デジタル版『渋沢栄一伝記資料』

  詳細検索へ

公開日: 2016.11.11 / 最終更新日: 2022.3.15

3編 社会公共事業尽瘁並ニ実業界後援時代

3部 身辺

1章 家庭生活
4節 趣味
1款 和歌
■綱文

第57巻 p.178-179(DK570080k) ページ画像

大正13年(1924年)


 - 第57巻 p.179 -ページ画像 

是年栄一、皇后陛下ノ御沙汰ヲ蒙リ、養蚕ニ関スル和歌ヲ詠進ス。


■資料

東京市養育院月報 第三〇〇号・第一―二頁 大正一五年七月 【皇后陛下御使を以て真綿…】(DK570080k-0001)
第57巻 p.179 ページ画像

東京市養育院月報  第三〇〇号・第一―二頁 大正一五年七月
  皇后陛下御使を以て真綿及絹布を渋沢子爵に賜ひ
    御礼参内の節特に賜謁、令旨養育院の事に及ばせ給ふ
○上略 東宮妃殿下にて在はしませし明治四十一年中に、赤坂離宮内に於て御養蚕のことを始めさせ給ひしより十五年目、即ち大正十一年《(十三年)》に 陛下は「養蚕」なる題を賜ひて御付の女官、御歌所の寄人、蚕糸同業組合中央会の役員達に詠進方を仰せ出だされ、其際集りたる和歌四十有余首に及び、我渋沢老子爵も当時同じく 陛下の仰せを畏みて
  かしこしや玉のみけしの御袖にも
        こかひの桑の露をかけます
てふ一首を詠進せられたるに因るものにして、其後 陛下の思召にて右数十首の詠進歌もて貼交ぜの屏風を作らせられ、之れを御養蚕所休憩室の御調度品とせられ、尚ほ又た其写真を当時の詠進者全部に頒ち給へるが、渋沢子爵にも前記大森大夫往訪の際之れをも賜はりたるものにて、是等のことは以て如何に 皇后陛下が我邦産業のことに御心を廻らし給へるかを拝察するに難からず
○下略
   ○本巻所収第一章第四節「参内・伺候」大正十五年七月一日ノ条参照。