に追加条項に付縷々説明あり、之に対し郷・大河内両氏より種々質問あり、白石・牧田・今泉諸氏より説明し、郷男より
 「此案が如何云ふことを目的として居るかゞ問題である。吾々委員は大臣にも云ふて置たのであるが、鉄鋼業は合同せねばならぬ。と云ふのであつて、如何なる案にしても合同と云ふことを眼目としたものでなければ吾々は承認することが出来ぬ。合同の前提として協議会を造ると云ふことでなければならぬと思ふのである」
と云はれ、渋沢子爵も同意を表し、更に種々談話の末、浅野・松方両氏の激論の詳細に付牧田氏の説明ありたる後、渋沢子爵より
 「協議会の組織は結構と思ふけれども、其組立に付ては大に考へねばならぬと思ふ。此組織を効果あらしめるには、組合全部即製鉄所長官まで入れて、余り我儘を言はせぬ仕組にせねばならぬと思ふのであります。次の共同販売のことは中々六かしいことで、尚研究の余地があると思ひます」
と述べ、一同真に必要の注意であると賛意を表し、尚色々と談合の末午後五時頃散会した。(大正十四年十二月五日白石憶記)


製鉄鋼調査会書類(参考書類)(DK560140k-0005)
第56巻 p.626-627 ページ画像

製鉄鋼調査会書類(参考書類)      (渋沢子爵家所蔵)
(謄写版)
    答申書
去月二十日貴大臣閣下ヨリ下名等へ御示相成候御趣意ニ基キ、翌二十
 - 第56巻 p.627 -ページ画像 
一日ヨリ十数回ニ渉リ慎重審議ヲ遂ケ、左ノ諸件ヲ協議決定シ不取敢玆ニ答申仕候
一、鉄鋼協議会設立ニ関スル件
 生産ノ分野ヲ定メ共同ノ力ニ依リテ生産ヲ改善シ、以テ本邦製鉄鋼業ノ安全ナル発達ヲ期センガ為メ、当業者ノ協議機関トシテ別紙規約ニ拠リ鉄鋼協議会ヲ組織スル事
二、製品共同販売ニ関スル件
 銑鉄ニ関シテハ組合組織ニ依リ共同販売機関ヲ設立スルヲ妥当ト認メ、別紙規約草案ヲ作成セリ
 鋼材ニ関シテモ亦共同販売ノ方法ニ依ルヲ妥当ト認ム、之レガ組織ニ関シテハ各社ノ実状ヲ斟酌シ適当ナル取極ヲ為ス事
 以上ノ組織ニ依リ生産ノ分野ヲ定メ且其増産ヲ期ス
三、原料共同購入ニ関スル件
 銑鉄ノ原料ニ付テハ差当リ前項ノ銑鉄組合ヲシテ共同購入ヲ為スヲ適当ト認ムルモ、将来原料ノ確保ニ付テハ或ハ独立機関ヲ設ケ若クハ他ニ適当ナル方法ヲ講スル事
 製鋼ノ原料ニ付テハ将来必要ニ応シ相当ナル共同購入機関ヲ設クル事
四、輸送運賃軽減ニ関スル件
 本邦鉄道運賃ノ高率ナルハ生産原価ノ上ニ別紙参考書ノ通リ重大ナル負担ナリ、之ヲ逓減セバ生産原価ヲ軽減、同時ニ多大ノ国産開発ヲ助長スベキニ依リ、鉱石・石炭其他別紙品目ニ対シ噸哩壱銭弐厘ノ程度ニ逓減セラレン事ヲ希望ス
以上ハ下名等ガ貴大臣閣下ノ御趣旨ニ基キ逐条審議ニ及ビタル事項ニ有之、何レモ本邦鉄鋼業ノ発達ニ対シ頗ル重大ナル影響アルモノト存候得共、尚ホ現在ノ状況ニ鑑ミ、御趣旨ノ効果ヲ促進シ、且其完成ヲ期センガ為メニハ、左ノ四項ニ関シ至急政府当局ノ適当ナル措置ヲ講セラレン事ヲ希望スルモノニ有之候
 一、関税定率改正ニ関スル件
   曩ニ当業者ヨリ提出シタル建議ヲ急速ニ御採用実施セラレン事ヲ希望ス
 一、関税定率法第五条ノ活用ニ関スル件
   別紙参考案御参照ノ上、最急速ニ適当ナル御処置ヲ採ラレ度希望ス
 一、製鉄奨励法ノ期間延長ニ関スル件
   製鉄奨励法第二条及第三条ノ期間ハ事業本来ノ性質ト其現状トニ鑑ミ、適当ノ延長ヲ計ラレン事ヲ希望ス
 一、工業資金ノ充実ニ関スル件
   工業資金ノ融通ヲ円滑ナラシムル事ハ、本邦斯業ノ現状ニ於テ最必要ナル工場設備ノ改善ヲ遂ケ其能率ノ向上ヲ計ルガ為メ緊要ナル事項ナルヲ以テ、日本興業銀行ノ資金ヲ増加スルカ、若クハ特別銀行ヲ設立シテ工業資金ノ充実疏通ヲ計ラレン事ヲ希望ス

