デジタル版『渋沢栄一伝記資料』

明治6年10月（1873年）

南貞助・有馬則興等、内外用達会社ヲ創立ス。栄一株主タリシコトアリ。

（南貞助）書翰　　渋沢栄一宛　明治七年四月一九日　（渋沢子爵家所蔵）
前書御高免可被下候
さて此の手状を持参いたし候士者用達社之一人支配人ニ而有馬則興申人ニ而有之、社用も御相談申上度義有之候故乍御手数御相対被下御心安く御願申上候、依而乍病筆御申上御願申上候　頓首
　　明七、四月十九日　　　　　　　　　　　　　南貞助
　　　　渋沢栄一様

（内外用達会社）書翰　　渋沢栄一宛　（明治七年）五月五日
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（渋沢子爵家所蔵）
（印刷）
一利益分配ニ係ル事
一支配人撰挙ノ事
一支配人月給ノ事
　右之事件ニ付一月十五日大常会ニ於テ相定候四月十五日ノ会日延引ニ付、当五月十一日午後第一字限リ本社ニ於テ大常会相設候間御集会可被成候事
　　五月五日　　　　　　　　　　　　　内外用達会社
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　支配人中
　　　　（墨書）
　　　　渋沢栄一殿
　　○右ニヨレバ栄一株主タリシナリ。尚、本社ノ設立ハ明治六年十月ニシテ、新聞紙ソノ他ニソノ名ノ現ルルハ明治九年二月頃マデナレバ、本書翰ハ明治七年カ八年ナルベシ。シカルニ明治八年一月十五日ニ第五大常会、六月十五日ニ第六大常会ノ開カレアルヨリミテ、同年五月ニ大常会ノ開カレザリシコト知ラレ、従ツテ明治七年五月附ト推定セラル。同年夏、栄一ニ宛テタル同社ノ通知ノ多キコトモマタ傍証タルベシ。

（内外用達会社）書翰　　渋沢栄一宛　明治七年六月一三日
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（渋沢子爵家所蔵）
　（郵便端書）
東京第一国立銀行　海運橋通　渋沢栄一殿　（消印明治七・六・一三・夕）　（別記墨書）　（竹川町壱番地六月十三日）　（内外用達会社印）

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（墨書）
一当六月廿一日ヲ初会トして例月一ノ日毎ニ内外諸品低価之種類を寄セ集メ世利売致し候間御知音之方ニ御同伴ニて御来社可被下候以上
一世利売品物之儀者時々新聞紙上ニ広告可仕候
一諸品売払被成度御方ハ定日之前日午前十時まてニ御持出し可被成候
　以上
　　例月一日十二日廿一日
　　　午前十字より午後二字まて

（内外用達会社）書翰　　渋沢栄一宛　明治七年七月一一日
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（渋沢子爵家所蔵）
　（郵便端書）
東京海運橋第一国立銀行ニ而　渋沢栄一殿　（消印明治七・七・一一・夕）

（印刷）
一利益分配之事
一社則ニ係ル事
右事件ニ付本月十五日大常会相設候間午後第一時ニ御来社可被成候也
　　七月十一日　　　　　　　　　　　　内外用達会社
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　支配人中
　（栄一自記）
裏面　南鼎助ヘ相托候義　十二日書面にて申遣候事　（内外用達会社印）

（内外用達会社）書翰　　渋沢栄一宛　明治八年六月一五日
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（渋沢子爵家所蔵）
　（郵便端書）
第一国立銀行　渋沢栄一殿　（消印明治八・六・一七・夕）　（内外用達会社印）

　　　　（印刷）
　　　　内外用達会社第六大常会報告
一利益分配之事
社則ニ準シ右事件ニ付来ル第七月十五日大常会相設候間午後第一時ニ御来社可被成候、御来社相成兼候ハヽ社則第十一条ニ準シ名代御差出シ可被成候
　　明治八年六月十五日　　　　　　　　　　　支配人中

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明治大正保険史料（生命保険会社協会編）
　　　　　　　　　　　第一巻第二編第一類及追補・第五八―六二頁昭和一〇年五月刊
　○第二編　第一類　物保険之部
　　　　内外用達会社
明治六年
　建立ニ付キ再願書　明治六年十一月
　　御願申上候口上之覚
一去ル九月廿日合併会社建立之義御願申上候処、当十一月九日御書下ケ有之候ニハ、書面御布告ニ相悖リ候廉モ有之難聞届旨大蔵省ヨリ被達候間此段相達候旨之御事ニ御座候、依之社中相集リ御布告類相調候得共、相企ハ商務御布告ニ相悖リ候様之義一切見出シ不申候、付テハ愚案候ニハ、指上置候商務箇条之内定テ不分明之文意有之ニ付御聞上ケ難キ廉モ有之故ト存候、依テ此度商務之件ハ明細ニ相認差出申候、何卒今一応御吟味之上御布告ニ相悖リ候箇条有之候ハヽ逐一御達被下候様御取計之程偏ニ奉願候　以上
　　　　　　　　　　　　　内外用達会社
　　　　　　　　　　　　　　　　社中総代
　　明治六年十一月　　　　　　　　　　　　　有馬則興
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　南貞助
　　　　東京御府　大久保一翁殿
　　　　通信部
一書状電信類翻訳シ、或ハ郵便役所ヲ経夫々送届或ハ受届、条約書新聞誌書物類翻訳
　右ハ諸人之内外国文字並日本文字誦読不相叶者数多有之自然遠隔不通苦難致シ候者有之ニ付、其諸人ノ為メ文字翻訳致シ依頼有之時ハ郵便規則之通御切手ヲ張付送届相調候事、且又受届トハ他国外国ヨリ本国人ニ文通之節其人ノ居処不相知、又文意不通ノ時ハ当社書状ヲ其人之名前ニテ受ケ其人之住居マテ御切手ヲ張付郵便役所ヲ経届候事、畢竟諸人ノ遠隔不通ノ便ヲ与ヘ其役所役所エノ利ヲ益スヘシ
一訴訟売買等ニ付通弁
　右ハ言語不通ニテハ訴訟ヲ混雑シ相違廉有之、且又物価ノ高下多少ヲ不弁時ハ通商不整儀モ有之候ニ付、必竟時刻ヲ不費両国ノ人民ニ便ヲ与ヘ、訴訟等ヲ弁解之事
　　　　運輸之部
一諸会社ヨリ旅人ノ蒸気車蒸気船切手売買
　右ハ諸国外国旅行ノ諸人何方ニ於テ切手類其外要事聞知可致哉、又何処行之切手何円何銭ヲ不相弁者数多有之、終ニ不規則ノ金ヲ払或ハ旅行ヲ止ムル者有之候付、当社其間ニ立チ諸会社ノ切手ヲ其諸会社ノ定則ヲ以受渡シ諸人ノ旅行ヲ助ケ便利ヲ与エ、又諸会社エ利ヲ与ヘル事
一荷物蔵入
　右ハ火盗難数多有之、或ハ諸荷物積場ニ困リ候者数多有之ニ付、当社ニ於テ大丈夫ノ蔵或ハ石室ヲ求メ置、諸人ノ荷物ヲ預リ、品物紛
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失之難ヲ避ルノ便利ヲ与ヘル事
一諸会社ヲ経荷物類ヲ受届ケ或ハ送届
　右ハ諸人商務等ニテ遠隔ノ地ニ品物ヲ送ルニハ何会社ニ頼ミ一斤目何円何銭ニテ送ヘキ哉ヲ知ラス、又賃銭ヲ不規則ニ払フ者数多有之終ニ運輸通商衰フニ至ル訳ニ付、当会社其間ニ立チ諸人ノ便利ニ相成様其会社ノ定則ヲ以テ諸会社ヘ取次ノ事、必竟品物運輸船替神速ニシテ通商ヲ援助之事
一諸会社ヲ経荷物家屋海上火難人命請合
　右ハ諸人商務等ニ付荷物家屋海難或ハ火難等ニテ紛失之節、兼テ定ル所ノ定価ヲ償フ手段ニテ、又人命請合トハ其頼ム人ノ命相果シ時ハ金子何円家族ニ可相払トノ約束ニテ、内外諸会社商務ノ官許有諸社ノ中尤モ慥成会社ヲ求メ、不規則無之様当社其間ニ立チ、定則ヲ以テ取組ノ事、必竟諸物ヲ承続セシムルノ第一助也
　　　　貨幣部
一外国金銀両替
　右ハ諸人外国ノ貨幣ヲ請取融通ノ価ヲ不知或ハ旅行或ハ売買ニ付、両国金銀両替ニ困リ候者数多有之候ニ付、内外普通定価ヲ以両替シ其便利ヲ相調候事
一諸銀行等ヘ預ケ金等諸事之世話
　右ハ諸人貨幣ヲ官許有諸銀行ヘ預ケ金等ノ規則ヲ不知損害等ニ立至ル事不少ニ付、当社其間ニ立チ便利ヲ進メ不規則無之様諸世話之事
一諸銀行ヨリ為替手形類受金
　右ハ諸人貨幣品物其外運輸売買ニ付、其軽便不成ニ依テ取組者ニテ当社其間ニ立チ、諸会社中ノ尤モ慥成者ヲ為取組或ハ取次ノ事、必竟双方不規則無之軽便通商ヲ相助ケ候事
　　　　依頼部
一内外諸品見本取寄多少ニ不限売買ノ世話
　右ハ内外諸人諸品売買ノ場所ニ迷ヒ入用ノ品物ヲ不得上ニ旅費等有之無益ノ事ニ付、当社其間ニ立チ売方ヨリ見本ヲ受買方ヲ招キ内外通商ヲ扶助ノ事
一内外諸品現金誂引請
　右ハ内外諸人即今出来合ニテ必用ノ諸品物無之、誂ル所ヲ不知売買ヲ令衰ノ一端、且誂品物不分明或ハ誂方ヨリ不規則之払方等有之ニ付、当社其間ニ立チ普通ノ規則ヲ以テ此要法ヲ扶助スル事
一其他何事ニ不限便利ニ相成候様諸世話之事
　右ハ商法ニ付何事ニ不限興商富民利国ノ大主意ニ基キ軽便ニ諸世話ノ事

