デジタル版『渋沢栄一伝記資料』

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公開日: 2016.11.11 / 最終更新日: 2018.12.20

2編 実業界指導並ニ社会公共事業尽力時代

1部 実業・経済

2章 交通
2節 鉄道
2款 日本鉄道株式会社
■綱文

第8巻 p.557-581(DK080045k) ページ画像

明治17年10月24日(1884年)

是ヨリ先、明治十四年十一月日本鉄道会社創立セラレ、栄一当初之ニ関係セザリシモ、是日臨時株主総会ニ於テ理事委員ニ選バル。


■資料

(日本鉄道会社) 実際報告 第六回明治一七年一二月(DK080045k-0001)
第8巻 p.557 ページ画像

(日本鉄道会社) 実際報告  第六回明治一七年一二月
    総況
理事委員改撰 十月廿四日臨時総会ヲ開キ、理事委員十二人ヲ撰挙セリ、即チ当撰人名左ノ如シ
 奈良原繁  北川亥之作  渋沢栄一  池田章政
 柏村信   大田黒惟信  二橋元長  林賢徳
 小野義真  山中隣之助  間島冬道  草野政信
○中略
    役員進退
社長吉井友実理事委員並ニ社長辞退ニ付、七月八日解任セリ○中略
十月廿四日株主臨時総会ニ於テ改撰シタル理事委員十二名ノ内十一名ハ同日各上任シ、奈良原ハ十一月廿二日上任セリ
理事委員同僚ノ無記名投票ヲ以テ奈良原繁ヲ社長ニ、北川亥之作ヲ副社長ニ、大田黒惟信林賢徳ヲ撿査委員ニ撰挙シ、撿査委員ノ両名ハ十月廿四日上任シ、正副社長ハ其筋ノ認可ヲ得テ十二月八日各上任セリ


日本鉄道史 上篇・第七五五―七五六頁〔大正一〇年八月〕(DK080045k-0002)
第8巻 p.557-558 ページ画像

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日本鉄道会社株主姓名簿 明治一六年七月(DK080045k-0003)
第8巻 p.558 ページ画像

日本鉄道会社株主姓名簿 明治一六年七月  (山田英太郎所蔵)
               明治十六年七月三十一日調
  東京

図表を画像で表示日本鉄道会社株主姓名簿 明治一六年七月

 池田章政    一一、〇〇〇   毛利元徳 四、〇〇〇   大谷光尊  二、〇〇〇 徳大寺実則    七、〇三三   藤堂高潔 三、三三五   前田利嗣  二、〇〇〇 岩崎弥太郎    六、二〇〇   松浦詮  三、三〇二   蜂須賀茂韶 一、四〇〇 細川護久     四、〇〇〇   大谷光勝 二、二〇〇   島津忠義  一、二〇〇 鍋島直大     一、〇〇〇   草野政信   五〇〇               合計 三井八郎右衛門  一、〇〇〇   林友幸    五〇〇                府県      四三 岩倉具視       八〇〇   ○中略                       人員   九、五二〇 北川亥之助      五四八   渋沢栄一   一〇〇                株数 一一九、五〇〇 徳川義礼       五〇〇   ○中略 




  ○右ハ株主名簿第一回ノモノト思ハル。
  ○日本鉄道会社株主名簿ニ拠レバ栄一ノ持株ノ変遷左ノ如シ。
       明治一六年七月三十一日現在  一〇〇株
       明治一七年六月三〇日現在 (記載ナシ)
         一七年一二月三一日   一〇〇株
         一八年六月三一日    二〇〇株
         二一年九月三〇日    二六六株
         二四年十月三一日    三〇〇株
         二七年六月三〇日    五〇〇株
         二九年一二月三一日   五三三株
         三〇年一二月三一日   八七九株


竜門雑誌 第四八一号・第三四八―三五一頁〔昭和三年一〇月二五日〕 鉄道事業及道路改良と青淵子爵(山田英太郎)(DK080045k-0004)
第8巻 p.558-560 ページ画像

竜門雑誌  第四八一号・第三四八―三五一頁〔昭和三年一〇月二五日〕
  鉄道事業及道路改良と青淵子爵(山田英太郎)
 竜門社理事長阪谷男爵は、竜門雑誌十月号を特別記念号と致したきに就ては、平素渋沢子爵と親交ある貴台に標題の寄稿を得て永く記念としたし云々と、特に懇書を以て依頼し越された、然る処私が子爵の知交を蒙りたるは、たしか明治廿三年商法制定前後よりの事で、子爵が我国の鉄道事業に関係せられたのは、それよりもずつと以前の事な
 - 第8巻 p.559 -ページ画像 
れば、此の竜門社指定の標題では、私には完全に之を述ぶるの資格は無い、それで先日も子爵に会見の序に『日本鉄道会社に御関係の最初は、発起の時からでありますかと御尋ね申したところ、否同会社の発起の頃には毫も関係は無い、奈良原氏が社長の時からである』と答へられた、そこで話にちよつと注釈が必要で、伝元年春王正月流に先づ我国鉄道の発端に遡りて一言せねばならぬ、と云ふのは最初政府の手で明治五年に東京横浜の鉄道を開通し、明治十年に京都神戸間の鉄道を開通し、引続いて京都大津間を延長したまでは善かつたが、其以後と云ふものは、政府財政の困迫で復た如何ともすべからず、否啻に政府に於て鉄道を布設することが出来ない計りではない、果ては岩倉右府の首唱にて我国一切の鉄道を民間の手で布設するの状勢となり「日本」全国の鉄道を布設すると云ふ意味にて、明治十四年に「日本鉄道会社」を創立した。其の最初の計画では既設東京横浜間の鉄道を此の日本鉄道会社へ払下ぐるの廟議さへありたる程の形勢であつたから、其当時に於て鉄道事業と云へば、専ら日本鉄道会社の事業を意味したのであつた、伝元年注釈は先づ此辺で止めて置て、さて斯う云ふ訳であるから、子爵と鉄道事業と云へば、勿論日本鉄道会社と子爵と云ふに外ならず、乃ち子爵が日本鉄道会社に関係せられたのは何時の事で如何なる関係を有せられたのであつたかゞ問題である、記録によりて之を尋ぬるに、子爵の言の通り、奈良原氏が創立当時の社長たりし吉井友実氏に次で第二世社長に就任したる最初から、十二人の理事委員中、正副社長及検査委員(当時は商法もなく会社法もなく今日の取締役監査役を斯く名づけたのであつた)を除きたる筆頭重役として就任せられたので、時は明治十七年十月廿四日の臨時総会の選挙からであつた、かうして就任されたる子爵は筆頭重役として如何なる役目に当られたか、又会社に於ては何の必要で大名重役又は其代理重役、乃至華族銀行(十五銀行)系統重役の以外から、特に首唱にも発企にも関係のない渋沢子爵を拉し来つたのであつたか、其の辺は更に文献の徴すべきものがないから、確かなことは知るに由なけれども、察するに政府と会社、役員と役員との間の協調和合の事に任じ、又増資金融の労に任ぜられたものならんと思はる、蓋し日本鉄道会社の創立は明治十四年十一月十一日にして、其の鉄道布設の工事漸く進むに及んで、明治天皇陛下の御臨幸あり、上野高崎間六十三哩の鉄道に 宮廷列車を往復せさせ給ひ、夜に入り上野式場に還御の上、玉音朗々勅語を賜ひて、親しく開業式を挙げさせられたるは十七年六月廿五日の事に係り、其当時の資本金はと問へば金五百九十六万五千七百円と云ふ端数勘定を公称し、而かも其内約三百八十二万円を払込みたるに過ぎず、万事が創草の有様にして、私設鉄道の嚆矢なれば、他に見習ふべき模範とてもなく、殊に線路の建設も汽車の運転も皆政府の鉄道局に依頼して行つて居つた次第で、加ふるに利子補給の保護会社として、大蔵省の煩瑣厳密な監査の下に置かれて在つたから溜つたものではない、それに官僚全盛時代なる当時の事と来て居るから、会社の経営施設の六ケしさは、蓋し意量の及ぶ所でなかつたらうと思はれる、況んや当時の重役連は種々の異分子を交へて居つて、動もすれば天狥の鼻突合
 - 第8巻 p.560 -ページ画像 
とも云ふ風情なきにあらず、こんな工合で会社と云ふはほんの名称のみ、全く一個のお役所であつて、第一世社長吉井友実氏は元老院議官兼工部大輔の高官から天降り、而かも創始三ケ年を限りて引受けようと云ふ条件付であつたらしいが、今や車駕親臨と云ふ晴れの開業式も済み、又上野前橋間第一区線の全通をも了したと同時に、是迄政府の鉄道少藍として会社線路の保修と汽車の運転とを担当して居つた毛利重輔氏が、新に入社して技術長となつたものであるから、それ等を好機に約束通りの三年を済したと云ふので、悠然と会社を辞して元の官場へ転任して去つた。其後釜へは奈良原繁氏が亦官場から天降りて、第二世社長に任じたが、此時代こそ最も六ケ敷時代で、前途には第二区線乃至第五区線其他各支線の建設工事を控へ(実際同社長時代に六十八哩から五百九十哩に延長した)資本株金の増募(亦実際五百九十六万円から一千八百万円にまで繰越し数回の増資を行つた)其他の金融事項を初め(会社のバランスシートは亦実際六百六十四万円から二千百五十万円に成つた)会社内外の多事多端であつたことは推測に難くない、従つて渋沢子爵が奈良原内閣組織の初めから重役として入社し、会社の重きに任じられた事情も自ら明なるものあるが如く察せられるではないか、斯くて奈良原社長は、上野青森間の鉄道が悉皆全通し、全部鉄道局の依託より離れて、全く会社の独立自営に帰したるを機会に、明治廿五年三月を以て退任し、副社長小野義真氏が第三世社長として代り任し、在職六年間に増資を反覆して、株金一千八百万円の巨額に上らせ、海岸線の建設、両毛線の買収以下大に積極施設を試みたる末、卅一年三月の総辞職で退任し、毛利重輔氏の暫定内閣(半年間)を経て、曾我内閣に遷り、以て三十九年十一月の国有買収に終つたのが、旧日本鉄道の全史であるが、此の間重役の顔触れは幾変遷したか分らぬ程であるに拘らず、独り渋沢子爵のみは任期二ケ年毎に再選重任で一貫し、三十七年十月二十八日自家の都合で、世間総ての会社関係より隠退せられたときまで、最も熱心に同鉄道の事に尽力せられたのである、此の二十有余年一日の如く、俗に謂ふ相手変れど主易らずで、四十幾回の考課状に毎つも子爵の連署を見ざるはないと云ふ事実は、決して漫然看過してはならぬと思ふ。此の事実の裏面閫奥の底には必ずや相当の事由を伏蔵するに相違ない、子爵が物の勘忍に強くして、寛仁衆を容るゝ天稟の徳性が然らしむる所とは云へ、会社側相手側に於て子爵を絶対に必要としたる実際の事相に因由するならんと思はる



