デジタル版『渋沢栄一伝記資料』

明治31年10月15日（1898年）

是ヨリ先、当集会所狭隘ノタメ増築ノ議起ル。是日工費概算二万円ヲ以テ二階建九十余坪ノ増築ヲナスコトヲ決議ス。

集会録事　自明治二十六年一月　　（東京銀行集会所所蔵）
　　　　○第百八十三回定式集会録事
明治三十一年七月十五日午後五時ヨリ東京銀行集会所組合銀行第百八十三回定式集会ヲ開キ、来会シタルモノ二十九名ナリ
会長渋沢栄一氏会長席ニ着キ、本年上半季当集会所経費決算ヲ報告シテ其承認ヲ得
次ニ本年下半季当集会所経費予算ヲ協議シ異議ナク原案ヲ可決シ
次ニ当集会所食堂ハ従前階下ノ一室ヲ用ヒ来リシガ、近年組合銀行ノ増加ニ因リ狭隘ヲ感ジ、止ヲ得ズ会議室ニ於テスルガ如キ有様ニテ不
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便少ナカラズ、幸ヒ積立金モアレバ之ヲ以テ相当ノ食堂ヲ建設シタシト協議シタルニ皆同意ナルヲ以テ、追テ会長ヨリ建築委員ヲ選定シ、其準備ヲ為スベキコトニ決シ、晩餐ノ後八時散会セリ
　　　　　　当日出席者
　　　　　　　　　　　第一銀行　　　渋沢栄一○外二九名氏名略
　　　　○第百八十四回定式集会録事
明治三十年九月十五日午後五時ヨリ組合銀行第百八十四回定式集会ヲ開キ、来会者五十二名ナリ
副会長豊川良平氏会長席ニ着キ、協議ニ先タチ○中略決議ニ基キ当集会所建築委員ヲ上柳清助、芦田順三郎両氏ニ嘱托シタル事○中略ヲ報道シ○中略晩餐ノ後八時過散会セリ
　　　　○第百八十五回定式集会録事○明治三一年一〇月一五日
次ニ前会ニ於テ決定シタル当集会所増築ノ件ハ、爾後同委員ニ於テ調査ノ末、二階建凡九十坪トシテ装飾費共概算弐万円ヲ要シ、当集会所現在金壱万円ヲ支出シ、尚凡壱万円ノ不足ヲ生スルヲ以テ、此不足金ハ組合銀行ヨリ醵出スルコトヽスヘキヤヲ諮リタリシニ、皆異議ナキヲ以テ其醵出法ハ追テ協議スヘキコトヽ為シ、大体此方針ヲ以テ設計企劃スベキコトニ決シ、夫ヨリ晩餐ノ後同九時散会セリ
　　　　　　当日出席者
　　　　　　　　　　　第一銀行　　　渋沢栄一○外三五名氏名略

銀行通信録　第一五九号・第二五三頁〔明治三二年二月一五日〕
　　　　○東京銀行集会所増築工事
当銀行集会所現在の建物は明治十八年中の建設に係り、当時は組合銀行会員の集会に充分なりしも、爾後漸次組合銀行も増加し来りたれば該建物も遂に狭隘を感ずるに至り、殊に数百人の会合等には往々不都合なれはとて、昨三十一年七月の定式会にて之が増築の議起り、竟に同年十月の定式会に於て愈々九十余坪の増築を為すことに決したり、而して該工事は至急を要するを以て木造二階建とし、其工費を凡三万円と決定し、工事の設計監督を工学士横川民輔氏に嘱托し、清水方の請負にて同十二月十六日に起工し目下着々進行中なり、因に記す右建築は本年七月中を以て竣工すべき筈なり
　　○増築工事ハ明治三十二年七月完成セリ。