デジタル版『渋沢栄一伝記資料』

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公開日: 2016.11.11 / 最終更新日: 2017.12.19

2編 実業界指導並ニ社会公共事業尽力時代

1部 実業・経済

1章 金融
1節 銀行
3款 特殊銀行 6. 日本興業銀行
■綱文

第5巻 p.247-254(DK050057k) ページ画像

明治33年3月31日(1900年)

内閣ヨリ日本興業銀行設立委員ヲ仰付ケラル。同三十五年四月十四日免ゼラル。


■資料

官報 第五〇二二号〔明治三三年四月二日〕 叙任及辞令(DK050057k-0001)
第5巻 p.247 ページ画像

官報 第五〇二二号〔明治三三年四月二日〕
    叙任及辞令
          大蔵次官法学博士男爵  田尻稲次郎
               農商務次官  藤田四郎
             大蔵省理財局長  松尾臣善
               大蔵書記官  斎藤恂
               正四位子爵  堀田正養
                 正四位  武井守正
                 従四位  渋沢栄一
                 正五位  栗原亮一
                 正五位  原六郎
                 従五位  園田孝吉
                 正六位  高橋是清
                 正六位  大倉喜八郎
                 従六位  安田善次郎
                 正七位  中野武営
                 正七位  波多野承五郎
                 従七位  松本重太郎
                      田中源太郎
                      大野亀三郎
                      池田謙三
                      堀部直臣
                      豊川良平
                      岡谷惣助
                      岡橋治助
   日本興行銀行設立委員被仰付(各通)(三月三十一日内閣)


雨夜譚会談話筆記 上巻・第三一三頁〔大正一五年一〇月―昭和二年一一月〕(DK050057k-0002)
第5巻 p.247 ページ画像

雨夜譚会談話筆記 上巻・第三一三頁〔大正一五年一〇月―昭和二年一一月〕
敬「日本興業銀行の創立に就て御願ひを致します」
先生「興業銀行も創立委員として顔出しをしたが、初めの総裁は添田寿一氏であつたと思ふ。余り立入つての世話はしない。要するに特殊銀行は松方さんの考察で創立されたものが多いのである。○下略」


渋沢栄一 日記 明治三三年(DK050057k-0003)
第5巻 p.247-248 ページ画像

渋沢栄一日記 明治三三年
九月廿四日
大蔵省ニ抵リ興業銀行設立委員会ニ列ス
九月廿六日
 - 第5巻 p.248 -ページ画像 
後一時大蔵省ニ抵リ興業銀行設立委員会ニ列ス


東京経済雑誌 第四二巻・第一〇四九号〔明治三三年九月二九日〕 日本興業銀行創立委員会(DK050057k-0004)
第5巻 p.248 ページ画像

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銀行通信録 第三〇巻第一七九号・第九八頁〔明治三三年一月一五日〕 日本興業銀行設立委員会(DK050057k-0005)
第5巻 p.248 ページ画像

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中外商業新報 第五九六〇号〔明治三四年一二月五日〕 日本興業銀行委員会(DK050057k-0006)
第5巻 p.248-249 ページ画像

中外商業新報 第五九六〇号〔明治三四年一二月五日〕
    日本興業銀行委員会
日本興業銀行創立の事に関し昨四日午後一時より大蔵省楼上の会議所に坂谷《(阪谷)》、安広、松尾、堀田、藤田、武井、渋沢、栗原、大倉、安田、池田、大野、豊川、波多野、高橋、堀部、中野、添田の各興業銀行創立委員一同参集し同創立委員会を開き、曾禰大蔵大臣は長森官房長林秘書官其他二三の高等官を随へ臨席し同会開会に関し簡単なる挨拶を
 - 第5巻 p.249 -ページ画像 
為し、夫より同行設立の時期其他設立準備等に関し協議を凝らし、午後三時頃散会したりといふ


銀行通信録 第三二巻第一九四号・第一〇三頁―一〇四頁〔明治三四年一二月一五日〕 日本興業銀行創立委員会の決議(DK050057k-0007)
第5巻 p.249 ページ画像

