デジタル版『渋沢栄一伝記資料』

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公開日: 2016.11.11 / 最終更新日: 2017.12.19

2編 実業界指導並ニ社会公共事業尽力時代

1部 実業・経済

1章 金融
1節 銀行
6款 択善会・東京銀行集会所
■綱文

第5巻 p.613-621(DK050133k) ページ画像

明治12年4月7日(1879年)

是ヨリ先、第四回会同ニ於テ本会章程ノ一部改正セラル。後栄一旧規ノ根本的修正ヲ提案ス。数次ノ議ヲ経テ択善会章程及ビ択善会議事小則成ル。ヨツテ是日栄一章程第四条ニヨリ抽籤ヲ以テ会員列席ノ順位ヲ定メ、又右ヲ朗読ス。而シテ会頭ノ選挙ヲ行ヒタルニ殆ド満場一致ヲ以テ栄一ヲ会頭ニ推薦ス。ヨツテ栄一本会々頭ニ就任ス。


■資料

択善会録事 第四回・第三―一一頁(DK050133k-0001)
第5巻 p.613-615 ページ画像

択善会録事 第四回・第三―一一頁
    ○択善会第四回録事
○中略
○和田中太ハ本会章程ノ内改正ヲ要スル議案ヲ発ス、其旨ニ云、凡ソ一業ヲ成スニ根本堅カラサレハ久持スル能ハスシテ終ニ敗レヲ取リ嗤ヲ貽ス、古来此例挙ルニ遑アラス、其根ヲ堅フスルノ本ハ自ラ事ヲ操ルノ堅クシテ信ヲ人ニ取リ、内外一致、終始渝ラサルヲ要ス、今此択善会ヲ設ケ其択フ所ノ善ハ、啻一社ノ幸福ヲ求ルノミナラス天下ノ経済ニ関スル又容易ノコトニアラサルナリ、故ニ択善ノ名アレハ必其実ナカル可ラス、若シ其実ノ見ルヘキ無キトキハ其名ノ益ナキノミナラス反ツテ信ヲ天下ニ失フニ至ラン、我銀行ノ如キ其任重クシテ剛毅ノ人ナク其日浅フシテ業調ハス、然ルニ政府ハ其不練ノ過失アランコトヲ虞リ、初メニ条例規則ヲ設ケ、検査ヲ厳ニシテ之ヲ扶持シ、其業ヲ永続セシメント欲ス、我モ亦其厚意ヲ感戴遵守シテ益精励ヲ加ヘ、拙ヨリ巧ニ入リ、小ヨリ大ニ至リ、終ニ財政ノ一端ヲ補益センコトヲ企望ス、然ルニ今此択善会ノ設アツテ我輩ニ至リ幸ニ一椅ヲ汚シ、各位ノ高説ヲ聞クヲ得、殊ニ第二回ノ会同ニ於テ渋沢氏ノ演説アルニ至テ
 - 第5巻 p.614 -ページ画像 
ハ既ニ脱格崩芽《(萌カ)》ノ兆ヲ現ス、若此意ヲ拡充セルハ樊囲中ニ在テ一社ノ射利ノミニ着目スルニ非ス、殖産金融ノ基軸トナツテ邦家万分ノ一ヲ補助スルニ至ルヘシ、是ニ於テカ益其根ヲ堅フシ、漸次永業ノ歩ヲ進ムルアラハ遂ニ銀行ノ本意ヲ全フシ、世人ヲシテ初メテ国家ヲ起スノ基本タルヲ知ラシメン、是我輩ノ力及ハスシテ夙夜渇望スル所ナリ、諸彦願クハ弊社ノ欠漏ヲ忠告シ、永ク補助ヲ与ヘンコトヲ、左ノ会同例規ノ如キハ其事甚小ナルモ亦等閑ニ付スヘキニアラス、永ク此会ヲシテ鞏固ナラシメ互ニ利益スル所アラントス、因テ議案三条ヲ出シテ諸彦ノ高評ヲ乞フ
