デジタル版『渋沢栄一伝記資料』

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公開日: 2016.11.11 / 最終更新日: 2020.3.6

2編 実業界指導並ニ社会公共事業尽力時代

1部 実業・経済

7章 経済団体及ビ民間諸会
1節 商業会議所
3款 東京商業会議所
■綱文

第20巻 p.164-165(DK200017k) ページ画像

明治25年11月30日(1892年)

是日栄一、当会議所会頭トシテ海上桴筏取締方法ニ関シ逓信省管船局長塚原周造ニ答申ス。


■資料

第二回東京商業会議所事務報告 第二九―三〇頁 明治二六年四月(DK200017k-0001)
第20巻 p.164-165 ページ画像

第二回東京商業会議所事務報告  第二九―三〇頁 明治二六年四月
一海上桴筏取締方法ニ関シ逓信省管船局長ヨリ照会ノ件
 本件ハ明治二十五年五月十三日ヲ以テ塚原管船局長ヨリノ照会ニ係リ、其要旨ハ本邦ニ於テ従来海上ニ使用スル桴筏ノ有無等ニ関シ本会議所ノ調査報告ヲ得タシト云フニ在リ、依テ其後運輸部ニ調査ヲ附托シタルニ同部ニ於テ審議ノ末其答申案ヲ草シ報告シタルニ付、同年八月二十六日第十四回及十一月二十九日第十九回ノ臨時会議ニ付シ其可決ヲ経、十一月三十日ヲ以テ左ノ如ク同局長ヘ答申シタリ
  去五月十三日附ヲ以テ海上桴筏使用ノ有無等ニ関シ御照会ノ件ハ其後篤ト遂審議候処、右問題ハ頗ル広濶ニシテ全国各地ニ於ケル精細ノ実況ハ容易ニ相分リ兼候得共、暫ク本会議所ノ調査スル所ニ依レバ大要左ノ通リニ候間此段答申仕候也
  明治二十五年十一月三十日
            東京商業会議所会頭 渋沢栄一
    逓信省管船局長 塚原周造殿
 第一問ノ答 従来我邦ニ於テ桴筏ヲ使用スルノ場所ハ湖川及港湾内若クハ内海ノミニシテ外海ヲ回漕スルコトハ之レナシ
 第二問ノ答 既ニ外海ニ使用スルモノナキ以上ハ本問ニ対シ答案ヲ要セスト雖モ、参考ノ為メ左ニ内海ニ使用スルモノニ就キ一言スベシ
  従来内海ニ於テ桴筏ヲ使用スル地方ハ東京湾・伊勢湾・長崎湾等ニシテ其構造法ハ多クハ藁縄・藤蔓等ヲ以テ平面形ニ綴束シ、其形状ハ水ノ深浅広狭ニヨリ大小アリテ之ヲ概言スルヲ得ス、而シテ其使用法ハ単独ニ棹シテ行クモノト和船若クハ小蒸滊船ニ曳カルヽモノトノ二様アリ
 第三問ノ答 現行ノ搆造法ニテハ暴風怒濤ニ堪ヘザルヲ以テ前記ノ如ク外海ニ於テハ使用セラレスト雖モ、其搆造法一進シテ若シ鉄鎖ヲ以テ竪牢ニ竪束シ以テ風浪ニ堪フルノ方法ヲ発明シ、之ヲ外海ニ使用スルニ至ラバ之ガ為メ大ニ運送ノ費用ヲ減シテ木材ノ原価ヲ低廉ナラシムルノ利便アルベキニ付将来必ス其使用者起ルベシト信ズ、果シテ然ル暁ニハ其形状及搆造法等ニ制限ヲ設ケ信号又ハ表識ヲ附セシムル等其取締法ヲ制定スルノ必要アルベシ
    参考
 一湖川港湾等ニ於テノ桴筏取締法ハ現今ト雖モ各地方ニヨリテハ之ヲ実施セルモノアリ、現ニ東京市ニ於テハ明治二十一年十一月十五日ノ警察令第十六号水上取締規則中、左ノ二条ヲ以テ桴筏運搬ニ関
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スル取締ノ事ヲ規定セリ
      水上取締規則
第十二条 筏一枚ノ大サハ長サ十五間幅二間以内ヲ限リトス、且二枚以上連繋シテ漕クベカラズ
第二十五条 夜間筏ヲ回漕スルトキハ篝火又ハ標灯ヲ掲クシヘシ