デジタル版『渋沢栄一伝記資料』

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公開日: 2016.11.11 / 最終更新日: 2020.3.6

2編 実業界指導並ニ社会公共事業尽力時代

1部 実業・経済

7章 経済団体及ビ民間諸会
1節 商業会議所
3款 東京商業会議所
■綱文

第20巻 p.363-384(DK200035k) ページ画像

明治26年9月22日(1893年)

是ヨリ先神戸商業会議所ヨリ第二回全国商業会議所聯合会ヲ同所ニテ開催スルニ付当会議所モ之ニ加入サレタキ旨ノ依頼アリ。是日当会議所、商法及民法ノ修正並ニ商業会議所条例修正ノ二件ニ限リ之ニ参加スルニ決シ、中野武営・佐久間貞一ノ両名ヲ参会員ニ推ス。両名聯合会ニ参会シ帰京後議事ノ結果ヲ報告ス。栄一会頭トシテ之ニ与ル。


■資料

東京商業会議所月報 第一一号・第四頁 明治二六年七月 【○同月 ○六月十六日…】(DK200035k-0001)
第20巻 p.363 ページ画像

東京商業会議所月報  第一一号・第四頁 明治二六年七月
○同月 ○六月十六日、商業会議所聯合会幹事タル神戸商業会議所副会頭岡田元太郎氏ヨリ該聯合会ヘ加入ノ義ニ付、照会書ヲ接受ス(照会書ノ全文ハ参照ノ部第五号ニ掲載ス)


東京商業会議所月報 第一一号・第一三―一四頁 明治二六年七月 【○参照第五号 六月十六日商業会議…】(DK200035k-0002)
第20巻 p.363 ページ画像

東京商業会議所月報  第一一号・第一三―一四頁 明治二六年七月
○参照第五号
 六月十六日商業会議所聯合会ヘ加入ノ義ニ付、該会幹事ヨリ接受シタル照会書ハ左ノ如シ
拝啓、貴所愈御盛昌奉恭賀候、陳ハ客歳商業会議所聯合会御賛同之儀奉企望候処、御決議之次第モ有之常置ノ聯合会ニハ御加入不被下候得共、臨時ニ御参列ヲ辱クシ、第一回定期会ハ首尾全ク完了仕候段奉感謝候、偖本年ハ会場ヲ神戸市ニトシ同会規則第五条ニ依リ来ル九月ヲ期シ第二回定期会開会可仕筈ニ御座候、就テハ本年モ右開会之際ハ客歳ノ如ク御参列被成下度予メ御照会申上候、尚昨年御参列被下候委員両氏ニ就キ本会委員一同ヨリ自後普通御加入之儀企望仕候処、両氏ハ第二回定期会迄ニハ全ク加入候様尽力可致云々御申聞被下候次第モ御座候得ハ、希クハ本年ヨリ全ク御加入被下候様折角御配慮相煩シ申度此段得貴意候也
  明治廿六年六月十六日   商業会議所聯合会幹事
                 神戸商業会議所
                  副会頭 岡田元太郎
  東京商業会議所
    会頭 渋沢栄一殿


第二回商業会議所聯合会報告 第三頁 明治二六年一一月刊(DK200035k-0003)
第20巻 p.363-364 ページ画像

第二回商業会議所聯合会報告  第三頁 明治二六年一一月刊
六月十九日、岡田元太郎君ハ聯合会幹事ノ資格ヲ以テ、東京商業会議
 - 第20巻 p.364 -ページ画像 
所会頭渋沢栄一君ノ邸ヲ訪ヒ、聯合会普通加入ノ儀ヲ面談セリ


東京商業会議所月報 第一二号・第六―七頁 明治二六年八月 【○七月五日午後五時三十分、東京…】(DK200035k-0004)
第20巻 p.364 ページ画像

東京商業会議所月報  第一二号・第六―七頁 明治二六年八月
○七月五日午後五時三十分、東京銀行集会所ニ於テ臨時会議ヲ開ク、当日出席会員ハ三十四名ニシテ、左ノ件々ヲ審議シ、午後八時四十分閉会ス
○中略
 (第三)
  商業会議所聯合会ノ儀ニ付、神戸商業会議所ヨリ照会ノ件
本件ハ普通加盟ハ之ヲ為サズ、議題ニヨリテハ昨年ノ例ニ依リ臨時会同スベシト決ス


東京商業会議所月報 第一二号・第八頁 明治二六年八月 【○同月 ○七月十八日…】(DK200035k-0005)
第20巻 p.364 ページ画像

東京商業会議所月報  第一二号・第八頁 明治二六年八月
○同月 ○七月十八日、兼テ神戸商業会議所ヨリ照会ニ係ル商業会議所聯合会ノ儀ニ付、回答書ヲ発ス(回答書ノ全文ハ参照ノ部ニ掲載ス)


東京商業会議所月報 第一二号・第八頁 明治二六年八月 【参照 七月十八日商業会…】(DK200035k-0006)
第20巻 p.364 ページ画像

東京商業会議所月報  第一二号・第八頁 明治二六年八月
    参照
 七月十八日商業会議所聯合会ノ儀ニ付神戸商業会議所ヘ発シタル回答書ハ左ノ如シ
拝啓陳ハ去六月十六日附ヲ以テ御照会有之候商業会議所聯合会ヘ加盟ノ件ハ過日臨時会議ニ附シ審議候処、普通加盟ノ事ハ聊カ差支ノ義モ有之候ニ付、本年モ昨年同様其問題ニ依リテハ臨時会同候方可然ト相決シ候、就テハ追テ右聯合会ノ議案御決定ノ上ハ何卒御通報相成候様仕度、然ル上ハ審議ノ上更ニ御確答可仕候、此段及御回報候也
  明治二十六年七月十八日
            東京商業会議所会頭 渋沢栄一
  商業会議所聯合会幹事
    神戸商業会議所副会頭 岡田元太郎殿


東京商業会議所月報 第一四号・第三頁 明治二六年一〇月 【○同月 ○九月六日、…】(DK200035k-0007)
第20巻 p.364 ページ画像

東京商業会議所月報  第一四号・第三頁 明治二六年一〇月
○同月 ○九月六日、神戸商業会議所聯合会ヘ会同ノ儀ニ付、照会書ヲ接受ス(照会書ノ全文ハ参照ノ部第四号ニ掲載ス)


東京商業会議所月報 第一四号・第七頁 明治二六年一〇月 【○参照第四号 九月六日商業会議所…】(DK200035k-0008)
第20巻 p.364-365 ページ画像

東京商業会議所月報  第一四号・第七頁 明治二六年一〇月
○参照第四号
 九月六日商業会議所聯合会ヘ会同ノ儀ニ付、神戸商業会議所ヨリ接受シタル照会書ハ左ノ如シ
拝啓貴所愈御盛昌奉敬賀候、陳ハ商業会議所聯合会第二回定期会ニ係ル件臨時会議ニ於テ御審議ノ処、普通加盟ノ儀ハ御支障有之ニ付、本年モ昨年同様其問題ニ依リテ臨時御会同相成リ候事ニ決シタル趣、七月十八日付来示敬承仕候、即右聯合会ノ議題トシテ今日迄ニ提出ノ分別紙ノ通ニ有之候、此他臨時議案トシテ各会議所ヨリ提出ノ分モ可有之、且本所ニ於テモ右ノ所見ヲ以テ調査着手中ノ件モ有之候間、可成
 - 第20巻 p.365 -ページ画像 
御出会相成候様仕度希望スル処ニ御座候、就テハ開会期日及其他ノ事項左記之通相定メ候条御了承相成度候
 一商業会議所聯合会第二回定期会ハ九月廿五日ヨリ神戸商業会議所ニ於テ開会ノ事
 一九月廿四日午後五時ヨリ神戸諏訪山常盤中店ニ於テ来会員ノ懇親会ヲ開ク事
   但会費ハ壱人金壱円五拾銭ト予定ス
 一各商業会議所(私立商工会)ハ九月十五日迄ニ来会員ノ氏名ヲ神戸商業会議所ヘ通知セラルヘキ事
 一来会員到着之節ハ宿所姓名ヲ神戸商業会議所受付掛ヘ報知セラルヘキ事
右御通牒旁得貴意候也
  明治廿六年九月四日    商業会議所聯合会幹事
                神戸商業会議所
                  会頭  山本亀太郎
                  副会頭 岡田元太郎
    東京商業会議所会頭 渋沢栄一殿
(別紙)
    商業会議所聯合会第二回定期会提出ノ議題
 一棉花輸入綿糸輸出税免除ノ件
                   堺商業会議所提出
 一明治十七年農商務省達第三十七号同業組合準則改正ノ件
                  神戸商業会議所提出
右議案ハ追テ御送付可仕候也


東京商業会議所月報 第一四号・第二頁 明治二六年一〇月 【○同月 ○九月八日午…】(DK200035k-0009)
第20巻 p.365 ページ画像

東京商業会議所月報  第一四号・第二頁 明治二六年一〇月
○同月 ○九月八日午後四時、本会議所仮事務所ニ於テ役員会議ヲ開キ、神戸商業会議所ヨリ照会ニ係ル商業会議所聯合会会同請求ノ件等ヲ審議シ、午後七時閉会ス


