公開日: 2016.11.11 / 最終更新日: 2022.3.15
第57巻 p.177-178(DK570078k) ページ画像
大正2年4月(1913年)
慶応二年八月、栄一、一橋家家臣タリシ時、長州征伐ノ事アリテ、出征ス。ソノ折遺品トシテ書翰ト短刀ヲ郷里ノ夫人ニ送レリ。右二品ヲ所蔵セル穂積歌子、是月コノ故ヲ示ス一文ヲ草ス。栄一、和歌ヲ詠ジテソノ箱蓋ニ識ス。
落葉の一ひら(DK570078k-0001)
第57巻 p.178 ページ画像
落葉の一ひら (穂積男爵家所蔵)
亡き母君のかたミなる短刀と、玉章とをひとつの箱にをさめおきけるか、こたひ其蓋に家尊の大人の御筆を乞ひまつりぬ、さて此二品のゆゑよしを知り安からしめむとて、かつてものしゝはゝその落葉の中の一ふしをかいしるして添おきはへるになむ
○本文略ス。
大正二年四月
穂積歌子しるす
夜寒のあと
消え残る露の玉つさ秋の霜すきし夜寒のあとをこそ見れ
栄一
○本資料第一巻所収「幕府仕官時代」慶応二年八月十一日ノ条参照。