デジタル版『渋沢栄一伝記資料』

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公開日: 2016.11.11 / 最終更新日: 2018.12.20

2編 実業界指導並ニ社会公共事業尽力時代

1部 実業・経済

3章 商工業
21節 瓦斯
3款 東京瓦斯株式会社
■綱文

第12巻 p.666-673(DK120086k) ページ画像

明治35年6月17日(1902年)

日清戦争後瓦斯ノ需用大ニ増加シタルヲ以テ、当会社資本金四百二十万円ヲ倍額増資シテ八百四十万円トナシ、事業ヲ拡張セントス。而シテ右増加資本ハ之ヲ海外ヨリ輸入セントシタリ。恰モ栄一欧米巡遊ヲ機トシ、是日アメリカ合衆国紐育市ニ於テコンソリデーテツド瓦斯会社社長ブレシート会シテ増資株引受ニツキ直接ノ交渉ヲナセリ。尋イデ数次談合ヲ重ネタルモ協議整ハズシテ遂ニ已ム。


■資料

渋沢栄一 日記 明治三五年(DK120086k-0001)
第12巻 p.666-667 ページ画像

渋沢栄一 日記  明治三五年
一月十六日 晴
 - 第12巻 p.667 -ページ画像 
○上略 二時東京商業会議所ニ抵リ瓦斯会社株主総会ヲ開ク、来会ノ株主約弐百名許リ、各種ノ報告畢テ利益配当ハ原案ノ通リ可決シ、監査役モ従前ノ諸員重任ス○下略
二月十七日 晴
○上略 大浦警視総監ヲ其庁ニ訪ヒ、瓦斯会社ノコトヲ談話ス


(東京瓦斯株式会社)事業報告書 第三四回明治三五年上半期(DK120086k-0002)
第12巻 p.667 ページ画像

(東京瓦斯株式会社)事業報告書  第三四回明治三五年上半期
一定時総会 一月十六日第三十三回株主定時総会ヲ東京市麹町区有楽町一丁目東京商業会議所ニ於テ開会ス、出席株主(委任状共)五百五十五人、此株数六万四千二百六十七株ニシテ、取締役ヨリ提出ノ明治三十四年下半期間ニ於ケル事業報告書・財産目録・貸借対照表・損益計算書・利益分配計算書、及ヒ之ニ対スル監査役ノ報告ヲ議セリ
一臨時総会 同日定時総会閉会後引続キ、監査役西園寺公成・渡部朔・浅野彦兵衛任期満了ニ付改選々挙ヲ行ヒシニ、前記三名投票多数ヲ以テ再選セリ
四月廿二日日本橋区浜町一丁目日本橋倶楽部ニ於テ株主臨時総会ヲ開ク、出席株主(委任状共)三百九十八人、此株数六万八千二百七十九株ニシテ、左記定款改正ノ件ヲ議定セリ
 一定款第三十四条ヲ左ノ如ク改正ス
  第三十四条 本社ハ毎期総収入金中ヨリ営業上一切ノ経費及損失ヲ引去リタルモノヲ利益金トシ、其百分ノ八ヲ賞与金ニ控除シ其残額ヲ準備積立金・別途積立金・株主配当金及ヒ後期繰越金トス


竜門雑誌 第一六四号・第三五頁〔明治三五年一月二五日〕 △東京瓦斯株式会社(同先生○栄一取締役会長)(DK120086k-0003)
第12巻 p.667-668 ページ画像