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日本興業銀行十年史 第一―一三頁〔大正元年八月〕(DK050057k-0008)
第5巻 p.249-252 ページ画像

日本興業銀行十年史 第一―一三頁〔大正元年八月〕
    第一款 起原
日本興業銀行は明治三十三年法律第七十号日本興業銀行法に基き同三十五年三月を以て其の設立を告けたるものなりと雖も、其の淵源たるや頗る遠く、之れか設立を促すに至りたる理由の主要なるものを挙くれは左の如し
第一 有価証券取引に関する金融機関の必要
 明治二十年前後一時不振の域に沈淪せし市況は其の後通貨の価格恢復すると共に一変して事業勃興の機運に向ひ、新事業の企画新設会社の濫興を誘致し巨額の流動資本は為めに変して固定資本となり遂に金融の逼迫を見るに至れり、当時政府は之れを等閑に付すへきにあらすと為し二十三年四月に至りて救済の策を定められたり、即ち
 一、日本銀行ニ於テ各銀行又ハ会社若クハ一個人ノ手形割引ノ区域ヲ拡張シ、市場ノ金融ヲ救助スルコト、但シ政府公認ノ上組織シタル会社株券ノ確実ナルモノヲ以テ信用ノ担保物トシ、其ノ担保ノ価格ハ株金払込高ヲ超過セス又ハ時価ノ半額以内トスルコト
 二、動産抵当銀行ヲ起シ、第一項ノ担保物ヲ以テ割引セシ手形ヲ該銀行ニ引継キ、同銀行ノ貸付ニ切換フヘキコト
 是れなり
 政府は以上の救済策を定め、日本銀行をして仮りに所謂見返品制を
 - 第5巻 p.250 -ページ画像 
採用せしめ、他日動産銀行を設立して之れを該行の業務に移し、更に進みて当時雑然として玉石混淆の状態にありたる有価証券の真価を判別し、確実有益なる証券担保の放資事業を行はしめ、以て有価証券の信用を高め、其の真価を維持し、其流通を円滑ならしむることを期せり
第二 工業に対する金融機関の必要
 農工商の各事業必すしも各其の固有なる金融機関を具備せさるへからさるの理由無しと雖も、農業資金は主として土地に対するものなれは其の回転頗る緩慢にして固定的の性質を有し、商業資金は商品を以て目的物と為すか故に其の運用は最も敏活を要し、例へは手形の割引の如き方法に依頼するの必要あり、工業資金は機械、建物若くは債券其の他の有価証券を融通の基礎と為し、其の運転は農業投資の如く固定的ならすと雖も、亦商業資金の如く敏活なることを得す、斯の如く農工商に対する資金は各其の性質を異にするものあり故に前述の如く我か邦に於ても銀行分業の制度を採り、既に商業銀行の中央機関として日本銀行の設立せらるゝあり、又農業に対する金融機関として中央に日本勧業銀行、地方に農工銀行の設立を見るに至りたりと雖も、独り工業に対する金融機関を欠くの憾あり、殊に工場、鉄道、築港若くは鉱業の如き大規模の事業資金を供給するに適する一大金融機関を設立するの必要なるは固より論を俟たす
第三 外資輸入機関の必要
 従来我か邦に於ては政府公債の為め嘗て外国金融市場と関係を開きたることありしと雖も、一般民間事業に対して外国資本を供給したる場合は極めて稀なりき、然るに明治二十七八年戦役後の事業勃興に際して低利なる外資を輸入し、以て我か邦事業資金の潤沢を図るへしとの論頻りに唱道せらるゝに至れり、然れとも若し資金の供給を得んと欲する者各方面より各種の手段方法に依りて一時に外国市場に出現せんか、啻に国家の信用を毀損するのみならす、其の輸入したる資金も亦動もすれは散乱逸失して遂に不生産的消費の因を成し、国家経済の基礎を危くすることなきを保せす、故に動産銀行を設立して確実有力なる外資輸入の機関と為すの必要は一般の認識する所となれり
第四 信託会社の必要
 米国に於ける信託事業か非常の勢を以て発達し彼の邦各種の起業に便益を与ふる事多きに鑑み、信託事業を動産銀行業務の一と為し以て我か邦事業の振起に資すへしとの議を生したり
上述の如く動産銀行設立の必要は遠く明治二十三年経済界の一たひ変調を呈したる時以来盛に唱道せられたる所にて、爾来政府は動産銀行法案の調査に着手せられたりしも未た実際の立法問題とせらるゝに至らすして止みぬ、然るに二十七八年戦後新事業の勃興に伴ひて動産抵当銀行の設立を必要とすること一層の切なるものあり、幾もなくして民間には動産銀行期成同盟会なるもの起れるあり、続て貴衆両院議会の建議となり、明治三十二年十二月第十四回帝国議会の開会せらるゝや自ら動産銀行法案提出の企画ありし際、政府に在ても機宜に顧みて
 - 第5巻 p.251 -ページ画像 
