デジタル版『渋沢栄一伝記資料』

  詳細検索へ

公開日: 2016.11.11 / 最終更新日: 2018.12.20

3編 社会公共事業尽瘁並ニ実業界後援時代

3部 身辺

2章 栄誉
4節 参内・伺候
■綱文

第57巻 p.238-240(DK570117k) ページ画像

大正元年7月31日(1912年)

是日栄一、大正天皇践祚後朝見ノ儀ニ参列ノタメ参内ス。


■資料

竜門雑誌 第二九一号・第七七頁 大正元年八月 ○青淵先生の天機奉伺(DK570117k-0001)
第57巻 p.238-239 ページ画像

竜門雑誌  第二九一号・第七七頁 大正元年八月
○青淵先生の天機奉伺 青淵先生には先帝が御不例に渡らせらるゝを甚く心痛せられ、夙夜御悩の御恢復あらせ給はんことを祈念せられ、屡々参内天機を奉伺せられたるが、七月二十六日には第一銀行・東京銀行集会所・東京養育院・中央慈善協会の代表者として宮中に参内し謹で天機を奉伺せられたり、又御大喪に際しては非常に哀悼せられ、七月三十日直に参内し、謹で 今上皇帝陛下 皇后陛下 皇太后陛下
 - 第57巻 p.239 -ページ画像 
の御機嫌を奉伺し、尚各皇族殿下御邸に伺候せられ、翌三十一日には前記四団体の代表者として天機を奉伺せられたり。


官報 号外 明治四五年七月三〇日 告示;宮廷録事(DK570117k-0002)
第57巻 p.239 ページ画像

官報  号外 明治四五年七月三〇日
    ○告示
天皇陛下今三十日午前零時四十三分崩御アラセラル
  明治四十五年七月三十日
           宮内大臣   伯爵 渡辺千秋
           内閣総理大臣 侯爵 西園寺公望
    ○宮廷録事
○践祚ニ付キ今三十日午前一時掌典長ヲシテ 賢所ニ祭典ヲ行ハシメ 皇霊殿 神殿ニ奉告セシメラレ同時宮中ニ於テ 剣璽渡御ノ儀ヲ行ハセラレタリ


官報 号外 明治四五年七月三〇日 宮廷録事(DK570117k-0003)
第57巻 p.239 ページ画像

官報  号外 明治四五年七月三〇日
    ○宮廷録事
  践祚後朝見ノ儀
七月三十一日午前十時 文武高官有爵者優遇者朝集所ニ参集ス
 但シ服装男子ハ大礼服正装、正服服制ナキ者ハ通常礼服、女子ハ通常服、関係諸員亦同シ
次ニ 式部官前導諸員正殿ニ参進本位ニ就ク
次ニ 式部官警蹕ヲ称フ
次ニ 天皇御正装出御御椅子ニ著御
 式部長官・宮内大臣前行シ、侍従 剣璽ヲ奉シ、侍従長・侍従・侍従武官長・侍従武官御後ニ侯シ、親王・王供奉ス
次ニ 皇后御通常服出御御椅子ニ著御
 皇后宮大夫前行シ、女官御後ニ侯シ、親王妃・王妃・供奉ス
次ニ勅語アリ
次ニ内閣総理大臣御前ニ参進奉対ス
次ニ 天皇 皇后入御
 供奉警蹕出御ノ時ノ如シ
次ニ各退下