秘書類纂　実業・工業資料（伊藤博文編）
　　　　　　　　　　　　　　　　　実業関係資料・第三〇九―三三九頁　昭和一〇年一〇月刊
　　内外用達会社規則書
　　　　　紀元二千五百三十三年○明治六年十月開業
　　　　内外用達会社前途標
第一　亜細亜洲之商法ハ現物引替ノ売買ニシテ品物運輸形替等甚ダ遅
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滞ス、是ニ依テ品物高価ニシテ商法盛大ナル事ヲ得ス、内外ノ通商従ツテ衰耗ス、是レ商法ノ立ザル所以也、今此ノ用達会社其間ニ中立シ名義正律ヲ以テ通商ヲ盛大セシムベシ。
第二　通商ハ其国内之物品ヲ博見シテ言語度量衡之相違ヲ了解セザル時ハ双方之利益少ナカルベシ、今ヤ用達会社是ニ通ジテ売買之密法ヲ補佐スベシ。
第三　諸品売買ニ付無益之労費アレバ、利益少クシテ物価従テ高直ナリ、故ニ用達会社是等之煩冗ヲ省キ売買軽便ニシテ人々ニ大利ヲ得セシムベシ。
第四　商売ハ事物変化運輸出入之多少ニ依テ諸処盛衰アレバ、其起ル処ニ於テ日夜是ヲ算視セズンバ有ベカラズ、依テ用達会社枝店ヲ大坂長崎、英仏米都及び其他ニ分置シ諸所之事情物品ヲ博見シ内外人民ノ諸務ニ当ラバ、用達会社之利益而已ナラズ諸民之便利モ亦大ナラン。
第五　巨商ニ大利有リ小商ニ小利有ル訳ニテ自己固陋之小商ハ利甚ダ少シ、又他ヲ利スルニ至ラズ、依テ会社之株割ヲ小ニシ貴賤ヲ問ズ此商法ニ基キ規律ヲ厳ニシ、数百人合併智力ヲ広合シ前条ノ目途ニ進歩セバ、内外人民之便利ヲ増シ通商利国之数件挙テ言フカラズ《（ベ脱）》。
　　　　内外用達会社商務
第一　社名ヲ内外用達会社ト号ス。
第二　元金拾万円ヲ一万株ニ割リ一株拾円ト定ムル事。
第三　本社ヲ東京ニ置ク事。
第四　依便宜内外御条約之有ル諸国ニ枝店或ハ名代店ヲ置ク事。
　　　　通信部
　一、書帳電信類ヲ翻訳シ、或ハ郵便役所ニ依テ夫々内外諸国ヘ送届或ハ受届
　二、条約書新聞誌書物類翻訳
　三、訴訟売買等ニ付通弁
　　　　運輸部
　四、内外諸会社之蒸気車並ニ蒸気船切手売捌
　五、荷物蔵入
　六、内外諸会社ニ依テ荷物類ヲ内外諸国ヘ受届或ハ送届
　七、内外諸会社ニ依テ荷物家屋海上火難人命請合
　　　　貨幣部
　八、外国諸金銀両替
　九、内外諸銀行ヘ預ケ金等諸事之世話
　十、内外諸銀行之世界為替手形類売買
　　　　依頼部
　十一、内外諸品見本取置多小ニ不限売買
　十二、内外諸品現金誂引受
　　　　社則
　　　常例支配方
　　商社大会法則
　　　　第一条
 - 第15巻 p.162 -ページ画像 
　左ニ記スル処之権力ハ商社大会ニ於テ配行スベシ
イ、社名ヲ改革スル事
　　但シ政府之免許ヲ受ベキ事
ロ、社則ヲ改メ或ハ変革スル事
ハ、社元金ヲ増減スル事
ニ、元株割方ヲ増減スル事
ホ、利益分配之事
ヘ、会社ニ属スル品物ヲ売払ヒ或ハ質物ヲ出シ借金ヲスル事
ト、社則ニ順シ諸商会之株ヲ買入ル事
チ、会社商法之中ヲ他人ニ売或ハ譲ル事
リ、会社大会ニ於テ定議シタル社則等ヲ変改スル事
ヌ、諸勘定書ヲ株主或ハ他ノ金主等ニ見分セシムルノ規則ヲ定ル事
ル、時々支配人之数ヲ増減シ又其支配人ハ如何様ナル規則ヲ以テ進退スベキ事
ヲ、支配人ヲ役座ヨリ進退セシムル事
ワ、支配人ヲ命シ職務分課セシムル事
カ、支配人之月給ヲ定ムル事
ヨ、中立勘定役ヲ選ミ其月給ヲ定メ又其人之他出退役之時ハ他人ヲ撰ム事
　　　　会社同意之上商法ヲ止ル時ハ如左
タ、止商
レ、始末方ヲ引受ル役人ヲ撰フ事
ソ、始末方役人他出退出之節ハ代ヲ撰フ事
ツ、止商之目途ニ依テ会社所持之品物ヲ売出ス事
ネ、商社株金之可呼集ヲ呼集メ社内外諸勘定之事
ナ、他ノ商社ニ有ル株ヲ引取金払ヒ之処ニ払ヒ或ハ其株ヲ他ニ売事
ラ、其外株主ナラデハ難決事務或ハ於法度免許シ有ル処之権力丈ケ施行スベシ
　　　　第二条
　右ニ認ム処之「イロ」ヨリ「ナラ」印ノ社権ハ、商社支配人之法則ニ従ヒ会議ヲ設ルニ依テ施行セラルヽ事。
　　　　第三条
　右之大会ヲ呼テ大常会ト号シ、其大会ニ於テ定ムル次ノ日ニ施行スル会モ大常会ト称スル也。
　　　　第四条
　第一之大会ハ毎年第一月十五日タルベシ。
　　　　第五条
　支配人ハ何時ニテモ社事ニ付大会ヲ呼ブベシ、又株主之数少シトモ五分之一ヨリ会議ヲ願望スレバ支配人是ヲ受ケテ大会ヲ設クベシ、是ノ会ヲシテ非常会ト称スル也。
　　　　第六条
　支配人ハ其願望書ヲ受ケ直ニ非常会ヲ設クベシ、若シ支配人其願望書受取日ヨリ二十一日延引スル時ハ、其願望ヲ為ス規定人数而已ニテ非常会ヲ施行スベシ。
 - 第15巻 p.163 -ページ画像 
　　大常会始末之事
　　　　第七条
　支配人ハ規紙ヲ以テ七日前ニ会スル場所月日刻限且又其商務ノ件々ヲ認メ株主ニ布告スベシ。
　　　　第八条
　株主其触書ヲ不受シテ株主全数来会セズト雖モ、其会ヲ止ムル事ナシ。
　　　　第九条
　会議ノ節定数之株主集会無キ時ハ商務取扱フベカラズ、其定数ヲ明算スルノ規則左之如シ、譬ハ全社株主之数十人ニ不過時ハ其定数五人也、若シ十人ヲ過レバ四十人迄ハ五人毎ニ一人ヲ増シ、又四十人ヲ過レバ十人毎ニ一人ヲ加フベシ。
　　　　第十条
　若シ定限シタル時刻ヨリ一時間後ニ其定数之株主集会セザル時ハ、其日延引トシテ其次之一週中ノ同日ニ再会スベシ、又其次之集会ニ定数不会之節モ前律ニ順スベシ。
　　　　第十一条
　社頭ハ会議之節議長タルベシ。
　　　　第十二条
　若シ議長会議之刻限ヨリ三十分以上着座遅延スル時ハ会中ヨリ相当之者ヲ撰ビ議長ト為スベシ。
　　　　第十三条
　議長ハ集会之許可ヲ受ケ会議ヲ延引スル事有ト雖モ其後日ニ議ス商務ハ前日延引シタル商務ナルベシ。
　　　　第十四条
　大会ニ於テ株主五人以上否ノ発言無キ時ハ兼テ定ムル処之助言数ニ不係、議長ヨリ議定スル処ヲ会議扣帳並ニ仔細帳ニ認メ入ルレバ其商務決定之証也。
　　　　第十五条
　若シ株主五人以上否之発言スル時ハ議長ノ勘考ニ任セ其会議ハ一旦決定セシトス、万一助言数平均スル時ハ議長タル者其商務ノ議ヲ決スベシ。
　　株主論権之事
　　　　第十六条
　株主タル者ハ十株ニ至迄ハ一株毎ニ一論、十株以上百株ニ至ル迄五株毎ニ一論、百株以上十株毎ニ一論議スベシ。
　　　　第十七条
　若シ株主狂気或ハ不具ナラバ当人之親族ニテモ論権ヲ取ベシ。
　　　　第十八条
　若シ両人或ハ数人ニテ株ヲ持スレバ其筆頭ニ論権ヲ与ヘ他人ヘ与フ可ラズ。
　　　　第十九条
　株残金ヲ呼ブノ後若シ株主ヨリ其金ヲ払ハザレバ論権ナシ、又他人株之譲リヲ受ケテ株主トナリ其株ヲ一ケ月以上自持セズンバ会議ニ入
 - 第15巻 p.164 -ページ画像 
事ヲ得ズ。
　　　　第二十条
　論権ハ名代ニテモ取ル事ヲ得ベシト雖トモ其名代人ハ必ズ株主ナルベシ。