〔参考〕(日本鉄道会社) 実際報告 第一回明治一五年一月(DK080045k-0005)
第8巻 p.560-561 ページ画像

(日本鉄道会社) 実際報告  第一回明治一五年一月
    創立顛末
一本社ハ客歳即チ明治十四年四月四日ヲ以テ東京京橋区木挽町七丁目六番地第十五国立銀行中ニ事務所ヲ置キ、仮ニ日本鉄道会社創立事務所ト称セリ、
一是ヨリ先キ主唱発起人十七名ノ協議ヲ以テ創立委員五名ヲ撰ミ、本社創始ノ事ヲ経営シ、遂ニ同年五月廿一日発起人池田章政外四百六
 - 第8巻 p.561 -ページ画像 
十二名連署シ、本社創立願及特許請願ノ書ヲ東京府ニ呈シ、七月十三日仮免状ヲ下附セラル、同年九月廿五日発起人会議ヲ開キ、本社定款ヲ議定シ、十月四日該定款ノ認可ヲ請ヒ、十一月十一日ヲ以テ本社ノ創立ヲ允可シ、併セテ特許条約書ヲ下附セラル、是ニ於テ始メテ日本鉄道会社ヲ公称スルニ至レリ
 一同年十二月十五日本社ヲ木挽町五丁目五番地ニ移ス、即今ノ所在是レナリ


〔参考〕日本鉄道株式会社沿革史草稿 第一編・第一六九―一七九頁(DK080045k-0006)
第8巻 p.561-564 ページ画像

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〔参考〕回議録 第二類諸会社 明治十四年四月六月(DK080045k-0007)
第8巻 p.564-565 ページ画像

回議録  第二類諸会社 明治十四年四月六月  (東京府庁所蔵)
    鉄道会社創立願書
政府曩ニ鉄道ヲ開築シテ其模範ヲ示サレシ、以来国人皆鉄道ノ便益ヲ覚知シ今日ニ至テハ之ヲ全国ニ普及シテ以テ農工商業ノ昌盛ヲ添加センコトヲ渇望セリ、因テ章政等今広ク全国ノ有志者ト謀リ鉄道営業ノ一会社ヲ創立シテ以テ其開築ニ従事センコトヲ計図ス、然レトモ鉄道ノ業タル規模宏大、経費鉅万其線路ハ数百里ニ延亘シテ公私ノ所有ニ属スル無数ノ土地家屋ヲ貫穿シ、又其工事ハ未曾有ノ偉業ナルカ故ニ未タ後来収益ノ多少ヲ前知スルコト能ハサル等、其他尋常ノ事業ノ比スヘカラサルノ困難頗ル夥果ナリトス、而ルニ是事業ニ関シテ政府ヨリ特殊ノ庇護ヲ蒙ルコトナクンハ章政等有志者ト与ニ鞠躬従事スト雖トモ、会社ノ勢力或ハ及フ能ハサル所ノ者アランコトヲ恐ル、聞ク欧米諸国ニ於ケル鉄道会社ハ其政府ヨリ特例ノ保護ヲ蒙ル者多シト、伏テ冀フ、吾カ政府ニ於テモ亦タ特殊ノ庇護ヲ加ヘラレンコトヲ、今章政等カ政府ノ允准ヲ冀望スルノ条件及ヒ会社ヨリ政府ニ対シテ遵奉スヘキ条件ハ之ヲ別紙ニ列叙ス、会社創立ノ規則草稿及ヒ出金人名簿亦タ之ヲ添附シテ進ム、以上ノ諸件若幸ニ允裁ヲ蒙ルニ至ラハ先ツ東京ヨリ青森ニ達スル線路ノ経費ヲ弐千万円ト予算シ、右員額ノ内五百九拾余万円ヲ章政等ニテ之ヲ負担シ、直チニ東京高崎間ノ線路ニ着手スヘシ、而シテ此ノ線路中ヨリ右折シテ之ヲ青森ニ達セシム、又高崎ノ線路ヲ延長シテ之ヲ大津ニ達シ以テ東西両京ヲ連接セシムヘシ、是等
 - 第8巻 p.565 -ページ画像 
ノ線路漸次落成スルニ至ラハ貨物ノ運送行旅来往ニ無上ノ便宜ヲ与ヘ沿道各地ノ生産力ヲ増加スルニ於テ意外ノ結果ヲ見ルコトアラム、然ラハ即チ鉄道ノ開築ハ独リ会社ノ私利ノミナラス蓋シ亦一国ノ公益ナリ、前述ノ願意御允裁被成下度此段奉懇願候、尤モ御許可之上ハ会社定款申合規則等ハ追々上申可仕候也、但事務所ノ儀ハ京橋区木挽町七丁目六番地ニ設立仕候事
  明治十四年五月二十一日         池田章政
                       外四百六十二名
    東京府知事 松田道之殿


