デジタル版『渋沢栄一伝記資料』

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公開日: 2016.11.11 / 最終更新日: 2018.12.20

2編 実業界指導並ニ社会公共事業尽力時代

1部 実業・経済

2章 交通
2節 鉄道
27款 東京市ノ市街鉄道
■綱文

第9巻 p.410-412(DK090047k) ページ画像

明治29年2月27日(1896年)


 - 第9巻 p.411 -ページ画像 

是日、東京瓦斯鉄道株式会社創立発起人会開催サレ、栄一、渡部温・浅野惣一郎・佐々木慎思郎等ト共ニ創立委員ニ選バル。


■資料

中外商業新報 第四一七二号〔明治二九年一月一九日〕 東京瓦斯鉄道の計画(DK090047k-0001)
第9巻 p.411 ページ画像

中外商業新報  第四一七二号〔明治二九年一月一九日〕
    東京瓦斯鉄道の計画
 西園寺・浅野・須藤・渡辺・渋沢の諸氏は此の度資本金十六万円を以て先づ試験の為東京市内に瓦斯鉄道を敷設するの計画を立てたり、其線路は南区線(芝区二葉町広場より土橋・丸屋橋・八官町・加賀町・山下町・元数寄屋町・弓町・紺屋河岸通を経て比丘尼橋に至る延長六十鎖凡そ十一町二間余)、中央線(京橋比丘尼町より五郎兵衛町・桶町・北槙町・元大工町河岸通を経て西河岸町日本橋に至る延長凡そ十一町四十八間余)北区線(日本橋より一石橋、本両替町、本町石町河岸通《(本脱カ)》り・竜閑橋・鎌倉町を経て神田橋外美土代町一丁目に至る延長凡そ十一丁十四間)、合計二哩二十五鎖余即ち複軌道を併せて五哩に達し軌道の幅は三呎六吋にして軌道条件により敷設するものなり、其目的は東京市の運輸交通を便にするものにて、資本に対する利益配当は一割に止め其以上の利益ある時は之を積立て、資本の全額に達する時は之を以て本社の株式を消却し、鉄軌車輛其他附属物件を無償にて悉皆之を東京市に納附するの趣向なりと云ふ。


中外商業新報 第四二〇四号〔明治二九年二月二八日〕 東京瓦斯鉄道株式会社創立発起人会(DK090047k-0002)
第9巻 p.411-412 ページ画像

中外商業新報  第四二〇四号〔明治二九年二月二八日〕
    東京瓦斯鉄道株式会社創立発起人会
 東京瓦斯鉄道株式会社創立発起人諸氏は、昨二十七日午後四時頃より銀行集会所に於て創立発起人会を開き渋沢栄一・須藤時一郎・佐々木慎思郎・佐久間貞一・吉田幸作諸氏を始め二十余名来会し、協議の末総て原案を可決したるが決議の要点は左の如し
一、発起人は会員の内十名を選み創立委員となし、鉄軌敷設会社創立之出願及之に係る諸般の事を代弁調理せしむること、但創立委員は互選を以て其長一名を推選すべし
一、東京瓦斯鉄道株式会社仮定款の内資本金の一項更正案
第八条本会社資本金は二十五万円にして之を五千株に分ち一株を五十円とし、六回に分ち之を払込むものとす
一、東京瓦斯鉄道株式会社起業目論見書の内第二及第八の二項更正案
第二 本社は東京市内左の個所へ試験の為め三哩十七鎖余即ち複軌道を合せて七哩の瓦斯鉄道を敷設し、運輸交通の業を営むものとす。
第一区線・芝区二葉町広場より土橋・丸屋町・八官町・加賀町・山下町・元数寄屋町一丁目及び弓町・紺屋町・河岸通りを経て比丘尼橋に至る延長六十鎖(凡そ十一町二間)とす
第二区線、京橋区比丘尼橋より五郎兵衛町・桶町・北槙町・元大工町河岸通りを経て西河岸町・日本橋に到る延長六十四鎖十二呎(凡そ十一町四十八間)とす、
第三区線、日本橋より西河岸町・一石橋・本両替町・本町・本石町河岸通・竜閑橋・鎌倉町を経て神田美土代町一丁目に至る延長六十一鎖
 - 第9巻 p.412 -ページ画像 
七呎(凡そ十一町十四間)とす
第四区線・神田美土代町一丁目より一橋通町・今川小路一丁目・爼橋を経て麹町区飯田町九段坂下四つ角に至る延長七十一鎖五十四呎(凡十三町十間)とす
第八 資本金使用の概算は左の如し(略す)
一、東京瓦斯鉄道株式会社損益予算及摘要の内更正案
    損益予算(一ケ年の分)
一金六万二千二百二十円也    収入
      内
一金三万千百四十八円四銭五厘  支出
  差引
 金三万千七十一円九十五銭五厘
  但し資本金二十五万円に対し年利一割二分四厘に当る
    配当予算
一金三万千七十一円九十五銭五厘  一ケ年間総益金
      内
 金五千円也 資本金百分の二積立
 金四万三十九円卅五銭四厘《(千)》 役員賞与金総益金高百分の十三
 小計金九千三十九円三十五銭四厘
 差引
金二万二千三十二円六十銭一厘
 但し資本金二十五万円に対し年利八分八厘に当る、
一、発起人の持株は一名に付五十株を以て制限とし其以内の申込は各自勝手なること、尤も総株募集の上若し残株有る時は発起人中にて之を負担すること
一、発起人の持株を制限すると共に、有志加入者の持株も一名に付五十株を以て制限とし之を超過せしめざること、もし有志加入株其募集高に超過し之を逓減する場合には五株以下の持株は逓減せざること
一、株式申込は一株毎に金二十銭を証拠金として入金せしむる事
依て決議に従ひ左の諸氏を創立委員に選挙し、午後五時三十分頃散会せし由
    創立委員
渋沢栄一・渡辺温《(渡部温)》・浅野惣一郎・佐々木慎思郎・吉田幸作・青地幾次郎・渡辺治右衛門・深山小兵衛・天野仙輔・笹瀬元明