竜門雑誌  第一六四号・第三五頁〔明治三五年一月二五日〕
    △東京瓦斯株式会社(同先生○栄一取締役会長)
東京瓦斯株式会社に於ては去る日○一月十六日株主定式集会を開き、三十四年下半季間の営業報告を為し利益の分配案を議したる由なるが、同報告に依れば、同社現在の資本金四百二十万円(内払込済二百八十五万六千円)積立金二十四万八千円にして、最近五ケ年間の瓦斯供給高を見るに左の如く増進して其営業の益々隆盛に趨きつゝあることを表彰せり
  三十年         一二七、七三二、八〇〇立方尺
  三十一年        一三七、八四〇、六〇〇立方尺
  三十二年        二〇五、八七七、五〇〇立方尺
  三十三年        三〇六、五二四、六〇〇立方尺
  三十四年        三五六、四六一、九〇〇立方尺
次に昨三十四年下半季間の利益金及利益金分配案を見るに左の如し
    ○損益計算書
  一当期総収入金     六六二、〇〇一・七八九
  一当期総支出金     四二七、三九八・〇三一
   差引総純益金     二三四、六〇三・七五八
    ○利益分配計算書
 - 第12巻 p.668 -ページ画像 
  一金二十三万四千六百三円七十五銭八厘  当期利益金
  一金二万五百六十八円二十五銭五厘    前期繰越金
   合計金二十五万五千百七十二円一銭
  一金一万二千円             準備積立金
  一金一万千九百三十一円九十八銭三厘   別途積立金
  一金二十二万五千三百七十二円      株主配当金
   但年一割六分の割
  一金五千八百六十八円三銭        後期繰越金
   合計金二十五万五千百七十二円一銭三厘
即ち株主に向て前季同様一割六分の配当を為し、且つ約二万四千円の積立を為したり、同社現在の重役は会長たる青淵先生の外取締役(常務)大橋新太郎・同浅野総一郎・同渡辺福三郎・同袴田喜四郎・支配人福島甲子三・監査役西園寺公成・同渡辺朔・同浅野彦兵衛の諸氏にして、千株以上の大株主は左の諸氏なりと云ふ
  五、〇〇〇 大橋新太郎    四、〇九六 渡辺治右衛門
  三、〇〇七 渡部朔      二、九四六 渡辺福三郎
  二、五七〇 渡辺和太郎    一、七八八 西園寺公成
  一、六二〇 宮野升次郎    一、六〇一 会田源七
  一、三六六 渋沢栄一     一、二三〇 臼井義胤
  一、二〇〇 加藤八郎右衛門  一、〇〇〇 大橋進一