〔参考〕(日本鉄道会社)鉄道特許条約書・日本鉄道会社定款(DK080045k-0008)
第8巻 p.565-569 ページ画像

(日本鉄道会社)鉄道特許条約書・日本鉄道会社定款
  日本鉄道会社定款
大日本政府ノ允許ヲ得テ、全国ノ公益及ヒ株主ノ利益ヲ謀リ鉄道会社ヲ創立スル為メ、其発起人協議ノ上決定スル所ノ定款左ノ如シ
    第一章 総則
第一条 本社ハ東京ヨリ青森迄鉄道ヲ建築シ、運輸ノ業ヲ常ミ、漸次政府ノ許可ヲ得テ其他ノ地方ヘモ敷及スルヲ目的トス、因テ東京ヨリ青森迄建築ノ資金ヲ募集シ、其工事ヲ左ノ五区ニ分チ之ニ著手ス可シ
 第一区 東京ヨリ高崎ヲ経テ前橋利根川手前迄
 第二区 第一区線路中ヨリ阿久津ヲ経テ白河迄
 第三区 白河ヨリ仙台迄
 第四区 仙台ヨリ盛岡迄
 第五区 盛岡ヨリ青森迄
第二条 本社ハ日本鉄道会社ト称ス可シ
第三条 本社ノ事務所ハ東京府内ニ於テ之ヲ設置ス可シ
第四条 本社ノ責任ハ有限トス、故ニ会社ニ損失又ハ他ノ事故アリテ閉鎖分散スルコトアリト雖トモ株主ハ其株金ヲ損失スルニ止ルモノトス
第五条 本社ノ管理権ハ総会及理事委員会ニ在ルモノトス
第六条 本社ノ資本金ハ第一条中ノ第一区ヨリ第五区ニ至ルノ鉄道ヲ建築シ得ヘキ経費ヲ概算シテ弐千万円トナシ、之ヲ四十万株ニ分チ一株ヲ五拾円トス
第七条 何人タリトモ(外国人ヲ除クノ外)本社ノ規則ヲ遵守シ、其株式ヲ引受ケタル者ハ都テ本社ノ株主タルヲ得、尤モ一人ニテ幾株所有スルモ妨ケナシ
    第二章 株式及ヒ株金募集ノ事
第八条 各株主タル者ハ其引請タル株式金額ニ応シ、株式券状ヲ領受シ、其所有スル株高ノ割合ヲ以テ本社ノ財産所有者トナリ、利益金ノ配当ヲ受ル者トス
第九条 本社ノ株式券状ハ社長・理事委員・撿査委員・主任・幹事記名捺印ノ上政府ノ会計主任官ノ撿印ヲ受ル者トス
第十条 本社ノ株数ハ巨額ナルヲ以テ株式券状ヲ左ノ六種ニ製造シ之ヲ交附ス可シ
  一株 二株 六株 十株 五十株 百株
 - 第8巻 p.566 -ページ画像 
第十一条 本社ノ株式ハ本社ノ簿冊ニ引合セタル上売買譲与スルコトヲ得可シ、尤モ其株式券状ノ書換ヲ為サヽルトキハ本社ヨリ割渡ス可キ利益金ハ其株式券状ノ名前人ニ渡ス可シ
第十二条 株金払込ハ六ケ年十二回ニ分チ、毎年六月十六日ヨリ廿五日迄、十二月十六日ヨリ廿五日迄ノ両度ニ左ノ割合ヲ以テ払込ム者トス
  第一回第二回払込 各百分ノ十
  第三回以下払込  各百分ノ八
  但工事ノ都合ニヨリ払込ノ期ヲ遷延スルコトアルトキハ二ケ月前ニ報告ス可シ
第十三条 毎回株金払込ノ期日ヲ怠ル者ハ其怠リタル日数丈ケ金員ニ応シ利息制限法ニ因リ利子ヲ払ハシム可シ、若シ払込ノ期日ヨリ満三ケ月ヲ経ルト雖トモ入金セサル者ハ自ラ株主ノ権理ヲ放棄シタル者ト見傚シ、先キノ払込金ヲ没収シ株主ヲ除名スヘシ
第十四条 前条ノ場合ニ於テ株主タル者其権理ヲ失ヒ、或ハ株金払込請取証書又ハ株券ヲ紛失スルトキハ第四十六条ニ照シ新聞紙ヲ以テ其株金払込請取証書又ハ株券ノ無効ニ帰シタル旨ヲ広告シ、且政府ヘ之ヲ届出タル後其紛失シタルモノハ更ニ請取証書又ハ株券ヲ交付スヘキモノトス
第十五条 毎季ノ利益金配当ノ際ニ於テハ日数三十日以内株券ノ書換ヲ停止スル者トス
    第三章 計算ノ事
第十六条 本社ノ総勘定ハ一ケ年ヲ分チ一月ヨリ六月迄ヲ前季トシ、七月ヨリ十二月迄ヲ後季トシ、毎年一月七月両度ニ於テ六ケ月間ノ出納ヲ精算シ、其総収入金ノ内ヨリ本社営業一切ノ諸費ヲ引去リ其余金ヲ以テ株主ヘ配当金トナシ、其計算ヲ毎季ノ定式総会ニ於テ之ヲ報告シ、其認可ヲ経ル者トス
第十七条 本社株金ニ対シテハ政府ヨリ年八分ノ利子ヲ補給セラルヽニ付、毎区工事落成迄ハ払込ノ翌月ヨリ起算シ年八分ノ利子ヲ下附セラレ、毎区営業開始ノ後其配当金年八分ニ上ラサルトキハ其不足ヲ補給セラルヽヲ以テ、毎季ノ配当金ハ年八分ノ割合ヨリ下ラサル可シ、而シテ五区ノ計算ハ総区ニ通算セサルカ故ニ或ハ配当金年八分ノ上ニ出ル区ハ其儘之ヲ配当ス可シ
第十八条 毎季ノ総経費及ヒ予算ハ政府ヨリ置ルヽ所ノ会計主任官及ヒ鉄道主任官ノ認可ヲ受ク可キ者トス
    第四章 役員及ヒ権限ノ事
第十九条 本社ノ重立タル役員ハ左ノ如シ
 理事委員 十二名以上十八名以下
   内
  社長      一名
  副社長     一名
  検査委員    三名
  幹事      定員無シ各課ヲ分任ス
  幹事補
 - 第8巻 p.567 -ページ画像 
 技術長
第廿条 理事委員ハ総会ニ於テ百株以上ヲ所有スル株主中ヨリ、記名投票ヲ以テ之ヲ選挙ス
  但創立ノ際ハ本条ニ照シ、発起人ニテ之ヲ選挙シ、其内鉄道沿線各県ヨリ必ス一人ツヽヲ挙クル者トス、而シテ第一区工事落成マテハ改選セサル可シ
第廿一条 社長・副社長ハ理事委員其同僚中ヨリ無記名投票ヲ以テ之ヲ撰挙シ、政府ノ認可ヲ得テ之ニ任ス
第廿二条 撿査委員ハ理事委員其同僚中ヨリ無記名投票ヲ以テ之ヲ撰挙ス
第廿三条 社長・副社長・理事委員・検査委員ハ二ケ年ヲ以テ任期トナシ、二ケ年毎ニ之ヲ更選ス可シ、尤モ公選ヲ以テ重任スルモ妨ナシトス
  但第一区工事中ハ此限ニアラス
第廿四条 社長・副社長・検査委員事故有テ退職スルトキハ理事委員其同僚中ヨリ撰挙ス可シ、而シテ理事委員欠員アルトキハ前日撰挙ノ時ニ委員タラサリシ株主中ノ投票最多ノ者ヨリ順次ニ之ニ任スル者トス
  但補欠員ハ其前任者ノ任期ニ至リ解任スル者トス
第廿五条 社長・副社長・検査委員ハ勿論幹事以下ノ役員タリトモ他ノ会社等ヘ兼勤シ、又ハ他ノ会社等ヨリ本社ヘ兼勤スルヲ許サス
  但理事委員ハ此限ニアラス
第廿六条 社長ノ職務ハ政府ノ命令ヲ奉シ総会及ヒ理事委員会ノ定メタル規則ヲ施行シ、毎季ノ予算決算明細表ヲ調製シ、又副社長理事委員検査委員ノ外本社ノ諸役人ヲ任免褒賞譴責スルノ権ヲ有シ、本社ノ規則ニ於テ総会及ヒ理事委員ノ議決ヲ要スルノ明文ナキ諸務営業上ニ係ル物品ノ売買等ヲ決行シ、本社一切ノ事務ヲ提督スルノ責ニ任スル者トス