　　　　第二十一条
　名代人ヲ命ズル株主ハ其次第ヲ自筆ヲ以テ認メ、又株主会社ナラバ社印ヲ用ヒ証人ヲ立ベシ。
　　　　第二十二条
　其名代人ヲ命ズル所之一書ハ速或ハ会議之三日前会社ヘ届ズンバ其既ニ来ル処之会議ニ無用タルベシ。
　　　　第二十三条
　名代人ヲ命ズル書則如左。
　　内外用達会社
　拙者儀何府県何国郡何姓何某内外用達会社何数ノ株主ニシテ論権有ルニ付、何府県何国何郡何姓何某ヲ名代ニ命ジ大常非常会何月何日何時何処ニ施行セラルヽニ依テ出勤助言可致様相頼申候、此後之会ニ於テモ同様相頼申候。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　前書何姓某
　　　　　　　　　　　　　何府県何国何郡
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　証人何姓某
　　　　第二十四条
　名代人ヲ命ズル人其名代人ヲ止メ或ハ他人ニ変ズル時ハ其次第ヲ会社ニ一書ヲ以テ如前条届クベシ。
　　　　第二十五条
　名代人ハ会上ニ於テ其名代タル人ノ姓名ヲ告ゲ出勤ヲ示ス可シ。
　　支配人之事
　　　　第二十六条
　会社之商務ハ惣テ支配人ニ依テ取扱フベシ。
　　　　第二十七条
　常務支配人ハ三人ニ不過ト雖モ便宜ニ依テ加増スベシ。
　　　　第二十八条
　非常勤支配人ノ数定限無シ。
　　　　第二十九条
　支配人ハ会社株主会議ノ上株主中ヨリ選挙スベシ、今年撰ブ処ノ支配人ハ来年第一月十五日ノ大会迄継承シ、其大会ニ於テ再挙或ハ他人ヲ其役ニ撰挙スベシ。
　　　　第三十条
　支配人ハ社頭並支配人二級ニ別ツベシ。
　　　　第三十一条
　株主ハ第一月十五日ニハ支配人撰挙ノ為メ会議スベシ。
　　　　第三十二条
　退役ノ支配人ハ再ビ撰挙スル事アル可シ。
　　　　第三十三条
　支配人撰挙或ハ再挙スベキ会議ノ節ニ至テ前支配人退役シ、其代人無キ時ハ其代人ノ定ル迄前支配人其役ヲ勤ムベシ。
 - 第15巻 p.165 -ページ画像 
　　　　第三十四条
　支配人ノ役ヲ命ズルヲ得ザル者之条件
　　商社ニ於テ一百株ヲ自持セザル者
　　社中ニ於テ他ノ役ヲ勤メ月給ヲ受ル者
　　世帯限リ閉戸之者
　　会社之商務ニ付口銭ヲ取ル者
　　病気等ニ付三ケ月不勤スル者
　　格別之願書ヲ以テ社中ヘ退役ヲ頼ミ社中是ヲ許諾スル者
　　支配人権力之事
　　　　第三十五条
　支配人中病気或ハ他行之節ハ其人之分課商務ハ残ル支配人ニ依テ役席ヲ守勤スベシ、商務不欠様自分自分ニ工夫ヲ設クベシ。
　　　　第三十六条
　支配人ハ枝店用或ハ他用ニ付世話人ヲ社中ヨリ撰ビ其役人之月給ヲ定ムベシ、世話人ハ大会ニ於テ助言之権無ク又支配人之会ニ不可入ト雖モ自分之気附ヲ謂之権有リ、此役人ハ何時ニテモ支配人之存意ニ仕セテ進退スベシ。
　　　　第三十七条
　支配人ハ会社之定ル規則ニ順シ商務ヲ企テ又夫ヲ施行之権力アリ。
　　　　第三十八条
　支配人ハ社之質物ヲ出シ金ヲ借リ其必要スル商務ニ当テ其金ニ利足ヲ可払ト雖モ社則第一条ニ順スベシ。
　　　　第三十九条
　支配人ハ便宜ニ依テ社則ニ順シ、世界各国諸所ニ枝店ヲ組ミ立ツベシ。
　　　　第四十条
　支配人ハ支配人中ヨリ人物ヲ撰挙シ調議人ヲ命ジ支配人之権力並ニ其事務ヲ引渡シ、又其役ヲ勤ムルノ間相当之月給ヲ定ムベシ。
　　　　第四十一条
　支配人ハ其調議人ヲ諸所ニ遣シ其要務ヲ取捌或ハ調整セ示ムベシ。
　　　　第四十二条
　支配人ハ社則ニ順シ便宜ニ依リ社之小則ヲ定ム可シ。
　　　　第四十三条
　支配人ハ政府ヨリ支配人タル者ニ与フル権力ヲ会社ノ便利ヲ計リ施張スベシ。
　　支配人職務之事
　　　　第四十四条
　支配人ノ職務左ノ如シ。
　　政府之法度ニ不反、会社ノ規則ニ順シ、又大会ニ於テ決定スル事件ニ違背無キ様、会社之商務ヲ起シ支配ス可シ
　　支配人ハ左ノ書冊ヲ守衛シ公覧ニ備フル等ノ節容易ナサ示ム可シ
　　一、支配人所業明細書
　　一、日記
　　一、四部出入勘定書
 - 第15巻 p.166 -ページ画像 
　　一、其他之諸勘定書
　　一、枝店諸勘定書
　　一、差引勘定書
　　一、其他規則ニ依テ設ル書冊
　　　　第四十五条
　支配人調議役或ハ支配人会議或ハ支配人一箇ニテ施行セシ所業ニ付後ヨリ不相当有ルヲ発明スルト雖モ、其調議役或ハ其会議或ハ支配人一箇之落度タラズ、全社ニ関係シ其人々ハ職務ニ当レリト為スベシ、最モ社則ニ順スルヲ要スルナリ。
　　支配人会議之事
　　　　第四十六条
　商務ニ付支配人之会議スルアリ、其決末ハ助言数之多少ニ依テ決定スベシ、若シ其数平均スル時ハ議長ニ依テ決ヲ取ベシ、議長ハ何時ニテモ会議ヲ呼ベシ。
　　　　第四十七条
　社頭ハ会議之議長タル可シ、若シ定ムル会議之時刻ニ当人不勤之部《（節カ）》ハ会中一人ヲ撰ビ議長ト為ベシ。
　　調議人会議之事
　　　　第四十八条
　調議人ハ議長ヲ定メ議決ヲ取ベシ、若シ其会議ニ議長不勤之節ハ会中ヨリ相当之人ヲ撰ムベシ。
　　　　第四十九条
　難決事務ハ助言数ニ依テ判断ス可シ、若シ助言数平均スル時ハ議長是等ヲ決定スベシ。
　　施則之事
　　　　第五十条
　会社之役員ハ支配人社頭一人、常勤支配人二人、書記八人ト定ムト雖モ、商務之便宜ニ依テ増減スル有リ、右支配人以下ハ社頭支配人之命ニ従テ進退スベシ。
　　　　第五十一条
　調議ニ二通有リ、一ツハ商務調議一ツハ中立調議也、商務調議人ハ支配人ニ依テ役員中ヨリ撰挙スベシト雖モ、会社之役員ハ中立調議人ニ撰ブベカラズ、必ズ株主中ヨリ撰挙スベシ。
　　　　第五十二条
　商務調議ハ毎日出勤シ日々其ノ商務ヲ等考スベシ、役人其調議人之免許ヲ不受シテ金銀出入ヲ為スベカラズ、最モ細密ナル詳書ヲ日々ニ認メ記スベシ。
　　　　第五十三条
　中立調議人ハ少クトモ半年毎ニ会社之書類勘定書所持之品物ヲ検査スベシ、又調議人之方便ニ任セ支配人之許諾ヲ受ケ人ヲ枝店或ハ諸国ニ遣シ其所ノ事物勘定等ヲ取調スベシ、調議人ハ半年ニ一度或ハ数度左之条々ヲ挙テ支配人ニ忠告スベシ。
　一、会社本店枝店ニ有ル建物品物並其価明細書
　二、質物之出入明細書
 - 第15巻 p.167 -ページ画像 
　三、正金之出入明細書
　四、可払金高其可払次第ヲ遂一認《（逐）》ル細書
　五、利益金並損失金之細書、最モ前半年勘定ヨリ後ノ勘定之事
　六、会社諸勘定ノ有様又其会計之要務ニ付気附明細書
　　　　第五十四条
　中立調議人ハ支配人之許可ヲ受ケ諸所枝店ニ於テ同様ナル中立調議人ヲ撰ブベシ、其調議人ハ弐人以上ニシテ、権力惣テ支配人ヨリ直ニ命ジタル者ト同様也。
　　枝店並ニ名代店之事
　　　　第五十五条
　　　　　　　　　　　　　　　　