渋沢栄一 日記 明治三五年(DK120086k-0004)
第12巻 p.668-669 ページ画像

渋沢栄一 日記  明治三五年
五月六日 曇
○上略 兜町事務所ニ抵リ米国人チゾン・ミラ二氏ニ会見ス、浅野・大橋二氏来会ス、東京瓦斯会社ヲ拡張シテ米国ヨリ資本移入ノコトヲ談ス
○下略
六月十七日 晴
午前七時半紐克着マゼスチツクホテルニ投宿ス○中略午後瓦斯会社ノ事業ニ関シ曾テ東京ニ於テチゾン氏ト談判セシ手続ニヨリ、ブレチ氏来話ス、種々談判ノ末会社株式ノ増額及割増金ノ払入其他ノコト全ク協議整了ス、依テ東京瓦斯会社及浅野氏等ヘ発電ス○下略
  ○栄一、是年五月十五日横浜解纜、アメリカニ向ヒ、ヨーロツパヲ経テ同年十月三十日神戸ニ着ス。随行者ハ市原盛宏・萩原源太郎・渋沢元治・八十島親徳・梅浦精一・清水泰吉。
六月二十日 晴
午前九時ブレヂ氏ヨリ兼約ニ従ヒ電気自動車二輛ヲ以テ工場一覧ノコトヲ勧メ来ル、其男及瓦斯工場支配人案内トシテ来ル、依テ梅浦・萩原・清水・元治・八十島ノ諸氏ト共ニ行テ一覧ス、堀越氏モ同伴ス、先ツ電気工場ニ抵ル、技師誘引シテ詳細ニ説明ス、発電ノ器械十二箇ニシテ拾弐万八千馬力ニ達スト云フ、工場ハ河岸ニ接近シテ極テ便利ノ地ナリ、一覧後瓦斯工場ニ抵リ、先ツ水性瓦斯製造所ヲ一覧ス、其設備頗ル広大ナリ、一日製造高千八百万立方尺ノ力アリト云フ、次ニ石炭瓦斯工場ニ抵ル、本邦ノ工場ト大同小異ニシテ只其規模大ナルノミ、一日ノ製造高五百万立方尺《(マヽ)》ナリト云フ、市中供給ノ瓦斯総量冬季ハ八千万立方尺ニシテ夏季ハ三千五百万立方尺ニ減シ平均五千万立方
 - 第12巻 p.669 -ページ画像 
尺、其価ハ千立方尺ニテ壱弗ナリト云フ、三工場ノ観覧畢リテ午後一時旅宿ニ帰リテ午飧シ、東京瓦斯会社ヘ向ケ電報ヲ発シテ去ル十七日ニ打電セシ事項ノ回答ヲ促ス
此日東京瓦斯会社ヨリ電報アリ、当方ヨリ打電ノコトハ速ニ大株主ノ協議会ヲ開キテ大要ヲ決スヘシト申シ来ル○下略
六月二十三日 晴
○上略 午飧後ブレヂ氏来リテ過日協議セシ東京瓦斯会社増資方法ニ関シテ計算上ノ異見ヲ申述ヘラル、依テ種々説明セシモ了解スルヲ得ス、明日ヲ約シテ去ル○下略
六月二十四日 晴
○上略 午後二時ヨリブリヂ氏ノ事務所ヲ訪ヒ昨夜饗宴ノ謝詞ヲ述ヘ、且東京瓦斯会社増資ノコトニ関シ種々ノ談話ヲ為スモ、充分ノ了解ヲ得ザルヲ以テ再会ヲ約シテ去ル○下略
六月三十日 晴
○上略 午後二時半ブレヂ氏事務所ニ抵リ、瓦斯会社増資ノ件ニ関シ種々ノ談判ヲ為セシモ終ニ協議ニ至ラサルニヨリ、其次第ヲ余ヨリハ会社ヘ、ブ氏ヨリハチゾンニ書通シテ、其上ニテ更ニ相談スベキモノト為シテブ氏ヲ辞シテ○下略
十一月七日 晴
○上略 更ニ神田ニ於テ東京瓦斯会社ヲ訪ヒ、大橋専務・福島支配人ニ面会シ、米国紐克ニ於テブラジ氏トノ談判顛末ヲ報告シ、且将来瓦斯ノ販売拡張ノコトヲ協議ス○下略
十一月二十五日 曇
○上略 十時東京瓦斯会社重役会ニ出席ス○下略
十一月二十九日 曇
○上略 十一時兜町ニ抵リ、東京瓦斯会社ノコトニ関シ株主中ノ五氏ト協議ス、渡辺福三郎氏同席ス○下略