第廿七条 社長ハ自己権限内ノ事務ト雖モ時宜ニ因テハ諮問ノタメニ理事委員ノ集会ヲ催シ、其意見ヲ聞クヲ得ベシ、然レトモ断行ノ責ハ猶社長ニ帰スル者トス
第廿八条 副社長ノ職務ハ社長ヲ扶翼スル者トス、社長事故アルトキハ其代理タル可シ
第廿九条 理事委員ノ職務ハ政府ヨリ下附セラルヽ免許状並ニ総会ヨリ委任シタル事務ヲ負担シ、諸免状及ヒ本社ノ規則ニ於テ総会ノ決議ヲ要スルノ明文ナキ本社ノ諸規則ヲ議定シ、諸般ノ事務順序ヲ定メ、社長以下役員ノ所行ヲ監察シテ之ヲ総会ニ報スル者トス
第三十条 検査委員ノ職務ハ本社ノ会計出納一切ノコトヲ監査スル者トス
第三十一条 理事委員ハ少クトモ毎月二回以上本社ニ集会シ、又社長ノ需ニ因テ臨時ニ集会スベキ者トス、而シテ該会ハ出席員半数以上ナレハ開会スルヲ得ベシ、議長ハ社長或ハ副社長之ニ任ス、会議ノ決ハ多数ノ同意ニ従ヒ可否ノ数同ケレハ議長之ヲ決ス
第三十二条 政府ヨリ下附セラレタル諸免許状ニ記載ナキ条件ニシテ
 - 第8巻 p.568 -ページ画像 
諸免許状中ノ規則及ヒ一般ノ法律ニ抵触セサル者ハ本社ニ於テ制定施行スルヲ得ベキ者トシ総会理事委員会及ヒ社長ノ権限ニ関シ諸免許状ニ記載ノ綱領ニ遵ヒ本社ニ於テ其精密ナル細則ヲ定ムル者トス
第三十三条 社長・副社長・理事委員・撿査委員ハ在任中其所有株式券状ノ内百株ノ券状ヲ本社ニ預ケ禁授受ノ三字ヲ附シタル預リ証書ヲ請取置キ、在任中之ヲ引出スコトヲ得ス
    第五章 総会及ヒ議事ノ事
第三十四条 総会ハ百株以上ヲ所有スル株主ノ集会ニシテ、之ヲ定式臨時ノ二種ニ分ツ
  但会議ノ議案ハ本社ヨリ発布ス可シ
第三十五条 定式総会ハ社長・理事委員ノ定メタル日時場所ニ於テ毎年一月・七月ニ之ヲ開ク可シ
第三十六条 臨時総会ハ社長・副社長・理事委員ノ協議或ハ理事委員三分ノ二以上ノ衆議ヲ以テ適当ナリト思考スルニ於テハ何時ニテモ臨時総会ノ総集ヲ為スヲ得ベシ、又百株以上所有ノ株主五十名以上ノ同意ヲ以テ臨時総会ノ請求ヲ為スニ於テハ其総会ヲ要スル事件目的ヲ記載シタル請求書ヲ本社ヘ取請ケ、総会ノ招集ヲ為ス可シ、若シ社長此請求書ヲ落手シタル日ヨリ三週間内ニ招集ノ手続ヲ為サヽルトキハ其請求人等自身ニ総会ノ招集ヲ為スヲ得可シ
第三十七条 左ニ掲クル条款ハ総会ノミ之ヲ議決スルノ権アル者トス但第五款中ニ掲クル報酬ノ額ハ、第一区工事落成迄ハ発起人ニ於テ之ヲ定ムル者トス
 第一款 会社ヲ存廃スル事
 第二款 線路ヲ延伸シ、或ハ株金ヲ増募スル事
 第三款 株金払込ノ度数ヲ定メ又ハ之ヲ変更スル事
 第四款 定款ノ条件ヲ変更増減スル事
 第五款 理事委員ヲ撰挙シ、社長・副社長・理事委員・撿査委員ノ任期及ヒ報酬ノ額ヲ更定シ、以上ノ役員タル者不利ノ処置ヲ為ストキハ之ヲ罷免スル事
 第六款 社長ノ編制提出スル毎季ノ経費予算ヲ認可スル事
 第七款 経過セシ毎季ノ事務及ヒ決算利益分配ノ報告ヲ社長ヨリ接受シ之ヲ認可スル事
第三十八条 総会ハ臨会ノ資格ヲ有スル株主ノ員数五十名ニ満タサレハ議事ヲ開クヲ得ス(利益金分配ノ報告一件ヲ除クノ外)若シ五十名ニ満タサルヲ以テ開会スルヲ得サルトキハ三十日以内ニ於テ理事委員ヨリ第二回ノ招集ヲ公告ス可シ、第二回ニ於テハ臨会人員ノ多少ヲ論セス議事ヲ開クヲ得ル者トス
  但株主ノ請求ヲ以テ開キタル総会ニシテ此定員ニ満タサルトキハ其議案ヲ廃棄シ第二回ノ招集ヲナスヲ得ス
第三十九条 総会ニハ社長ヲ以テ議長トシ、社長事故アレハ副社長之ニ任シ、副社長事故アレハ臨席株主中ヨリ之ヲ撰挙ス可シ
第四十条 総会ニ於テハ臨席ノ株主過半数発言投票ノ数ノ同意ニ因テ可否ヲ決ス、若シ可否ノ数均シキトキハ議長之ヲ決ス可シ
  但第三十七条ニ記載スル第一款ヨリ第四款迄ニ関スル事件ハ臨席
 - 第8巻 p.569 -ページ画像 
株主三分ノ二以上発言投票ノ数ノ同意ニ非サレハ決スルヲ得サル可シ、尤モ其議案ハ前以テ之ヲ報告ス可シ
第四十一条 事故有テ親ラ総会ニ臨席スル能ハサル株主ハ、他ノ百株以上所有ノ株主ニ発言投票ヲ委任スルヲ得ル者トス、尤モ其委任状ヲ本社ニ差出ス可シ
第四十二条 本社ノ役員タル者ハ他人ノ代人トナリテ発言投票スルコトヲ得ス
第四十三条 総会ニ於テ発言投票ノ権ハ其株主所有ノ株数百株毎ニ一ノ投票権アル者トス、然レトモ一人ニシテ二十五名以上ノ投票権ヲ有スルヲ許サス
  但代理ヲ受ケタル者ト雖トモ本文ノ例ニ拠ル
    第六章 雑則
第四十四条 本社ヨリ政府及ヒ公衆ニ対スル重立タル契約ニ係ル書類ニハ社長・理事委員・検査委員・主任・幹事ノ記名捺印ヲ要スル者トス
第四十五条 本社ノ株主ハ、本社ノ事務取扱時間ニ於テ事務ニ差支無キトキハ、何時タリトモ簿冊ヲ閲覧スルヲ得ベシ
第四十六条 本社ヨリ総株主ニ通報スル事件或ハ世上ニ公告ス可キ事件ハ、東京ニ於テ毎日刊行スル二種以上ノ新聞紙及ヒ鉄道沿線地方ノ二種以上ノ紙聞紙ヲ以テ、少クトモ一週間公告ス可シ
第四十七条 本社ニ関スル事件ニシテ民事刑事ノ訴訟ニ属セサル者ニ付、株主相互ノ間或ハ株主ト本社ノ役所役員トノ間ニ於テ発生スル紛議ハ仲裁人ヲ以テ之ヲ判決ス可シ、仲裁人ヲ撰フノ法ハ、相争フ双方ノ者ヨリ各二名ノ株主ヲ撰テ判定人トシ、該四名ノ者協議シテ又株主中ヨリ一名ノ判決頭取ヲ撰ヒ之ヲ決セシム可シ、若シ判決頭取ノ撰挙ニ就テ異論ヲ生シ議相協ハサルトキハ、四名中ヨリ抽籤ヲ以テ一名ヲ判決頭取ニ撰フ可シ、而シテ此撰ニ当リシ者初会ノ日ヨリ十四日ヲ経テ尚ホ判決ヲ下シ得サルトキハ、中籤セサリシ一方中ヨリ一人ヲ撰テ之ヲ判決セシム可シ、此判決ヲ以テ終審トシ、他ニ訴フルヲ許サス
右ノ条々発起人ノ衆議ヲ以テ相定メ候其証拠トシテ、各記名調印致シ候也
  明治十四年十月四日           発起人連印


