デジタル版『渋沢栄一伝記資料』

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公開日: 2016.11.11 / 最終更新日: 2020.3.6

2編 実業界指導並ニ社会公共事業尽力時代

1部 実業・経済

7章 経済団体及ビ民間諸会
1節 商業会議所
3款 東京商業会議所
■綱文

第21巻 p.172-173(DK210017k) ページ画像

明治29年9月14日(1896年)

是日栄一当会議所会頭トシテ、会社合併ニ関スル法律制定ヲ希望スル旨、大蔵大臣子爵渡辺国武・農商務大臣子爵榎本武揚・逓信大臣白根専一ニ建議ス。


■資料

第六回東京商業会議所事務報告 第七―八頁 明治三〇年四月刊(DK210017k-0001)
第21巻 p.172-173 ページ画像

第六回東京商業会議所事務報告  第七―八頁 明治三〇年四月刊
一会社合併ニ関スル法律制定ノ義ニ付農商務・逓信・大蔵三大臣ヘ建議ノ件
 本件ハ会員中野武営君ノ提出ニ係リ、其要旨ハ、商法中会社合併ニ関スル手続不備ナル為メ実際ノ不便尠カラサルニ付、右ニ関スル法律制定ノ義ヲ農商務・逓信・大蔵三大臣ヘ建議スヘシト云フニ在リ仍テ之ヲ明治二十九年九月十二日第五十四回ノ臨時会議ニ附シ其可決ヲ得、同月十四日附ヲ以テ左ノ如ク三大臣ヘ建議セリ
    会社合併ニ関スル法律制定ノ建議
謹テ案スルニ、事業ノ振興ニ伴フテ諸種ノ会社ノ設立サルヽモノ日ニ其多キヲ加フルハ我カ国現時ノ状況ナリ、而シテ此等多クノ会社中ニハ、営業上ノ必要ヨリ若クハ其他ノ事情ヨリ合併ヲ企ツルモノ少カラスト雖トモ、現行法中会社合併ニ関スル規定ナキカ為メ、甲会社ノ乙会社ト合併セントスルニ当テハ、已ムヲ得ス一旦会社ヲ解散シ、商法ノ示ス所ニ従ヒ清算其他ノ手続ヲ為シ、以テ第三者ニ対スル関係ヲ終了セサルヘカラサルカ故ニ、眼前合併ノ必要ニシテ且ツ有利ナルヲ認ムルモノモ之レカ断行ニ蹰躇スルハ比々皆然リ、蓋シ解散ノ一事ハ独リ会社ノ面目ニ於テ甚タ忌ムヘキモノアルノミナラス、清算中ハ一時事業ノ進行ヲ停止セサルヲ得サルカ故ニ、各種会社ノ之レカ為メニ感スル不便少シトセス、特ニ鉄道会社ノ如キニ至テハ単ニ当該会社ノ不便ヲ感スルニ止マラス、運輸交通ノ杜絶ニ因テ生スル公私ノ損害ハ殆ント測ルヘカラサル者アリ、是其合併ノ希望ヲ達スルニ於テ難ンスル所以ナリ、顧フニ会社ノ合併ハ実際ニ於テ毫モ之ヲ阻止スルノ必要ナク、経済上ヨリ云ヘハ寧ロ却テ喜フヘキノ場合多カラン、然ルニ法律ノ規定ナキ為メ、之ヲ阻止スルト同一ノ結果ヲ見ルコト以上述フル所ノ如クンハ、実業ノ発達ヲ障害スル豈ニ尠少ナリトセンヤ、閣下幸ニ此ニ垂鑑セラレ、速ニ会社合併ニ関スル法律ノ制定ヲ講セラレンコト本会議所ノ切ニ希望スル所ナリ、若夫此規定ヲ商法中ニ追加セラルヽト、単行法ヲ設ケラルヽトハ二者其何レニ依ラルヽモ不可ナキヲ信スルナリ
右本会議所ノ決議ニ依リ建議仕候也
  明治二十九年九月十四日
            東京商業会議所会頭 渋沢栄一
    大蔵大臣  子爵 渡辺国武殿
    農商務大臣 子爵 榎本武揚殿 (各通)
    逓信大臣     白根専一殿
 - 第21巻 p.173 -ページ画像 
   ○明治三十年五月七日ヨリ同月十日マデ広島商業会議所ニ於テ開催セル第六回商業会議所聯合会ニ於テ、博多商業会議所ヨリ商事会社合併法ヲ制定スルノ必要ナル旨建案サレ可決セラレタリ。此議決ニ基キ同三十年六月二十八日、栄一当会議所会頭トシテ同趣旨ノ建議文ヲ其筋ニ提出セリ。同日ノ条参照。