デジタル版『渋沢栄一伝記資料』

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公開日: 2016.11.11 / 最終更新日: 2020.3.6

3編 社会公共事業尽瘁並ニ実業界後援時代

補遺・追補

1章 補遺
節 [--]
款 [--] 7. 国際通信株式会社
〔第三編 第一部 第六章学術及ビ其他ノ文化事業 第五節新聞・雑誌・通信・放送〕
■綱文

第56巻 p.679-680(DK560154k) ページ画像

大正15年10月(1926年)

是月、日本新聞聯合社ハ、理事会ノ決議ヲ以テ、国際通信事業ニ対スル栄一ノ多年ニ亘ル援助ヲ感謝シ、併セテ同社ノ成立ヲ記念スルタメ、栄一ニ花瓶ヲ贈ル。


■資料

礼状往復(一)(DK560154k-0001)
第56巻 p.679 ページ画像

礼状往復(一)              (渋沢子爵家所蔵)
(印刷物)
謹啓 時下秋冷の候愈御健勝の段奉慶賀候、陳者先般日本新聞聯合社創立に際しては一方ならさる御援助を辱くし、御蔭を以て滞なくその成立を告げ候こと深く感銘罷在候、当社も創立以来日尚ほ浅く、未だ所期の理想を悉く実現するの域には達し不申候へ共、兎に角玆に名実兼備のナシヨナル・ニユース・エゼンシーとして、将来世界に雄飛すへき基礎を確立するを得候こと邦家の為め御同慶の至りに不堪候、之れ偏に尊台の深き御同情と御諒解とを以て、多年に亘り国際通信社の事業の上に御援助を給はり、且その御指導宜しきを得たる結果に外ならすと存候、就てハ今回当社理事会の決議に基き、尊台多年の御厚情を感謝し、併せて日本新聞聯合社の成立を記念する意味を以て、粗末ながら花瓶拝呈仕候に付御受納願上度、此段奉得貴意候 敬具
  大正十五年十月
                     日本新聞聯合社
    子爵 渋沢栄一閣下《(宛名手書)》



〔参考〕東京朝日新聞 第一四九六五号 昭和三年一月一二日 ケネデー氏重態 わが通信界の恩人(DK560154k-0002)
第56巻 p.679-680 ページ画像

東京朝日新聞  第一四九六五号 昭和三年一月一二日
    ケネデー氏重態
      わが通信界の恩人
日本聯合通信社のある意味における前身ともいふべき国際聯合通信社《(二字衍)》
 - 第56巻 p.680 -ページ画像 
の創立者であるジヨン・ラツセル・ケネデー氏は、数年前より日本の通信界からは引退して老後を養つてゐたが、最近健康を害し、本月一日狭心症で卒倒して以来、赤坂区葵町三番地の自邸で三浦博士の診断を受け療養中であるが、容体を気遣はれてゐる、氏は日本へ来てから在留二十一年におよび、各方面に知己多く、西園寺公・牧野伯・渋沢子・石井子等とも親交あり、日本の国際的通信界に貢献するところ多く、又日本を善解する「良友」として深く尊敬されてゐる



〔参考〕中外商業新報 第一六四四二号 昭和六年一一月一一日 新聞通信界の恩人 新聞聯合社専務理事岩永裕吉氏語る(DK560154k-0003)
第56巻 p.680 ページ画像

中外商業新報  第一六四四二号 昭和六年一一月一一日
    新聞通信界の恩人
      新聞聯合社専務理事
        岩永裕吉氏語る
渋沢子が明治・大正にかけて日本の産業開発に貢献された功労は世間周知の事業であるが、子爵が新聞通信事業に非常に力を尽され、就中海外通信事業の開祖であつた事は従来余り知られてゐない、即ち子爵は早くから国際問題に着目し、海外の知識を吸収して日本に紹介する事の非常に必要なる事を感ぜられてゐた折柄、大正三年例のシーメンス事件が起り、当時のロイテル通信員ブーレー氏の事件に搦み、日本にも独立の海外通信社の必要をますます痛感され、高峰譲吉・井上準之助・樺山愛輔・小野英二郎の諸氏と相はかつて国際通信社を創立した、これが日本に海外通信社の出来た始めであつた、かくて同社の創立以後、大正十五年新聞聯合社に至るまで約十余年の間、相談役となつて、海外通信事業に心を傾け、その発達を援助され、病床に臥す前までも、なほ新聞聯合社の業務に関心を持たれ、自分も時々新聞通信界の概況を報告してゐた程であつて、我国新聞通信界にとつても恩人であつた



〔参考〕在本邦外国人往復(一)(DK560154k-0004)
第56巻 p.680 ページ画像

在本邦外国人往復(一)          (渋沢子爵家所蔵)
  麹町区内幸町国際通信社気付
    サー・ローデリツク・ジヨンス殿
拝啓 益御清適奉賀候、然は過般御来遊中は屡拝眉の機有之候にも不拘、病気之為め遂に其機を逸し、欠敬に打過候段遺憾千万に御座候、頃日漸く全快致候に付、親しく御詫申上度と存候処、已に御退京後のこととて已むなく一書得貴意候次第に御座候
十年以前国際通信社創立の際は、老生主として尽力致候ひしが、老生としては外国語は元より外国の事情にも不通候へとも、国際的通信の必要を痛感し、ケネデー氏等と協議設立致候次第に御座候、其節御賛同を得候有力者各位には、過般御滞京中種々の会合に於て御面会被下同社の事業に付ては御聞及の義とは存し候へとも、主として努力致候老生より直接申上候はゞ又興味可有之と相考へ、是非拝眉詳細申上度と存し候処、不得其意残懐之至に御座候
右得貴意度如此御座候 敬具
  大正十二年十二月廿七日
                      渋沢栄一