〔参考〕日本鉄道株式会社沿革史草稿 第一編・第八八―九六頁(DK080045k-0009)
第8巻 p.569 ページ画像

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〔参考〕(日本鉄道会社)鉄道特許条約書・日本鉄道会社定款(DK080045k-0010)
第8巻 p.569-572 ページ画像

(日本鉄道会社)鉄道特許条約書・日本鉄道会社定款
    東京ヨリ青森ニ至ル鉄道特許条約書
 - 第8巻 p.570 -ページ画像 
日本鉄道会社ノ創立定款ヲ認可シ、政府ノ名ヲ以テ左ノ条項ヲ命約ス
  明治十四年十一月      工部卿 佐々木高行印
第一条 日本鉄道会社ニ於テ、東京ヨリ高崎ヲ経テ前橋ニ至リ、夫ヨリ白河仙台盛岡ヲ経テ青森ニ至ル鉄道ヲ建築シ、運輸ノ業ヲ常ムコトヲ特許ス
第二条 官有ノ土地ニシテ、鉄道ノ線路ニ当ル地所及ヒ鉄道ニ必要ナル倉庫停車場建築ノ用ニ供スヘキ地所ハ無賃ニテ之ヲ会社ニ貸付スヘシ、同上ノ用ニ供シ或ハ取除クヘキ官有ノ家屋ハ、政府ノ都合ニ因リ或ハ無賃ニテ之ヲ貸付シ、或ハ相当代価ヲ以テ払下ク可シ
第三条 民有ノ土地家屋ニシテ前条ノ用ニ供スヘキモノハ、公共土地買上規則ニ拠テ政府ニ買上ケ之ヲ会社ニ払下ク可シ
第四条 鉄道ニ属スル一切ノ土地ハ国税ヲ免除ス可シ
第五条 会社ノ株金募集ノ上ハ、毎区建築落成迄ハ、其株金払込ノ翌月ヨリ起算シ、一ケ年八分ノ利子ヲ下付シ、毎区運輸開始ノ後、其収入ノ純益一ケ年八分ニ上ラサルトキハ、東京ヨリ仙台迄ノ間ハ毎区十ケ年間、仙台ヨリ青森迄ハ毎区十五年間、政府ヨリ其不足ヲ補給スヘシ
第六条 会社総収入ヨリ営業ニ関スル経費ヲ引去リ、自余ノ金額ヲ以テ純益ト為ス可シ
 但工業費ト営業費ハ、工部省ニ於テ定メタル会計規則ニ従テ、区別ス可シ
第七条 鉄道敷地ノ幅員、鉄軌ノ重量、器械車ノ製方、橋梁ノ架設、停車場ノ位地、及ヒ建築ノ方法等ハ精密ナル図面及仕様書ヲ以テ工部卿ノ認可ヲ請ケテ、建築ニ着手シ若クハ変更ス可キモノトス
第八条 東京ヨリ前橋ニ至ル迄ノ諸工事ハ、日本鉄道会社ノ願ニ依リ工部省鉄道局ニ於テ一切之ヲ執行シ、其方法位置等ハ鉄道局ト会社トノ協議ヲ以テ劃定シ、工部卿ノ認可ヲ請フベキモノトス
第九条 工部卿ハ凡ソ鉄道ニ関スル事物(発明ニ係ルモノト否トヲ問ハス)ニシテ、公衆ノ安全若クハ便宜上ニ於テ要用ナリト認ムルモノハ、日本鉄道会社ニ向テ其設備若クハ修正ヲ命スルコトヲ得ヘシ
第十条 第一条ニ掲クル鉄道全線路ノ工事ハ本書下附ノ月ヨリ六ケ月以内ニ着手シ、満七ケ年間ニ落成スヘキモノトス
第十一条 全線路落成ニ至ラスト雖トモ、漸次落成シタル部分ハ、工部卿ノ許可ヲ請ケ、運輸ノ業ヲ開始スルヲ得ヘシ
第十二条 政府ハ、第一、鉄道監査官ヲ命シ、兼テ工部卿ノ認可シタル図面及ヒ仕様書ニ準拠シテ工事ノ実況ヲ監査シ、且常ニ線路諸器械等ヲ巡視シテ、危険ノ箇所アルトキハ、会社ニ命令シテ之ヲ修理セシメ、其他諸工事及ヒ運輸上等ニ付、法律規則及ヒ政府ヨリ会社ニ命約シタル条件ノ施行実践ヲ督促セシム、第二、日本鉄道会社会計監査官ヲ命シ、会社一切ノ会計ヲ監査セシムヘシ、但前第五条利益請合ノ期限後、会計ノ監査ハ廃止タルヘシ
第十三条 日本鉄道会社ニ於テ前条鉄道監査官ノ命令督促ヲ聴カサルカ、若クハ正当ノ事故ナク、監査官ノ指定シタル期限内ニ、其命令督促ニ係ル事項ノ執行ヲ怠ルカ、若クハ監査官ノ指定シタル方法ニ
 - 第8巻 p.571 -ページ画像 
違フトキハ、政府ニ於テ直ニ其事業ヲ執行シ、会社ヲシテ其費用ヲ支弁セシムヘシ
第十四条 鉄道建築ノ為メ、旧来ノ道路橋梁溝渠運河等ヲ他所ニ移設シ、或ハ一時他所ニ仮設スルヲ要スルトキハ、所管地方庁ノ許可ヲ請ケテ之ニ着手シ、其費用ハ会社ヨリ支弁スヘシ、但シ是ノ移設仮設ノ為メ、公私所有ノ土地家屋ニ関シテハ、第二条第三条ノ例ニ依ルヲ得ヘシ
第十五条 会社ハ線路ノ安全ヲ保持センカ為メニ、線路ニ沿フテ完全ノ堤防若クハ牆柵ヲ設ケ、守衛ノ番人ヲ置キ充分ノ警備ヲ為スヘシ
第十六条 旅客及ヒ荷物ノ運送賃及ヒ走車ノ速度、発車ノ度数時間ハ工部卿ノ許可ヲ得テ之ヲ定ムヘシ
第十七条 会社ハ毎月ノ旅客及ヒ荷物ノ運送高ト其会計ノ精算及ヒ方法等ヲ翌月初旬中ニ工部卿ニ報告スヘシ、又一期毎ニ其一期中ノ報告書ヲ作リ、一期ノ過了スル後二ケ月以内ニ同卿ニ差出スヘシ
第十八条 鉄道敷地内ニ於テ線路ニ沿ヒ、政府ハ電線ヲ架設スルヲ得又会社ハ無料ニテ政府ノ設備セル架柱ノ一部分ヲ使用シ、鉄道用ノ電信ヲ架スルヲ得
第十九条 停車場内若クハ鉄道敷地内ニ於テ、会社ハ電信郵便両局ノ需ニ応シ、土地或ハ家屋ノ一部分ヲ無料ニテ両局ニ貸与スヘシ
第二十条 郵便信書及其逓送ニ関スル人員ハ無料ニテ之ヲ輸送シ、郵信繁多ニシテ駅逓総監ノ要メアルトキ、二輛以下ノ運送車ヲ定期列車ト与ニ発スヘシ、若シ二輛以上ヲ要スルトキハ、定価ノ半額ヲ受領スルヲ得ヘシ
第廿一条 鉄道事務ニ関シテ往復スル吏員ハ無料乗車ヲ許スヘシ、但是等ノ吏員ハ各自所属ノ官衙ト会社トノ間ニ於テ予約シタル常乗切手ヲ帯ル者ニ限ルヘシ
第廿二条 公務ヲ以テ往来スル陸海軍人軍属軍馬其他軍用品並ニ警察官ハ、総テ其半価ヲ以テ乗車輸送ヲ為スヘシ、但シ其公務タルコトヲ証ス可キ通券ヲ帯ル者ニ限ル
第廿三条 会社ハ政府ノ命令ニ因リ檻車ヲ通常ノ列車ト与ニ無料ニテ輸送シ、及ヒ警固吏員ノ無料乗車ヲ許スヘシ、但シ該檻車ハ官費ヲ以テ製造シ、会社之ヲ保管スヘシ
第廿四条 非常ノ事変、兵乱等ノ時ニ当テハ、会社ハ政府ノ命ニ応シ政府ニ鉄道ヲ自由ニ使用セシムルノ義務アルモノトス
第廿五条 凶歳ニ於テ穀価非常ニ騰貴スルトキハ、政府ノ命令スル時日ノ間ハ、指名スル穀類ニ限リ、其運賃ヲ半価ニ低下スヘシ
第廿六条 政府ヨリ他日該鉄道ニ枝線ヲ附シ、若クハ之ヲ横断シ、若クハ其近傍ニ道路溝渠運河ヲ設クルヲ允許スルトキハ、会社ニ於テ之ヲ沮拒スルヲ得ス
第廿七条 此ノ特許条約ノ期限ハ明治十五年一月ヨリ向九十九ケ年トス、但満五十ケ年経過ノ後ハ、政府ニ於テ何時ニテモ鉄道及ヒ第三十条ニ掲クル附属物ヲ買上ルノ権アルモノトス
第廿八条 第二十七条ノ場合ニ於テハ、日本鉄道会社ニ於テ興業ノ為メ発行セシ株券ノ時価相当ヲ以テ買上ケノ価格トナスヘシ
 - 第8巻 p.572 -ページ画像 
第廿九条 前条買上ケノ場合ニハ、前五ケ年間ニ於テ諸般ノ修理ヲ怠ルコトアラハ、政府ハ会社ニ之ヲ修理セシメ、引渡ノ時ニ於テ完全ノ有様ヲ望ムノ権アリ、若シ会社ニ於テ政府ヨリ指定スル修理ヲ怠リ、或ハ其方法ニ違フ時ハ、政府自ラ之ヲ修理シテ会社ノ収入金ヨリ其経費ヲ支弁セシム可シ
第三十条 第廿七条ノ場合ニ於テハ、鉄道倉庫停車場及ヒ之ニ属スル土地、其他鉄道ノ営業ニ必要ナル鉄道附属ノ家屋諸器具ハ鉄道ト共ニ一切之ヲ引渡スヘキモノトス
第三十一条 日本鉄道会社ニ於テ本特許条約書中ノ条件及ヒ日本鉄道会社創立定款中ノ条件ニ違背スルカ、若クハ之ヲ遵守スルヲ怠リ鉄道ノ公益ヲ妨害スルトキハ、政府ニ於テ該会社株主中若クハ他人ヲ以テ特別ノ委員ニ命シ一時会社ノ事業ヲ管理セシメ、若クハ本条約ノ期限ニ拘ハラス、鉄道及ヒ鉄道ノ営業上ニ必要ナル附属ノ家屋諸道具ヲ公売ニ附シ他人ヲシテ建築並運輸ノ業ヲ継続セシムルコトヲ得但シ本条ノ場合ニ於テ損益ハ猶ホ会社ニ於テ負担ス可キモノトス
第三十二条 本特許条約及ヒ日本鉄道会社創立定款ニ依リ施行ノ際当該官吏ト会社トノ間ニ異見ノ生シタルトキハ工部卿之ヲ判定ス可シ