　支配人ハ為会社株金ヲ募リ諸国ニ於テ必用ナル場ヘ枝店或ハ名代店ヲ開クベシ、其枝店或ハ名代店ハ左ノ条件ニ順フテ開業スベシ。
　一、其枝店之規則等ハ本店之規則ニ順シ一致タルベシ。
　二、枝店之基本金ハ本店元株之内ヲ募ルベシ、株主ハ大概其処之居住人タルヲ肝要トス。
　三、其枝店之商務ハ本店ト同様タルベシ、改ル時ハ改メ変スル時ハ可変事。
　四、其枝店之社名勿論同様タルベシ。
　五、本店之元株五百株ヲ自得スル者或ハ弐千五百円質物トシテ出ス者ナラデハ、名代店ヲ開キ諸事枝店之商務ヲ取扱フヲ得ズ。
六、其質金ヘハ相当之利足ヲ払フベシ。
　　　　商則
　　元株之事
　　　　第五十六条
　会社之株証券ハ正紙一葉ニシテ表ニ会社ヨリ株主ニ幾株ヲ引渡ス事ヲ証明シ、裏ハ横五行ニ横線ヲ入、其株金払次第ニ会社其金高請取ヲ証明スル也。
　雛形左○上表之如シ
 - 第15巻 p.168 -ページ画像 
　　　　第五十七条
　株主規則通リ株金ヲ払ニ於テハ其株数又株数ニ付払ヒ金受取ヲ詳明シタル元株証券ヲ得ベシ。
　　　　第五十八条
　若シ株ヲ数人ニ而引受ル時ハ其筆頭一人元株証券ヲ可受。
　　　　第五十九条
　若シ其証券ヲ紛失セシ時ハ一枚ニ付手数料弐拾五銭ヲ払ヒ直ニ証券再受スベシ。
　　株金出方之事
　　　　第六十条
　一、当時元株金高之四分之一ヲ可払。
　二、残金ハ商法入用之節三ケ月前ニ布告スベシ。
　三、株金全額ヲ先払ヒスル者勝手次第タルベシ。
　　　　第六十一条
　支配人前途之目算ヲ立テ株金出シ方或ハ株ヲ売出ス方法ハ会社之便宜ニ依テ増減スベシ。
　　　　第六十二条
　株金残金呼立之日ハ支配人之議決セシ日ヨリ始ムルト心得ベシ。
　　　　第六十三条
　残金呼立払出ス日ヲ三月前ニ布告シ其日ニ至テ不払出ハ其日ヨリ月二分利足ヲ可払。
　　　　第六十四条
　株金全員ヲ先払スレバ其先払ニ当ル処之員数ニ相当之利足ヲ可払。
　　元株買売之事
　　　　第六十五条
　株主変スル節ハ売主ヨリ社中ヘ手数料トシテ、一株ニ付十五銭ヲ可払。
　　　　第六十六条
　元株売買ハ売買両主立合ニテ執行セラルヽト雖モ、売主ノ姓名元株張《（帳）》ヲ退ク迄ハ売主ハ猶社中之株主タリ。
　　　　第六十七条
　元株ハ左之規書ニ依テ売買ヲ得ル也。
　　内外用達会社
　拙者何府県何国何郡何村何姓何某何府県何国何郡何村何姓何某ヨリ金何円受取ニ付、当人ヘ拙者ノ会社ニ有ル株何員番数ヲ相売候上ハ拙者承知之社則ニ順シ当人之子孫家族其外之為ニ守持スベシ、又拙者前書何某前文之如ク社則ニ順シ右元株ヲ守持スベシ。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　売主
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　何姓何某
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　買主
　月日　　　　　　　　　　　　　　　　　　　何姓何某
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　証人
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　何姓何某
　　　　第六十八条
　何人ニテモ社則ニ順シ元株之譲リヲ請ル上ハ、其譲リヲ受ル以前会
 - 第15巻 p.169 -ページ画像 
社触達セシ事件或ハ諸規則ハ、其前主ト同様兼テ承知スベシ。
　　　　第六十九条
　若シ株主ヨリ会社ヘ可払金銭有リテ其金ヲ不払時ハ株ヲ他人ニ譲ル事能ハズ。
　　　　第七十条
　株譲方法ハ毎第一月十五日並ニ第七月十五日十日前後中取行フベカラズ。
　　元株譲方之事
　　　　第七十一条
　死去シタル株主ノ株ヲ受次者ハ其人之子孫家族之外他無シト定ムベシ。
　　　　第七十二条
　何人ニテモ株主之死去或ハ身帯限或ハ女株主婚姻ニ付譲ヲ受ケハ其之慥成証書ヲ照シテ会社株主之帳冊ニ加フベシ。
　　　　第七十三条
　右人等自分之姓名ヲ元株帳ニ入ズンバ其名代人ヲ撰ビ株主タラシムル事ヲ得ベシ。
　　　　第七十四条
　右人等他人ヲシテ名代タラシムルニ付テハ其当人ト売買規書ヲ認ムベシ。
　　　　第七十五条
　譲株規書者売買両主一同会社ニ持参シ支配人試検之上株主帳冊ニ入ベシ。
　　元株取上之事
　　　　第七十六条
　万一株主タル者株ニ付可払金定日ニ非払ル時ハ、支配人ハ其金ニ利足其外其不払ニ付起ル処之雑費ヲ附立当人ヘ催促スベシ。
　　　　第七十七条
　其催促之一書ニ其金ヲ可払日限又場所ヲ認メ、若シ其日限ニ其処ニ於テ払無キ時ハ右株取上之事ヲ報スベシ。
　　　　第七十八条
　其取上ル処之株ハ会社之所用トナシ、大会之上他人ヘ売出等ヲ決スベシ、乍去万一大会前其当人ヨリ全金払出ス上ハ支配人是ヲ受ケ取上之無キ始末ニナシ、以前之如ク当人ヲ株主ニ定ムル事支配人ノ職務タルベシ。
　　　　第七十九条
　株主元株全金ヲ不払ニ付其株ヲ取上ルト雖モ、其残金ハ向後ニ至ツテモ払フベシ。
　　　　第八十条
　株主全金不払ニ付其株ヲ取上ゲ、其後右残金ヲ取立テ会社ヨリ其前株主ヘ受取書出セバ愈株ヲ取上ル証ニシテ、其後他人ニ売出ストモ一最故障無カルベシ。
　　元金ヲ加増スル事
　　　　第八十一条
 - 第15巻 p.170 -ページ画像 
　支配人ハ大会ニ依テ許諾ヲ受ケ新株ヲ出シ元金ヲ加増スベシ、其金高其株数等大会ニ依テ差図無クハ支配人相当之所分ヲ為スベシ。
　　　　第八十二条
　大会ニ於テ株主中其新株ヲ旧株之数ニ依テ引受之諾言有ラバ書面ヲ以相当数ヲ布告スベシ、又残株ハ会社之方便ニ依テ売捌クベシ。
　　　　第八十三条
　新元株主トナル者ハ旧元株主ト同様タルベシ、尤モ元株之施行方法ニ依テ同様ナラザルコト有リ。
　　利益分配乏事《（之）》
　　　　第八十四条
　支配人ハ大会之許可ヲ請ケ株数ニ順シ会社之利益ヲ分配ス可シ。
　　　　第八十五条
　会社商務ニ付沸出《（払）》スル利益之外分配スベカラズ、尤金高ハ支配人ヨリ大会ヘ忠告スル員数ヨリ不可過ナリ。
　　　　第八十六条
　支配人ハ分配スル金高ヲ大会ニ忠告スル前正当部分ヲ利益金中ヨリ常備金トシ引除ケ将来之事務ニ備フベシ。
　　　　第八十七条
　株主株金ヲ払フ上ハ利益分配金其株金ノ幾倍ニ至レリト雖モ規則通分配ヲ受クベシ。
　　　　第八十八条
　利益分配ノ金高ハ後ニ記スル触達書規則ニ依テ報知スベシ、若シ株主其日ヨリ一ケ年之間其金ヲ受取ラザル時ハ支配人社之利益帳ニ納ムベシ。
　　　　第八十九条
　分配金ハ利足ヲ附スル事無シト難モ、其金ヲ以テ元株ヲ買事ヲ得ベシ。
　　中立勘定之事
　　　　第九十条
　少クトモ一年間ニ一度ハ中立勘定人ニ依テ会社諸勘定ヲ取調又差引勘定ヲ明細ニ認メシムベシ。
　　　　第九十一条
　中立勘定人ハ大常会ニ於テ撰挙スベシ。
　　　　第九十二条
　中立勘定人ハ会社株主中ヨリ撰挙ス可ク、会社諸役人或ハ会社ヨリ兼テ月給ヲ取ル者ヲ撰挙スベカラズ。
　　　　第九十三条
　中立勘定人ヲ撰拳シ命ズル事モ毎年大常会ニ依テ沙汰スベシ。
　　　　第九十四条
　中立勘定人ノ月給ハ大常会ニ於テ決定ス可シ。
　　　　第九十五条
　中立勘定人ハ一端退役スト雖モ再挙ヲ得可シ。
　　　　第九十六条
　万一中立勘定人不意ニ退役ノ節ハ、支配人非常会ヲ設ケ他人ヲ撰ブ
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ベシ。
　　　　第九十七条
　万一株主中ヨリ中立勘定人ヲ撰挙スル不能時ハ月給ヲ受ル株主中ヨリ撰挙スル事ヲ得ベシ。
　　　　第九十八条
　中立勘定人之職務ハ会社諸勘定ヲ明細ニ取調スル者也。
　　　　第九十九条
　中立勘定人ハ諸勘定書之数扣ヲ調ヘ、時々依便宜其諸勘定書ヲ細密ニ取調スベシ、是等之事件ニ付テハ社頭ヨリ書記ニ至ル迄中立勘定人之窮問試験ヲ受クベシ。
　　　　第百条
　中立勘定人ハ諸勘定書又会社会計事務ニ付気附ヲ認メ、支配人之見込書ト一同大会ニ於テ株主ニ忠告スベシ。
　　触達之事
　　　　第百一条
　触達ハ支配人手記或ハ支配人ヨリ命ズル人ニ依テ自記スベシ。
　　　　第百二条
　触達ハ株主ハ可手渡、或ハ当人之居所迄以郵便送ルベシ。
　　　　第百三条
　株主会社建立之都府外ニ住居シ都内ニ取次所ヲ定メズバ、会社ヨリ触達ヲ送ラス、当人之入来ヲ待ツベシ。
　　　　第百四条
　元株ヲ数人ニテ守持スル時ハ株帳之筆頭タル者ニ触達セバ残リ人数ニ触達セシ事ト心得ベシ。
　　　　第百五条
　以郵便送出ス触達書ハ其送出ス時ヨリ当人ニ報知セシト定ムベシ。
　　　　第百六条
　支配人撰挙又株金事件ニ付会ヲ設ル触達書ハ株主毎ニ手渡スベシ、或ハ其株主ノ府外居住エハ格別ニ報知スベシ。
　　註標
　支配人トハ社頭ヨリ平常支配人迄ヲ号シ、書記トハ会社四部分課之事務ヲ取扱者ヨリ平常書記役迄ヲ号ス也。