日本動産銀行法案を編成し、之れを同議会に提出せられたりしに大に議会の歓迎する所となり、該法案の名称を日本興業銀行法と改め、明治三十三年二月二十二日を以て両院を通過し、同年三月法律第七十号を以て公布せられたり
    第二款 設立委員
日本興業銀行の発布以来政府は鋭意之れか実行に着手し三月三十一日設立委員として左記二十三名を任命したり
  ○設立委員氏名略ス。
爾来明治三十三年九月二十四日田尻男爵は委員の互選によりて委員長となり、明治三十四年六月十二日を以て田尻男爵は委員を免せられ、同日を以て大蔵省総務長官阪谷芳郎氏、同年七月二十三日を以て農商務省総務長官安広伴一郎氏、同年十一月二十五日を以て添田寿一氏は同委員を命せられ、同年十二月四日委員の互選を以て添田氏は委員長となれり
    第三款 設立命令
明治三十三年九月二十四日大蔵大臣伯爵松方正義閣下は日本興業銀行の設立を慎重にし総て遺憾なきを期する為め之れか準縄たるへき設立命令書を交付せられたり、其の全文左の如し
                   日本興業銀行設立委員
 日本興業銀行設立ニ関スル一切ノ事務ヲ処理セシムルニ付左ノ条々ヲ命令ス
   明治三十三年九月二十四日
                大蔵大臣 伯爵 松方正義
第一条 日本興業銀行法ヲ遵守シ日本興業銀行設立ニ関スル一切ノ事務ヲ処理スヘシ
第二条 委員ニ於テ委員長若クハ幹事ヲ互選シタルトキハ其氏名ヲ届出ツヘシ
第三条 委員会ノ議事ハ総テ出席委員ノ過半数ヲ以テ決スヘシ
第四条 委員ハ書記其他ノ使用人ヲ雇入レ庶務ニ従事セシムルコトヲ得
  但其氏名及給料ハ大蔵省総務局ヘ通知スヘシ
第五条 委員ニ於テ事務所ヲ開設シタルトキハ予メ当省ニ届出テ官報及新聞紙ヲ以テ公告スヘシ
第六条 委員ハ日本興業銀行定款ヲ議定シ各自之ニ署名捺印ノ上認可ヲ稟請スヘシ
第七条 前条ノ認可ヲ受ケタルトキハ委員ハ株主ノ募集ニ着手シ其旨ヲ官報又ハ新聞紙ニ公告スヘシ
  前項ノ公告ニハ左ノ事項ヲ記載シ且ツ予メ認可ヲ受クヘシ
  一、定款ノ認可ヲ受ケタル旨及其認可ノ年月日
  二、株式申込人ニ定款ヲ閲覧セシムルコト
  三、株式申込ノ方法、期日及場所
第八条 委員ハ株主ノ募集ヲ了リタルトキハ株式申込証ヲ差出シ日本興業銀行設立ノ認可ヲ稟請スヘシ
  前項ノ株式申込証ハ謄本ヲ用ウルコトヲ得
 - 第5巻 p.252 -ページ画像 
第九条 前条ノ認可ヲ受ケタルトキハ委員ハ遅滞ナク各株式ニ付第一回ノ払込ヲ為サシムヘシ
  前項ノ払込アリタルトキハ委員ハ遅滞ナク創立総会ヲ招集スヘシ
第十条 委員ハ創立総会ヲ招集セントスルトキハ其日時、場所其他ノ手続ヲ定メ及申込人ヘノ通知案ヲ具シテ予メ認可ヲ受クヘシ
第十一条 創立総会ハ理事及監査役ヲ選挙スルノ外第十四条ニ掲ル日本興業銀行ノ負担スヘキ設立費用ノ金額ヲ議定スヘシ
第十二条 委員ハ創立総会ヲ終リタルトキハ直ニ其旨ヲ届出ツヘシ
第十三条 委員ハ其事務ヲ日本興業銀行総裁ニ引渡シタルトキハ其旨ヲ届出テ且ツ官報又ハ新聞紙ニ公告スヘシ
第十四条 日本興業銀行設立ニ関スル一切ノ費用ハ政府ニ於テ之ヲ支弁シ追テ同銀行設立ノ後之ヲ返納セシムルモノトス但其金額ハ大蔵省総務局ヨリ創立総会前予メ之ヲ通知スヘシ
    第四款 株式募集
設立委員は明治三十三年九月二十四及二十六の両日委員会を大蔵省楼上に開きたり、然るに当時株主募集の時機未た熟せさりしを以て暫く定款を議するのみに止め、同年十月一日定款の認可を申請して翌二日之れか認可を得、更に三十四年十二月五日第三回の委員会を開きて定款の改正及株主募集の方法、時期等を議了し、同月十一日認可を得たるを以て同日直に大蔵省楼上に設立委員事務所を開設し、添田委員長は幹事斎藤恂氏以下を督励して鋭意設立事務に鞅掌する所あり、同月二十三日始めて株主募集の公告を為し、其の申込期間を明治三十五年二月一日より同二十八日まてと定めたり、当時金融の状況は未た株主募集に適せすとの説ありしにも拘はらす実際の募集は異常の好況を呈し、申込期間の第一日即ち二月一日に於て申込株数は早く既に所要株数の三倍余に達したり、仍て翌二日其の募集を締切り二月十五日在京各設立委員を相会して募集株割当抽籤の方法を協議し、其の決議に基きて直に抽籤準備を整へ、十七日設立委員事務所に於て大蔵大臣代理長森官房長、阪谷大蔵省総務長官、松尾理財局長、堀田、武井、田中、安田、原、園田、中野、池田、大野の在京各設立委員立会の上抽籤を執行して募入株を確定し、三月十日各株に付金二拾五円即ち四分の一の株金払込を了したり、而して玆に特筆すへきは香港上海銀行か株主募集の事務を取扱ひたるの一事にして、外国銀行か本邦に於ける此種の事務に干与せるは実に之れを以て嚆矢と為す