東京商業会議所月報 第一四号・第二頁 明治二六年一〇月 【九月十四日午後五時…】(DK200035k-0010)
第20巻 p.365-366 ページ画像

東京商業会議所月報  第一四号・第二頁 明治二六年一〇月
○九月十四日午後五時三十五分、東京銀行集会所ニ於テ臨時会議ヲ開ク、当日出席会員ハ二十八名ニシテ、左ノ件ヲ審議シ、午後七時三十五分閉会ス
 一商業会議所聯合会ヘ会同ノ儀ニ付、神戸商業会議所ヨリ照会ノ件本件ハ多数ヲ以テ参会員二名ヲ派出スルコトヽシ、且ツ其選挙ハ議長ノ指名ニ任スヘシト決シタルニ付、乃チ議長ハ左ノ二君ヲ指名ス
                    中野武営君
                    佐久間貞一君
○同月二十二日午後三時、東京銀行集会所ニ於テ臨時会議ヲ開ク、当日出席会員ハ二十六名ニシテ、左ノ件々ヲ審議シ、午後四時二十分閉会ス
○中略
 (第二)
 - 第20巻 p.366 -ページ画像 
  今般神戸ヘ出張スル参会員ニ依託シ、左ノ二件ヲ商業会議所聯合会員ニ協議ヲ遂グル事
  一商法及民法中修正ヲ要スベキ条項ハ各会議所ニ於テ之ガ調査ヲ為シ、可成通議ヲ遂ゲ実業者輿論ノ在ル所ヲ貫徹スルコトヲ勉ムル事
  一各商業会議所ヨリ其筋ニ向テ商業会議所条例ノ修正案ヲ帝国議会ヘ提出セラレンコトヲ建議スル事(役員会議提出)
本件ハ全会一致ヲ以テ役員会議ノ意見通リ右二件ヲ参会員ニ附託スベシト決ス


東京商業会議所月報 第一四号・第三頁 明治二六年一〇月 【○同月 ○九月十四日…】(DK200035k-0011)
第20巻 p.366 ページ画像

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東京商業会議所月報 第一五号・第二頁 明治二六年一一月 【○同月 ○十月二日、…】(DK200035k-0012)
第20巻 p.366 ページ画像

東京商業会議所月報  第一五号・第二頁 明治二六年一一月
○同月 ○十月二日、商業会議所聯合会ヘ参会ノ為メ神戸ヘ出張セラレタル中野武営・佐久間貞一ノ両君帰京ス


東京商業会議所月報 第一五号・第一頁 明治二六年一一月 【○十月二十三日午前九…】(DK200035k-0013)
第20巻 p.366 ページ画像

東京商業会議所月報  第一五号・第一頁 明治二六年一一月
○十月二十三日午前九時、本会議所仮事務所ニ於テ役員会議ヲ開キ、商業会議所聯合会参会員ノ報告及臨時会議開会準備ノ件等ニ付審議シ正午十二時閉会ス


東京商業会議所月報 第一六号・第二頁 明治二六年一二月 【○十一月一日午後五時…】(DK200035k-0014)
第20巻 p.366 ページ画像

東京商業会議所月報  第一六号・第二頁 明治二六年一二月
○十一月一日午後五時二十五分、農商務省会議室ニ於テ臨時会議ヲ開ク、当日出席会員ハ二十六名ニシテ、左ノ件々ヲ審議シ、午後七時十分閉会ス
 (第一)
  神戸ニ於テ開設セル商業会議所聯合会ノ儀ニ付、参会員報告ノ件
本件ハ之ヲ承認ス(右報告ノ全文ハ参照ノ部第一号ニ掲載ス)


東京商業会議所月報 第一六号・第四―二〇頁 明治二六年一二月 【○参照第一号 十一月一日ノ臨時会…】(DK200035k-0015)
第20巻 p.366-383 ページ画像

