デジタル版『渋沢栄一伝記資料』

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公開日: 2016.11.11 / 最終更新日: 2020.3.6

2編 実業界指導並ニ社会公共事業尽力時代

1部 実業・経済

1章 金融
1節 銀行
6款 択善会・東京銀行集会所
■綱文

第6巻 p.143-144(DK060039k) ページ画像

明治20年1月6日(1887年)

是ヨリ先、出納局ヨリ補助貨幣流通ノ実况ヲ調査申報スベキ旨ノ達シアリシニ因リ其実况ヲ査問ス。

是日栄一、右ノ事情ヲ報告シ併セテ意見ヲ述ブ。


■資料

銀行通信録 第一四号・第一八―二〇頁〔明治二〇年一月二〇日〕 第七十回定式集会録事 ○明治二〇年一月六日(DK060039k-0001)
第6巻 p.143-144 ページ画像

銀行通信録 第一四号・第一八―二〇頁〔明治二〇年一月二〇日〕
    ○第七十回定式集会録事 ○明治二〇年一月六日
一旧臘出納局ヨリ現在流通スル五十銭以下ノ紙幣及補助銀貨流通ノ割合取調ヲ要スルニ付、京浜及同業者取扱ノ事情調査申報スヘキ旨達シアリシニ因リ、其実況ヲ査問セシニ現今小紙幣ハ引揚ノ為メ其流通日々減少スルニ随ヒ、補助銀貨ノ流通漸ク増加スレトモ其割合ハ稍々其度ニ適シ取引上敢テ不便ヲ感セス、尤各地方ニ至リテハ京浜間トハ自ツカラ其情況ヲ異ニスルヲ以テ尚出納局ヘ問合セ至急ヲ要セラレサルモノトセハ篤ト実況ヲ査問シテ後チ復申スヘキ旨ヲ報告シ、且同氏ハ之ニ意見ヲ付シテ曰ク、元来補助貨幣発行ノ数ハ兎角過剰ニ失シ易キ傾キアルモノニシテ、発行ノ後其不便ヲ感シ更ニ収減ヲナスカ如キハ甚タ不都合ノモノナルヲ以テ、最初ヨリ発行ノ程度ヲ設ケ其欠乏不便ノ実状ヲ確察スルニアラサレハ輙ク発行セラレサランコトヲ要スヘキハ嘗テ欧米諸邦ノ統計ヲ按スル所ニテモ其利害ヲ十分例証スルヲ得ヘキ処ナリ、今幸ニ出納局ノ諮問ニ対シ併セテ其意見ヲモ復申セハ他日我カ理財上参考ノ一端ニモ供スルニ足ルヘシ云々、衆皆同意ヲ表セリ
  附本文出納局御諮詢ニ係ル補助貨幣流通高割合取調ハ京浜間ノ実況ノミヲ要スヘキニ帰セシヲ以テ、左ノ通同局長ヘ復申セリ
現在京浜間ニ流通致居候小紙幣ト補助銀貨トノ割合取調申報可仕様旧臘二十五日御諮詢ニ付、本月同盟銀行定式集会ノ衆議ニ付シ、同業者中ニ於テ取扱最モ頻繁ナリト見込候各銀行ニ就キ調査仕候処、小紙幣ハ追々御引上ノ為メ日々減少ニ赴ムキ、且該紙幣ノ損傷スルモノハ日本銀行ニ於テ交換シ、代リ金ハ多ク壱円已上ノ兌換券ヲ交付セラルヽニ付、当時右残存流通ノ小紙幣ト補助銀貨トヲ併用シテ至極其度ニ適シ、敢テ過不及ノ不便ヲ覚ヘ候義ハ無之候、尤モ右損札ノ代リ金ヲ悉皆補助銀貨ニテ下付セラルヽニ至ラハ其流通高自ラ適度ヲ失シ、取扱上忽チ不便ヲ感シ候様可相成ト奉存候、元来補助貨幣発行ノ数ハ民間
 - 第6巻 p.144 -ページ画像 
流通ノ適度ヲ謀リテ其宜ニ従フヘキモノニシテ、苟モ此適度ヲ失スレハ忽チ過不及ノ不便ヲ生シ、終ニハ商業上ニモ其弊害ヲ蒙ムルコトアルハ欧米諸邦ノ実例ヲ以テ之ヲ引証スルヲ得ヘシ、故ニ向後此小紙幣御引上ケノ代リ金ニ補助銀貨ヲ以テセラルヽニハ、前陳一般流通ノ摸様御審査ノ上恰好ノ御措置被為在度奉存候、右ハ本案ノ御諮詢ニ与リ候ニ付、併セテ当集会所同盟銀行ノ意見ヲ附言仕候間、他日御参考ノ一端ニ供セラルヽコトヲ得ハ幸甚不過之候、依テ別紙割合表相添此段復申仕候也

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     小紙幣ト補助銀貨トノ流通高割合      小紙幣      補助銀貨 平均  四割弐分七厘   五割七分三厘 




中外商業新報 第二〇四九号〔明治二二年一月二七日〕 通貨取調委員を置くの議(DK060039k-0002)
第6巻 p.144 ページ画像

中外商業新報 第二〇四九号〔明治二二年一月二七日〕
    通貨取調委員を置くの議
今度松方大蔵大臣には我国通貨の伸縮、民間流通の摸様及ひ本位貨幣と補助貨幣との釣合等に付き、実際の情況を時々取調べの為め官民双方より各々経歴識見ある人を撰挙し、此の人々を以て通貨取調委員を設置さるゝ趣に聞けり、元来通貨の伸縮及び本位貨幣と補助貨幣との釣合其宜しきを得ると否やは□《(欠)》に民間□《(欠)》業上の利害に一大関係を有するものなれば、海外文明国に於ても特に斯かる委員を設置して時に理財社会の□《(欠)》況を調査せしめ、国家財政機関の運用に注意する事なるが今我国に於ても斯かる目的の為めに官民共同の委員を置かるゝは、現今の事情に最も緊要の事なりと思はる