郵便報知新聞　　第二三四号　明治七年一月九日
　　　　告知
　　内外用達会社前途略標
亜細亜洲の商法ハ現物引替の売買なれば、運輸負載の労費多く品物の形変取引甚だ遅滞し物価随て高直にして商法盛大ならざる所謂なり、今此用達会社其間に中立して言語度量衡の相違を分解し正律名義を以て□《（通）》商を軽便にし、売買の密法を補佐して諸人に便利を得せしめんと欲する也、其社則の如きは海外合併会社の規律に基き基本株金割方を小にし貴賤を撰ばず数百人同心協力広利を計り、終に通商利国の基を開かんと欲する也
第一社名内外用達会社と号す○第二元金十万円を一万株に割一株十円と定る事、但当時其株金高四分の一を請取余は商法入用の節三ケ月前に布告すへし○第三本社を東京に置く事○第四内地諸所並海外御条約有諸国に枝店或は名代店を置くこと○第五商務、通信部、書帳電信類翻訳或は内外諸国へ送届の取次○条約書新聞誌書物類翻訳○訴訟並売買等に付通弁
運輸部　各国の蒸気車並蒸気船切手売捌き○荷物類送届けの世話○諸荷物蔵入
貨幣部　外国諸金銀両替○内外諸銀行へ預け金等の諸世話○各国諸銀行の世界為替手形類売買○内外諸会社に依て海上火難人命請合
依頼部　内外諸産物諸機械並新聞誌等に至る迄見本取置売買○日本或は外国の諸品誂向の引請
　右の通昨酉十月より商法相開候処、前書の元株一万の内既に二千八百七十数入社有之、残株七千百三十数今般諸人の公望に相任せ候間同志の各君一名一株より千株に至る迄加入合併あらん事を欲するなり、社則の儀は御来社の節入高覧可申候　以上
　　　　　　　　東京第一大区九小区竹川町一番地
　　　　　　　　　　　　　　　　　　内外用達会社
　　明治七年一月一日　　　　　　　　　　　　支配人中