東京商業会議所月報  第一六号・第四―二〇頁 明治二六年一二月
○参照第一号
 十一月一日ノ臨時会議ニ於テ商業会議所聯合会参会員ヨリ提出シタル報告書ノ全文ハ左ノ如シ
過般本員等両人全会ノ附託ニ依リ神戸商業会議所ニ於テ開設セル商業会議所聯合会ヘ参会候処、其議事ノ結果ハ概略別紙ノ通リニ有之候、尤モ該聯合会議事ノ筆記ハ目下神戸商業会議所ニ於テ調査中ニテ不日印刷ノ上廻附ノ筈ニ付、委細ノ義ハ右到達ノ上御了知相成度此段及御報告候也
  明治二十六年十月二十日       参会員
                      佐久間貞一
 - 第20巻 p.367 -ページ画像 
                      中野武営
  東京商業会議所
    会頭 渋沢栄一殿
(別紙)
    本会決議
(イ)綿糸輸出税及棉花輸入税免除ノ件(別紙第一号ノ通リ)
   本件ハ堺商業会議所ノ提出ニ係リ、之ヲ会議ニ附シタルニ先ツ委員ニ調査ヲ附託シ其報告ヲ待テ之ヲ議スヘシト決シ、其後委員ヨリ報告ヲ提出シタルニ付(別紙第二号ノ通リ)更ニ之ヲ審議シタルニ、第一・二次会共全ク委員ノ意見通リニ決シ、且ツ第二次会ヲ以テ之ヲ確定議トス(本件確定ノ後更ニ協議会ヲ開キ建議並ニ請願ノ手続ヲ協議シタリ、其詳細ニ就テハ協議会決議(ル)ノ部ヲ参照スルヲ要ス)
(ロ)同業組合準則改正ノ件(別紙第三号ノ通リ)
   本件ハ神戸商業会議所ノ提出ニ係リ、之ヲ会議ニ附シタルニ先ツ委員ニ調査ヲ附托シ其報告ヲ待テ議スヘシト決シ、其後委員ヨリ報告ヲ提出シタルニ付(別紙第四号ノ通リ)更ニ之ヲ審議シタルニ、第一次会ニ於テ其大躰ヲ可決シ、第二次会ニ於テハ委員調査案ノ第七条ヲ削除シ他ハ総テ委員ノ意見通リニ決シタルガ、更ニ第三次会ニ於テ之ヲ確定セントスルニ当リ名古屋委員鈴木善六氏ノ動議ニヨリ本件ハ極メテ重大ノ問題ナルニ付、今回ノ聯合会ニ於テ之ヲ議決セス次回ノ聯合会迄延期スルモノトシ、其間各商業会議所ニ於テ充分之ヲ研究スヘシト決ス
(ハ)菓子税廃止ノ件(別紙第五号ノ通リ)
(ニ)烟草税則改正ノ件(同上)
(ホ)酒造税則附則改正ノ件(同上)
(ヘ)自家用料醤油取締ノ件(同上)
(ト)売薬印紙税則改正ノ件(同上)
   以上ノ五件ハ博多商業会議所ノ提出ニ係リ、各之ヲ会議ニ附シタルニ右ハ何レモ重大ノ問題ナルニ付、聯合会ニ於テ直ニ議決ヲ為サス之ヲ各商業会議所ヘ持帰リ其見込ニヨリ随意ニ之ヲ取捨スヘシト決シ、且ツ第一次会ヲ以テ之ヲ確定議トス
(チ)銀貨問題調査ノ件(別紙第六号ノ通リ)
   本件ハ大坂商業会議所委員ノ提出ニ係リ、之ヲ会議ニ附シタルニ先ツ委員ニ調査ヲ附託シ其報告ヲ待テ議スヘシト決シ、其後委員ヨリ報告ヲ提出シタルニ付(別紙第七号ノ通リ)更ニ之ヲ審議シタルニ全ク委員ノ意見通リニ決シ、且ツ第一次会ヲ以テ之ヲ確定議トス
(リ)横浜神戸ノ両港ニ生糸撿査所ヲ設置スルノ件(別紙第八号ノ通リ)
   本件ハ広島商業会議所委員ノ提出ニ係リ、之ヲ会議ニ附シタルニ右ハ頗ル必要ノ事項ナルニ付各会議所ヘ持帰リテ之ヲ審議シ其議決ニヨリ其筋ヘ建議並ニ請願スヘシト決シ、且ツ第一次会ヲ以テ之ヲ確定議トス
(ヌ)輸出税全廃ノ件(別紙第九号ノ通リ)
   本件ハ静岡商業会議所委員ノ提出ニ係リ、之ヲ会議ニ附シタルニ第一・二次会共全ク原案ニ決シ、且ツ第二次会ヲ以テ之ヲ確定議トス
 - 第20巻 p.368 -ページ画像 
    協議会決議
(ル)綿糸輸出税及棉花輸入税免除ノ建議、並ニ請願進達ニ関スル方法ノ件
   綿糸輸出税及棉花輸入税免除ノ件ハ本会ニ於テ可決シタルニ付、其建議並ニ請願ノ手続ヲ協議シタルニ其決議左ノ如シ
    一本件ニ係ル農商務・大蔵両大臣ヘノ建議書進達方ハ東京商業会議所ニ託シ、貴衆両院ヘノ請願書ハ可成其地方ノ両院議員ノ紹介ヲ以テ差出スコト
    一東京商業会議所ヘ託スヘキ書面ハ来十月三十一日迄ニ送附スル事
    一本件ノ大躰ハ本会ニ於テ決議シタルモ其理由ニ至リテハ各所ノ議決ニ任カスヘキ事
(ヲ)商法及民法調査ノ件(別紙第十号ノ通リ)
   本件ハ東京商業会議所参会員ノ提出ニ係リ、協議ノ末左ノ如ク決ス
    東京商業会議所先ツ民法及商法ヲ取調ヘ其結果ヲ各商業会議所ヘ通議シ、各商業会議所ハ之ニ就テ充分調査ヲ遂ケ其意見ヲ更ニ東京商業会議所ヘ通報シ、同会議所ハ之ヲ其筋ノ参考ニ供スル事
(ワ)商業会議所条例改正ノ儀ニ付其筋ヘ建議ノ件(同上)
   本件ハ東京商業会議所参会員ノ提出ニ係リ、協議ノ末左ノ如ク決ス
    第一回聯合会ノ決議ニヨリ是迄既ニ其筋ヘ建議シタル商業会議所ハ此際其筋ヘ向テ催促ヲ為シ、其後新ニ設立シタル商業会議所ハ此際更ニ其筋ヘ修正ノ建議ヲ為ス事
(カ)参州伊良胡崎ニ灯台ヲ設置スルノ件(別紙第十一号ノ通リ)
   本件ハ四日市商業会議所委員ノ提出ニ係リ、協議ノ末左ノ如ク決ス
    本件ハ要スルニ一地方ニ関スル問題ナルニ付、先ツ四日市商業会議所ヨリ三重県庁ヘ建議ヲ為シ、猶行ハレサルトキハ此事ニ関係ヲ有スル他地ノ商業会議所ニ於テモ相当ノ助勢ヲ為ス事
(ヨ)第四回内国勧業博覧会ニ参考館ヲ設クルノ件(別紙第十二号ノ通リ)
   本件ハ京都商業会議所委員ノ提出ニ係リ、協議ノ末左ノ如ク決ス
    本件ハ大躰ニ於テ之ヲ賛成スレトモ、参考館設置費用ノ計算等詳ナラサルニ付、京都商業会議所ニ於テ充分ノ調査ヲ為シタル上各商業会議所ヘ通知シ、其上ニテ各商業会議所ハ可成京都商業会議所ノ希望ヲ達スル様尽力スル事
(タ)朝鮮貿易ニ関スル西洋形船舶出入港銀低減ノ件(別紙第十三号ノ通リ)
   本件ハ赤間関商業会議所ノ提出ニ係リ、協議ノ末左ノ如ク決ス
    本件ハ我貿易ノ消長ニ関スル重大ノ事項ナルニ付各商業会議所ニ於テモ之ヲ調査シ、赤間関商業会議所ノ希望ヲ達スル様充分尽力スル事
右ノ外猶協議会ニ於テ左ノ二件ヲ決ス
(レ)東京商業会議所ハ是迄或問題ニ限リ参会スルコトヽナリ居レトモ、今後ハ全然聯合会ニ加盟セラレタキ旨東京参会員ニ託シテ同商業会議所ヘ請求スル事
(ソ)第三回聯合会ハ来明治二十七年八月ヲ期シ金沢ニ於テ開設スル事、
 - 第20巻 p.369 -ページ画像 
但聯合会規則ニ拠レハ其開期ハ毎年九月ト定メアルニ付、此規則ハ右議決ノ趣旨ニ抵触セサル様相当ニ修正ヲ加フル事
(別紙第一号)
    第二号議案
一本邦ヨリ輸出スル綿糸及外国ヨリ輸入スル棉花ハ明治廿七年四月一日ヨリ海関税ヲ免除セラレン事ヲ農商務・大蔵ノ両大臣ニ建議シ、且貴衆両議院ニ請願セントス
  明治廿六年九月 日        堺商業会議所提出
理由 綿糸輸出棉花輸入ニ係ル関税免除ノ緊要ナルハ苟クモ国家経済上ニ留意スル人士ノ夙ニ認メラルヽ所ナルヲ以テ、本案提出ノ理由ハ玆ニ喋々弁説スルノ必要無ルベシト雖トモ、審議ノ都合ヲ計リ其大概ヲ左ニ摘載スル事トセリ
一本邦製糸ノ種類中三十手以上ノ細糸ヲ紡績スルノ額ハ内地ノ需用ヲ充タスニ足ラザルヲ以テ、年々多少ノ外国綿糸ヲ輸入スルヲ免カレスト雖トモ、二十手以下ノ太糸紡出ノ額ハ現今大ニ増加シタルノミナラズ、尚ホ将来発達ノ望ミアルヲ以テ今日ニ於テ海外輸出ノ途ヲ啓カサレバ到底十分ノ進歩ヲ促シテ終ニ東洋ノ英国タル地位ニ至ラシメ難キ事
二本邦製糸ト輸贏ヲ競フヘキ対手ハ英国・印度ノ綿糸ナリトス、然ルニ英・印両国ニハ綿糸輸出棉花輸入ノ関税無キモ本邦ニハ之レアルヲ以テ売買計算上勝算ヲ占ム可ラサルノミナラス、延ヒテ業務ノ発達ヲ阻碍スル事
三印度綿糸ハ其原料ヲ自国ノ豊富ナル産綿ニ採ルヲ以テ品種ノ撰択自由ナルノミナラズ、日々市場ニ就テ当期需用ノ数量ヲ購入シ得、且市場ノ昂低ニ付テモ亦其宜キヲ制スルヲ得ヘキモ本邦綿糸ノ原料ハ之ヲ海外ニ仰クヲ以テ以上ノ便宜ヲ占メ得ザルハ勿論、却ツテ輸入運搬費輸入税ヲ支払ハサルヲ得サルノ不利アル事
四印度・英国ニハ輸出入ノ関税無キヲ以テ自国ノ産糸ヲ外国ニ輸入スルニハ単ニ輸入地ニ於テ若干ノ関税ヲ支払フニ過ギザルモ、本邦産ノ綿糸ヲ海外諸港ニ輸入センニハ独リ輸入地ニ於テ関税ヲ支払フニ止マラス、既ニ本邦税関ニ支払ヒタル原綿輸入・製糸輸出ノ両税ヲ合スルトキハ恰モ三倍ノ関税ヲ支払ハサルヲ得サル事
