デジタル版『渋沢栄一伝記資料』

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公開日: 2016.11.11 / 最終更新日: 2022.3.15

2編 実業界指導並ニ社会公共事業尽力時代

1部 実業・経済

3章 商工業
26節 倉庫業
5款 土崎港ニ於ケル倉庫会社
■綱文

第14巻 p.346-347(DK140033k) ページ画像

明治26年3月3日(1893年)

沢村友蔵、秋田県土崎港ニ米穀取引所ヲ創設セントシ、先ヅ之ニ要スル倉庫会社ヲ設ケントス。仍ツテ栄一ヲ訪ネ倉庫会社組織ニツキ指導ヲ受クベク、是日、長岡護美ノ紹介ヲ得。


■資料

(長岡護美) 書翰 渋沢栄一宛(明治二六年)三月三日(DK140033k-0001)
第14巻 p.346 ページ画像

(長岡護美) 書翰 渋沢栄一宛(明治二六年)三月三日
                    (渋沢子爵家所蔵)
拝啓仕候陳ハ小生同県人ニテ沢村友蔵ト云フハ相応ニ財産モ有居候者ニ有之、此度秋田県土崎港ニ取引所設立スベキ準備トシテ先ツ倉庫会社ノ組式ヲ打立候、其ニ付一応拝鳳ヲ奉願、又土崎港ニ於ケル第一銀行支店長ノ方ヘ御紹介モ奉願度存念ニ御座候ニ付、若シ同人罷出候節ハ何卒御面会被成下度、此段小生よりも宜敷奉願候 頓首
  三月三日
                     長岡護美
    渋沢栄一殿
         侍史
   ○長岡護美ハ肥後熊本ノ人、子爵貴族院議員ニシテ東亜同文会副会長。明治三十九年四月歿。年六十四。(平凡社編、大人名辞典ニヨル)



〔参考〕中外商業新報 第三三二七号〔明治二六年四月一一日〕 ○土崎倉庫会社米市場開業式 秋田十日午後二時卅一分発(DK140033k-0002)
第14巻 p.346 ページ画像

中外商業新報 第三三二七号〔明治二六年四月一一日〕
    ○土崎倉庫会社米市場開業式
               秋田十日午後二時卅一分発
土崎倉庫会社米市場開業式挙行、来賓五百余名非常の盛会


〔参考〕中外商業新報 第三五七六号〔明治二七年二月三日〕 ○各地新取引所の現況及開業期(DK140033k-0003)
第14巻 p.346 ページ画像

中外商業新報 第三五七六号〔明治二七年二月三日〕
    ○各地新取引所の現況及開業期
土崎米穀取引所 は秋田県下に在つて有名の商業地なれば取引所の起る固より偶然にあらず、今発起認可後の状況を聞くに、着々諸般の施設整ひ開業の準備も稍整頓したれば、仲買たらんと希望するもの甚た多く、尚且つ秋田市・大曲・本庄等の地より仲買人の申込を為す者あれば仲買の人員は三十名位に決すべしと云へり、又過日来滞京の同創立委員諸氏も既に帰郷し夫々斡旋中なれば、本月下旬には盛んなる開業式を挙行するを得べしといふ


〔参考〕中外商業新報 第三五七八号〔明治二七年二月六日〕 ○秋田市に米穀取引所起らんとす(DK140033k-0004)
第14巻 p.346-347 ページ画像

中外商業新報 第三五七八号〔明治二七年二月六日〕
○秋田市に米穀取引所起らんとす 秋田市の南方には大曲取引所あり西に土崎取引所ありて孰れも不日開業式を挙行する事なるが、今又同
 - 第14巻 p.347 -ページ画像 
市の佐藤・村山・平野・加賀谷等の諸氏発起にて新に秋田市米穀取引所を其筋へ出願する事となりしは已に耳にする所なるが、其設立の趣意を聞くに、土崎・大曲等に対抗せんとの目的にはあらず、即ち秋田市は以上の両取引所の中間に介在し米穀集散の要路たるの故を以て、同市にも一箇の取引所を新設し相互に聯絡を通ずるに至らは一般の利益となるべしといふに在りと


〔参考〕中外商業新報 第三五八二号〔明治二七年二月一〇日〕 ○土崎米穀取引所の開業期と委員選挙(DK140033k-0005)
第14巻 p.347 ページ画像

中外商業新報 第三五八二号〔明治二七年二月一〇日〕
○土崎米穀取引所の開業期と委員選挙 土崎派秋田派の合同せるより過般直ちに発起認可の指令を得たる土崎米穀取引所にては、遅くも三月上旬には開業するの見込にて去三日上京委員の慰労会を終へ直ちに設立委員の選挙を行ひしに、土崎新派より近江谷栄治・野口銀平・竹内長九郎・村山金十郎・大橋義兵衛の五氏、秋田旧派より大久保鉄作・菅亀治・高橋鶴吉・加賀谷保吉・加賀谷惣左衛門の五氏当選せりと云ふ


〔参考〕中外商業新報 第三六六五号〔明治二七年五月二〇日〕 ○土崎米穀取引所の開業式 土崎十九日午後三時五十一分発(DK140033k-0006)
第14巻 p.347 ページ画像

中外商業新報 第三六六五号〔明治二七年五月二〇日〕
○土崎米穀取引所の開業式 土崎十九日午後三時五十一分発
 当地米穀取引所本日開業式を挙く、盛況、初立会の相場は七月限七円七十五銭に寄附き七円七十七銭に引けたり