デジタル版『渋沢栄一伝記資料』

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公開日: 2016.11.11 / 最終更新日: 2018.12.20

3編 社会公共事業尽瘁並ニ実業界後援時代

3部 身辺

1章 家庭生活
2節 健康
■綱文

第57巻 p.136-138(DK570063k) ページ画像

大正15年12月12日(1926年)

是日以降栄一、宿痾ノ喘息ノタメ飛鳥山邸ニ引籠リテ静養シ、翌昭和二年一月ニ至ル。


■資料

(増田明六) 日誌 大正一五年(DK570063k-0001)
第57巻 p.136-137 ページ画像

(増田明六) 日誌  大正一五年    (増田正純氏所蔵)
十二月十二日 日 晴             終日在宅
子爵御病気
本夕より子爵喘息ニ罹らる
○下略
十二月十三日 月 晴               出勤
○上略
飛鳥山子爵閣下御風邪ニて気分頗る不良、今朝林氏の診察を受けられた、同氏の診察ては熱は略平常の通、単ニ喘息の気味を有せらるゝ外他ニ異状を認むる事無キニ付き、両三日引籠り静養せられなハ御回復せらるべしとの事なり ○下略
十二月十四日 火 曇               出勤
子爵御風邪の件
午前九時飛鳥山邸に子爵御見舞を為す、恰も林主治医の診察中なり、御見舞申上けたるニ、喘鳴肩息如何ニも怠義らしく、一息毎ニ嘆声を発せられ、頻りニ大病の前兆ならんと気遣ハるゝ御言葉あり、林氏の診断は単なる風邪ニ喘息を発せられしのみにて格別御心配申上る御容態ニハ御見受不申との事なり、御気分の悪しきハ昨夜御睡眠の足らざりしが為め、御体温は平常より少許り高きも御心配申程ニハあらすと種々看護婦ニ注意を与へて午後大滝博士と再度診察すべしと辞去したり、同氏辞去後渋沢敬三氏御見舞ニ来る
午後一時大滝・林両氏帯同来診後背部に少許の気管枝カタルを起され夫が為ニ喘息を併発せられしものニて、他ニ御異状なし、此儘引籍り御静養ニなれハ漸次御全快なるべしとの診断なり ○下略
   ○中略。
十二月十九日 日 晴
○上略
子爵の御容態
○中略
御喘息・気管支加答児・肝蔵鬱血等《(臓)》の御症状孰れも軽快、他ニ御心配の御症状なしとの医師の診断なるが、子爵御自身に於ては一向ニ軽快を認められすと御不平なり、併し御談話之御様子御動作の御有様より推して、医診の如く順快に赴かれつゝありと御見受け申さるゝなり
   ○中略。
十二月廿二日 水 曇夜雪
○上略
子爵の御容態
引続き御軽快、体温脉呼吸平常と異なる処なきニ至る、只尿量四五〇グラム位にて平常の半に足らす、或は腎臓に多少の故障あるニあらす
 - 第57巻 p.137 -ページ画像 
哉と其調剤に注意し居る旨主治医の談話あり
子爵ハ去明治三十七年以来灌腸を為されたる事なし、過日来便秘ニ悩まれ居るを以て、本日は、大滝・林両医師強制的ニ之を試ミたるか、其後の子爵気分大ニ良好なりとの御話あり
夕刻御見舞に参上し、種々談話の後夕餐之饗を受け八時半帰宅
○下略
十二月廿三日 木 晴               出席
○上略
子爵の御容態
引続き御快方、気管枝カタル・喘息共ニ屏息、便通回復、腎臓の懸念殆と取り除かれ、当年内ニハ必す御平癒せらるべしと林主治医の診断なり、試《(誠)》ニ可悦可祝


竜門雑誌 第四六〇号・第七一頁 昭和二年一月 青淵先生動静大要(DK570063k-0002)
第57巻 p.137 ページ画像

竜門雑誌  第四六〇号・第七一頁 昭和二年一月
    青淵先生動静大要
      十二月中 ○大正一五年
十二日 夕刻より風邪の気味にて、爾後自邸に引籠り静養せらる
   ○大正十五年四月四日ヨリ十二月三十一日マデノ栄一日記ヲ欠ク。


渋沢栄一 日記 昭和二年(DK570063k-0003)
第57巻 p.137-138 ページ画像

渋沢栄一 日記  昭和二年      (渋沢子爵家所蔵)
昭和二年一月一日 快晴 寒威甚シカラス
客年来ノ宿痾猶未タ全愈ニ至ラス、起床午前九時過ナリ ○下略
一月二日 快晴 寒威強カラス、昨日ト同シク天気朗晴ニシテ新春ノ気候近来稀ニ見ル天候ト云フヘキナリ
○上略 午後一時過入沢博士・大滝氏・林氏等ノ医師来診、爾来ノ病状及経過ノ模様ヲ詳細ニ診査セラレ、現状ハ特ニ懸念ノ点ナキモ、尚数日ノ注意ヲ要スル旨ヲ告ケラル
病状右ニ述ル如クニシテ特ニ苦悶モナク、又食餌・睡眠等ニモ異状ナキモ、老衰ニ加ヘテ身心ノ疲労尚未タ回復セス、読書モ執筆モ意ノ如クナラス ○下略
   ○中略。
一月七日 曇 寒気昨日ト同シ、朝来雲陰復タ日光ヲ見ス、午後益幽鬱ニシテ雨ナラントスルノ天候ナリ
○上略 午後二時過大滝・林両医師来診ス、宿痾日ヲ逐テ順愈ノ診断アリ ○下略
   ○中略。
一月九日 曇 寒気昨ト同シ
   ○本文略ス。
(欄外記事)
月初ヨリ体温ト脈度トハ平常ニ復セシモ、身神ノ疲労全愈ニ至ラス医師ノ注意ニヨリテ毎日家ニ在テ読書又ハ書類ノ調査ニ勉ム、実ニ幽鬱ヲ覚フルナリ
   ○中略。
一月十三日 快晴 寒威昨日ト同シ
 - 第57巻 p.138 -ページ画像 
昨夜ヨリ今暁ニ至ル頃喘息ノ発作アリテ安眠ヲ得ス、午前八時過起床 ○中略 午後佐藤博士・林医師来診、宿痾漸ヲ以テ快愈ノ事ヲ告ク ○下略
   ○中略。
一月十五日 曇 寒気昨ト同シ
   ○本文略ス。
(欄外記事)
大滝・林両医師診察ノ大要ハ日ヲ追フテ病ハ快方ナレハ、快晴且風無キ日ハ少ク外出モ試ルモ不可ナカルヘキヲ告ク、但気分好キ時ハ入浴モ又妨ナカルヘキ旨ヲ附言セラル
   ○中略。
一月二十日 快晴 寒気昨ト同シ
午前八時起床、洗面且半身浴ヲ為ス、半月余ニシテ腰部ヲ浴スルヲ得タルハ聊快然ヲ覚フ ○下略
   ○中略。
一月二十二日 快晴 寒気昨ト同シ
○上略
夜ニ入リテ林医師来診、宿痾漸ヲ以テ快愈ノ旨ヲ告ケラル
○下略
   ○昭和二年三月十三日ヨリ十二月三十一日マデノ栄一日記ヲ欠ク。


竜門雑誌 第四六一号・第六三頁 昭和二年二月 青淵先生動静大要(DK570063k-0004)
第57巻 p.138 ページ画像

竜門雑誌 第四六一号・第六三頁 昭和二年二月
    青淵先生動静大要
      一月中
廿六日 前月より引続き本日迄自邸に於て静養せらる