〔参考〕百株以上株主人名簿 但明治十九年九月廿一日現在(DK080045k-0011)
第8巻 p.572-578 ページ画像

百株以上株主人名簿       但明治十九年九月廿一日現在
 株数      姓名          株数    姓名
 東京
  八、七四五 岩崎久弥        七、一〇〇 池田章政
  六、四〇〇 細川護久        二、〇〇〇 三井八郎右衛門
  六、四〇〇 毛利元徳        一、七〇〇 島津忠義
  五、〇七〇 藤堂高潔        一、四五〇 原亮三郎
  五、〇一〇 松浦詮         一、四〇〇 蜂須賀茂昭《(蜂須賀茂韶)》
  四、八〇〇 内蔵頭杉孫七郎     一、四〇〇 外村宇兵衛
  四、一六〇 与那原良傑       一、二二二 吉田丹次兵衛
  三、六〇〇 柏村信         一、一二〇 吉田丹次郎
  三、六〇〇 前田利嗣        一、一〇三 徳川義礼
  三、四五〇 間島冬道        一、一〇〇 安田善次郎
  三、四〇〇 草野政信        一、〇〇〇 戸田氏共
  二、七〇〇 高橋作善        一、〇〇〇 岩崎弥之助
  二、七〇〇 佐藤金義        一、〇〇〇 溝口貞幹
  二、六九二 堀正緝         一、〇〇〇 菊池長四郎
  二、六〇〇 日野春草          九三八 浅野長勲
  二、五〇〇 山本直成          九〇二 広岡助五郎
  二、四〇〇 和田義比          八八〇 林友幸
  二、四〇〇 村井恒           八〇〇 山内豊範
  二、四〇〇 内田政風          八〇〇 酒井忠道
  二、四〇〇 清田直           七七七 酒問屋頭取 堀源兵衛
  二、四〇〇 荒木定           七〇九 三井銀行副長 西村虎四郎
  二、〇〇〇 吉田丹左衛門        七〇一 長谷川次郎兵衛
  二、〇〇〇 鍋島直大          六七六 九鬼隆義
 - 第8巻 p.573 -ページ画像 
    六六〇 有馬頼万          四〇〇 加藤泰秋
    六五七 奥田藤八          四〇〇 閑院宮御所有分 内蔵頭杉孫七郎
    六二六 黒田長成          四〇〇 華族会館長 三条実美
    六一四 徳川茂承          四〇〇 高須貞治郎
    六〇〇 籾山半三郎         四〇〇 山中隣之助
    六〇〇 秋元興朝          四〇〇 松平頼聡
    五六二 伊達宗徳          四〇〇 阿部泰蔵
    五二〇 阿部正桓          四〇〇 肥田籌一郎
    五一二 今村清之助         三七三 松本嘉三郎
    五〇〇 田村利七          三六五 岡本善七
    五〇〇 津軽承昭          三六〇 亀井玆明
    五〇〇 小林弥兵衛         三五〇 大村純雄
    五〇〇 木戸孝正          三三〇 藤田金之助
    四七〇 亀谷行           三二〇 川喜田久太夫出店主 宮野長七
    四七〇 松平茂昭          三一八 平松甚四郎
    四六〇 渡辺治右衛門        三一五 萩本久右衛門
    四〇六 高崎五六          三一〇 神田孝平
    四〇〇 立花寛治          三〇一 林博太郎
    四〇〇 井伊直憲          三〇〇 小野義真
    四〇〇 岩倉具定          三〇〇 鎬木雲石
    四〇〇 小笠原忠忱         三〇〇 滝谷琢宗
    四〇〇 戸塚悦太郎         三〇〇 相馬誠胤
    三〇〇 上杉茂憲          二一四 高野藤吉
    三〇〇 柳沢保申          二〇六 串田孫三郎
    二八二 吉野惣兵衛         二〇四 万里小路通房
    二六八 池田輝知          二〇三 三里竜次郎
    二六〇 松平恒之丞         二〇二 伊達宗城
    二六〇 中山忠能          二〇一 尾崎三郎
    二五〇 峯島喜代          二〇〇 岩倉具綱
    二五〇 桐淵光斎          二〇〇 井染好美
    二五〇 硲文七           二〇〇 浜口吉右衛門
    二五〇 森時之助          二〇〇 林賢徳
    二五〇 渡辺直達          二〇〇 林恒子
    二四四 伊達宗基          二〇〇 服部源三郎
    二四四 青山幸宜          二〇〇 袴田ハマ
    二四二 戸沢正実          二〇〇 堀田正倫
    二四〇 戸田康泰          二〇〇 堀親篤
    二四〇 乙部鼎           二〇〇 本多衛政養
    二三三 文部省会計局長 久保田譲  二〇〇 東条頼介
    二三三 中川民七          二〇〇 鳥山貞利
    二二五 柿沼谷蔵          二〇〇 大築千里
    二二〇 金井之恭          二〇〇 大久保忠礼
    二二〇 井上達也          二〇〇 小山孝右衛門
    二一六 斎藤弁之助         二〇〇 大倉喜八郎
 - 第8巻 p.574 -ページ画像 
    二〇〇 大畑弘国          二〇〇 梅田源左衛門
    二〇〇 奥野仁兵衛         二〇〇 九鬼隆一
    二〇〇 伊東祐帰          二〇〇 松平直徳
    二〇〇 金原明善          二〇〇 松平忠和
    二〇〇 川村伝衛          二〇〇 前田献吉
    二〇〇 亀谷竹二          二〇〇 藤倉五郎兵衛
    二〇〇 加勝恒           二〇〇 安部幸兵衛
    二〇〇 華頂宮御家令 児玉源之丞  二〇〇 西郷従道
    二〇〇 渋沢栄一          二〇〇 佐々木荘助
    二〇〇 島津久光          二〇〇 佐羽吉右衛門
    二〇〇 久松定謨          一九五 簑田長禧
    二〇〇 平田一三          一九〇 中井半三郎
    二〇〇 広田伊兵衛         一八二 北条氏恭
    二〇〇 諸葛政太          一八〇 小西孝兵衛
    二〇〇 森醇            一七〇 井上武治
    二〇〇 鈴木新兵衛         一七〇 中村カ子
    二〇〇 杉孫七郎          一七〇 山口朗貞
    二〇〇 高木兼寛          一六四 水野九郎
    二〇〇 曾我祐準          一六〇 外山弥助
    二〇〇 辻新次           一五二 大田黒惟信
    二〇〇 鍋島直柔          一五二 牛込金三
    二〇〇 梅村正三郎         一五〇 小川専助
    一五〇 大宝陣           一二〇 岡田久蔵
    一五〇 渡正元           一二〇 加藤弘之
    一五〇 柿原竹三郎         一二〇 内田竹
    一五〇 吉田喜助          一二〇 久保豊次郎
    一五〇 高崎正風          一二〇 松平忠礼
    一五〇 中村弘毅          一二〇 松平康民
    一五〇 黒川光保          一二〇 藤井平吉
    一五〇 菊池治郎兵衛        一二〇 酒井文子
    一五〇 説田彦助          一二〇 宮崎代七
    一五〇 鈴木司           一二〇 仙石政固
    一四六 榊原政敬          一二〇 鈴木源十郎
    一四三 保科敏郎          一一一 二条基弘
    一四〇 小林吟次郎         一一〇 高野清一
    一三五 矢島作郎          一一〇 福岡福太郎
    一三四 西川平蔵          一一〇 東三条公美
    一三〇 深川亮蔵          一一〇 杉浦六右衛門
    一三〇 吉川金兵衛         一〇八 桜井忠興
    一二八 尾藤行雅          一〇六 増田熊六
    一二五 永井キヤウ         一〇五 井染禄三郎
    一二二 市田善兵衛         一〇五 平塚喜兵衛
    一二二 田中与五右衛門       一〇四 宇都木信夫
    一二〇 大給近道          一〇三 松下一郎右衛門
 - 第8巻 p.575 -ページ画像 
    一〇二 米林俵作          一〇〇 小倉高嘉
    一〇二 松平定敬          一〇〇 大矢富次郎
    一〇二 藤波言忠          一〇〇 小野商会副頭取 小野善右衛門
    一〇一 林荘次郎          一〇〇 太田栄蔵
    一〇〇 石山輝子          一〇〇 渡辺良斎
    一〇〇 稲葉久通          一〇〇 渡辺ユキ
    一〇〇 井田岩楠          一〇〇 若松忠次郎
    一〇〇 萩原多兵衛         一〇〇 楫取素彦