 - 第56巻 p.628 -ページ画像 

製鉄鋼調査会書類(参考書類)(DK560140k-0006)
第56巻 p.628 ページ画像

製鉄鋼調査会書類(参考書類)      (渋沢子爵家所蔵)
(謄写版)
    ◎鉄鋼協議会規約
第一条 本会ハ鉄鋼協議会ト称シ、国内ノ製銑製鋼及圧延業ノ全部或ハ一部ヲ営ムモノヲ以テ会員トス
  満洲ニ於テ主トシテ邦人ノ経営ニ係ル同業者ハ本会々員タルコトヲ得
  新ニ入会セントスルモノアルトキハ本会員全部ノ同意ヲ以テ之ヲ決ス
第二条 本会ハ会員互ニ共存共栄ノ主趣ニ依リ同心協力シテ経営ノ改善ト技術ノ進歩ヲ計リ、本邦鉄鋼業ノ発達ヲ促進シ、鉄鋼ノ自給自足ヲ完成シ、更ニ製品ノ海外輸出ヲナシ得ルニ至ラシムルヲ目的トス
第三条 本会ノ綱領左ノ如シ
  一、原料ノ確実ニシテ且ツ経済的ナル供給ヲ計ルコト
  二、工場設備並ニ経営組織ヲ改善シ廉価製産ヲ力ムル事
  三、従業員及ビ職工ノ能率増進ヲ計ル事
  四、製品ノ分野ヲ調節シ重複作業ヲ避ケ生産ヲ単純化シ産額ノ増加ヲ計ル事
  五、原料ノ共同購買ノ方法ニ依リ生産費ノ低減ヲ計ルコト
  六、製品共同販売ノ方法ニ依リ需給ヲ調節シ冗費ノ節約ヲ講スル事
  七、製品ノ品位規格ノ統一ヲ計ル事
  八、常ニ斯業ニ関スル調査研究ヲ力メ事業ノ発達ニ資スル事
  九、作業技術ノ研究ニ関シ互ニ聯絡ヲ計リ応用ニ便スル事
  十、輸入統計ノ改善ヲ計ル事
  十一、政府其他ニ対シ本会ノ目的ヲ達スルニ必要ナル建議又ハ交渉ヲ行フ事
第四条 本会ハ隔月一回例会ヲ開ク、但シ幹事ニ於テ必要ト認ムルトキ又ハ会員  名以上ノ要求アルトキハ臨時会ヲ開クモノトス
第五条 例会及臨時会ニハ各会員ノ代表者ノ外所属員ノ出席ヲ許スモノトス
第六条 例会及臨時会ノ議長ハ会長トス、但シ会長事故アルトキハ其都度出席会員ノ互選ヲ以テ定ム
第七条 会員ノ互選ヲ以テ会長一名、幹事二名ヲ置クモノトス
第八条 会長及ビ幹事ノ任期ハ一ケ年トシ重任ヲ妨ケズ
第九条 本会ノ経費ノ負担方法ハ別ニ之レヲ定ム
      以上