 - 第15巻 p.173 -ページ画像 

日新真事誌　　第二〇六号　明治七年一月一八日
　　　　稟告
当社規則ニ順ヒ本月十五日大常会ヲ設ケ利益分配、支配人撰挙、其他該社ノ要件ヲ合議シ、且ツ昨酉十月一日開業以来同年十二月三十一日迄ノ利益金ヲ精算シ株主一統商議ノ上、利益金全額ノ内三分ノ一ヲ常備金ニ引除ケ三分ノ二ヲ出金高ニ応ジ株主ヘ分配セシ処、三ケ月ノ利益平均七割二分五厘余ノ配賦ニナレリ、是割合ヲ以テ一ケ年ノ利益ヲ計ルニ株金ノ弐拾九割余ノ大利ヲ得ヘク、之レ当社盛大ヲ期スル以所ナリ、其株数ノ如キ前日新聞紙上ニ公告スル如ク、若干ノ残株アリト雖モ、有志ノ徒日ニ入社スル陸続、然レトモ未タ満員ニ至ラス、兼テ入社ヲ乞フ者速カニ決セサレハ数月ヲ経スシテ満員ニ至ルノ勢ヒナレバ有志ノ諸君ハ入社ノ有無ヲ決定アラン事ヲ乞フ
　　一月十七日　　　　　　　　　内外用達会社　支配人株主中敬告

東京日々新聞　　第六〇二号　明治七年二月七日
　　　　投書
貴社新聞第五百九十六号附録ニ内外用達会社ノ公告ヲ載ス、其中十月ヨリ十二月迄三ケ月ノ利益ヲ掲ゲ此割合ヲ以テ一ケ年ノ利益計ルニ株金ノ二拾九割余ノ大利ヲ得ベク云々トアリ、余疑テ以為ク廿九割余ハ殆ド株金ノ三倍ニシテ、斯ル利益ハ或絶国ノ初テ開港セシトキカ新発明ノ器械等カニアラザレバ得難カルベシ、然ルニ内外用達会社ノ業ハ牙保《サイトリ》ニシテ甲商乙商ノ媒妁ヲ為ス者ナリト聞ク、尽《（蓋カ）》シ牙保ハ手数料ヲ以テ其利益トナス、手数料ノ割合ハ其媒妁スル商法ノ利益ノ割合ニ基ク、商法ノ利益ハ通例二割ヲ以テ上等トナス、去年蚕種生糸ノ価極テ低ク輸出ノ金額例年ニ比スレバ寥々ナリ、輸出多カラザレハ輸入従テ少ク夫レガ為在留外国人ハ勿論、国人ノ貿易品ヲ業トスル者ノ不利ナルコト開港以来未ダ曾テ之アラズト聞ク、然ルニ彼ノ社ノ利益ハ広大無類言語ニ断タリ、是或ハ二割九分余ノ誤ニテモ之ナキヤ、併今株金ヲ募ルニ当リ斯ル誤謬ヲ公告スルコトハヨモアルベカラズ、サレバ其媒妁スル商法ノ利益ニ基カズシテ他ニ斯ル利益ヲ得タルヤ、是余ガ一疑団ナリ、又第五百九十七号ニ第一国立銀行ノ決議ヲ載ス、其中一ケ年ニ付元金ノ壱割壱分六厘八毛程ノ利益ニ当ル云々トアリ、用達会社ノ利ニ比スレバ大略二十五分ノ一ニ当ル、然ルニ銀行ハ株主既ニ定リ去七月開業セリ、用達会社ハ未ダ其株主全員ニ満ズト聞ク、抑是何ノ理ゾヤ、夫レ第一銀行ノ株ハ百円ニテ一割一分余ノ利益ヲ以テスラ其株代価百円ニ下ラズ、サレバ今仮ニ用達会社ノ株ヲ百円ト看傚シ二十九割余ノ利益アレバ其株代価ハ二千五百円トモナルベキ筈ナリ、此大利アル株ヲ世人ノ争テ買ハザルハ世人ノ利ニ明カナラザルカ抑モ又他ニ情由アルカ、是余ガ二疑団ナリ、開港以来創立セル会社蓋数十百アリ、随テ起リ随テ倒ル、皆其本ノ堅固ナラズ損益計算ノ明瞭ナラザルニ坐ス、就中甚シキハ会社ノ虚名ヲ以テ世人ノ財貲ヲ誑騙シ一時ノ誇勢ヲ張ル者アルニ至ル、今用達会社ハ斯ル類ニハ之ナカルベケレトモ全ク利益ノ多キ故余ガ如キ者稍疑団ヲ抱カザルヲ得ズ、依テ今貴社新
 - 第15巻 p.174 -ページ画像 
聞ノ余白ヲ汚シ敢テ之ヲ質スト云フ者ハ今川小路ニ住ム者ナリ