中外商業新報 第六一二六号〔明治三五年六月二四日〕 瓦斯会社の外資輸入の計画(DK120086k-0005)
第12巻 p.669-670 ページ画像

中外商業新報  第六一二六号〔明治三五年六月二四日〕
    瓦斯会社の外資輸入の計画
東京瓦斯会社は先年拡張工事を為の際既に往く往くは其資本を八百四十万円に迄増加し東京市中の瓦斯供給を全からしむるの計画を立てたることなるが、偶々大阪瓦斯会社に放資したる米国紐育の資本家ブラジー氏(一億弗の資産家なり)東京瓦斯会社の事業前途有望なるに着目し、代理人チゾン氏を以て同社重役に対し株券所有の希望を申入れたるが、既に其々株主の所有に係るものを多数に譲渡さんことも事実行ひ難きことなれば、交渉は更に一転して、幸ひ同社も時機を見て増資を為す当初の拡張計画を全ふせんとの意思ありたる際なれば、寧ろ更に四百二十万円の増資を為し、之をブラジー氏に引受けしむることと為さんとて、夫より数回の交渉を重ね、同社よりは其応募に関し重なる条件として
 一、一株に付き三十円つゝの割増を為し、之を第一回払込と同時に払込むこと
 一、払込は之を四回に分ち一株に付十二円五十銭を第一回に払込み
 - 第12巻 p.670 -ページ画像 
以後一年を経る毎に同額づゝの払込を為すこと
等を提供し、恰も同会社取締役会長渋沢男爵の欧米漫遊を機として直接の交渉を同男に委任したりしが、同男爵には渡米早々右のブラジー氏と会見し種々談合したる末、遂に同社申込の条件を承諾することゝなり、去十一日付を以て同男爵より専務取締役大橋新太郎氏の許に達したる電報に依れは、全く双方の意見一致し交渉頗る進行したりしとありしかば、同社は直に重役会議を開き種々凝議の末、更に去二十一日大株主諸氏を上野精養軒に招集して之が協議を尽したるに、何れも大躰に於て同意を表したるも、尚瑣末の点に就ては熟議を要することあるを以て、更に交渉委員を選定し、更に昨日も交渉会及重役会を開き種々協議する所ありたり、蓋し今回の外資輸入談たる実に先方より同社事業の有望なるを夙に認識し進で交渉を開き来りたるもののみならず、民間の手に依つて斯かる外資談の歩武を進むるに至りたるは、将来内外資本の共通上に偉大の関係を有することにて、特に本邦実業家の泰斗として今まや米国実業界に非常の歓迎を受けつゝある渋沢男爵の交渉に係ることなれば、一日も早く之れが契約の締約を見るに至ること望ましき限りなるが、万一にも外人との共同事業を嫌悪し、彼等に会社権力の帰移するが如きことを憂ふるの偏狭なる考へを有するもの株主中に在りて、之れか成立を妨くるか如きことあらんか、実に将来に於ける外資輸入上にも一大頓挫を来すの虞あることなれば、之か協議に与かる株主等諸氏は徒に固陋の迷想を懐かず、重役の処置に信頼し、此名挙ある外資輸入談の成立を援助すること寧ろ当然の義務と云ふべきなり


東京経済雑誌 第四五巻第一一三八号・第三〇頁〔明治三五年六月二八日〕 ◎外資輸入の新計画(DK120086k-0006)
第12巻 p.670-671 ページ画像

東京経済雑誌  第四五巻第一一三八号・第三〇頁〔明治三五年六月二八日〕
    ◎外資輸入の新計画
東京瓦斯会社は先年拡張工事を為すの際、既に往く往くは其資本を八百四十万円に迄増加し、東京市中の瓦斯供給を全からしむるの計画を立てたることなるが、偶々大坂瓦斯会社に放資したる米国紐育の大資本家フラジー氏は、東京瓦斯会社の事業前途有望なるに着目し、代理人チゾン氏を以て同社重役に対し交渉し来りけるに、幸ひ同社も時機を見て増資を為す当初の拡張計画を全ふせんとの意思ありたる際なれば、四百二十万円の増資を為し之をブラジー氏に引受けしむることと為さんとて夫より数回の交渉を重ね、同社よりは其応募に関し重なる条件として
 一、一株に付き三十円つゝの割増を為し之を第一回払込と同時に払込むこと
 一、払込は之を四回に分ち一株に付十二円五十銭を第一回に払込み以後一年を経る毎に同額づゝの払込を為すこと
等を提供し、恰も同会社取締役会長渋沢男爵の欧米漫遊を機として、直接の交渉を同男に委任したりしが、同男爵には渡米早々の右のブラジー氏と会見し種々談合したる末、遂に同社申込の条件を承諾することゝなり、去十一日附を以て同男爵より専務取締役大橋新太郎氏の許に達したる電報に依れば、全く双方の意見一致し交渉頗る進行したり
 - 第12巻 p.671 -ページ画像 
とありければ、同社は直に重役会議を開き種々凝議の末、更に去二十一日大株主を上野精養軒に招集して之が協議を尽したるに、何れも大体に於て同意を表したりと、蓋し今回の外資輸入談たる、実に先方より同社事業の有望なるを認識し、進で交渉を開き来りたるものなるのみならず、民間の手に依つて斯かる外資談の歩武を進むるに至りたるは、将来内外資本の共通上に偉大の関係を有することにて、一日も早く之れが契約の締結を見るに至ること、望ましき限りなれ