五棉花輸入・綿糸輸出ノ両関税ヲ除カバ忽チ国庫ノ収入ヲ減殺シ国家経済上ニ不利ヲ招クナルモ、是レ唯皮相ノ見タルニ過ギズ、本邦製糸ハ未タ嘗テ海外ニ輸出セズ(若干ノ見本品ヲ輸出シタル事アルモ)従ツテ輸入税金ヲ国庫ニ収入シタル事無キヲ以テ、此際輸出関税ヲ廃シタリトモ国庫実収ニハ毫モ影響ヲ及ボスベキモノニアラズ、且又棉花輸入税ノ廃止ニ付テハ一旦国庫ノ収入ヲ殺クカ如キ仮相ヲ現スル事アルモ、此関税ノ廃止ノ為ニ将来本邦紡績業ノ発達シテ外国綿糸ノ輸入ヲ全ク防遏シ、尚ホ進ンテ多量ノ綿糸ヲ海外ニ輸售シ得ルニ至ラバ従前輸入綿糸ノ為ニ占メラレタル工費ハ将来本邦ニ収得スヘキノミナラズ、且海外ニ輸出スル綿糸ノ工費ヲモ亦之ヲ占収シ得ヘキヲ以テ、此利得ハ国庫収入ノ減額ヲ補償シテ尚ホ余リアルニ至ルヘキ事
六棉花輸入税免除ノ結果ハ外綿ノ輸入ヲ促シテ本邦綿ノ産額ト価格ニ
 - 第20巻 p.370 -ページ画像 
障害ヲ及ホスヘシトスルモノアリト雖モ、本邦綿ト外国綿ハ紡績上用途ヲ異ニスルヲ以テ甚シキ利害ノ関係無キモノトス、是レ既往ノ実況ニ就テ観察スルモ外綿輸入ノ数年々増加スルニ拘ハラズ本邦綿ノ産額及其価格ニ甚シキ影響ヲ及ホス事無キヲ以テ証シ得ベキ事
以上ハ本案ヲ提出シタル理由ノ大綱ナリトス、其計算・統計等ノ詳細ハ出席委員ヨリ供出スベク且ツ各地出席員ノ予テ調査セラレタルモノモアルヘキヲ以テ相合シテ本案ノ主旨ヲ貫徹セシメン事ヲ冀望スルモノトス
  (統計表ハ之ヲ略ス)
(別紙第二号)
  第二号議案棉花輸入及綿糸輸出関税免除ノ件調査報告
 兼テ附託セラレタル第二号議案ニ就キ調査ヲ遂ケ候処、委員ハ別紙ノ通リ之ニ修正ヲ加フルヲ相当ナリト議決仕候、此段別紙ヲ添ヘ及報告候也
  明治二十六年九月廿八日
               調査委員
                大阪商業会議所
               三番     金沢仁兵衛
                京都商業会議所
               十一番    中村栄助
                四日市商業会議所
               廿六番    伊藤伝七
                東京商業会議所
               三十一番   佐久間貞一
                岡山商業会議所
               三十三番   谷川達海
  商業会議所聯合会
    会頭 山本亀太郎殿
  第二号議案
 一本邦ヨリ輸出スル綿糸及外国ヨリ輸入スル棉花ハ明治二十七年四月一日ヨリ海関税ヲ免除セラレン事ヲ農商務・大蔵ノ両大臣ニ建議シ、且貴衆両議院ニ請願セントス
  理由 綿糸輸出・棉花輸入ニ係ル関税免除ノ緊要ナルハ苟クモ国家経済上ニ留意スル人士ノ夙ニ認メラルヽ所ナルヲ以テ、本案提出ノ理由ハ玆ニ喋々弁説スルノ必要無カルヘシト雖モ、審議ノ都合ヲ計リ其大概ヲ左ニ摘載スル事トセリ
 一本邦製糸ノ種類中三十手以上ノ細糸ヲ紡績スルノ額ハ未タ内地ノ需用ヲ充タスニ足ラサルヲ以テ、年々多少ノ外国綿糸ヲ輸入スルヲ免カレスト雖トモ、既ニ廿手以下ノ太糸紡出ノ額ハ現今十分発達シ尚ホ将来細糸モ愈々発達ノ状勢アリ、故ニ今日ニ於テ大ニ海外輸出ノ途ヲ啓キ終ニ東洋ノ英国タル地位ニ進マシメサルヘカラサル事
 二本邦製糸ト輸贏ヲ争フヘキ強大ノ敵手ハ英国・印度ノ綿糸ニシテ英・印両国ニハ綿糸輸出・棉花輸入ノ関税ナキモ、本邦ニハ両ナ
 - 第20巻 p.371 -ページ画像 
カラ之アルヲ以テ為メニ原価ヲ低廉ナラシムル能ハスシテ競争上必勝ヲ期シ難ク、従テ本業ノ発達ヲ阻碍スルノ虞アル事
 三今日本邦ト最モ競争上第一敵手タル印度綿糸ト本邦綿糸ト製出上ノ利害得失ヲ比較スルニ、印度綿糸ノ得点ハ概ネ左ノ如シ
  一印度綿糸ノ原料ハ自国ノ産綿ナルヲ以テ第一価格ノ低廉ニシテ且日々市場ニ就キ市価ノ昂低ヲ観察シ自由ニ品種ヲ撰択スルノ便利アル事
  二資本豊富ニシテ金利ノ低キ事
  三印度ノ紡績業ハ其由来久シクシテ、本邦ヨリモ職工ノ経験ニ富ミ斯業ニ熟練スル者多キ事
 又本邦ノ印度ニ優ル処ノモノヲ挙クレハ大略左ノ如シ
  一工銀ノ低廉ナル事
  二石炭ハ自国ノ産出ナルヲ以テ廉価ニ使用シ得ル事
  三紡績機械ハ新規改良セルモノヲ使用シアル事
 斯ノ如ク各其得処ヲ比較シ来レハ、本邦ハ原料ヲ外国ニ仰クヲ以テ従前本邦綿糸ニ要スル処ノ諸費ハ印度綿糸ニ要スル費額ヨリモ多キカ如ク、加フルニ輸出入税ヲ負担セザルベカラザルヲ以テ未タ之ヲ外国市場ヘ輸出シテ輸贏ヲ戦ハシムルノ機会ヲ得ル能ハザリシモ、嚮キニ印度ノ貨幣制度ヲ変更シ留貨ノ俄ニ騰貴セシ為メ銀貨下落シテ銀貨国タル本邦及支那等ニ於テハ形勢全ク一変シテ、印度ニ於テハ従前ノ原価ニ凡ソ十二弗ヲ増加セザレハ支那ヘ輸出シテ利益ヲ観ル能ハザレトモ、本邦綿糸ハ之ニ反シテ原料タル棉花ヲ印度ニ仰クニモ拘ハラズ、綿糸ノ原価ニ凡ソ拾円ヲ増加スレバ之ヲ外国市場ヘ輸出シテ販売スルヲ得ルニ至リタリ、然ルニ本邦輸出入税ノ存スル為メ此千歳一遇ノ時運ニ遭遇スルモ之ヲ外国市場ヘ輸出シテ大ニ競争裏ニ籏幟ヲ張ル能ハザルハ寔ニ遺憾ニ堪ヘサルナリ、否遺憾ニ堪ヘザルノミナラズ国利民福ヲ進捗スル能ハザルナリ、況ンヤ印度ニ於テハ近来本邦綿糸ノ製産年々増加スルノ勢アルヲ以テ、大ニ工費ヲ減シテ其原価ヲ低クシ本邦製出ノ綿糸ヲ圧セントシ、頻リニ諸費ヲ省キ且昼夜機械ヲ運転シテ此目的ヲ達セントスルノ計画ヲナス者アリトノ事ハ孟買刊行ノ新聞紙上ニ報道スル処ナリ、果シテ然ラハ本邦ニ於テハ此際一層原価ヲ低廉ニシ之レニ当ルノ策ヲ講セサルヘカラス、其方案タル即チ棉花及ヒ綿糸ノ輸出入関税廃除ヲ措イテ決シテ他ニ良策アラサル事
四輓今本邦紡績業発達ノ著大ナルハ事実ノ掩フヘカラサルモノナルヲ以テ別ニ喋々ヲ要セス、即チ本年四月中ノ調査ニ依レハ
   資本金総額     一四、二五一、九四〇円
   此払込金額      九、八〇一、四四〇円
   運転錘数         三六〇、〇〇〇本
   昨廿五年製出高      二一四、九一七捆《(梱)》(一梱ハ四十八貫目)
 ニシテ、此工銀二百一四万九千百七十円ト外ニ資金ニ対スル利益ノ配当金トハ即チ本邦ノ国富ヲ増加スルモノナリ、左レハ目下機械据付ケ中ノモノ及ビ増設計画中ノモノトヲ合計スレバ実ニ六十五万七千二百〇四本ノ錘数トナリ、一ケ年ノ製出高四十一万〇七百五十二
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捆半、此工銀四百十万七千五百廿五円ニシテ、之ニ利益金ヲ合算スレハ其額頗ル著大ナルヘキナリ、然リ而シテ之カ販路ヲ求ムルニハ支那最モ適当ノ地ニシテ単ニ昨廿五年中外国ヨリ支那上海ニ輸入セシモノヽミヲ以テスルモ二十三万一千五百七十八捆ナリ、之ニ牛荘寧波、其他諸港ニ輸入セシモノ及支那内地手績糸等ヲ加算スルトキハ其数幾倍ナルヤモ知ルヘカラス、故ニ此等ヲ併セテ今仮リニ上海輸入ノ額ヲ三倍スルモノトスルモ七十万捆ハ支那内地ヘ本邦製糸ヲ輸出スルニ足ルヘキ好華主ナル事毫モ疑フヘカラサル事実ナリ、左レハ此工銀ノミニテモ七百万円トナリ、之ニ在来ノモノヲモ加算スレハ一千一百十万七千五百廿五円ノ巨額ニ上リ、為ニ労働者数十万人ノ活路ヲ開キ国富ヲ増進スルニ足ル事
五棉花輸入綿糸輸出税ノ全廃ニ反対スルモノヽ口ヲ藉ル処ハ、外国産棉ノ輸入増加スルニ従ヒ本邦棉作ヲ減退セシムルニ足ルヘシトノ説其根拠ナルカ如シト雖トモ、是レ全ク皮相ノ見タルニ過キス、其故如何トナレハ本邦ノ産棉ハ米国及印度産ト頗ル素質ヲ異ニシ、繊緯短疎ニシテ細糸ヲ績クニ適セサルヲ以テ太糸紡績ノ原料ニ使用スルハ勿論ナルモ、近時本邦ノ紡績業大ニ発達シテ細糸ノ需用著シク増加セシ為メ、其原料ヲ専ラ印度及米国産ニ採ルニ至リタリ、故ヲ以テ目下本邦ノ産綿ノ用途ハ太糸紡績ト農民ノ自家用料其多キニ居リ他ハ蒲団衣服ノ中入用ニ充ツル等別ニ用途ノ在ルヲ以テ外国産綿ノ輸入何程増加スルトモ、(年ノ豊凶ハ別段)概シテ本邦産綿ノ用途ヲ縮少シ若クハ大ニ産額ヲ減却スル事ナキハ実地ニ徴シテ明ナリ、前年印度孟買綿ノ市価拾三円ナルトキ本邦綿ハ拾六七円ノ価格ナリシカ、現時孟買綿ハ廿円ニ騰貴セシモ本邦綿ハ依然拾六七円ノ価格ナルヲ以テ視ルモ其用途ノ異ナル所以ヲ証スルニ足ルヘク、輸出入税廃除ノ結果ハ本邦綿作ニ影響セサルコト明瞭ナリ、此他綿糸ノ輸入ヲ防圧スルノミナラス、却テ輸出ヲ増大ニスルト共ニ近年綿布輸出額ノ増進セントスル状勢ハ実ニ驚クヘキ結果ニシテ其等ハ別表ヲ以テ参考ニ資ス、之ヲ要スルニ此問題タル実ニ百利アリテ一弊ナク、国家百年ノ長計タルニ拘ハラス政府カ漫然看過スルカ如キノ傾向アルハ何ソヤ、宜シク此時ニ於テ輸出入税ヲ廃除シ、大ニ当業者ヲ奨励シテ海外輸出ヲ拡張セサレハ他日必ラス噛臍ノ悔アル事鏡ニ懸テ見ルカ如シ
