デジタル版『渋沢栄一伝記資料』

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公開日: 2016.11.11 / 最終更新日: 2018.12.20

3編 社会公共事業尽瘁並ニ実業界後援時代

3部 身辺

6章 旅行
1節 国内旅行
■綱文

第57巻 p.650-652(DK570302k) ページ画像

大正7年6月4日(1918年)

是日栄一、東京ヲ発シ富山・高岡・金沢・福井等ノ各地ニ赴キ、十二日帰京ス。


■資料

竜門雑誌 第三六一号・第七七―七九頁 大正七年六月 ○青淵先生の北陸旅行(DK570302k-0001)
第57巻 p.650-652 ページ画像

竜門雑誌  第三六一号・第七七―七九頁 大正七年六月
    ○青淵先生の北陸旅行
青淵先生には令夫人同伴、秘書役増田明六・清水組技師長田辺甚吉の両君及従者を随へられ、高岡市より出迎の為め予て上京せる高岡共立銀行専務取締役大橋半七郎及高岡銀行専務取締役梶村宇平の両氏と共に、去六月四日王子駅発汽車に搭乗、富山・新湊・伏木・高岡・七尾金沢・福井の各市町を旅行の上同十二日無事帰京せられたるが、右旅行は左記日程の通頗る多忙の由なりしも途中別条無く、而して先生帰京後、その翌日よりは不在中堆積の諸用事にて特に多忙を極められしも、引続き御壮健にて事務を掌鞅せられ居るは、会員諸君と共に大に慶賀すべきことなりとす。
      青淵先生北越地方日程表
大正七年六月四日(火)曇
 午前六時四十二分王子駅発、車中小諸にて午餐、直江津にて晩餐の後午後八時四十六分富山市到着、直に旅館富山ホテルに投宿せらる
六月五日(水)曇
 午前八時半旅館出発、富山県織物模範工場・広貫堂(売薬製造所)
 - 第57巻 p.651 -ページ画像 
巡覧の後、十時県会議事堂に於て感化救済事業に関する講演を試みられ、正午同市銀行会社代表者に依りて催されたる同所に於る午餐会に出席、午後二時再度同議事堂に於て経済に関する講演を為し、終りて同県物産陳列場を一覧の後、株式会社十二銀行に到り重役及行員諸氏に対し訓話を試み、次ぎに富山県立樹徳学園(感化院)を一覧の上、園長以下職員及園生に訓話を為し、一旦帰宿の後、午後六時半より富山ホテルに於ける市内有志者の歓迎晩餐会に出席せられ、十一時漸く帰宿せられたり
六月六日(木)晴
 午前七時四十分富山発列車に搭し八時十一分高岡駅に下車、直に中越鉄道に乗し新湊に赴かれ、電気製鉄会社にて小憩の後同地小学校に於て講演あり、同地より小蒸汽に搭乗港内視察後対岸の伏木町に上陸、公会堂に於て同地有志者の催に係る歓迎会に出席せられ、午後零時半同地小学校に於て職員及男女生徒の為めに講演あり、終つて伏木駅より再度中越鉄道に乗し同一時五十八分高岡駅に着し、旅館大昌楼に小憩の後、午後三時半同市小学校に於て実業上に関する講演を試みられ、午後五時帰宿小憩の後、同六時半高岡ホテルに於て催されたる同地有志者の歓迎会に出席、十一時頃帰宿せられたり
六月七日(金)晴
 午前九時高岡中学校々堂に於て同校・工芸学校・商業学校生徒の為めに講話の後、十時高岡公園・物産陳列館を巡覧、十二時帰宿、午後二時高岡高等女学校に於て、同校及実科高等女学校生徒並に同地婦人会員の為に講演を試みられ、終つて高岡共立銀行及高岡銀行を巡視、重役及行員諸氏に対し訓話を為し、次て瑞竜寺に参拝の上記念撮影あり、更に繁久寺に詣て後、午後五時商業会議所に於て実業上に関する談話を試みられ、六時半帰宿、同七時春照亭に於て銀行家諸氏の催されたる歓迎会に出席せられ、十時帰宿せられたり
六月八日(土)晴
 午前八時十一分高岡駅発、途中津幡駅にて乗換の後十時五十二分七尾港に到着、埋立地を視察し、後小蒸気船に搭乗港湾を巡覧の上、同地商工会主催の歓迎午餐会に臨み、再度小蒸汽船に搭乗和倉温泉に到り休憩、午後五時二十三分七尾駅発、七時四十一分金沢駅に着し、直に横山章氏別邸に投宿せられたり
六月九日(日)晴
 午前九時清水組に依りて建築落成したる森八菓子店新築披露式に臨まれ、記念撮影等ありて後、十時半同地中学校講堂に於ける県教育主催の講演会に臨まれ、日本の教育に関する講演を試みられたる後兼六公園巡覧、正午同公園三芳庵に於ける横山氏の歓迎午餐会に出席、終りて物産陳列館を一巡し、午後市公会堂に於ける銀行集会所及商業会議所主催の講演会に於て実業に関する講話を試みられ、一旦旅館にて休憩、午後六時より北間楼に於ける官民合同の歓迎会に臨まれ、十時頃帰宿せられたり
六月十日(月)晴
 午前九時より日本硬質陶器会社・北機業場・精練会社等巡覧の後、
 - 第57巻 p.652 -ページ画像 
正午銀行集会所に於ける組合銀行主催の午餐会に出席の後、午後二時廿四分金沢駅を発し粟津駅にて電車に乗換、同四時五十二分山代温泉に着し、蔵屋旅館階上の眺望絶景の室に居を占められたり
六月十一日(火)晴
 午前八時半山代駅発電車に搭乗、八時四十二分動橋にて汽車に乗換九時五十五分福井市着、更に電車に乗換永平寺駅に下車、直に腕車に乗じて同寺に詣で、精進料理より為る午餐の饗を受け、午後一時半同寺を辞し、再度前路を経て二時半新福井駅に着し、夫より工業試験場・絹織物組合・物産館及内田工場参観の後、旅宿にて小憩、午後五時市会議事堂に於て同地実業家の為に一場の講話を試みられたる後、午後七時より五岳楼に於ける歓迎会に出席せられ、十時帰宿せられたり
六月十二日(水)晴
 午前五時廿五分福井駅発、途中米原にて特別急行列車に乗換、午後八時半無事帰京、直に帰館せられたり
   ○栄一、各所ニ於イテナシタル訓話・講演ノ筆記ヲ欠ク。