東京経済雑誌 第四七巻第一一六八号・第二八頁〔明治三六年一月三一日〕 ○瓦斯会社外資談(DK120086k-0007)
第12巻 p.671 ページ画像

東京経済雑誌  第四七巻第一一六八号・第二八頁〔明治三六年一月三一日〕
○瓦斯会社外資談 東京瓦斯会社の外資談に就ては、昨年社長渋沢栄一氏英国滞在中、彼の国のシンヂケートと交渉を重ね、大略の条件に関しては略纏まりたるも、其後、彼の大阪瓦斯会社問題起りたるより、来朝シンヂケート代表者ブラヂー氏は我国民が外国に対する方針を疑ひ多少躊躇の色あると、同社の株主中少数者は第一条件たる「東京瓦斯会社は資本を倍額と為し、増加株を時価にてシンヂケートの手に売渡し、其内額面以上の差金は積立金の中に加ふべし」と云ふに対し、其利益は現株主に分配せんことを主張するあり、又一部の株主は経済社会にして今少しく活気付かんには強て外資を待たず、容易に増資を決行し得べし、斯の如き好事業の一半を殆んど無償にて譲与するは不利益なり抔唱ふるものもあれば、此際重役及多数株主の勢力に依り外資談を進行せしむるは前途の為め面白からずと為し、暫時時機を待つことに内定したりと、併し渋沢男は此外資を以て最も時宜に適し有益なるものと信じ居れば、徐に反対株主を説破して早晩其成立を見んを期し居れり


竜門雑誌 第一八七号・第三三―三四頁〔明治三六年一二月二五日〕 ○東京瓦斯会社の増資計画(DK120086k-0008)
第12巻 p.671 ページ画像

竜門雑誌  第一八七号・第三三―三四頁〔明治三六年一二月二五日〕
○東京瓦斯会社の増資計画 同社に於ては今後益々事業を拡張し灯火用は勿論燃焼用、動力用として汎く瓦斯の需要に応ぜんが為め予てより増資の内議あり、昨年青淵先生洋行の際米国にて此話しを為したるに同国の資本家ブラデー氏の如きは増資金四百二十万円を一株に附三十円の増金を附して悉皆引受けんとの申込ありたる程にて頗る有望なるに拘らず、今日迄経済界の情況を顧み決定に至らざりしが、此程の重役会に於て此際二百十万円の増資を発表せんとの説ありしも、会社の計画にては明治四十年度内迄に二百五十六万円を要する見込に附、二百十万円のみにては再び増資の必要を生ずるにより、寧ろ一歩進んで四百二十万円を増資し現在の資本に倍加せしめんとの説出で結局之に決し、会長たる青淵先生の決裁をも経たる上、去る十五日大株主会満場一致の協賛を得たるに付、愈来一月の総会に提案する由にて、確定次第明年二月末日迄に証拠金二円五十銭を払込ましめ、七八月頃迄に十円の払込を結了し新株を成立せしむる予定にして、増資株は現在株主一株に附一株を割当て募集する筈なりと云ふ


