デジタル版『渋沢栄一伝記資料』

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公開日: 2016.11.11 / 最終更新日: 2018.12.20

2編 実業界指導並ニ社会公共事業尽力時代

1部 実業・経済

1章 金融
4節 保険
1款 東京海上保険株式会社
■綱文

第7巻 p.580-584(DK070074k) ページ画像

明治11年6月18日(1878年)

旧東京鉄道組合同盟栄一ノ計画ニ従ヒ海上保険会社ヲ創立スルニ決シ、是日栄一ヲ総理代人ニ立テ創立事務一切処弁ノ上会社成立後始終担任アラン事ヲ依頼セシガ、栄一会社創立迄総理代人タラン事ヲ諾ス。


■資料

海上保険会社創立関係書類(DK070074k-0001)
第7巻 p.580 ページ画像

海上保険会社創立関係書類 (株式会社第一銀行所蔵)
以輪札啓申仕候、陳者海上保険企業之儀ニ付而者各位御同様該書類ニ於而大略御了解相成候事与奉存且前会御約束之儀モ御座候間、来ル六月六日第一国立銀行楼上ニ於而御会合致し目途御高議致度候条、同日午後一時迄ニ同所ヘ御来車可被下候、此段御報知申上度輪札早々御順達周尾より同銀行ヘ御返却可被下候也
  十一年五月卅一日            伊達宗城


鉄道組合会議要件録附録(DK070074k-0002)
第7巻 p.580 ページ画像

鉄道組合会議要件録附録 (株式会社第一銀行所蔵)
○同年○明治一一年六月六日伊達宗城盟主ト為リ旧鉄道組合ノ同盟ト第一国立銀行楼上ニ会シ、海上保険事業第二ノ会議ヲ開キ渋沢栄一ノ計画ニ従テ海上保険会社ヲ創立スヘキコトニ決定ス、此会ニ赴ク者ハ伊達宗城亀井玆監○外一八名氏名略 員外益田克徳共ニ二十一名池田徳潤ハ欠席ヲ告ク
  ○『旧鉄道組合同盟海上保険事業開設ニ関スル決議』ニハ是日ノ議事ヲ載セス会同者氏名ノミヲ掲ク。


海上保険会社創立関係書類(DK070074k-0003)
第7巻 p.580 ページ画像

海上保険会社創立関係書類(株式会社第一銀行所蔵)
(全文別筆)
乍略儀以輪札申上候、時下醸暑之候各位益御祥福奉欣喜候、陳者五月十三日之御集会ニ於テ、兼而御委托之海上保険事業考案取調書演説申上、尚御要求ニ任セ、該案印刷之上御廻し申上置候ニ付、各位御熟覧相成、既ニ御内議モ御座候趣拝承仕候、此際小生儀今十三日無滞従坂地帰京仕リ候ニ付、来ル十八日各位御会同、該案御討議之始末拝聴致し、尚愚見も申上度候間、同日午後一時より第一銀行ヘ御臨車可被下候輪札早々御順達、周尾より御還却可被下候也
  明治十一年六月十三日午後五時四十分
                      渋沢栄一
        旧法三部各通
 二申本文十八日御会同之節各位御実印御携帯可被下候、右者今日伊達公之御伝言ニ御座候、此段申添候也


海上保険会社企業委頼状(DK070074k-0004)
第7巻 p.580-581 ページ画像

海上保険会社企業委頼状 (株式会社第一銀行所蔵)
    海上保険企業之儀ニ付御委頼書
今般貴殿ニ及御依頼御取調被下候海上保険営業方案之儀、拙者共各熟読審案致候処、右着手之目途計算之得失等、着々精確緩拠審明《(遽カ)》、尽ク其大意ヲ領会致候間、去ル六日拙者共会同各意見ヲ述ヘ、商量熟議之上、該事業ヲ以テ方今公私必用之挙ナルコトヲ確認シ、因テ先般特准
 - 第7巻 p.581 -ページ画像 
ヲ受クル所ノ旧鉄道組合之資本金ヲ以テ、都而御取調之方案ニ依リ実際施行可致積決定候間、貴殿ヲ総理代人ニ立テ、右創立之事務一切御調理之上、始終御担任被下候様致度、就而ハ拙者共一同其確実ヲ表スル為メ、記名調印致候条、無御異議領諾有之度候、此段及御委頼候也
  明治十一年六月十八日
                    久松定謨(印)
                    毛利元忠(印)
                    池田輝知(印)
                    池田徳潤(印)
                    毛利元敏(印)
                    井伊直安
                    代理 金田師行(印)
                    大村純熈(印)
                    前田利同
                    代理 佐々高柯
                    池田章政
                    榊原政敬(印)
                    前田利嗣(印)
                    山内豊範(印)
                    松平頼聡(印)
                    井伊直憲
                    代理 金田師行(印)
                    久松勝成(印)
                    伊達宗徳(印)
                    松平茂昭
                    亀井玆監
                    池田茂政(印)
                    毛利元徳(印)
                    伊達宗城
                    代理 伊達宗徳(印)
                    蜂須賀茂韶
                    代理 林厚徳(印)
                    松平慶永(印)
                    徳川慶勝(印)
                    九条道孝(印)
    渋沢栄一殿


