デジタル版『渋沢栄一伝記資料』

明治41年6月7日（1908年）

是日、日本橋倶楽部ニ於テ帝国ヘツト株式会社ノ創立総会開催サレ、同社発起人ノ一人タリシ栄一総会ノ希望ニヨリ相談役ニ就任ス。翌四十二年六月辞任ス。

竜門雑誌　第二四一号・第三九頁　明治四一年六月
○帝国「ヘツト」会社創立総会　青淵先生の発起人中に加入せられし帝国「ヘツト」会社創立総会は本月七日日本橋倶楽部に於て開会、竹田政智氏議長席に就き会社創立に関する事項を報告し、定款の議決を為し、取締役及監査役を左の如く選任せられたりと云ふ
　取締役　桜井平兵衛　野々村源四郎　浅香克孝
　　　　　磯長鉄之介　竹田政智
　監査役　粕谷義三　　福田又一
尚当日株主総会の希望に依り青淵先生は相談役に、工学博士西川虎之助氏は顧問役に就任を承諾せられ、取締役会長には竹田政智就任せられたり。

青淵先生公私履歴台帳　　　　　　　　　（渋沢子爵家所蔵）
　　　　民間略歴　（明治二十五年以後）
○上略
帝国ヘツト株式会社相談役　四十一年六月　同○四十二年六月六日辞
○中略
　　以上明治四十二年六月七日迄ノ分調

竜門雑誌　第二五三号・第四七―五〇頁　明治四二年六月
　　　　青淵先生の各種関係事業引退
我青淵先生○中略　本月六日○中略　同日附を以て左記の如き辞任書及書状を発送せられたり
○中略
　　　　辞任書
　拙者儀頽齢に及ひ事務節約致度と存候間貴社「何何役」辞任仕候此段申上候也
　　明治四十二年六月六日　　　　　　　　　　渋沢栄一
　　　　書状
　拝啓、時下向暑の候益々御清泰奉賀候、陳は小生儀追々老年に及ひ候に付ては関係事務を減省致度と存し、今回愈々第一銀行及東京貯蓄銀行を除くの外一切の職任を辞退致候事に取極候に付、別紙辞任書差出候間事情御了察の上可然御取計被下度候、尤も右様役名は相
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辞し候へ共向後とて従来の御交誼上必要に臨み御相談に与り候事は敢て辞する処に無之候間其辺御承知置被下度候、此段申添候　敬具
　　明治四十二年六月六日　　　　　　　　　　渋沢栄一
辞任せられたる各種事業の名称及び職任は左の如し
○中略
　　帝国「ヘツト」株式会社同上○相談役
○下略