デジタル版『渋沢栄一伝記資料』

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公開日: 2016.11.11 / 最終更新日: 2020.3.6

2編 実業界指導並ニ社会公共事業尽力時代

1部 実業・経済

7章 経済団体及ビ民間諸会
1節 商業会議所
3款 東京商業会議所
■綱文

第20巻 p.506-511(DK200052k) ページ画像

明治27年8月16日(1894年)

当会議所、英国人フランシス・エム・メリヂユーヨリノ照会ニ係ル万国往復書翰用葉書ニ付調査中ナリシガ、是日、右ハ本邦現時ノ状況ニ適応セザル旨ノ報告ヲ可決ス。栄一会頭トシテ之ニ与ル。


■資料

第三回東京商業会議所事務報告 第三三頁 明治二七年四月刊(DK200052k-0001)
第20巻 p.506-507 ページ画像

第三回東京商業会議所事務報告  第三三頁 明治二七年四月刊
一万国往復書簡用端書ノ件ニ付、仏国ブーロン、メリジユー氏ヨリ照
 - 第20巻 p.507 -ページ画像 
会ノ件
 本件ハ明治二十六年三月十八日附ヲ以テ仏国ブーロン、メリジユー氏ヨリノ照会ニ係リ、其要旨ハ同氏ノ案出ニ係ル万国往復書簡用端書ハ万国郵便聯合諸国間ノ郵便上便利ヲ与フルニ付キ、本会議所ヨリ我逓信大臣ヘ之ヲ採用セラレンコトヲ建議アリタシト云フニ在リ依テ役員会議ニ於テ審議ノ末運輸部ニ其調査ヲ附託スルコトニ決シ目下同部ニ於テ調査中ナレハ追テ其調査ノ結果ニヨリテハ更ニ会議ニ附スル見込ナリ