 又棉花輸入・綿糸輸出ノ両関税ヲ除カハ、国庫ノ収入ヲ減殺シ国費多端ノ折抦政費ニ支障ナキ能ハサルヤノ杞憂ヲ抱クモノアレトモ、本邦製糸ハ曾テ見本品トシテ僅少ノ数量ヲ輸出セシ外未タ輸出セシ事ナキヲ以テ其実国庫ノ収入ニ影響スル処ナシ、独リ其輸入税ニ於テハ三十余万円ヲ減スヘシト雖トモ、前述ノ如ク反テ巨多ノ職工労銀ヲ国内ニ収入シ、国力ヲ増進スルノ事実アルヲ以テ今日ニ於テ決シテ関税ノ廃除ニ躊躇スヘキ時機ニアラサルハ我々実業社会ノ深ク信シテ疑ハサル事
(別紙第三号)
    第一号議案         神戸商業会議所提出
    同業組合準則改正ニ関スル意見
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 明治十七年農商務省達第三十七号同業組合準則ハ当初全ク実地ノ応用ヲ便ニセン為メ単ニ其大綱ヲ示サレタルモノナルヘキヲ以テ、文意ノ簡約ナルハ固ヨリ当然ナルヘシト雖トモ、其之レヲ重要物産ニ限リ適用スルカ如キハ最モ欠点ニシテ、竟ニ重要商品ニモ適用セサルヘカラサルノ止ムヲ得サルニ至リタル所以ナリ、然リ而シテ該準則タル当時同業組合ノ漸ク隆興セントスルニ際シ、動モスレハ其目的ヲ達スル能ハスシテ半途ニ挫折スルモノアルヲ以テ、深ク其将来ヲ慮リ地方官ヲシテ一定ノ方針ニ拠リ其取扱ヲ慎重ニシ組合ノ発達ヲ指導奨励セシメンカ為メニ訓令セラレタルモノナルヘキヲ以テ、地方官カ管内ニ布達セシ直接ノ関係アル同業組合準則ヲ差置キ、直ニ此訓令ニ対シテ改正ノ意見ヲ云々スルハ事ノ順序ニ於テ聊カ穏当ナラサルカ如シト雖トモ、之ヲ要スルニ各地方官カ管内ニ布達セシ同業組合準則ハ輙チ此訓令ヲ伝達セシモノニ外ナラサレハ、宜シク先ツ之カ根幹タル訓令ヨリ改正セサルヘカラサルハ自然ノ理勢ナルヲ以テ、之カ改正ノ意見ヲ主務大臣ニ開申セント欲ス、而シテ其改正ヲ希望スル要項左ノ如シ
 一、同業組合準則第九条(同業組合ニ於テ聯合会ヲ設ケ)ノ下、其規約ノ上ニ(若クハ聯合組合ヲ結ヒ)ノ十字ヲ挿入セント欲ス
   (理由)本条ノ如ク単ニ聯合会ノ名称ヲ以テスルトキハ一時ノ必要ニヨリテ組織スルモノニ限ルノ嫌ナキ能ハス、然ルニ実際常設スルモノヽ如キ聯合会ト称センヨリハ寧ロ聯合組合ト称スルノ穏当ナルヘキヲ以テナリ
 二、同第九条ノ次ヘ左ノ壱条増加スルヲ要ス
  第十条、此準則ハ専ラ県内重要物産及重要商品ノ改良発達ニ関スル農商工業者ノ組合ニ限リ適用スルモノトス
   (理由)本条ハ明治十八年農商務省達第三十五号ノ本文ニ重要物産ノ改良云々トアルヲ、中頃一変シテ重要商品ニ適用セシニモ拘ハラス、尚其本文ニ重要物産トノミアリテ依然製産地ニ限レルカ如キノ嫌ナキ能ハサルヲ以テ、玆ニ之レヲ改正セント欲スル所以ナリ
 三、同第十条ノ次ヘ左ノ壱条増加スルヲ要ス
  第十一条、商業会議所々在ノ地ニ於テ組合規約ノ認可ヲ請フモノアルトキハ、地方長官ハ必ラス商業会議所ノ意見ヲ諮問スヘシ
   (理由)本条増加ヲ要スル所以ハ従前ニ於テモ組合設立ノ要否及規約ノ条項等ニ対シ往々諮問アリタリト雖トモ、或ハ諮問セサルコトアリテ其取扱一様ナラス、然ルニ此等組合規約ハ実業上最モ重大ノ件ニシテ、之レカ当否ヲ審議査定スルハ会議所本然ノ任務ナルヘシト認ムルヲ以テナリ
 以上陳述セシ処ノ外、組合員多数ナルトキ議員ヲ選挙スルヲ得ル事組合員違約処分ノ制限ヲ設クル事及組合会議ニ代人ヲ出席セシムルヲ得ル事等、之レニ附帯スル要件頗ル多シト雖トモ、此等ハ尚詳細ニ査定シテ組合規約書標準ヲ編製シ之レニ掲示セラレン事ヲモ開申セント欲スルヲ以テ、玆ニ之レヲ詳陳セス
(別紙第四号)
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 兼テ附託セラレタル第一号議案ニ就キ調査ヲ遂ケ候処、委員ハ別紙ノ通リ修正ヲ加ヘ更ニ之ヲ勅令若クハ省令ヲ以テ定メラレンコトヲ各商業会議所ヨリ農商務大臣ヘ建議スルヲ相当ナリト議決仕候、此段別紙ヲ添ヒ及報告候也
  明治二十六年九月二十七日
                   調査委員
                      伊喜見文吾
                      中村栄助
                      藤沢七左衛門
                      鈴木善六
                      榑林宇太郎
                      酒井岩造
                      佐久間貞一
    商業会議所聯合会々長 山本亀太郎殿
    同業組合規則案
 第一条 農工商ノ業ニ従事スル者ニシテ同業ヲ営ミ、其営業上ノ利害ヲ共ニスル者、組合ヲ設ケントスルトキハ、適宜ニ地区ヲ定メ其地区内同業者三分ノ二以上ノ同意ヲ以テ規約ヲ作リ管轄庁ノ認可ヲ請フ可シ
 第二条 同業組合ハ同盟中営業上ノ弊害ヲ矯メ、其利益ヲ図ルヲ以テ目的ト為ス可シ
 第三条 同業組合ノ規約ニ掲クヘキ事項ハ左ノ如シ
  第一項 組合ヲ組織スル業名及組合ノ名称
  第二項 組合ノ地区及事務所ノ位置
  第三項 目的及方法
  第四項 役員ノ選挙法及権限
  第五項 会議ニ関スル規程
  第六項 加入者及退去者ニ関スル規程
  第七項 費用ノ徴収及賦課法
  第八項 違約者処分ノ方法
  右ノ外組合ニ於テ必要トナス事項
 第四条 組合ノ設ケアル地区内ニ於テ組合員ト同業ヲ営ミ営業上ノ利害ヲ同フスル者ハ必ス其組合ニ加盟スヘシ
   但事業ノ目的及方法ヲ異ニスルカ為メ加盟シ難キカ、或ハ加盟ヲ拒ムベキ事情アルトキハ管轄庁ニ申出テ其認定ヲ請フヘシ
 第五条 同業組合ハ同業組合ノ資格ヲ以テ営利事業ヲ為ス事ヲ得ス
 第六条 同業組合ハ総テ其事蹟及費用決算表ヲ毎年管轄庁ニ報告ス可シ
 第七条 同業組合員ハ規約ヲ遵守シ、費用ヲ負担スルノ義務アルモノトス
 第八条 規約ヲ改正スルトキハ更ニ認可ヲ請フ可シ
 第九条 分立又ハ合併スルトキハ更ニ規約ヲ作リ認可ヲ請フヘシ
 第十条 同業組合ニ於テ聯合会ヲ設ケ其規約ヲ作ルトキハ管轄庁ノ認可ヲ請フ可シ
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   但其聯合二府県以上ニ渉ルトキハ開会地管轄庁ヲ経由シテ農商務省ノ認可ヲ請フ可シ
 第十一条 商業会議所々在ノ地ニ於テ組合規約ノ認可ヲ請フ者アルトキハ、地方長官ハ商業会議所ノ意見ヲ諮問スヘシ
 第十二条 本則第四・第五・第七条ニ違犯シタル者ハ金弐円以上弐拾五円以下ノ罰金ニ処ス
(別紙第五号)
    全国商業会議所ニ於ケル税法改正ノ議題取調
 一菓子税廃止ノ件
  現行菓子国税ヲ廃シ、之レヲ地方税ニ編入シテ、各地方其情況ニ随ヒ適宜ニ之レヲ賦課スル事今日該営業ノ有様ニ於テ已ムヲ得ザル所ナリトス、即チ全国菓子営業者ノ類別左ノ如シ
   菓子製造業            七万百六十五人
    此内雇人ナク自己壱人ニテ製造ニ従事スルモノ
                 六万五千四百七十八人
   卸業者             八千五百五十五人
    此内雇人ナク自己一人ニテ汗ヲ流ス者
                   八千三百四十九人
   小売業          十二万九千二百七十六人
    此内雇人ナク独リテ立働クモノ
                  十二万九千九十八人
 右ハ全国ニ於ケル菓子営業者ノ有様ナリ、之レヲ福岡県下ニ見ルニ左ノ如シ