    一〇〇 西村貞陽          一〇〇 吉村佐平
    一〇〇 西川慎三          一〇〇 吉村甚兵衛
    一〇〇 鳥居断三          一〇〇 田中四郎左衛門
    一〇〇 徳川家達          一〇〇 田中不二麿
    一〇〇 徳川達道          一〇〇 田中長兵衛
    一〇〇 遠山ツ子          一〇〇 辻五郎吉
    一〇〇 鬼塚敬静          一〇〇 奈良原繁
    一〇〇 小野善右衛門        一〇〇 内藤弥三郎
    一〇〇 大久保利和         一〇〇 中村孝禧
    一〇〇 大木喬任          一〇〇 永松金二郎
    一〇〇 岡田平右衛門        一〇〇 中村治郎兵衛
    一〇〇 太田ハナヱ         一〇〇 中川宇八
    一〇〇 大山巌           一〇〇 武者小路実世
    一〇〇 尾崎洵若          一〇〇 野本茂兵衛
    一〇〇 日下部清九郎        一〇〇 朝比奈閑水
    一〇〇 黒田清隆          一〇〇 安藤就一
    一〇〇 安場保和          一〇〇 浅野彦兵衛
    一〇〇 山尾庸三          一〇〇 三条公恭
    一〇〇 山口行詮          一〇〇 坂田伯孝
    一〇〇 山本徳次郎         一〇〇 佐々高柯
    一〇〇 安川繁成          一〇〇 薩摩治兵衛
    一〇〇 前田利鬯          一〇〇 京極高徳
    一〇〇 前田利同          一〇〇 北川亥之作
    一〇〇 松平頼英          一〇〇 北原九十郎
    一〇〇 松平直亮          一〇〇 北村重威
    一〇〇 二橋元長          一〇〇 喜谷市郎右衛門
    一〇〇 深津無一          一〇〇 三浦梧楼
    一〇〇 古川豊彭          一〇〇 白杉政愛
    一〇〇 藤村亀次郎         一〇〇 島津久家
    一〇〇 古川源太郎         一〇〇 土方久元
    一〇〇 郷田兼徳          一〇〇 広田千代
    一〇〇 江守諒           一〇〇 本山漸
    一〇〇 円城半右衛門        一〇〇 毛利元功
    一〇〇 寺西成器          一〇〇 鈴木茂兵衛
    一〇〇 秋田太郎兵衛        一〇〇 松平容大
    一〇〇 天野源七        宮城
 - 第8巻 p.576 -ページ画像 
    四二二 加川直助          一四〇 平瀬与一郎
    三二〇 松平正直          一二五 佐畑信之
    二九五 八木久兵衛       栃木
    二〇〇 伊沢平蔵          四〇〇 伊藤芳次郎
    二〇〇 飯淵藤七          三〇〇 津久居彦七
    二〇〇 岩井八兵衛         二〇〇 小川善平
    二〇〇 尾形安平          二〇〇 見目清
    二〇〇 小野潤蔵          一七〇 中山藤左衛門
    二〇〇 佐藤助五郎         一五〇 大川久平
    一四〇 錦戸景訓          一五〇 茂居儀平
    一三六 渡辺佐吉          一二五 横尾勝右衛門
    一〇〇 渡辺儀蔵          一二四 斎藤太平
    一〇〇 金須松三郎         一一〇 村山藤助
    一〇〇 高橋養吉          一〇〇 石原重次
    一〇〇 小西栄蔵          一〇〇 加藤太平
    一〇〇 小西儀助          一〇〇 久保行作
    一〇〇 佐藤勝治          一〇〇 小島和平
    一〇〇 斎藤理助          一〇〇 手塚五郎平
    一〇〇 本野小平          一〇〇 鈴木久右衛門
 兵庫                 北海道
    二〇〇 光村弥兵衛         一〇〇 石館兵右衛門
    一五〇 池田貫兵衛       神奈川
  二、七六二 若尾幾造          二〇〇 江原芳平
  一、九三八 渡辺福三郎         一八三 半田宇平次
  一、〇〇〇 若尾林平          一四〇 荒井久七
    六九〇 高島嘉右衛門        一二四 西岡恭一郎
    三〇〇 茂木六兵衛         一一〇 桜井伊兵衛
    二三〇 岩崎弥三郎         一〇八 須藤清七
    一〇〇 早川覚兵衛         一〇〇 今井善兵衛
    一〇〇 萩原半蔵          一〇〇 勝山善三郎
    一〇〇 大浜忠三郎         一〇〇 勝山牧次郎
    一〇〇 棚橋軍次          一〇〇 中島仙助
    一〇〇 矢野義徹          一〇〇 荒井清三郎
    一〇〇 増田増蔵          一〇〇 湯浅治郎
    一〇〇 松井三吉        大坂
    一〇〇 樋口登久次郎        八〇〇 鴻池善右衛門
    一〇〇 茂木惣兵衛         五〇〇 交株組支配人 塩川兵七
 群馬                   三〇〇 稲西庄兵衛
    四〇二 中島伊平          二二〇 三木与
    二五四 半田平次郎         一七〇 井上保次郎
    二五〇 荒井友七          一二〇 稲西新七
    二〇〇 滝川喜平          一〇〇 宅徳平
    二〇〇 松本勘十郎       埼玉
    二〇〇 小林弥七          三〇〇 綾部利右衛門
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    二〇〇 橋本喜助          二〇五 長沼惣右衛門
    二〇〇 米本権平          二〇二 長谷川平内
    二〇〇 田島竹之助       和歌山
    二〇〇 長島作八郎         五〇〇 原秀次郎
    二〇〇 久米良作          五〇〇 多屋寿平次
    一五〇 吉田清英          二〇〇 南方弥兵衛
    一五〇 黒須仙太郎         一五〇 蟻力舎支配人 原秀次郎
    一五〇 山崎嘉七          一〇〇 橋本次助
    一三四 横田五郎兵衛      富山
    一一五 長谷川敬助         二五四 馬場道久
    一一一 林半三郎        新潟
    一〇〇 笠原彦右衛門      一、三〇〇 山口権三郎
    一〇〇 横川重右衛門        六四七 西脇国三郎
    一〇〇 高橋甚左衛門        二〇〇 牧口荘三郎
    一〇〇 根岸武香          二〇〇 牧口義方
    一〇〇 向山小平治       福島
    一〇〇 黒須喜兵衛         四〇〇 吉野周太郎
    一〇〇 松岡半六          二〇〇 角田林兵衛
    一〇〇 白石清三郎         二〇〇 草野喜右衛門
    一〇〇 須田守三          二〇〇 佐野理八
 山形                   一〇〇 二宮直躬
    六〇七 本間光弥        滋賀
    二五〇 西村重郎兵衛        五〇〇 若尾逸平
 青森                 長野
    二〇四 渡辺佐助          一一〇 神津清三郎
    二〇〇 大坂金助        鹿児島
    一〇〇 武田タケ        一、七〇〇 鹿児島県知事 渡辺千秋
 岩手                   三〇〇 鹿児島造士館長 島津珍彦
    四〇〇 佐藤清右衛門      愛知
    三〇〇 村井弥兵衛         一五〇 滝兵右衛門
    二一〇 大矢精助          一〇〇 滝定助
    二一〇 金田一勝定       秋田
    二〇〇 小田島勘治         二〇〇 那波三郎右衛門
    一三〇 渋谷善兵衛       長崎
    一〇五 梅津喜八          二〇〇 肥塚与八郎
    一〇〇 菊池苐三          一〇〇 日下義雄
 京都                 千葉
    五〇〇 下村忠兵衛         四五〇 秋元三左衛門
    一一九 草木兵助        佐賀
    一〇〇 岡本治助          一六〇 相浦亨
 山梨                  総人員 四百五十四人
本表中壱名ヲシテ更ニ肩書ヲ付スルモノハ全ク其所有権利ノ異ナルヲ以テ之ヲ別廉ニ掲示セリ
    定款抜萃
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第二十条 理事委員ハ総会ニ於テ百株以上ヲ所有スル株主中ヨリ記名投票ヲ以テ之ヲ選挙ス
第二十三条 社長副社長理事委員撿査委員ハ二ケ年ヲ以テ任期トナシ二ケ年毎ニ之ヲ更選ス可シ、尤モ公選ヲ以テ重任スルモ妨ケナシトス