第四回東京商業会議所事務報告 第三四―三五頁 明治二八年四月刊(DK200052k-0002)
第20巻 p.507-508 ページ画像

第四回東京商業会議所事務報告  第三四―三五頁 明治二八年四月刊
一万国往復書簡用葉書ノ件ニ付、仏国ブーロン、メリジユー氏ヨリ照会ノ件
 本件ハ前回ニ報告シタル如ク、明治二十六年三月十八日附ヲ以テ仏国ブーロン、メリジユー氏ヨリノ照会ニ係リ、兼テ運輸部ニ於テ調査中ノ処、其後同部ニ於テ調査ノ末其報告書ヲ提出シタルニ付、之ヲ明治二十七年八月十六日第三十七回ノ臨時会議ニ附シタルニ全会異議ナク之ヲ承認シタリ、右報告書ノ全文ハ左ノ如シ
    万国往復書簡用葉書ノ儀ニ付、在仏国ブーロン、サルマー英国人フランシス、ヱム、メリヂユー氏ヨリ照会ノ件
  嘗テ第三回東京商業会議所事務報告ヲ以テ報告シタルガ如ク、昨年中在仏国ブーロン、サルマー、英国人フランシス、ヱム、メリヂユー氏ヨリ、兼テ同氏ノ案出ニ係ル万国往復書簡用葉書ハ万国郵便聯合諸国間ノ郵便上便利ヲ与フルモノニ付、本会議所ヨリ我逓信大臣ヘ之カ採用方ヲ建議アリ度旨照会アリ、依テ其後役員会議ノ審議ヲ経テ其調査ヲ運輸部ニ附託シタルニ、今般同部ヨリ別紙ノ通リ調査報告アリ、其結果ニ拠ルトキハ右往復書簡用葉書ノ制度ハ本邦現時ノ状況ニ適応セサルモノト信スルニ付、役員会議ニ於テハ本件ハ会議ニ附スルヲ要セスト議決セリ、此段議事細則第二十三条ニ依リ別紙ヲ添ヘ報告候也
     明治二十七年七月一日
            東京商業会議所会頭 渋沢栄一
  嘗テ英国人フランシス、ヱム、メリヂユー氏ヨリ本会議所ヘ照会ニ係ル往復書簡用葉書ニ関スル件、本部ヘ附託セラレタルニ付、爾来本部ニ於テハ篤ト遂調査候処、右往復書簡用葉書ノ制度ハ要スルニ本邦現時ノ状況ニ適応セサルモノト議決仕候、此段別紙理由書ヲ添ヘ及御報告候也
    明治二十七年五月廿四日
                 運輸部長 中野武営
      東京商業会議所会頭 渋沢栄一殿
  (別紙)
  万国郵便条約ニ拠レハ、従来締盟諸国ノ間ニ発着スル万国郵便物ハ止ダ信書・郵便葉書(通常往復)・印刷物・商業用書類及商品見本ノ五種ニシテ、其他ニ在リテハ一切之ヲ交換シ得サルノ規定ナリ故ニ此往復書簡用葉書ノ如キ之ヲシテ前記郵便物ト均シク万国間
 - 第20巻 p.508 -ページ画像 
ニ共通セシメントスルニハ、先ツ相当ノ手続ニヨリテ万国郵便会議ニ提案ノ上其協賛ヲ得テ、現行ノ万国郵便条約ヲ改正スルノ後ニアラサレハ之ヲ実施スルヲ得ズ、蓋シ此往復書簡用葉書ノ制度ノ如キハ締盟諸国ノ財務上ニ重大ノ関係ヲ有シ、且ツ現行ノ万国郵便条約第十一条第一項「郵便物ノ何種類ヲ問ハス郵便税ノ前払ハ必ス其差立国ニ於テ効力ヲ有スル郵便切手ヲ以テスベシ、但シ返信葉書ニシテ其発行国ノ郵便切手ヲ有スルモノハ均シク正当ニ前払セシモノト見做スベシ」ニ規定セル郵便切手効力上ノ原則ニ背戻スル一種ノ特例ヲ設クルモノナレハ、仮令之ヲ万国郵便会議ニ提案スベシトスルモ同会議ニ於テハ果シテ之ヲ可決スヘキヤ否ヤ是大ニ疑ノ存スル所ナリ
  今仮ニ万国郵便会議ニ於テ之ヲ可決スルモノトシテ、其本邦ニ及ホスヘキ利害如何ヲ観察スルニ、元来此往復書簡用葉書ノ如キ本邦ニ於テハ其需用極メテ僅少ニシテ、若シ此制度ヲ実施スルニ於テハ之カ為メ国庫ノ収入上ニ損スル所少カラサルヘシト信ス、蓋シ本邦ハ欧米諸国ト遠隔セル絶東ノ地方ニ位スルヲ以テ、彼我相互ノ間ニ於ケル郵便上ノ交通ハ日常些末ノ事柄ニ就キ、我ヨリ彼ニ向テ返信ヲ求ムルノ必要甚タ少ク、随テ此往復書簡用葉書ノ如キ紙面ノ区域狭小ナルモノハ未タ充分其需用ヲ発達セシムルノ時機ニ達セサルヘシ、今試ミニ明治二十五年中本邦ニ於ケル万国郵便葉書・同郵便信書等ノ発着数ヲ見ルニ左ノ如シ
                          通
    万国郵便葉書  通常       八五、七〇〇
               往復       四二九
    同       信書    一、二一〇、〇六六
  夫レ郵便往復葉書ノ如キ、簡便ニシテ而カモ郵便税ノ低度ナルニモ拘ハラス其発着数極メテ僅少ナルコト前掲ノ如クニシテ、之ヲ通常郵便葉書若クハ郵便信書ノ発着数ニ比スレハ実ニ九牛ノ一毛タルニ過キス、況ンヤ此往復書簡用葉書ノ如キハ其紙面ノ区域狭小ナルコト往復葉書ト大差ナク、而カモ其郵便税ハ之ニ比シテ大ニ高度ニ在ルニ於テオヤ、其実際ノ需用極メテ僅少ナルヘキハ敢テ疑ヲ要セサル所ナリ、夫レ本邦ニ於テモ此種葉書ノ需用僅少ナルコト斯ノ如シ、然ルニ若シ此制度カ万国郵便条約ノ改正ニヨリテ実施セラルヽニ至ラハ締盟諸国中其需用ノ多少ニヨリテ彼此ノ間ニ著シキ不権衡ヲ生シ、例ヘハ其需用ノ多キ国ハ常ニ働方ニ立ツヲ以テ国庫ノ収入上ニ利益ヲ受クヘシト雖トモ、之ニ反シテ本邦ノ如キ其需用ノ少キ国ハ常ニ受方ニ立ツヲ以テ之カ為メ国庫ノ収入上ニ損スル所少カラス、其結果ハ只郵務上ノ手数ニ繁雑ヲ加フルニ過キサルヘシ、由是観之、此往復書簡用葉書ノ制度ハ要スルニ本邦現時ノ状況ニ適応セサルモノト信スルナリ



〔参考〕東京商業会議所月報 第一四号・第五―七頁 明治二六年一〇月 【○参照第三号 九月五日役員会議ノ…】(DK200052k-0003)
第20巻 p.508-511 ページ画像

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