東京日々新聞　　第六二八号　明治七年三月八日
　　　　投書
貴社第六百二号ヲ閲スルニ当社ニ於テ昨酉年三ケ月間利益ヲ分配セシニ就テ、今川小路ニ住ム処ノ某氏疑難ヲ発セシ投書ヲ載タリ、今ヤ一言ヲ以テ其質シニ応シ且江湖ノ諸君ニ我社ノ立意ヲ公布セント欲スルナリ
夫用達会社ノ立意ハ売買等ノ諸件総テ両主ノ中間ニ在テ事務ヲ軽便ニスルカ為其依頼ノ難易ニ従フテ手数料ヲ受クルハ固ヨリナリ、是ニ依テ元金ノ員数ニ関係シテ商務ノ益利ヲ算計スルニ非ラズ得ル処ノ手数料ハ其取扱フ処ノ事務ノ多寡ニ従フ者ナリ、然而シテ昨年ノ如キ開社ノ初メニ当リテ知識外ニ少ナク才能内ニ乏シ、是ガ為ニ通信・運輸・貨幣・依頼四部各々課業ヲ張ルニ由ナク、只僅カニ依頼部中ニ於テ蒸気船ノ売買ニ従事シ、製造器械類ノ注文ヲ引請ルノミ、是ガ得タル処ノ手数料金ハ其品物代価ニ就テ僅カニ幾分ニ当ルト雖モ事務数十件ナリシ故入手ノ金額亦太ダ少シトセズ、而シテ入社ノ株金又太ダ多カラザルカ為其利益トシテ分配スルニ当リテ三ケ月平均スレバ已ニ七割二分五厘余ヲ算出セシナリ、是世上多少ノ株金ヲ以テ商法ヲ開キ其金額ニ従テ得タル処ノ利益ヲ以テ分配ヲ為ス諸会社ニ比較ス可ラザル処ナリ、其故ニ当社株金ヲ集ムルノ方法元株買入約定ノ節其金額四分一数ヲ出サシメ残金ハ度々商社入用ノ時ニ臨ンデ布告シ集ルヲ以テ規律トセリ、是ニ依テ入社ノ金ノ多カラズシテ入社ノ人ノ多キヲ要ス、社員多ケレバ知識従テ広博ナリ、知識広博ナル時ハ会社従テ盛ンニ商務従テ興ルハ素ヨリノ条理ナラン、故ニ昨年三ケ月ニ於テ七割二分五厘余ノ利益ヲ分配セシハ一ケ年平均二十五割余ニ及ブト雖モ例年ニ決シテ亦必ズ其算勘ナリト云ニ非ズ、只将来入社ノ人ノ目的ニ供セン為メ其利益ノ割方ヲ示セシ者ナリ、是ニ依ツテ其取扱フ処ノ事務少ナキ時ハ利益ヲ以テ株金ニ当ツルニ二割カ一割半ニモ充タザル事アルベシ、若又信義ヲ世上ニ広クシ数千万金ノ商務依頼ヲ受ル時ハ其株金三十割・五十割ノ分配ヲナスモ又決シテ之無シト云ヘカラズ、是我儕開社ノ元意ニシテ何ゾ許多ノ金ヲ集ムルヲ要セシ、偏ニ期ス、株主数多ノ智力ヲ合シテ見聞ヲ天下ニ普クシ商務ヲ恢張セント欲スルナリ、仰キ冀クハ江湖ノ諸君彼ノ今川小路ニ住スル某氏ノ如キ疑団ヲ抱キ玉ハヾ社中ヘ光来アリテ一々詰問セラルヽカ、将又郵使ノ書帖ニ付シテ下問ヲ致シ給ハヾ立社ノ始末詳細弁論致スベク候、糺弾之アリ候上世上ノ道理ニ相符ヒ高慮ニ合シ候ハヾ入社合併ヲ冀望スル処ナリ
　　　　　　第一大区小九区竹川町一番地
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　内外用達会社

郵便報知新聞　　第三四〇号　明治七年五月九日
　　　　　　　　　横浜本町四丁目五十番地　内外用達会社枝店
　〔以下通信部・貨幣部・運輸部・依頼部ノ商務規程ノ掲載アレドモ明治七年一月九日郵便報知新聞所載分ト同様ニ付之ヲ省略ス〕
 - 第15巻 p.175 -ページ画像 
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　日曜休業
右の通の商務を以て昨年以来当社開業致候処、当年四月より横浜表右の場所に於て枝店相設諸君の御弁用仕候間、同所に於ても本社同様万万御用の儀希望仕候也
　　五月　　　　　　　　　　　　東京新橋竹川町一番地
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　内外用達会社本店

郵便報知新聞　　第三七二号　明治七年六月一四日
　　　　告知
一当六月廿一日より例月一の日毎に内外諸品物低価の種類を寄集め世利売仕候間、四方の諸君御来社の程奉願上候
但し例月一日・十二日・廿一日午前十時より午後二時迄
一諸品売払度御方ハ右定日前日午の十二時迄に御持出し可被成候以上
　　第六月　　　　　　　　　　東京竹川町　内外用達会社

日新真事誌　　第六三号　明治七年七月一八日
　　　　稟告
本月十五日当社ニ於テ社則ニ従ヒ株主一統会議ノ上、本年一月一日ヨリ六月三十日ニテ半ケ年間ノ利益ヲ精算シテ其金額ヨリ諸雑費並役人給金等ヲ引去リ、純粋利益金ノ内ニテ半数ヲ以テ常備金ト役人賞金トニ引当テ、残リ半数ヲ株主一統ニ配分スルニ銘々出金高平均シテ半ケ年一割六分七厘ニ相当セリ、然リト雖モ会社ノ株金未タ基本ノ全数ニ満タス入社ノ人ノ先後アルニ依リテ是ヲ日割ノ勘定ニシテ、一月一日出金ノ株ハ二割五分七厘ノ分配ヲナセリ、是全ク当社ノ如キハ基本ノ金額ニ関係シテ商務ヲ営ムニ非ストモ、如許ノ利益ヲ自得スルハ信義ヲ世上ニ失ハサル為内外諸人ノ依頼ヲ受クガ致ス処ノ賜ナリト感謝ニ堪サル処ナリ、仰キ願ハ江湖ノ諸細大事件《（マヽ）》ニ拘ハラス相変ハラス御用ノ儀此上願処ナリ　敬白
　　　　　　　　　　　　　　　東京新橋竹川町一番地
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　内外用達会社