   菓子製造業           四千八百四十八人
    此内雇人六人以上ノ者壱人、同三人以上ノ者七人、同二人ノ者三十人、同一人ノ者七十七人ニシテ、即チ雇人ナク自己一人ニテ従事スル者四千七百三十八人
   卸売業                百二十二人
    此内雇人一人ヲ置ク者一人
    其他ハ皆独リデ立働ク者ナリ
   小売商             二千四百九十八人
    此内雇人一人ヲ置ク者壱人ニシテ、余ハ皆ナ独リ労働スル者ナリ
 右二表エ《(ニ)》就テ見レハ、菓子税ノ実ニ細民税タルコト明白ナリトス
  又全国菓子製造人七万百六十五人ノ一ケ年売上金高ハ七百六十八万八千七百四拾円ナリ、之レヲ営業人員ニ割当ツレハ一人壱ケ年ノ売上金高百九円余ニ過キサルナリ、亦以テ営業ノ最モ細微貧弱ナル職商タルヲ知ルニ足ル
   而シテ其税金ハ左ノ如クニシテ(廿二年ニ就テ)実ニ一人別五円四拾銭弱ニ当タルナリ
    菓子製造営業人員及税額表     (大蔵省主税局納)
  年次   製造営業人員      製造税額
            人         円
  十八年  九九、六一六  一四九、六六四・二〇〇
  十九年  六六、〇五二  三一二、一一一・七〇〇
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  二十年  六二、五一二  三五七、八四九・三〇〇
  廿一年  五九、二〇三  三八四、四三七・八〇〇
  廿二年  七〇、一六五  三七八、五五五・〇〇〇
  此他税則ノ煩雑ナル、営業者ノ困難多キハ言ヲ待タズ、之レガタメ往々不正業者ヲ出スアリ、正業者殊ニ一層ノ困難アリト云フ、之ヲ要スルニ今日菓子国税ハ第一細微ノ人民困難ニ堪ヘス、而シテ税法ノ弊ハ容易ニ改正シ難シ、寧ロ之レヲ廃止シテ地方税ニ編入シ以テ各地方適宜ニ課税ノ率ヲ定メシムルハ誠ニ已ムヲ得ザルノ急務ナリト信ス、故ニ本会議所ハ全国商業会議所聯合会ノ決議ヲ以テ大蔵大臣ニ建議シ、及ヒ第五帝国議会ニ請願スルノ必要ヲ認ム
 一煙草税則改正ノ件
  改正案ノ骨子ハ、現行刻煙草ニ課税スルノ法ヲ改メ、市場ヲ設ケテ葉煙草ニ課税スベシト云フニアリ、是レ当業者ノ利害ニ関スル最モ重大ナルハ勿論、税法ノ得失ニ繋ル亦大ナリ、決シテ軽忽ニ為スベキ事ニ非ズ、該改正ノ果シテ能ク税法改良ノ実ヲ挙ゲ得ルヤ、否ヤ甚タ覚束無ク、殊ニ市場新設ノ如キハ容易ノ事ニ非ズ、且ツ当地方当業者ノ如キ現行課税ニ大苦情アルヲ見ズ唯タ小売商ニ都鄙大小ノ別ナク均一ノ国税ヲ賦課セラルヽヲ苦痛トスルガ故ニ、之レヲ地方税ニ編入セラルヽ歟、又ハ売上高ニ応シテ小売商ノ等級ヲ立テ、以テ都鄙大小ノ別ヲ得タシトノ希望アリト雖モ、是レ自カラ別問題ニ属セリ、故ニ本会議所ハ姑ク現行法ニ従フヲ以テ已ムヲ得サル事トシ、該改正案ヲ賛成セズ
  又該改正案ニ就キ現行ノ包紙規則ハ煙草ニ虫又ハ黴ヲ生セシムト云フト雖モ、実際ニ於テ包紙ノ方反ツテ虫又ハ黴ヲ生セザルカ如シト当業者ノ物語レリ、参考ノタメ一言シ置ク
 一酒造税則附則改正ノ件
 一自家用料醤油取締ノ件
 一売薬印紙税則改正之件
  右ハ姑ク現行法ニ従フヲ可トス、固ヨリ軽忽ニ異動ヲ主張スルヲ好マス
                    博多商業会議所
(別紙第六号)
 本年十二月ヲ期シ各地商業会議所ニ於テ銀貨問題及ヒ本邦貨幣制度ニ関スル意見ヲ一定シ、内閣総理大臣並ニ大蔵大臣ニ開申スル事
  若シ必要ヲ認ムルトキハ貴族・衆議ノ両院ヘモ之ヲ開申スル事
  理由
  銀貨問題ハ世界ノ大問題ナリ、其ノ影響スル所極テ広ク其ノ作力痛タ強キモノニシテ、直接ニハ経済社会ノ休戚之ニ依リテ決シ、間接ニハ政治上、世態上各般人事ノ隆替ヲ左右スルニ足ルモノナリ、殊ニ我カ国ノ如キ現実ニ銀貨ヲ専用スル所ノ邦国ニ在リテハ国家経済ノ上ヨリスルモ、将タ又個人経済ノ上ヨリスルモ利害得喪ノ関スル所実ニ大且ツ切ナルモノアリ、既ニ利害得喪ノ関スル所ニシテ大且ツ切ナルヤ我カ一般国民、就中、我カ商民タル者豈
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ニ最モ熱心ニ最モ綿密ニ斯問題ヲ考究シ、以テ之ニ処スルノ方策ヲ講セスシテ可ナランヤ
  世上伝フル所ニ拠レハ或ハ銀価下落ヲ以テ我ニ利アリト為シ、従テ計算自ラ疎漏緩慢ニ失スル者アリ、或ハ銀価下落ヲ以テ我ニ大害アリトシ、急進以テ我カ貨幣制度ヲ改メ金貨本位制タラシムルノ利ヲ唱フル者アリ、其ノ説紛々徒ラニ世人ヲシテ適従スル所ヲ知ラサラシム、夫レ貨幣ハ国家ノ血液ナリ、故ニ其ノ現行制度ノ適否ヲ論スルニ方リテヤ、達観以テ内外ノ状勢ヲ察シ細心以テ国家百機ニ及ホス所ノ関係作用ヲ詳ニセサルヘカラス、若シ不幸ニシテ斯問題ノ一側ヲ観テ漫然事ヲ処スルカ如キアラハ、其ノ社会ノ組織秩序ヲ攪乱シ国利民福ノ発達ヲ阻碍スルコト決シテ鮮少ニアラサルナリ、思ハスンハアルヘカラス
  聞ク我カ政府ニ於テモ斯問題ノ軽々ニ断定スヘカラサルヲ察シ、或ハ貨幣制度調査委員ナルモノヲ設ケ十分其ノ実相真係ヲ査定セシメントスト、是レ固ヨリ余輩ノ希望スル所ナリ、然リト雖モ熟熟斯問題ノ性質ト其ノ影響ノ波及スル所ノ社会ノ種類トヲ考ヘ、併テ今日趨勢ノ赴ク所ヲ察スレハ、今日ハ是レ我カ商民タル者ノ決シテ袖手傍観シテ止ムヘキノ秋ニアラサルナリ、自ラ進ミ自ラ奮ヒ及フ限リ心力ヲ尽シテ金銀両貨ノ過去現在及ヒ将来ヲ討究シ我カ国情殊ニ商工実業ノ状態ニ鑑ミ以テ我カ貨制ニ関スル意見ヲ一定シ、直接ニ商業社会ノ利益ヲ保全シ、間接ニ一般国民ノ幸福ヲ安固ナラシムルヲ謀ルヘキナリ、若シ夫レ当局者若クハ調査委員等ノ為ス所ニ一任シテ、毫モ自ラ顧慮スル所ナキカ如キハ決シテ真ニ我カ国家ニ尽スノ道ニアラサルナリ、否ナ国家ニ尽スノ道ニアラサルノミナラス、亦決シテ商民各自ノ利福ヲ全クスルノ道ニアラサルナリ
  是ヲ以テ各地商業会議所ニ於テ十分斯問題ヲ研究シ、一方ニハ一般商民ノタメ、一方ニハ国家経済ノタメ其ノ是ナリト認ムル所ヲ開申シテ、当路者ノ反省ヲ促スノ最モ必要ナルヲ信ス、啻ニ必要ナルヲ信スルノミナラス実ニ商業会議所ナルモノヽ当ニ務ムヘキノ本道ナリト信シテ疑ハサルナリ、希ハクハ諸君幸ニ本案提出ノ精神ノ在ル所ヲ諒察シ、全会一致以テ本案ヲシテ通過セシメラレンコトヲ
               提出者
                大坂委員  浮田桂造
               賛成者
                神戸委員  山本亀太郎
                京都    中村栄助
                名古屋   堀部勝四郎
 参考
 調査討究ノ便宜参考ノタメ、試ニ項目ヲ挙クレハ左ノ如シ
 (一) 銀価下落ノ我カ実業社会(農工商業)ニ及ホス所ノ利害
 (二) 銀価下落ニシテ若シ利ナラハ其ノ利ハ一時ノモノナリヤ、将タ永ク継続スヘキモノナリヤ
 - 第20巻 p.378 -ページ画像 
 (三) 若シ害アラハ其ノ害ハ一時ナリヤ、将タ永ク継続スヘキヤ
 (四) 若シ利害ヲ較査シ其ノ害ニシテ大ナラハ我カ貨幣制度ヲ改ムルノ必要アリヤ
 (五) 貨幣制度ヲ改ムルノ必要ナシトセハ、其ノ理由如何
 (六) 之ヲ改ムルノ必要アリトセバ
      (甲) 純乎タル金貨単金制度ヲ採ルヘキカ
      (乙) 金銀両金制度ヲ採ルヘキカ
      (丙) 或ル一種ノ折衷制度ヲ採ルヘキカ
 (七) 右三法中其ノ孰ヲ採ルトセハ、其ノ理由如何
 (八) 其ノ孰ヲ採ルトセハ今日ハ断然之ヲ実行スルノ好時期ナリヤ
 (九) 時期好カラサルモ強テ之ヲ決行スルノ必要アリヤ
 (十) 又ハ今日ニ在リテハ予メ其ノ孰ヲ採ルヘキカヲ決定スルニ止メ、漸々改正ノ準備ヲ為シ置キ他日好機ノ到ルヲ待チテ改正ヲ挙行スルヲ可トスヘキカ
(別紙第七号)
    報告
 一各商業会議所ニ於テ銀貨問題及本邦貨幣制度ニ関スル事項ヲ調査シ其利害ヲ研究スル為メ、調査委員ヲ設クル事
 二右ニ関スル調査順序其他ノ件ニ関スル方案起草ハ東京・大阪・京都・神戸・名古屋ノ五会議所ニ委託シ、右草案脱稿ノ上ハ直ニ右五会議所ヨリ各会議所ニ通議スル事
 三各会議所調査委員ノ調査結了セハ商業会議所聯合会ヲ開キ其意見ヲ審議シ、必要ト認ムルトキハ政府ニ建議シ、又ハ貴衆両院ヘ請願スル事
 右委員会ノ決議報告候也
  明治廿六年九月廿七日
                   調査委員
                      社家間善次郎
                      岡田元太郎
                      早川智寛
                      野村喜一郎
                      中野忠八
                      中野武営
                      田中市兵衛
    会頭 山本亀太郎殿
(別紙第八号)
 横浜・神戸ノ両港ニ生糸撿査所ノ設置ヲ希望スル意見ヲ政府ニ開申シ及貴衆両院ヘ請願スル事
  (理由略ス)
            提出者 広島委員  岡野七右衛門
            賛成者 赤間関委員 伊藤房次郎
                尾ノ道委員 石井聿三
                博多委員  社家間善次郎
                神戸委員  岡田元太郎
 - 第20巻 p.379 -ページ画像 
(別紙第九号)
    輸出税廃止希望ノ件
 輸出税廃止ノ意見ヲ大蔵・農商務両大臣ヘ開申シ及貴衆両院ヘ請願スル事
  (理由)現行海関税法ハ我国外国貿易上ノ発達ヲ図ルノ精神ナキ時代ニ定メラレタルモノニシテ、今日ニ在テハ最モ不適当ニシテ貿易ノ発達ヲ害スルノ税法ナリト信ス、故ニ輸出税ノ廃止ヲ希望スルモノナリ(詳細ノ理由ハ過日配付ノ意見書ヲ参看アリタシ)
 右提出ス
  明治廿六年九月廿八日
                    提出者
                静岡委員  榑林宇太郎
                    賛成者
                大坂委員  浮田桂造
                広島委員  岡野七右衛門
                金沢委員  野村喜一郎
                仙台委員  早川智寛
                浜松委員  中村忠七
                四日市委員 伊藤伝七
(別紙第十号)
 一商法及民法中修正ヲ要スヘキ条項ハ各会議所ニ於テ之カ調査ヲ為シ、可成通議ヲ遂ケ実業者輿論ノ在ル所ヲ貫徹スルコトヲ勉ムル事
 一各商業会議所ヨリ其筋ニ向テ商業会議所条例ノ修正案ヲ帝国議会ヘ提出セラレン事ヲ建議スル事
 右両件東京商業会議所ノ決議ニ依リ、聯合会員諸君ヘ御協議致シ度ニ付、何卒協議会御開キ相成候様致度、此段及請求候也
  明治廿六年九月廿五日    東京商業会議所参会員
                      佐久間貞一
                      中野武営
    会頭 山本亀太郎殿
(別紙第十一号)