〔参考〕東京経済雑誌 第一五巻第三五三号・第一四四―一四六頁〔明治二〇年二月五日〕 ○日本鉄道会社営業及会計の景況(DK080045k-0012)
第8巻 p.578-580 ページ画像

東京経済雑誌  第一五巻第三五三号・第一四四―一四六頁〔明治二〇年二月五日〕
    ○日本鉄道会社営業及会計の景況
日本鉄道会社にては去月廿八日京橋区木挽町の厚生館に於て定式株主総会を開き、明治十九年後半期間の決算報告を為し、株主に年利九分の利益を配当せり、今ま其の報告書に就きて営業及び会計の景況を摘記すれば左の如し
   営業の部
 (運輸実況)本季間運輸営業ノ景況ヲ陳レハ第一区線ハ線路其他諸般ノ経営整頓セルヲ以テ営業ノ成蹟稍前季ト異ナルナシ、然レトモ貨物ノ如キハ漸次頻繁ヲ極メ営業上幾分ヲ増進セリ、第二区線ハ十月一日宇都宮那須間ノ運輸ヲ刱メ、尋テ十二月一日那須黒磯間ヲ開キシ以来沿線地方ノ衆庶普ク滊車ノ便利ヲ感シ、旅客貨物共鉄道ヲ利用スル者多キニ至レリ、而シテ貨物ノ運送ハ宇都宮以東ノ線路ヲ開キタル後チ方サニ地方出荷ノ季節ニ際シ其数量日ニ増加シ、頻リニ托送ヲ告ケ来リシモ貨車ノ給足セサルニ依リ悉ク其需メニ応スル能ハスシテ謝絶セシモノ尠カラス、之ヲ要スルニ第二区線ニ専用スヘキ貨車ハ未タ充分ノ準備ナク、僅カニ第一区線用ノ車輛ヲ流用シ以テ其用ニ充ツルニ由レリ、然ルニ当時地方出荷ノ重モナルモノハ米穀等ニシテ価格ノ変動ニ依リ其托送一時ニ輻輳スルヲ以テ自然運送上渋滞ヲ生スルノ憾ナシトセス、若シ之ヲシテ平素徐々ニ出荷スルコトヲ得セシムレハ今日ノ車数ヲ以テ足レリト雖トモ出荷不足ノ致ス所亦止ムヲ得サルナリ、然レトモ其収入額ハ已ニ前季ニ倍シ殊ニ毎年八九月頃ハ多少ノ風災水害等アリテ運転ノ業ヲ阻止セラレ、収入上若干ノ損害ヲ蒙リシモ本年ハ幸ニ此災害ヲ免カレ運転上曾テ困難ヲ見サルニ依リ総収入ニ於テ著シキ好結果ヲ得タリ、今玆ニ本季収入ヲ前年下半季ニ対比スレハ旅客賃ハ一割四分余ヲ増加シ、貨物賃ハ九割余ヲ増加シ、総収入ニ於テ三割六分余ノ増額トナレリ、更ラニ又当季間連月ノ景況ヲ述フレハ、七八両月ハ虎列剌病流行ニ際シ旅客減少スヘキニ、避暑ヲ兼ネ病勢ヲ日光伊香保等ニ避クルモノ多カリシカ為メ、旅客ノ収入ハ却テ増加セリ、九月ハ暑気稍去リ乗客モ亦漸ク減ス、十月ハ毎年旅客減少シテ貨物増加スルノ季節ナルモ、宇都宮那須間ノ開業アリテ旅客ノ収入ハ再ヒ七八月ノ額ニ復シ、十一月以後ハ旅客賃金ハ稍減少セリト雖トモ、貨物ノ収入ハ七月以来次第ニ増加シ、十月ニ至リ著シキ増額ヲ呈シ、十一月ハ少シク減却セシモ十二月ニ至リテ再ヒ増加シ、幾ント七八月頃ノ収入ニ倍蓰セリ
 (旅客及貨物賃金収入)当半季中旅客ノ員数ハ四十五万四千七百九十六人ニシテ此賃金二十万六千九百十円八銭五厘、手廻及小包物ハ
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三十三万四千零二十一斤ニシテ、此賃金七千八百七十六円三銭四厘貨物ハ七千九百零二万八千六百二十九斤外ニ貸切車四千二百零七輛ニシテ、此賃金十四万六千三百七十八円六十二銭六厘総計金三十六万千百六十四円七十四銭五厘ナリ
   会計之部
 (営業収支)本年七月一日ヨリ十二月三十一日迄営業日数百八十四日間ノ収入及経費総額ハ左ノ如クニシテ経費ヲ収入額ニ比スレハ四割四分三毛余ニ当レリ
  収入額金三十六万千百六十四円七十四銭五厘
  経費額金十五万九千二十六円七十一銭九厘
 更ニ各区ノ区分ヲ示セハ左ノ如シ
 第一区 収入額金二十七万千九百六十八円六十七銭八厘
     経費額金十一万千二百八十七円八十六銭六厘
 第二区 収入額金八万九千百九十六円六銭七厘
     経費額金四万七千七百三十八円八十五銭三厘
 (総躰純益割合)営業総収入金卅六万千百六十四円七十四銭五厘、雑収入金二万三千四円六十七銭九厘、此二口ヲ合スレハ金三十八万四千六百十九円四十二銭四厘トナレリ、此内本社費(三分一)営業費(全額)及焼失金八百八十二円四十五銭五厘並開業式費償却金八百二十四円四十八銭九厘ヲ引去リ、残金二十一万六千七百六十一円四銭ヲ純益トス、之ヲ株金払込総積数平均金七百十一万四千百十円六十六銭七厘ニ対スレバ年利六分九毛余ニ当レリ
 (第一区純益割合)同区営業総収入金二十七万千九百六十八円六十七銭八厘、雑収入金五千五百五十六円四十五銭四厘ノ二口ヲ合スレハ金二十七万七千五百二十五円十三銭二厘トナレリ、此内本社費営業費金等ヲ引去リ、残金十六万七百八十九円十八銭三厘ヲ第一区純益トス、之ヲ定款第十七条ニ拠リ株金ノ内第一区興業費ト第二区興業費及ヒ第三区興業費ト区分シ、払込金ノ内第一区興業費トシテ大蔵省ヘ御届済ノ同区株金二百七十万円ニ対スレハ年利一割一分九厘余ニ当レリ
 (第二区純益割合)同区営業総収入金八万九千百九十六円六銭七厘雑収入金一万七千四百四十八円二十二銭五厘ノ二口ヲ合スレバ、金十万六千六百四十四円二十九銭二厘トナレリ、此内本社費営業費等ヲ引去リ残金五万五千九百七十一円八十五銭七厘ヲ第二区純益トス之ヲ第二区興業費トシテ大蔵省ヘ御届済ノ同区株金三百万円ニ対スレバ年利三分七厘三毛一四五七一三三余ニ当レリ
 (割賦金)前ニ記載ノ純益金二十一万六千七百六十一円四銭、第二区補給利子金六万四千二十八円十四銭三厘、第三区補給利子金五万六千五百六十四円四十二銭七厘、及前季越高金一万三千五百六円三十銭四厘ノ四口金三十五万八百五十九円九十一銭四厘ヲ第一区第二区第三区ノ資本金即チ株金払込高ノ総積数平均金七百十一万四千百十円六十六銭七厘ニ割賦スレハ年利九分八厘六毛三七六余ニ当レリ依テ当季ノ配当ハ年利九分ニ止メ、即チ金三十二万百三十四円九十八銭ヲ配当金トナシ、残余八厘六毛三七六余即チ金三万七百廿四円
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九十三銭四厘ハ後季ヘ繰越金トナスベシ


〔参考〕明治史第五編 交通発達史(「太陽」臨時増刊) 第一一七―一一八頁〔明治三九年一一月〕(DK080045k-0013)
第8巻 p.580-581 ページ画像

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冊子版の『渋沢栄一伝記資料』をご参照ください。