一章程第五条毎月第一回ノ月曜日午後第三時ヨリ開場ストアレハ、各銀行ノ会者午後三時ニ違ヘス出席シテ開議シ、七時ヲ竣議ノ期限ト定メ、会主ノ報ニ因テ晩飧シ終テ一列ニ退会スヘシ
  但此時ニ議ヲ終ヘサルトキハ会主之ヲ預リ、次会ニ決スヘシ、若又至急決議スヘキコトアラハ食後ニ至リ再議スヘシ、且出会ノ時限各自業務ノ都合且遠隔ノ人ナキニシモ非サレハ、半時ヲ延テ開議ノ規トスルカ
一会場ノ席順定ラサルトキハ互ニ辞譲シテ時間ヲ費シ、席上雑沓ノ憂アリ、故ニ更ニ協議シテ初メ会主ヨリ榻上ニ標名ヲ置キ、着席ノ席順ヲ定メ、食机ノ順モ之ニ準スヘシ
  但開議後一時間余ノ遅参人ハ席末ニ附スヘシ、若シ一行中事故アリテ出会シ難キ事アラハ三時ノ開議前ニ会主ヘ通謝スヘシ
一毎会会主ハ一事ヨリ三事件迄ヲ限リ議案ヲ出スヘシ、会者議ノ案ハ此限ニアラス
  但出ス所ノ議案書ハ同案三通ヨリ少カラサルヘシ
右出会ノ時限ヲ違ヘサルヲ初メトシ、次序ハ尚諸君訂削補正シ、此会ヲシテ益固カラシメ事務ヲ勉励センコトヲ企望ス、然レトモ此会ヤ小諒ノ規格ニノミ拘泥スルトキハ時態ニ適セサルカ故ニ、只月次相会シテ同業ノ親和ヲ本トシ、談話陳議ノ際ニ於テ各自熏益スル所アル而已トスルカ、宜シク教ル所アレ
此議案ノ第一条第二条ヲ併セテ渋沢栄一答議ヲ立テ、各位モ亦之ヲ討論シ以テ決定スル所左ノ如シ
渋沢栄一曰、開議時限ヲ確定スルハ異議アルナシ、本行ノ如キハ毎ニ繁務ヲ以テ臨会時ヲ過チ曷ソ恐謝ニ堪ヘン、而シテ今此時限ヲ改正セントナレハ午後四時臨会シテ開場ハ尚半時乃至一時ヲ緩フシ、閉場ノ如キハ議案ノ件数討論ノ大小ニ因ツテ斟酌スヘシ、其会場列次ノ如キハ抽籖シテ之ヲ定ムルヲ穏当ナリトスヘシ、原善三郎曰、弊社ノ如キハ懸隔ノ地ニ在リ、事務ノ宜ヲ計リ又汽車ノ時限ニ従ハサルヲ得ス、必ス以テ三時ヲ期シ難シ、因テ渋沢ノ答議ニ同ス
辻金五郎曰、会場ノ列次ハ各行ノ資本額ヲ以テ定ムルヲ要ス
三野村利助曰、抽籖シテ列次ノ定ムルハ其資本額ニ従フヨリハ平安ナリト雖トモ、又言外ノ情実アツテ甚タ之ヲ難シト為ス、願クハ更ニ高議ヲ仰クヘシ
渋沢栄一再議シテ曰、言外ノ情実ト云ニ至テハ意味極テ深シ、因テ更ニ資本額ノ説ニ従フヘシ、然レトモ各本店ヲ先ニシテ之ヲ定メ、次ニ
 - 第5巻 p.615 -ページ画像 
出店・出張所等ヲ列スヘシ
此ニ於テ各位又異案ナク、即チ第一款ハ渋沢ノ答議ニ従ヒ、第二款ハ同氏ノ再議ヲ取リ以テ決定ス
渋沢栄一ハ議案第三款ノ答議ヲ立テヽ曰、此会合ノ如キハ其日尚浅ク今僅カニ第四回ニシテ交情未タ周ネカラサルノ時ニ当リ、敢テ議事ヲ体裁スルトキハ却テ各小見ヲ憚リ、卓説ナキヲ恥ルノ情ヲ生シテ興動ノ気勢ヲ妨クヘシ、如カス猶旧章ノ簡易ナルニ安ンシ、従容トシテ体力ヲ養ヒ、而シテ根礎深重ノ日ヲ待ツモ又遅キニアラサルヘシ、衆皆異案ナク此答議ヲ以テ決定ス、因テ其第一款・第二款ハ定議ノ旨ニ依リ第一国立銀行ニ於テ文字ヲ作定シ、第十五銀行等ニ協議ヲ経ヘ而シテ各位ニ照知スヘシト為シ、本案全ク定奪ス