郵便報知新聞　　第四四四号　明治七年九月二日
　　　　　　　　　　新潟県下越後高田　内外用達会社名代店
　　　　　　　　　　長野県下信濃岩村田　内外用達会社名代店
此度右両地に於て当社名代店開業仕従前の規則に準し四部の商業取扱ひ候儀は、各々地方の事情に従ひ諸般の商務を軽易にし一社の事業を手広くする而已ならす、諸人に便利を得せしめんと欲する也、尚此外各県下何れの地に於ても開店可致候ニ付有志の諸君御来社相成候はゝ右名代店規則入御覧候上精精御相談可致候也
　　明治七年八月　　　　　　　　東京竹川町一番地
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　内外用達会社

日新真事誌　　第一七〇号　明治七年一二月二日
　　　　内外用達会社広告
 - 第15巻 p.176 -ページ画像 
課業　左之通リニ候間御用之程希望候也
通信部○内外書帖電信翻訳送届○訴訟通弁
運輸部○内外滊船切手売捌○水上蔵入○内外荷物送届
貨幣部○金銀両換○預金取扱○内外為替○海上火難人命受合
依頼部○内外諸品売込買入
○社則ニ準シ拾円之壱株以上ヲ以テ合併入社相成候事
○社則ニ準シ諸国エ当社名代店開業相成候事
内外用達会社東京本社、横浜・大阪枝店、新潟県高田・長野県岩村田・長野県上田・新潟県新潟名代店　再拝

日新真事誌　　第一四号　明治八年一月二〇日
　　　　広告
本月十五日当社ニ於テ株主一統第五大常会ヲ施行セリ、其会議事件ノ内、昨明治七年七月一日ヨリ同十二月三十一日迄半年間ノ利益金ヲ三分ニシテ、其一分ヲ常備ニ引キ除ケ、其弐分ヲ株主中ニ配分ス、是ヲ日割ノ計算ニシテ出金高一割三分ノ相当トナレリ、是レ全ク当社ノ如キハ合併衆多ノ力ヲ以テ枝店名代店ヲ各処ニ分置シ、大方ノ高顧ヲ辱フスル為自得シタルノ公利ナリト感謝ニ耐サル処ナリ、然リ而シテ一社ノ素志此上智識ヲ江湖ニ広フシ、益々営業ヲ盛大ニシ便利ヲ計ラント欲スルナレハ、仰キ希クハ遠近ノ諸君入社並ニ名代店ノ開業協力、又ハ四課商務ノ依頼等有之度様望ム処ニ候也　敬白
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　内外用達会社

日新真事誌　　第七九号附録　明治八年四月一四日
　　　　内外用達会社広告
当社外国名代店
　一英国ロントン府スタランド
　一米国セントリウイス府オリブスツリイト
　一同国サンフランシスコ港ハイボニアバンクビルヂング
　一仏国パリス府パリス府リウテラペイ
　一瑞国チエニーバ府リウツボン
　一米国ニウーヨルグ港ブローマウエー
夫レ当社名代店ハ内国諸県ニ於テ已ニ数ケ所開業シテ用達ノ事務ニ実験アル処、常ニ世人ノ知処也、然リト雖トモ外国商務ノ取引ニ付時トシテ不便アルオ免レス、依テ今般右六ケ所ヘ新ニ当社名代店オ開キタリ、然ル時ハ内外遠近互ニ相通シ物品之売買貨幣ノ融通等オ始メ、四課之商務オ盛ニシテ一層之便利オ増スヘシ、仰キ願ハクハ江湖ノ諸君事物ノ多少ニ係ラス御用之程希望候也
　　明治八年第四月
　　　　　　　　内外用達会社
　東京竹川町本店　　　　熊谷県前橋名代店
　大坂大川町支店　　　　長野県上田名代店
　新潟県高田名代店　　　新潟県高田名代店今町分店
　長野県岩村田名代店　　長野県上田名代店長野分店
 - 第15巻 p.177 -ページ画像 
　新潟県新潟名代店

日新真事誌　　第一一三号附録　明治八年五月二七日
　　　　内外用達会社広告
課業　左之通ニ候間御用之程希望候也
通信部○内外諸国ヘ書帖電信送届○洋書翻訳○通弁○訴訟代言及成否検査
運輸部○内外各港ヘ蒸気船乗組取扱○内外諸処ヘ荷物運送○荷物蔵入
貨幣部○金銀両換○預金取扱○為替金
依頼部○内外諸品売込買入或ハ誂引受
○社則ニ準シ諸国ヘ当社名代店開業相成候事
○諸規則書御覧被成度諸君ハ本枝名代店ヘ御通達可被成候
　　　　内外用達会社本枝名代店
　本店　　東京竹川町　　　　枝店　　大坂船町橋
　名代店　新潟県高田　　　　名代店　新潟県新潟
　同　　　長野県岩村田　　　同　　　長野県上田
　同　　　熊谷県前橋　　　　同　　　英国ロンドン府
　同　　　米国セントリウイス府
　同　　　新潟県今町　　　　同　　　仏国パリス府
　同　　　瑞国ゼネバ府　　　同　　　米国ニウヨーク港
　同　　　長野県長野
　　　　当社用達銀行
日本第一国立銀行
英国ヲリエンタールバンク横浜十一番

東京日日新聞　　第一二四九号　明治九年二月九日
　　　　内外用達会社広告
今般当社運輸取扱ノ儀ニ付駅逓御寮エ奉伺候処左之通御指令ニ相成候ニ付、要路処々エ運輸掛ヲ置キ荷物運輸取扱為致候間、社中為御心得致広告候也
　　伺文
　　　　内外用達会社運輸取扱ノ儀ニ付伺
当社之儀ハ明治六年開業以来本支名代店並ニ分店之間諸荷物之運輸取扱致来候得共、其各店間遠隔之場所有之不便利不少ニ付、其場所ハ社中ヲ撰挙シ運輸掛ト致シ、当社之荷物ニ限リ為取扱度、此段御差支モ無御座候哉、為念奉伺候　以上
　　明治九年一月十五日
　　　　　　　　　　　　　東京竹川町壱番地内外用達会社
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　社頭　南貞助
　　　　駅逓頭　前島密殿
右御指令
　書面之趣ハ其社之荷物ニ限リ運輸為取扱候儀差支無之候事
　　九年二月二日　　　　　　　　　　　　前島駅逓頭

 - 第15巻 p.178 -ページ画像 

東京日日新聞　　第一二五四号　明治九年二月一五日
○新潟景況　○中略　○便利な者ハ通運会社・国立銀行・郵便局・内外用達会社・活版所なり○下略

中外物価新報　　第一五一四号　明治二〇年四月二三日
○内外用達会社　同会社にては已に役員及び支店設置の位置等を定めたる由なるが、其役員は顧問役は藤田伝三郎・大倉喜八郎の両氏、委員は久原庄三郎・高橋平格・大倉周三の三氏、理事長は福島良助氏理事は手嶋鍈次郎・佐伯勢一郎・赤星弥之助・小川又蔵の諸氏にて、支店設置の場所は英京倫敦・神戸・姫路・仙台・横須賀・丸亀・名古屋・佐倉・松山・広島・宮崎・伏見・呉・函館・小倉・熊本・青森・福岡・佐世保・新発田・金沢・横浜・豊橋・大津等なりと聞けり

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冊子版の『渋沢栄一伝記資料』をご参照ください。