デジタル版『渋沢栄一伝記資料』

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公開日: 2016.11.11 / 最終更新日: 2022.3.15

2編 実業界指導並ニ社会公共事業尽力時代

1部 実業・経済

4章 鉱業
2節 石炭
1款 磐城炭礦株式会社
■綱文

第15巻 p.398-403(DK150048k) ページ画像

明治42年6月6日(1909年)

是年栄一、古稀ニ渉ルヲ以テ第一銀行他少数ノ関係ヲ除キ、諸事業ヨリノ引退ヲ決意シ、是日当会社取締役会長ヲ辞ス。


■資料

(盤城炭礦株式会社) 営業報告 第五〇回明治四二年一二月(DK150048k-0001)
第15巻 p.398 ページ画像

(盤城炭礦株式会社) 営業報告 第五〇回明治四二年一二月
    株主総会
一明治四十二年六月二十八日本社ニ於テ第四十九回定時株主総会ヲ開キ ○下略
一取締役会長 渋沢男爵辞任セラレタルニ付、同日総会席上ニ於テ株主渡辺六蔵氏ヨリ同男爵本社創業以来ノ功績ニ対シ、相当ノ金品ヲ贈呈致度、其金額及方法等総テ重役ニ一任セントノ建議アリ、満場一致之ヲ承認ス
    庶件
一同年六月十七日 取締役会長渋沢男爵六月六日辞任セラレタル変更登記ヲ東京及平区裁判所ヘ申請シタリ
一同年四月六日《(マヽ)》 重役決議ニ依リ、役員給与基金ヨリ渋沢男爵ヘ慰労トシテ金壱万円ヲ贈呈シタリ


青淵先生公私履歴台帳(DK150048k-0002)
第15巻 p.398 ページ画像

青淵先生公私履歴台帳          (渋沢子爵家所蔵)
    民間略歴 (明治二十五年以後)
○上略
一磐城炭礦株式会社取締役会長 四十二年六月六日辞任
○中略
  以上明治三十三年五月十日調


渋沢栄一 日記 明治四二年(DK150048k-0003)
第15巻 p.398-399 ページ画像

渋沢栄一 日記 明治四二年       (渋沢子爵家所蔵)
六月六日 雨 冷
○上略 午前十時兜町事務所ニ抵リ、諸関係会社ノ業務担当者ヲ会シテ、
 - 第15巻 p.399 -ページ画像 
都テ其職務辞退ノコトヲ懇話ス、来会中種々《(者脱カ)》ノ論説アリシモ、切ニ之ヲ慰諭シ、一同ト共ニ午飧シ、後更ニ談話ヲ継続セシモ、一同ハ尚各会社将来ノコトヲ懸念シテ止マサリキ ○下略


竜門雑誌 第二五三号・第四七―四九頁 明治四二年六月 青淵先生の各種関係事業引退(DK150048k-0004)
第15巻 p.399 ページ画像

竜門雑誌 第二五三号・第四七―四九頁 明治四二年六月
    青淵先生の各種関係事業引退
我青淵先生 ○中略 本月六日従来関係の深かりし左の諸会社の諸氏を兜町の事務所に招き其旨○辞任を発表して、懇ろに趣意の在る所を説明せられ、尋で同日附を以て左記の如き辞任書及書状を発送せられたり
○中略
                磐城炭礦株式会社
                   取締役  佐久間精一君
                   取締役  岡部真吾君
○中略
    辞任書
 拙者儀頽齢に及び事務節約致度と存候間、貴社「何々役」辞任仕候
 此段申上候也
  明治四十二年六月六日          渋沢栄一
    書状
 拝啓時下向暑の候益々御清泰奉賀候、陳は小生儀追々老年に及び候に付ては関係事務を減省致度と存し、今回愈々第一銀行及東京貯蓄銀行を除くの外一切の職任を辞退致候事に取極候に付、別紙辞任書差出候間事情御了察の上可然御取計被下度候、尤も右様役名は相辞し候へ共向後とて従来の御交誼上必要に臨み御相談に与り候事は敢て辞する処に無之候間、其辺御承知置被下度候此段申添候 敬具
  明治四十二年六月六日          渋沢栄一
辞任せられたる各種事業の名称及職任左の如し
○中略
  磐城炭礦株式会社同上 ○取締役会長
○下略


実業之世界 第六巻・第七号 明治四二年七月 余が今回辞したる六十会社の運命観(男爵渋沢栄一)(DK150048k-0005)
第15巻 p.399 ページ画像

実業之世界 第六巻・第七号 明治四二年七月
  余が今回辞したる六十会社の運命観 (男爵 渋沢栄一)
○上略
    ○磐城炭礦株式会社
          (明治二十六年十二月設立払込資本八十万円配当年一割五分渋沢男は当会社取締役会長)
専務取締役は浅野総一郎であるが実際は佐久間精一と岡部真五と云ふ人が経営の任に当つて居る。是等の人々はナカナカ地味な人達で而かも丹精して経営に当つて居から、前途が危険だなど云ふやうな恐れはなからうと思ふ。一時は炭坑内に漏水などして大分困難をしたが現在では其の防備もつき石炭の景気もよくなつたので相応に行つて居る。


渋沢栄一 日記 明治四二年(DK150048k-0006)
第15巻 p.399-400 ページ画像

渋沢栄一 日記 明治四二年       (渋沢子爵家所蔵)
七月六日 曇 冷
 - 第15巻 p.400 -ページ画像 
○上略 午後五時浜町常盤屋ニ抵リ、磐城炭坑会社ノ招宴ニ出席ス、余興アリ、午後十時宴散シテ王子ニ帰宿ス



〔参考〕東京経済雑誌 第五八巻第一四六二号・第七五一―七五四頁明治四一年一〇月二四日 常磐炭業の前途に就て(在水戸市滝台水)(DK150048k-0007)
第15巻 p.400-403 ページ画像

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