銀行集会理財新報 第九号・第二丁〔明治一二年一月〕 択善会第十八会録事(DK050133k-0002)
第5巻 p.615 ページ画像

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東京経済雑誌 ○第一号・第一六頁〔明治一二年一月二九日〕 銀行集会第十九回録事(DK050133k-0003)
第5巻 p.615-616 ページ画像

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東京経済雑誌 ○第二号・第五一―五二頁〔明治一二年二月二七日〕 択善会第二十回録事(DK050133k-0004)
第5巻 p.616 ページ画像

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東京経済雑誌 ○第三号・第八七―八八頁〔明治一二年三月二七日〕 択善会第二十一回録事(DK050133k-0005)
第5巻 p.616-617 ページ画像

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択善会録事(DK050133k-0006)
第5巻 p.617-619 ページ画像

択善会録事
    択善会章程
   第一条
択善会ノ本旨ハ相互ニ親睦シテ以テ業務ノ旺盛幸福ヲ図ルカ為メニ、現時本業ノ景況、世上商估ノ情態ヨリ海外銀行営業ノ事情及ヒ貿易ノ形勢、為替ノ高低等ニ迄ルマテ、凡ソ商務ノ実際ニ就テ各持論見解ヲ述ヘテ互ニ知識ヲ研究スルヲ要ス、故ニ此会同ヲ名ツケテ択善ト曰フ蓋善キ者ヲ択テ之ニ従フカ為メノ意ヲ表スルナリ
   第二条
此会同ニ加入スル者ハ特リ国立銀行ヲ限ラスシテ凡ソ銀行ト称スル者ハ皆加入スルヲ得ヘシ
   第三条
此会同ニ参預スル人員ハ頭取々締役支配人ノ内一行両名ヲ限ルヘシ
 但本文三役ノ代理ヲ帯ヒ或ハ臨時ニ答弁ヲ要シ又ハ委員ニ係ル者ハ平員ト雖モ参会スルヲ得ヘシ
   第四条
会員列席ノ叙次ハ毎年六回(一月、三月、五月、七月、九月、十一月)抽籖ヲ行テ改定スルヲ法トス
   第五条
此会同ニ於テハ同盟ノ中ヨリ投票ヲ以テ三行ヲ公撰シテ幹事ノ任ニ置キ、会同一切ノ事務ヲ担当スル者ト為ス、而シテ幹事ハ被選ノ銀行ヲ公称スル名義ニシテ、一人一己ニ責任アル者ニアラス
 但各幹事ニ任スル銀行ハ頭取々締役支配人ヲ以テ其責任ヲ負ハシムヘシ
   第六条
 - 第5巻 p.618 -ページ画像 
右幹事ヲ投栗撰挙スルハ毎年一月ノ初集会ニ於テ之ヲ行ヒ、而シテ幹事ノ在任ハ毎一ケ年ヲ限ル者ナリ、然レトモ次年再ヒ撰挙ニ入ルトキ之ニ任シ或ハ之ヲ辞スル各随意タルヘシ
   第七条