製鉄鋼調査会書類(参考書類)(DK560140k-0007)
第56巻 p.628-630 ページ画像

製鉄鋼調査会書類(参考書類)      (渋沢子爵家所蔵)
(謄写版)
    鋼材共同販売会社設立骨子案
一、目的
  製品ノ共同販売
 - 第56巻 p.629 -ページ画像 
  需給ノ調節
一、事業
  加入各社及製鉄所製品ノ買付販売(又ハ製鉄所製品ノ委託販売)製品ノ輸出入
  加入各社ノ製産高及製品種目ノ協定
一、取扱品目
  丸鋼・角鋼・平鋼・線材・軌条・形鋼・鋼板等ニシテ、其鋼質ハ建築橋梁一般構造用・造船用・鉄道用・汽缶用及ビ無規格市場用鋼材トス、但シ当分ノ内径三吋半以下八分ノ三吋以上ノ丸鋼、両辺ノ加十吋以下ノ山形鋼トス
一、加入者
  三菱製鉄・日本製鋼・大阪鉄板・浅野造船・日本鋼業・日本鋼管東京鋼材・大阪製鉄・川崎造船・富士製鋼・神戸製鋼・釜石鉱山小倉製鋼・東海鋼業・住友伸銅・九州製鋼
一、加入者ノ義務
  各社ニテ製造スル本会社取扱品目ノ製品ハ自家用ヲ除キタル全部ヲ本会社ニ売渡スモノトス
一、営業ノ方法
  毎半期初ニ於テ各社及製鉄所ノ製造予定高及買付価格ヲ協定シテ之レヲ買付ケ、及必要ニ応ジテ輸入ヲナシ、之レヲ直接又ハ指定販売人ノ手ヲ経テ販売スルモノトス
  指定販売人ハ加名会社トノ従来ノ取引関係並ニ其信用程度ヲ考慮シテ之レヲ選定スルモノトス
  価格ハ其期中ノ内地主要市場ニ於ケル販売可能ノ値段ヲ予想シ、其引受ハ各社ノ本会社創立当時ニ於ケル製造ヲ標準トシテ定ムルコト、但シ創立当時休止中ノモノニ対シテハ年間平均圧延能力ノ五割ヲ標準トス
一、取締役及監査役
  取締役及監査役ハ各社ヨリ出資額ニ応ジテ若干名ヲ選出スル事
一、実務取扱機関
  日常ノ実務ハ常務取締役管理ノ下ニ取扱ハシメ、特ニ重要ナル協議事項ニ関シテハ、各社及製鉄所ヨリ選出シタル委員ヲ以テ組織シタル委員会ノ議ヲ歴ルモノトス
  其細目ニ就テハ別ニ之レヲ定ムル事
  必要ニ応ジ各工場ニ掛員ヲ派置シ、現品受授ノ管理ニ当ラシムルコト
  同種同質ノ製品ニ就テハ、各社及製鉄所製品ヲ通ジテ協定シタル同一ノ基本価格ヨリ送荷割合ニヨル運賃諸掛ヲ差引キ算出スルモノトス
    (其例別紙ノ通リ)
一、収支決算
  毎半期之レヲ行ヒ、利益アリタルトキハ、先ヅ払込資本金ニ対シ穏当ナル配当及積立金ヲナシ、其残余ヲ買付数量ニ基本価格ヲ乗ジタル積数ニヨリ按分シ、各社及製鉄所ニ配分ス
 - 第56巻 p.630 -ページ画像 
  損金アリタルトキハ、全部ヲ買付数量ニ基本価格ヲ乗ジタル積数ニヨリ按分シ、各社及製鉄所ニ負担セシム
一、組織
  株式会社
一、資本金
  金壱千万円