欧米記行[欧米紀行](大田彪次郎編) 第一四九―一五一頁〔明治三六年六月〕(DK120086k-0009)
第12巻 p.671-672 ページ画像

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冊子版の『渋沢栄一伝記資料』をご参照ください。

(東京瓦斯株式会社)事業報告書 第三八回明治三七年上半期(DK120086k-0010)
第12巻 p.672-673 ページ画像

(東京瓦斯株式会社)事業報告書  第三八回明治三七年上半期
一定時総会 一月十九日第三十七回株主定時総会ヲ東京市麹町区有楽町一丁目東京商業会議所ニ於テ開会ス、出席株主(委任状共)四百四十四人此株数六万八千百六十二株ニシテ、取締役ヨリ提出ノ明治三十六年下半期間ニ於ケル事業報告書・財産目録・貸借対照表・損益計算書ヲ承認シ、次テ利益金分配案ヲ決議セリ
一臨時総会 同日定時総会閉会後引続キ株主臨時総会ヲ開キ、左記第一号第二号議案ヲ議定シ、次テ取締役大橋新太郎・渡辺福三郎・監査役西園寺公成・渡辺朔、浅野彦兵衛任期満了ニ付改選々挙ヲ行ヒシニ、取締役ハ重任ニ監査役ハ投票ヲ以テ選挙スルコトニ決シ、西園寺公成・渡辺朔・渡辺治右衛門得点多数ニテ当選セリ
  第一号
   拡張工事ノ件
    本社業務拡張ノ為メ興業費予算金四百弐拾万円ヲ以テ明治三十七年ヨリ同四十三年六月迄継続工事ヲ施行スル事
 - 第12巻 p.673 -ページ画像 
  第二号
   増資並定款改正ニ関スル件
    第一号議案拡張工事ノ件決議ノ上ハ現行定款中ノ規定ヲ改正スルノ必要アルヲ認ム、而シテ事業拡張ノ為メ現在ノ資本金四百弐拾万円ニ更ニ金四百弐拾万円ヲ増加シ、金八百四拾万円ト為スヲ要スルモ、本社現在ノ資本金四百弐拾万円ノ内未払込残額弐拾壱万円ハ明治三十七年二月末日限リ払込ヲ為スモノナルヲ以テ、商法ノ規定ニ依レバ直チニ資本増加ノ手続ヲ為ス能ハズ、乃テ玆ニ左記ノ事項ヲ決議シ置キ、残額ノ払込ヲ待チテ取締役ヲシテ該決議ニ基キ増資並定款改正ノ手続ヲ為サシメントス
      決議事項
    第一項 現行定款中左ノ如ク改正スル事
     第二条 本社ノ資本金額ハ八百四十万円トス
     第六条 本社ノ株式ハ十六万八千株トシ一株ノ金額ヲ五十円トス
     第七条 本社ノ株券ハ左ノ三種トス
      甲種   一株券     五十円
      乙種   十株券     五百円
      丙種   五十株券    二千五百円
     第九条 株式ヲ譲渡シタルトキハ本社所定ノ書式ニ依リテ請求書ヲ作リ、株主名簿ニ登録ヲ請ヒ且株券ニ本社ノ証印ヲ受クベシ
      前項ノ場合ニ於テハ本社ハ手数料トシテ一株券ハ一枚ニ付キ金五銭、十株券ハ一枚ニ付キ金二十五銭、五十株券ハ一枚ニ付キ金五十銭ヲ徴収スベシ
     第十六条 増株金払込期日ハ取締役会議ノ決議ヲ以テ之ヲ定ムルモノトス
    第二項 増資金額ノ募集ニ付テハ左ノ規定ニ依ル事
      第一 増資金四百二拾万円ハ一株ヲ金五拾円トシ、合計八万四千株ヲ明治三十七年四月三日ノ現在株主ヨリ、一株ニ付増株一株ノ割ヲ以テ募集スル事
      第二 各株主ハ其引受クヘキ株数ヲ本社ヨリ送付ノ新株申込証ニ記載シ、記名捺印ノ上増株一株ニ付証拠金壱円ヲ添ヘ本社指定ノ期日マデニ之ヲ本社ニ差入ルヽ事
        但右期日マデニ其手続ヲ為サヾルトキハ新株ノ申込ヲ為サヾルモノト看做シ、其申込ナキ株ハ更ニ株主中ヨリ額面以上ノ価格ヲ以テ申込人ヲ募集シ、最高額ノ申込者ニ順次割当テ、同額ノ申込ヲ為シタル者ノ間ニ於テハ抽籖ヲ以テ割当ヲ定ムルモノトス