此会同ハ毎月初ノ月曜日ニ東京商法会議所ノ議場ニ於テ開設スヘシ、若シ事故アレハ此定日ヲ伸縮スルヲ得ヘシ、又此定会ノ外一歳四度即チ春夏秋冬ノ毎季ニ臨機日期ヲ卜シテ宴会ヲ開設スヘシ
 但毎月ノ開会ハ其前三日マテニ幹事銀行ヨリ各銀行ニ報告スヘシ、而シテ各行会ニ赴ク時限ハ午後四時ヲ例トシ、四時半ニ至リ来会セサル者アレハ之ヲ欠員ト看做シテ開会スヘシ
   第八条
他ノ銀行ヨリ此会同ニ加盟ヲ乞ノ照会ヲ受クル者アレハ之ヲ幹事銀行ニ照知シ、後ノ会同ニ延招シテ同盟一同ニ紹介スルヲ法トス
   第九条
凡ソ会同ノ決議ヲ以テ官府ニ聯名上申スル者ハ其文案ヲ作ルヨリ清写上申ノ順序ニ至ルマテ幹事銀行ニ於テ一切之ヲ担当シ、而シテ其指令ヲ得ルトキハ之ヲ報道シ、其他一切ノ会務ヲ管掌スルヲ要ス
   第十条
此会同ハ演説議事談論ノ三科ヲ設ク、各科ノ規矩ハ左ノ如シ
 演説ヲ為ス者ハ会場所在ノ会頭席ニ上テ衆聴ニ便スルヲ要ス、又自ラ演説ヲ為サス之ヲ幹事ニ陳述シ、幹事ヨリ伝説スルヲ得ヘシ
 議事ハ議事規則ニ照ラシテ之ヲ施行スヘシ
 談論ハ主ナク客ナク互ニ胸懐ヲ叙述シ且各其席ニ在テ応答スルヲ得ル、若シ談論ニ由テ議事ニ入ル者アレハ更ニ議事規則ニ照ラシテ施行スヘシ
   第十一条
此会同ニハ月積金ノ法ヲ設ケ、左ノ規矩ニ準シテ供給スルヲ要ス
 第一則 積金ハ三等ニ分チ一等ヲ一ケ月三十円トシ、二等ヲ十円トシ、三等ヲ五円トシ、以テ各積立ヲ始ムル月ヨリ三十六ケ月、即チ三ケ年ヲ限リ之ヲ月積スヘシ
 第二則 月積ハ各之ヲ始ムル際ニ於テ三等中ノ等額ヲ定メ、毎月其定額ニ従テ積立ヲ為シ、限月内ニ於テ変更スルヲ得ス、但タ少額ヨリ多額ニ転スルハ妨ケナシ、若シ又事故アツテ会同ヲ脱退スルモ既ニ月積セシ処ノ金ヲ還収スルヲ得ス
 第三則 新ニ会同ニ加盟スル者ハ、其加盟ノ月ヨリ等額ヲ定メテ三十六ケ月々積スルヲ法トス
 第四則 月積ハ毎月廿五日幹事銀行ニ収納シ、同行ヨリ預リ証書ヲ発付シ、其金額ヲ幹事銀行ノ預リ金ト為シテ相当ノ利息ヲ付スヘシ
 第五則 月積金ヨリ支出スル定費ハ左ニ掲クル数目ト為ス、若シ臨時支出ヲ要スルトキハ会同ノ協議ヲ以テ決定スヘシ
    一会日弁当代及ヒ商法会議所借用費
    一筆墨紙郵便賃其他臨時書籍及新聞紙等買上代
    一経済雑誌社ニ捐資金
 - 第5巻 p.619 -ページ画像 
    一経済雑誌毎刊五百部買上費
    一一歳四度宴会費
                 以上
   第十二条
会同積金ノ出納ハ総テ幹事銀行ニ於テ之ヲ主理シ、毎月及ヒ毎年両季(七月、一月)計算表ヲ作テ会員一同ニ報告スヘシ
右十二条ハ同盟銀行協議ヲ経テ決定スル所ナリ、若シ改正増補ヲ要スル時ハ尚協議ヲ以テ之ヲ更正スヘシ
  明治十二年四月七日