官報 第五六三〇号〔明治三五年四月一五日〕 叙任及辞令(DK050057k-0009)
第5巻 p.252-253 ページ画像

官報 第五六三〇号〔明治三五年四月一五日〕
    叙任及辞令
          大蔵総務長官法学博士  阪谷芳郎
             農商務総務長官  安広伴一郎
             大蔵省理財局長  松尾臣善
               正四位子爵  堀田正養
               正四位男爵  渋沢栄一
                 正四位  武井守正
                 正四位  藤田四郎
 - 第5巻 p.253 -ページ画像 
             従四位法学博士  添田寿一
                 正五位  栗原亮一
                 正五位  原六郎
                 正五位  園田孝吉
                 従五位  高橋是清
                 従五位  大倉喜八郎
                 正六位  安田善次郎
                 正七位  中野武営
                 正七位  波多野承五郎
                 正七位  斎藤恂
                 従七位  松本重太郎
                      田中源太郎
                      大野亀三郎
                      池田謙三
                      堀部直臣
                      豊川良平
                      岡谷惣助
                      岡橋治助
  日本興業銀行設立委員被免(各通)(以上四月十四日内閣)



〔参考〕銀行便覧 第五三一頁〔大正七年三月〕(DK050057k-0010)
第5巻 p.253-254 ページ画像

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冊子版の『渋沢栄一伝記資料』をご参照ください。