    灯台設置ノ建議書
                 提出者
                   四日市商業会議所
 我日本帝国ノ地タル四面環ルニ海ヲ以テシ、宛然一大巨船ノ如シ、是ヲ以テ貨物ノ運搬ハ概シテ便ヲ航路ニ取ラサルハ無シ、就中東海道即太平洋ニ面スル諸国ハ最モ戸口繁殖シ随テ商業者ノ事業鋭敏ナリ、加之北海ハ潮流急激海運ノ危険ナルヨリ翻ツテ道ヲ東海ニ取ルノ便且安全ナルニ頼ルヲ以テ本邦中央ノ運輸ハ多ク東海ニ在リト云フモ甚タ過言ニアラサルヘシ、然リ其内最要港トスル所ノ者ハ東京湾ヲ除クノ外、伊勢湾第一ニ位スヘシ、而ルニ伊勢湾ノ海門タル東三州伊良胡崎ト、西志州鳥羽港ノ間僅ニ九海里ニ過キスシテ、中間尾州師崎岬突出シ伊勢湾ト衣浦ノ分界ヲナシ、伊勢湾ハ荅志島・菅
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島・神島・桃取ノ諸島排列シ衣浦口ハ篠島・日間賀島・佐久島・亀島ノ諸島碁布スルヲ以テ小嶼暗礁出没無数航路ノ狭隘危険実ニ名状スヘカラス、然リ三州大山灯台・志州菅島灯台アリト雖モ海霧陰晦ニ際スル時ハ昼間ト雖トモ進航容易ナラサルヨリ或ハ誤テ覆没破壊スル者往々ニシテ之レアリ、故ニ四日市商業会議所ハ玆ニ其必要ヲ認メ本会ノ共賛ヲ得テ灯台ノ新設ヲ希望スルノ考案ヲ左ニ略陳ス
 灯台新設場所ハ東経百三十七度三十秒、北緯三十四度三十四分五十秒ノ位置ニシテ、即チ三州伊良胡崎西南端ヲ以テ最良ノ位置ナリトス、該岬ハ三重県四日市港ヲ去ル三十海里、愛知県半田港ヲ去ル十八海里ニシテ、志州神島ト相対シ其間距離纔ニ二海里四分一ニ過キス、然ルニ神島附近ノ海中暗礁散在セルヲ以テ安全ナル通路ハ僅ニ一海里四分一ニ出デス、加之潮流急激ナルヲ以テ勢・尾・三ノ諸港ニ出入スル船舶ハ最モ玆ヲ戒心スヘキ悪所トス、夫レ斯ノ如キ危険ノ虞アルニ拘ハラス頻々此航路ヲ往来セサルヲ得サル必要ハ、蓋シ近年四日市港ノ商業日ヲ逐フテ隆盛ニ赴クトコロヨリ荷物ノ此港ニ集散スルモノ江州・濃州・尾州・飛州・越前・越後・若州・信州・伊州等ヲ最トシ、其他交通スル諸国少ナカラス、又半田港ノ如キモ駿・遠・三ノ諸州ヲ始メ各所ニ交通スルヲ以テ、有志士ハ夙ニ此地ニ灯台ノ設置ヲ唱道シテ止マサリキ、尤モ該岬ヲ去ル東方七海里ヲ距テ大山灯台アリ、西南七海里ヲ距テ菅島灯台アルヲ以テ一見出入ニ不便ナキカ如シト雖モ、天候不良ノ時ニ際シ海霧ノ為メニ神島ヲ遮断セラレ、往々航路ヲ謬ルコト之アリ、故ニ時トシテハ該海峡最寄ニ於テ船ヲ漂シ身ヲ害フコトアリ、其危険ナル筆紙ノ尽ストコロニアラス、是則伊良胡崎ニ灯台ヲ新設スルノ極テ必要ヲ感スル所以ナリ、尚其詳細ハ別紙図面ニ就テ了得アランコトヲ望ム(図面ハ之ヲ略ス)
(別紙第十二号)
 第四回内国勧業博覧会ニ参考館ヲ設ケ、之レニ出品スル外国工業機械等海関税免除ノ議ヲ其筋ヘ建議スルノ事
             提出者 京都委員 中村栄助
                 同    中野忠八
(別紙第十三号)
    朝鮮貿易ニ関スル西洋形船舶出入港銀低減ヲ希望スルノ
    意見書
      趣旨
 我赤間関港及朝鮮国間ノ貿易ニ関スル西洋形船舶ノ出入港銀ハ、我帝国臣民所有ノ船舶ニ限リ出港手数料金壱円、入港手数料金弐円ニ低減セラレン事ヲ希望ス
      理由
 虔テ案スルニ、我帝国及朝鮮国間ノ貿易ハ年ノ情況如何ニ従ヒ僅カノ衰盛ヲ免レスト雖モ、要スルニ累歳進歩発達ノ徴アルハ吾人ノ夙ニ認ムル所ニシテ、将来益其奨励ノ途ヲ講シ、彼我ノ福利ヲ増進スルハ目下ノ急務ナリトス、而シテ我赤間関港ハ実ニ朝鮮交通ノ関門ニ当リ役ト相隔ツル一葦水ノミ、幾ント内地ト一般ノ感アリテ我商
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業ノ最大成立部分ヲ形リ、其貿易ノ消長ハ直接ニ我市況ヲ撼揺スルコト尤モ著大ナリ、是ヲ以テ本港ト朝鮮国トノ貿易ノ進歩上諸般ノ障碍トナルヘキモノヲ排除スヘキハ我国家ノ利益ヲ増進スヘキ為メ詢ニ本港ノ責務ニ属スルモノト攷フ
 本港ト朝鮮国トノ貿易ハ、曩キニ明治十六年太政官第四十号布告ヲ以テ総テ他ノ外国貿易ノ手続ニ依リ日本人所有ノ船舶ノ出入及貨物ノ積卸ヲ許可セラレ日本形船舶ニ限リ出港手数料正金壱円、入港手数料正金弐円ヲ徴収セラルヽ事トナレリ、是ヲ以テ其他ノ西洋形船舶ハ我帝国臣民及外国人所有ノ如何ニ拘ハラス明治廿三年勅令第二〇三号税関規則第一条及第三条ニ依リ都テ入港手数料拾五円、出港手数料七円ヲ納メサルヲ得ス、其懸隔其レ如此甚シクシテ本港ヨリ朝鮮ヘ航行スル若クハ朝鮮ヨリ帰航スル船舶ハ縦令小額ノ貨物ト雖トモ一旦積卸ヲナストキハ直チニ一時廿弐円ヲ税関手数料トシテ徴収セラル、故ニ苟モ我帝国ノ船舶ニシテ朝鮮ニ航路ヲ有シ毎月弐拾有余回ノ航通ヲ為ス日本郵船会社及大阪商船会社ノ如キ本港ヨリ貿易貨物ノ搭載ヲ委託スルモ其貨物ノ運賃ニシテ若シ出入港銀廿弐円ヲ収メテ尚ホ余贏アルニ非サルヨリハ、決シテ其運送ヲ背セス、為メニ我商人ハ或ハ便宜他ノ貨物ノ集マルヲ量リ、適当ナル運賃ヲ仕払ヒ得ヘキ数量ニ達スルヲ竣ツテ次回ノ便船ニ託スルカ、或ハ内国通航船ニ頼リ長崎ニ迂回セシムルノ窮策ヲ執ラサルヲ得ス、又朝鮮国ヨリ本港ニ当テ送出スヘキ貨物モ若シ其額僅少ニシテ少クトモ本港ニ於テ出入港銀ヲ納入シ得ヘキ運賃ニ達セサル間ハ、同シク該地ニ於テ其積載ヲ拒ムノ已ヲ得サルニ至ル、斯ノ如キ大不便ニシテ不利益ノ非常ナルコトハ本港商人ノ痛嘆措カサル処ニシテ、為メニ商機ヲ失シ損害ヲ被ルコト著シク、或ハ貨物ノ性質ニ依リ再ヒ輸出ニ適セサルニ至ルノ難ヲ免レス、或ハ従来本港ニ頼リテ出入セシ特種ノ商品モ遂ニ其ノ形跡ヲ留メサルニ至レルモノアリ、今試ミニ最近ノ調査ニ由リ郵船会社及商船会社ノ船舶カ定期朝鮮航通ノ際本港ニ寄港セルモ貨物運賃ノ港銀廿二円ニ達セサルニ依リ、全ク積卸ヲ謝絶セルモノヲ見ルニ、郵船会社ニ於テ廿五年八月ヨリ廿六年七月ニ至ル一ケ年間入港船数百〇一ニシテ、揚荷ヲ為セルモノ僅カニ三十三、出港船数百〇二ニシテ積荷ヲ為セルモノ五十四、之ヲ通算スルニ二百〇三艘ノ出入アルニ対シ我ハ僅々其八十七艘ヲ利用シ得タルニ過キス、商船会社ノ如キニ至リテハ更ニ酷シキモノアリ、客年七月ヨリ本年六月ニ至ル一年間ニ於テ本港ヨリ朝鮮航行ノ船数四拾九ニシテ、積荷ヲ為セルモノ寥々五艘ノミ、吁噫其余ハ皆本港ニ於テ全ク貨物ノ積卸ヲ拒絶シタルモノニシテ、至竟出入港銀ノ比較的ニ多額ヲ要スルニ基因シ、敢テ委託貨物ノ皆無ナルニ非サルハ二会社ノ亦タ常ニ惜ンテ同情ヲ表セル処ナリトス、斯ノ如キ不便アルニ依リ我商人ハ安全堅牢ニシテ且ツ迅速ナル西洋形船ノ定期寄港スルモノアルモ、毎次必ス其貨物ヲ搭載セラルヽ確信ヲ有スル事能ハスシテ、朝鮮国ヨリノ輸入モ亦タ期日ノ予定ヲ得ル事難ク、終ニ忍ンテ日本形船運賃ノ低廉ナルヲ利シ、時日ノ遷延ト危険トヲ甘受シ、之レヲ輸入スル者多キニ至ル、之ニ依リテ朝鮮交通ハ日本形船ノ跋扈
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スル事特ニ甚シクシテ、或ハ窃カニ名ヲ修繕ニ仮リ新ニ五百石以上ノ船舶ヲ建造スル者アラントスルニ至ル、果シテ此ノ如クナレハ明治十八年七月布告第十六号五百石以上ノ日本形船舶製造禁止令ノ精神、或ハ貫徹セラルヽ事能ハサランカヲ恐ル、而シテ彼ノ西洋形船港銀ノ過大ナル為メニ生スル一層著シキ弊害ハ、彼我両国間ニ盛ニ行ハルヽ密航密商ニ在リトス、抑モ密貿易ノ貨物ハ概ネ日本形船舶ニ依テ転送セラルヽモノニシテ、既ニ前述ノ如ク日本形船ヲ利用スル者多々ナルニ於テハ、従テ密航密商ヲ媒介スル事倍々多キハ因ニ其所ナリ、且ツヤ其密貿易ニ従事スルモノト雖モ、全然予メ悪意ヲ有シ危険ヲ冒シ法網ヲ脱スル事ヲ謀ル者ノミニ非ス、若シ本港ニ寄港スル西洋形船ニシテ定期毎次ニ積荷ヲ為スノ保言ヲ有スルトキハ本港附近ノ貨主ハ必ス其貨物ヲ本港ニ輸送シテ迅速ニ其目的地ニ送達スルヲ得ヘシ、奚ソ自ラ苦ンテ峻厳ナル法令ニ触ルヽノ痴愚ヲ学ハンヤ、然レトモ敢テ之レヲ以テ全然西洋形船港銀ノ過重ナルニ帰スヘカラスト雖モ、大低其貨物転送《(抵)》ノ急速ヲ要スルヨリ、積荷ノ便ノ確保ナキ本港ヘ回送スルヨリハ寧ロ直チニ該国ヘ航スルノ優レルニ如カスト為シ、遂ニ法令ヲ犯ス者多キハ彼等実際ノ情状ナルヲ知レハ蓋シ思半ニ過クルモノアラン、然リ而シテ本市及朝鮮国間ノ貿易品ノ主要ナルモノヲ撿スルニ、輸入品ニ於テ獣皮・牛骨・干鰮・薬材等ノ如キ有税品ハ其額較ヤ多カラスシテ、穀物等ノ如キ無税品ハ其大部分ヲ占メ、輸出品ニ至テハ其有税ナルモノ殆ント見ル可カラスシテ食塩・石油・醤油・酒類・陶器・木材・煙草等ノ如キ無税品ノミ、之ヲ本港関税総額ニ徴スルニ廿五年度ニ於テ輸出税額五百〇八円九拾三銭壱厘、輸入税額四千四百拾弐円拾銭四厘ニシテ、合計四千九百弐拾壱円〇参銭五厘ナリ、而シテ之ニ対スル出入港銀ハ亦タ実ニ通計四千百円トナス、是レ幾ント悉ナ朝鮮貿易ニヨリ収ムル所ノ出入港銀ニシテ、関税総額ト相匹敵スルノ奇観ヲ呈セリ、凡ソ貿易品ノ関税ヲ免除スル所以ハ各無税トシテ其出入ヲ容易ニスルノ利益必要アリテナリ、然ルニ本港ノ朝鮮貿易ノ如キ幾ント無税品ノミヲ以テ成立ツ所ニ於テ、一方ニハ出入港銀ノ斯ク多額ニ上ルトスレハ之ニ頼リテ更ニ異質ノ関税ヲ課スルカ如キノ結果ヲ来シ、或ハ賦課ノ権衡其当ヲ失ハサルヤヲ疑フナリ、是ヲ以テ本会議所ノ切ニ政府ニ希望スル所ハ、本港ト朝鮮国トノ貿易ニ関シテハ西洋形船舶ト雖モ、我帝国臣民所有ノモノニ限リ日本形船舶ト同額ニ前趣旨ニ陳フルカ如ク、出入港銀ヲ低減セラルヽニ在リ、今ヤ朝鮮貿易ハ大ニ進歩ノ好望ヲ有シ、我西洋形船舶交通ノ拡張セル今日、此両形船舶間ニ其等差ヲ立ツルノ必要果シテ那辺ニカアル、況ンヤ該国トノ諸般ノ交通ハ殆ント既ニ内地ト一般ノ便宜ヲ与ヘラレタルモノアルオヤ、郵便取扱上ノ手続等ノ如キ此レ其一例ナリ、若シ夫レ之ヲシテ常ニ大額ノ貨物ヲ流転スル他ノ開港場若クハ外国船ニ適用スルモノナラシメハ、或ハ不可アラン、然レトモ本港ノ如キ絶ヘス少額ノ貨物ノ取引頻繁ナル所ニアリテハ又タ特殊ノ途其間ニ存セサルヲ得ス、本港年々百万円内外ニ達スル貿易ハ皆ナ此少額ノ貨物ヲ積算シテ得タルモノナリ、仮リニ以上ノ支障ナシトスレハ其額ノ増加更
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ニ見ルヘキモノアリシナラン、以上ノ理由アルニ依リ、幸ニシテ鄙見ノ容レラルヽアレハ、本港ノ定期寄港船ハ毎次貨物積卸ノ手続ヲ了シ、集散序ヲ紊ラス其額由テ以テ倍蓰シ、我商人モ期ヲ失ハスシテ安シテ其業務ニ従事スル事ヲ得、従ツテ朝鮮貿易ハ一層ノ進捗開発ヲ促カシ港銀ノ収入遂ニ或ハ従前ト大差ナキニ至ルヘク、而シテ之ニ随伴スル諸種ノ弊害ヲ除キ、日本形船濫用ノ危険ヲ防キ、密航密商ノ悪習ヲ矯ムル等、積極的消極的ノ利益ハ蓋シ愈較著ナラント信スルナリ
 右本会議所ノ決議ニ基キ、商業会議所条例第四条第二項ニ依リ意見開陳仕候間、御詮議ノ上御採用被下度只管奉悃願候也
  明治廿六年八月廿九日
               赤間関商業会議所
                   会頭 伊藤房次郎
    大蔵大臣 渡辺国武殿