択善会録事(DK050133k-0007)
第5巻 p.619-620 ページ画像

択善会録事
    択善会議事小則
   第一条
此議事ハ択善会同盟諸銀行ノ会務ヲ整理スルノ会議トナス、因テ此議員ハ同会員ヲ将テ之ニ充ツル者トス
   第二条
此会議ハ択善会月次集会ノ日ヲ以テ定日ト為ス
   第三条
会議ヲ分テ議場会議・輪札会議ノ二法トナス、議場会議ハ議場ニ於テ面議討論スルヲ要シ、輪札会議ハ輪札ヲ以テ各意見ヲ陳述スルヲ要ス両議此ノ如ク殊法ヲナスト雖トモ其決議ニ至テハ均シク多数ヲ以テ之ヲ分チ以テ軽重アルナシ
   第四条
凡ソ会議ヲ要スル案件ハ同盟連署シテ官府ニ上申スル事件、地方ニ照会シ及ヒ地方ト贈答スル事件、同盟ノ公務ニ係ル諸約款ノ事件等ニ限リ、他ノ事務ニ交渉スヘカラス
   第五条
此会議ニ於テハ投票ヲ以テ会頭ヲ撰挙シ、而シテ議場会議・輪札会議共ニ総テ会頭ノ之ヲ主理スルヲ要ス
   第六条
被選会頭ノ期限ハ満一ケ年ト定メ、満期ニ至レハ更ニ投票撰挙スルヲ要ス
   第七条
議場会議ハ議員三分ノ一欠席スルトキハ議事ヲ行フヘカラス
 但議員ヲ点数スルハ、場中列在ノ人員ニ拘ハラス同盟ノ行数、即チ一行一員ノ割合ヲ以テ之ヲ判定スヘシ
   第八条
議場会議ノ大要ヲ筆録シ、輪札会議ノ事務ヲ整頓スル等ハ総テ幹事銀行ノ役員之ニ従事スヘシ
   第九条
凡ソ輪札会議ハ会頭ヨリ其銀行ノ名称ヲ以テ輪札議案ヲ作リ、幹事銀行ヲ経テ同盟各行ニ輪達スルヲ法トス、而シテ其議案ノ煩簡ヲ酌量シ会員即チ同盟銀行ノ数ヲ小分シテ輪札数部ヲ作ルハ適宜タルヘシ、尤周尾ヨリ輪札ヲ幹事銀行ニ移シ、幹事銀行ハ之ヲ会頭ニ伝フヘシ
 - 第5巻 p.620 -ページ画像 
 但議案煩簡ノ間ニ処ル者ハ凡ソ三部ヲ以テ恒例トナス
   第十条
輪札会議ノ議案ヲ討議スルハ務メテ同意不同意ノ如何ヲ明カニスルヲ要ス、則同意ヲ表スル者ハ輪札面各行名ノ下ニ同意ノ二字ヲ註明シテ之ニ行印ヲ加ヘ、又不同意ヲ表スルモ之ニ準シ、而シテ別ニ議箋ヲ作ツテ輪札ノ後尾ニ貼シ以テ其動議ノ要点ヲ記載スヘシ
   第十一条
議場会議・輪札会議ヲ論セス議論数派ヲ分ツコトアレハ会頭ハ之ヲ酌量シテ其論派ノ同意者ヲ認定シ、其多数ノ方ニ法スヘシ、モシ又論派両方ニ分ルヽ時ハ会頭ノ助説ヲ以テ之ヲ決判スヘシ
 但議場会議ニ於テハ出席議員ノ半数ヨリ多カラサル説ハ、縦令多数タリトモ之ヲ廃シ更ニ他ノ動議ヲ起サシムヘシ
   第十二条
凡ソ議場ニ在テ討論スルトキハ各員会頭ニ向テ論弁シ、甲、乙ト論シ乙、丙ニ弁スルヲ許サス、而シテ又一員論弁ヲ畢ラサル間ハ他員言ヲ発スルヲ許サス
   第十三条
凡ソ議案ノ決議法ニ依テ決定ヲ得ル者ハ一己ノ不服ヲ唱フルヲ得ス、其決定ノ旨ニ服従スルヲ法トス
   第十四条
会頭ニ於テ其議案ノ為メニ自カラ論弁ヲ出サントスルトキハ、一時会頭席ヲ他員ニ譲リ、議員席ニ列シテ之ヲ行フヲ法トス
 但此場合ニ於テハ他ノ議員ニ異ナルノ特例ヲ有スルヲ得ス
   第十五条
凡ソ議案ハ之ヲ筆録シ之ヲ口演スル総テ適宜ト為シ、而シテ其筆録ニ係ルモノハ之ヲ会頭ニ致シ、以テ会頭ヨリ発議スルヲ法トス
右議事小則十五章ハ同盟銀行協議ヲ経テ決定スル所ナリ、若シ之ヲ改正シ之ヲ増補スルハ須ラク衆議ニ従フヘシ
  明治十二年四月七日


東京経済雑誌 第四号・第一二五―一二六頁〔明治一二年四月二九日〕 択善会第二十二回録事(DK050133k-0008)
第5巻 p.620-621 ページ画像

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東京経済雑誌 ○第二〇号・第九八頁〔明治一三年二月一四日〕 択善会第二十九回録事(DK050133k-0009)
第5巻 p.621 ページ画像

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