旧鉄道組合同盟海上保険事業開設ニ関スル決議(DK070074k-0005)
第7巻 p.581-583 ページ画像

旧鉄道組合同盟海上保険事業開設ニ関スル決議
                    (株式会社第一銀行所蔵)
明治十一年六月十八日、旧鉄道組合ノ諸氏ハ一同第一国立銀行ニ集会――渋沢栄一ト与ニ左ノ条件ヲ決定セリ
            同日出席人名
                   池田輝知代理
                     小倉教豊
                   九条道孝代理
                     朝山常順
 - 第7巻 p.582 -ページ画像 
                   大村純熈代理
                     山川前曜
                   井伊直憲井伊直安代理
                     金田師行
                   久松勝成久松定謨代理
                     池内久親
                   松平茂昭代理
                     武田正規
                   松平慶永代理
                     鈴木準造
                   山内豊範代理
                     店瀬実栄
                   松平頼聡代理
                     三宅十郎
                   蜂須賀茂韶代理
                     林厚徳
                   徳川慶勝代理
                     井上喬
                   毛利元敏代理
                     難波舟平
                     池田茂政
                   池田章政代理
                     小原久種
                   前田利同代理
                     佐々高柯
                   前田利嗣代理
                     北川亥之作
                   毛利元忠代理
                     柏村信
                     榊原政敬
                     亀井玆監
                   伊達宗徳代理
                     西園寺公成
                     渋沢栄一
                     益田克徳
                   以上
                 欠席  伊達宗城
                     毛利元徳
                     池田徳潤
                   以上
一渋沢栄一ハ前日各位ノ委托アルニ依リ、保険会社営業目的ノ大要ヲ刊本ニ為シテ頒致シ、各位之ヲ熟閲シテ今日其挙措ヲ決スヘキ筈ナリシカ、各位已ニ前会(去ル六日)ニ於而弥挙行スヘキコトニ決定シ、之ヲ渋沢ニ照会アリシヲ以テ、今日渋沢より更メテ其挙措ヲ促スコトヲ須ヒサル旨ヲ報道セリ
一旧盟一同者前件ノ如ク保険会社創立ノコトニ決定スルヲ以テ、更ニ渋沢栄一ヲ其総理代人ニ望ミ、其委任状ヲ作ツテ之ヲ同子ニ交セリ、渋沢ハ其衆委ノ為メニ之ヲ領諾スルト雖トモ、状文中始終賛成ノ字ハ
 - 第7巻 p.583 -ページ画像 
之ヲ諾シ難ク、到底該会社創立マテノコトヲ担当スヘキ旨ヲ回答セリ
一渋沢栄一衆位ニ詢ツテ曰、已ニ創設ニ決定スル上ハ、其創立ヲ上申シ、並ニ旧資還収ノ件ヲ請願スヘシ、而シテ其創立願ニ於テハ海上保険ノ大要ヲ略陳シ、其旧資還収ニ於而ハ、該資額ヲ以テ差向キ起業公債ヲ買入レテ、予メ其資本ヲ堅固ニスヘキコトヲ述ルヲ要スト、衆皆異議ナクシテ、両件共ニ其草案ヲ作ルヘキコトヲ要求セリ、渋沢之ヲ諾シ、不日之ヲ草作シテ、更ニ衆議ヲ要スヘキコトニ決定セリ
一北川亥之作ハ此回再図ノ挙ニ際シ、願クハ自家資本額ヲ増加センコトヲ要ス、之ヲ為シ得ヘキヤト問フ、渋沢答曰、増資ノ如キハ妨ケアルナシ、而シテ今回ノ挙ニ於テハ旧社ノ如ク各資本ニ奇零数アルヲ厭フヘキニ付、必ス之ヲ改正スヘキヲ以テ、先ツ仮ニ全資本ヲ五十万円ト定ムレハ、乃チ七万円ノ不足ヲ為シ、其不足ハ是非同盟中ニテ募集スルカ、或ハ他ヨリ之ヲ求ムルカ、到底右両様ノ中ニ処セサルヲ得サルニ付、設令ヘハ右五十万トセハ内四十二万許ハ旧資ナルヲ以テ、或ハ之ヲ四十五万ノ額ニスルマテ前田家ニ於テ増資ト為シ、余ノ五万円ヲ外募スルモ可ナリ、然レトモ此等ノ議ニ至テハ、前ノ二件請願允准ノ日ニ於テスルカ、又ハ近日別会ヲ以テ決議スルヲ要スト、北川此説ニ従フ
一渋沢曰、此創立会社ニ於テ要用ナル定款其他規則ノ如キハ、已ニ腹稿アレトモ、未タ各位ニ陳述スルニ至ラス、蓋目下要急スル所ニアラサルヲ以テ、他日其期ニ於テ発案スヘシ、各位予メ之ヲ領セラレヨ
  ○東京海上保険会社報告(第一季明治一三年ニ月一三日)本社創立顛末ノ記事中ニ
   「○上略因テ翌十二年一月ヲ以テ発起人一同第一国立銀行ノ楼上ニ集会シ更ニ渋沢栄一氏ヲ以テ総理代人トシ創立ノ事務ヲ弁理セシム○下略」
   トアリ先生ノ総理代人委嘱ヲ明治十二年一月トス、今ソノ集会ノ議事録ヲ得サレト総理代人ノ委嘱ハ既ニ是日ニアリ報告書ノ記事誤ルカ。
  ○六月十八日議事ハ「鉄道組合会議要件録附録」(第一銀行所蔵)ニモ上掲ト略々等シキ記事アリ之ヲ略ス。



〔参考〕青淵回顧録 上巻・第五九二―五九三頁〔昭和二年八月〕(DK070074k-0006)
第7巻 p.583-584 ページ画像

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