第三回東京商業会議所事務報告 第四〇―四一頁 明治二七年四月刊(DK200035k-0016)
第20巻 p.383-384 ページ画像

第三回東京商業会議所事務報告  第四〇―四一頁 明治二七年四月刊
一商業会議所聯合会ヘ参会ノ件
 本件ハ明治二十六年六月十六日附ヲ以テ神戸商業会議所ヨリノ照会ニ起因シ、其要旨ハ同年九月神戸市ニ於テ第二回定期商業会議所聯合会ヲ開設スルニ付、本会議所ノ参会ヲ望ムト云フニ在リ、依テ同年七月五日第二十六回ノ臨時会議ニ附シタルニ前年ノ例ニ拠リ問題ニ因リ臨時参会スベシト決シタリシガ、其後九月四日附ヲ以テ同会議所ヨリ更ニ該聯合会ノ問題ヲ報告シ来リタルニ付、同月十四日第二十八回ノ臨時会議ニ附シタルニ参会員二名ヲ派出スベシト決シ、乃チ議長ノ指名ヲ以テ左ノ二君ヲ参会員ニ選挙シタリ
                   中野武営君
                   佐久間貞一君
 又右ノ臨時会議ニ於テ左ノ二件ヲ参会員ニ依託シテ商業会議所聯合会ニ提議スベシト決シ、其後参会員ハ書記長萩原源太郎氏ヲ随ヒ該聯合会ヘ参会シタリ
  一商法及民法中修正ヲ要ス可キ条項ハ各商業会議所ニ於テ之ガ調査ヲ為シ、可成通議ヲ遂ゲ、実業者輿論ノアル所ヲ貫徹スルコトヲ勉ムル事
  一各商業会議所ヨリ其筋ニ向テ商業会議所条例ノ修正案ヲ帝国議会ヘ提出セラレンコトヲ建議スル事
   ○綿糸輸出税・棉花輸入税免除問題ニ就イテハ本巻明治二十五年七月一日、同二十六年十一月二十八日、同二十七年六月二十七日、同二十八年十月二十九日ノ各条、並ニ本資料第二十二巻所収「商業会議所聯合会」明治二十八年十月二十九日ノ条及ビ同第十巻所収「大日本紡績聯合会」ノ条参照。
   ○同業組合準則改正問題ニ就イテハ本巻明治二十六年三月二十八日、同二十七年六月二十七日ノ各条、本資料第二十一巻所収「東京商業会議所」明治二十九年四月二十五日、同三十年五月七日ノ各条、並ニ第二十二巻所取「商業会議所聯合会」明治二十八年九月二十五日ノ条参照。
   ○煙草税則改正ニ就イテハ本巻明治二十八年六月二十七日ノ条参照。
   ○自家用料醤油取締ノ儀ニ就イテハ本巻明治二十八年六月二十七日ノ条参照
   ○売薬印紙税則改正ニ就イテハ本巻明治二十八年六月二十七日ノ条参照。
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   ○銀貨問題調査ノ儀ニ就イテハ本資料第二十一巻所収「東京商業会議所」明治二十九年九月十五日ノ条参照。
   ○生糸検査所設置案ニ就イテハ本巻明治二十八年六月二十七日ノ条参照。
   ○輸出税全廃案ニ就イテハ本資料第十九巻所収「東京商業会議所」明治二十四年十二月十五日ノ条、並ニ本巻明治二十六年十一月十八日、同二十七年六月二十七日ノ各条参照。
   ○商法ノ修正ニ就イテハ本資料第十九巻所収「東京商工会」明治二十三年五月二十四日、同二十三年八月十二日、同二十三年八月二十七日、同二十三年九月四日、同二十三年十二月十三日、同二十四年九月二十一日ノ各条、本巻所収「東京商業会議所」明治二十五年六月六日、同二十六年十二月二十五日、同二十七年六月二十七日、同二十七年十二月二十日、同二十八年一月十二日、並ニ第二十一巻所収「東京商業会議所」明治二十九年九月十四日、同三十年六月二十八日、同三十年十二月二十七日、同三十一年十二月二十四日、同三十二年二月十日ノ各条参照。
   ○商業会議所条例ノ修正ニ就イテハ本資料第十九巻所収「東京商工会」明治二十三年八月二十八日ノ条、並ニ第二十巻所収「東京商業会議所」明治二十五年九月十九日、同二十五年十二月十五日、同二十六年十一月十八日、同二十七年五月二十七日、同二十七年六月二十七日、同二十七年九月二十六日ノ各条、及ビ第二十三巻所収「商業会議所条例諮問会」参照。
   ○朝鮮貿易ニ関スル西洋形船舶出入港銀低減ニ就イテハ本巻明治二十七年六月七日ノ条参照。