官報 号外 大正元年七月三一日 ○宮廷録事(DK570117k-0004)
第57巻 p.239-240 ページ画像

官報  号外 大正元年七月三一日
    ○宮廷録事
○勅語奉答 今三十一日午前十時宮中ニ於テ践祚後朝見ノ儀ヲ行ハレ左ノ勅語アラセラレ
 朕俄ニ大喪ニ遭ヒ哀痛極リ罔シ、但タ皇位一日モ曠クスヘカラス、国政須臾モ廃スヘカラサルヲ以テ朕ハ玆ニ践祚ノ式ヲ行ヘリ
 顧フニ先帝睿明ノ資ヲ以テ維新ノ運ニ膺リ、万機ノ政ヲ親ラシ、内治ヲ振刷シ、外交ヲ伸張シ、大憲ヲ制シテ祖訓ヲ昭ニシ、典礼ヲ頒テ蒼生ヲ撫ス、文教玆ニ敷キ、武備玆ニ整ヒ、庶績咸煕リ、国威維揚ル、其ノ盛徳鴻業万民具ニ仰キ、列邦共ニ視ル、寔ニ前古未タ曾テ有ラサル所ナリ
 - 第57巻 p.240 -ページ画像 
 朕今万世一系ノ帝位ヲ践ミ、統治ノ大権ヲ継承シ、祖宗ノ宏謨ニ遵ヒ、憲法ノ条章ニ由リ、之レカ行使ヲ愆ルコト無ク、以テ先帝ノ遺業ヲ失墜セサランコトヲ期ス、有司須ラク先帝ニ尽シタル所ヲ以テ朕ニ事ヘ、臣民亦和衷協同シテ忠誠ヲ致スヘシ、爾等克ク朕カ意ヲ体シ朕カ事ヲ奨順セヨ
尋テ内閣総理大臣左ノ通奉答セリ
 臣公望誠惶誠恐伏シテ言ウス
 大行天皇奄ニ登遐アラセラレ臣民憂懼措ク所ヲ知ラス、今
 叡聖文武ナル天皇陛下大統ヲ承ケサセラレ、玆ニ彜訓ヲ垂レ給フ
 聖猷遠ク慮リ睿図遺スナク、上ハ
 先帝ノ鴻業ヲ続キテ憲法ノ条章ニ循ヒ、下ハ億兆ノ和協ヲ奨メテ忠誠ノ至情ヲ輸サシメ以テ
 祖宗ノ休光ヲ無窮ニ発揚セントシ給フ、是レ寔ニ宇内ノ斉ク仰ク所ニシテ臣庶ノ永ク頼ル所ナリ、臣等
 聖勅ヲ拝シ感激ノ至ニ勝ヘス、今ヨリ後益々匪躬ノ節ヲ効シ夙夜淬礪邦家ノ進運ヲ扶翊シ以テ
 聖旨ニ答ヘ奉ラムコトヲ誓フ、臣公望誠惶誠恐頓首謹ミテ奏ス


竜門雑誌 第二九一号・第七二頁 大正元年八月 ○御朝見式 青淵先生・同令夫人参列(DK570117k-0005)
第57巻 p.240 ページ画像

竜門雑誌  第二九一号・第七二頁 大正元年八月
    ○御朝見式
      青淵先生・同令夫人参列
天皇陛下には七月三十日を以て御践祚あらせられたるに付、登極令に由り同月三十一日午前十時より宮中御正殿に於て御朝見の御盛儀を行はせられたり、今其模様を拝聞するに、伏見宮・閑院宮・同妃・東伏見宮・同妃・伏見若宮・同妃・久邇宮・同妃・梨本宮・同妃・朝香宮東久邇宮・北白川宮・同妃・竹田宮・同妃各殿下は孰れも御正装にて定刻前に御参内、天皇皇后両陛下に御対顔あらせられ、西園寺首相・山県枢密院議長其他の百官は孰れも大礼服を着し、青洲先生・同令夫人にも同じく礼服にて午前十時迄に朝集所に参上し、一同式部官の先導により御正殿に入り、序列正しく定めの席に着くや、天皇陛下には大元帥の御正装に大勲位菊花大綬章其他の勲章を御併佩、式部官の警蹕、戸田式部長官・渡辺宮相の前行にて侍従剣璽を奉じ、侍従長・侍従・侍従武官長・侍従武官扈従し、伏見宮・閑院宮・東伏見宮外各宮殿下の供奉にて出御あらせられ、正面の御椅子に着御、又皇后陛下には白色の通常御礼服に一等宝冠章を佩びさせられ、一条大夫の御前行に依り閑院宮妃以下各宮妃殿下の供奉、正親町女官以下各女官の扈従にて天皇陛下の左手の御椅子に着かせらる、此時予て参集せる山県枢相松方・井上両侯爵、西園寺首相以下各国務大臣、文武百官最敬礼を表したるに、両陛下には御会釈を賜ひ、次で天皇陛下より優渥なる勅語を賜ひ、之に対し西園寺首相は恭しく御前へ進みて奉答文を捧読し畢つて両陛下には参列員の最敬礼中に入御遊ばされ、次で各員退出、玆に新帝践祚後の朝見式は目出度御終了あらせられたり ○下略