デジタル版『渋沢栄一伝記資料』

明治35年4月8日（1902年）

是日栄一、当会社社債募集ニ関スル請願書ヲ総理大臣桂太郎及ビ大蔵大臣曾禰荒助ニ提出ス。

渋沢栄一　日記　明治三五年　　　　　　　　　（渋沢子爵家所蔵）
四月二日　雨
○上略　午後一時桂総理大臣ヲ訪ヒ、小村外相・曾根蔵相来会《（曾禰）》シテ共ニ京釜鉄道ニ関シ外国債募集ノ件及韓国借款ニ関スル件ヲ討議ス○下略
　　○中略。
四月七日　雨
○上略
京釜鉄道会社々債ノ事ニ関シ、内閣ニ進達スヘキ秘密請願書ノ草案ヲ作ル、佐々木氏来ル、韓国借款ニ関スル覚書ノ修正ヲ托ス○下略
四月八日　晴
○上略　十一時内閣ニ抵リ京釜鉄道会社々債ニ関スル請願書ヲ桂総理・曾根大蔵両大臣ニ進達ス、且其手続ヲ内議ス○下略

東京経済雑誌　　第四五巻第一一二五号・第五八九頁明治三五年三月二九日
○京釜鉄道の外資輸入計画　同鉄道会社は予て会社創立の趣旨に従ひ可成払込金を小額に止め、専ら社債に依りて事業の経営を為さんとの
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方針なれども、目下韓国に於ける同鉄道工事の模様に依れば、現状の儘にては竣工全通迄に十二ケ年を要する計算にて、斯くては余り長年月に亘るを以て、此際外資輸入を為し、工事の速成を計らんとの議あり、右に就き同会社長渋沢栄一氏は欧米経済事情視察旁々右社債募集の用向を帯て、不日米国を経渡欧の途に就き、其序を以て英皇戴冠式に列する筈にて、出発は多分来月中旬ならんと